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「障害のあるなしにかかわらず、ともに暮らしやすい佐賀県をつくる条例」が制定されました

最終更新日:
 

「障害のあるなしにかかわらず、ともに暮らしやすい佐賀県をつくる条例」を制定しました

 この条例は、県や事業者が障害を理由とする差別の解消に努めることはもちろん、人が人を大切にすることが、誰もがともに暮らしやすい地域社会につながっていくという想いを県民皆で共有し行動につなげようとするものです。策定にあたっては、障害者福祉関係の団体及び自治会、消防団といった地域コミュニティなど多くの方々の意見を伺い、プロセスを大切にしてきました。
 条例の特色は、読みやすく分かりやすい言葉で表現したこと、県民や地域コミュニティがそれぞれの立場でできる取組を具体的に示したことです。
 
例えば、県民には、
  • 困っていたり、支援を必要としている障害のある人に気づいたときは、手伝えることがないかなど、声かけをすること
  • 災害が発生したとき、障害のある人を円滑に支援できるよう、日頃からあいさつや声かけなどをすること

を促しているほか、地域コミュニティには、

  • 地域行事は、障害のあるなしにかかわらず、誰もが参加しやすいものにすること

などを呼びかけています。

 また、障害のある人やその家族、支援者には、日々の生活における不便さや困難さを遠慮なく周りに伝えてください、という想いを込めています。


 なお、民間事業者にも合理的配慮の提供が義務化されたことに伴い、令和5年10月5日に条例を一部改正しました。以下、改正後の条例全文です。

 改正条例は令和6年4月1日に施行されます。

 

「障害のあるなしにかかわらず、ともに暮らしやすい佐賀県をつくる条例」全文

   障害のあるなしにかかわらず、ともに暮らしやすい佐賀県をつくる条例

 

 人にはみな違いがあり、世界で一つのその人らしさがある。みなが互いにその人らしさを認め合い、交流し、支え合うことで、それぞれの個性や能力を発揮しながら、私たちの社会をよりよいものにしていくことができる。

 障害のある人の想いに寄り添い、日常生活や社会生活の不便さや困難さに気づき、その解消に努めることは、障害のある人の社会参加のみならず、誰もが暮らしやすい地域社会づくりにつながっていく。

 そうした考えが広まっていなかった明治維新期、様々な分野での偉人を輩出した佐賀藩に生まれた石井亮一は、日本の障害者福祉に先駆的に取り組み、「知的障害者教育・福祉の父」としてその生涯を捧げた。

 明治維新から150年を経た今も、本県では郷土の先人たちの想いが脈々と受け継がれており、住民自治や祭りなどを通し、ご近所づきあい、助け合いといった、人のつながりを大切にする温かい地域のコミュニティも生きている。

 本県は今、そうした地域の歴史や(きずな)の強さを活かし、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を目指している。人が人を大切にする、そのことが、障害のあるなしにかかわらず、ともに暮らしやすい地域社会をつくることにつながっていく。

 そのために、県民一人一人が、あるいは地域コミュニティが、そして障害のある人自身が、それぞれの立場で、どのように取り組んでいけばいいのか、その取組の羅針盤とすべく、この条例を制定する。

 (目的)

第1条 この条例は、障害を理由とする差別の解消を進めるための基本理念を定め、県民の役割を明らかにすることなどにより、障害を理由とする差別の解消を進め、もって障害のあるなしにかかわらず、ともに暮らしやすい佐賀県の実現に貢献することを目的とする。

 (定義)

第2条 この条例において、次の用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。

 (1) 障害のある人 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)、難病による障害などの心身の機能の障害(以下「障害」という。)がある人で、障害または社会的障壁により、継続的に日常生活や社会生活に相当な制限を受ける状態にある人をいう。

 (2) 地域コミュニティ 自治会、婦人会、消防団、老人クラブ、子どもクラブ、まちづくり団体などの地域住民同士のつながりを担う集団、組織などをいう。

 (3) 社会的障壁 障害のある人にとって日常生活や社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。

 (4) 障害を理由とする差別 障害のある人に対して、正当な理由なく障害を理由とする不利益な取扱いをすることなどをいう。

2 事業者や県が、その事務や事業を行うにあたり、障害のある人から社会的障壁を除去するために何らかの対応を必要としているとの意思の表明があっ      

 た場合やその家族、支援者などから本人に代わってその意思の表明があった場合に、その実施に伴う負担が過重でないとき、必要かつ合理的な配慮の提

 供を行わないことは、前項第4号の障害を理由とする差別にあたるものとする。

 (基本理念)

第3条 障害を理由とする差別の解消は、次のことを基本として行われなければならない。

 (1) 全ての県民が、互いにその人らしさを認め合い、交流し、支え合うこと。

 (2) 全ての県民が、地域社会の誰もが地域活動などに参加しやすい環境をつくること。

 (3) 全ての県民が、それぞれの立場でできる配慮や支援をすること。

 (県民の役割)

第4条 県民は、支援を必要としている障害のある人に対し、次のようなそれぞれの立場でできる配慮や支援に努めるものとする。

 (1) 困っていたり、支援を必要としている障害のある人に気づいたときは、手伝えることがないかなど、声かけをすること。

 (2) 災害が発生したとき、障害のある人を円滑に支援できるよう、日頃からあいさつや声かけなどをすること。

 (3) 言葉だけでなく、絵、写真、筆談、手話、点字など障害に応じたコミュニケーションの方法を用いて、分かりやすく伝えること。

 (4) 車椅子や杖を使用している人、盲導犬を連れている人などには、道を譲るなど、通行しやすくすること。

 (5) 障害のある人の専用駐車場や点字ブロック、手すりなどの設備は、利用しやすくしておくこと。

 (6) 職場では、障害のある従業員や同僚の持つ特性を知り、それぞれの特性に応じた仕事のやり方を支援するなど、働く環境を整えること。

 (地域コミュニティの役割)

第5条 地域コミュニティは、地域で生活する障害のある人に対し、次のようなそれぞれの立場でできる配慮や支援に努めるものとする。

 (1) 日頃から障害のある人の状況を確認し、災害情報の伝達などの支援の方法を検討しておくこと。

 (2) 地域行事は、障害のあるなしにかかわらず、誰もが参加しやすいものにすること。

 (3) 障害に応じた方法で地域の情報を提供し、相談や交流を通じて、地域で暮らしやすい環境をつくること。

 (4) 地域内に障害のある人の通行や安全を妨げるものがあるときは、その管理者へ連絡するなど、その除去に協力すること。

 (事業者の役割)

第6条 事業者は、その事業を行うにあたり、障害を理由とする不当な差別的取扱いをすることにより、障害のある人の権利利益を侵害してはならない。

2 事業者は、障害のある人から社会的障壁を除去するために何らかの対応を必要としているとの意思の表明があった場合やその家族、支援者などから本人に代わってその意思の表明があった場合に、その実施に伴う負担が過重でないとき、障害のある人の性別や年齢、障害の状態に応じて、障害のない人と分け隔てなく設備やサービスなどを利用できるよう、障害のある人との相互理解を深め、必要かつ合理的な配慮の提供を行わなければならない。

 (障害のある人からの意思の表明とその対応)

第7条 障害のある人やその家族、支援者などは、次のようなときには配慮や支援が必要なことを周りの人や地域コミュニティに遠慮なく伝

えることができる。

 (1) 災害時に必要な配慮や支援について、あらかじめ伝えておくべきことがあるとき。

 (2) 言葉だけでは情報を得られないこと、自分の意思を伝えにくいことなどのため、情報の入手やコミュニケーションについての配慮や

支援が必要なとき。

 (3) 段差や障害物などにより、一人で移動することが困難な場合など、移動にあたって配慮や支援が必要なとき。

 (4) 働くにあたって、障害に応じた配慮や支援が必要なとき。

2 前項の配慮や支援が必要であることを伝えられたものは、それぞれの立場でできる配慮や支援に努めるものとする。

 (配慮や支援)

第8条 この条例における配慮や支援は、それぞれの場合に応じ、適正で合理的なものとして行われなければならない。

 (県の責務)

第9条 県は、その事務や事業を行うにあたり、障害を理由とする不当な差別的取扱いをすることにより、障害のある人の権利利益を侵害してはならない。

2 県は、障害のある人から社会的障壁を除去するために何らかの対応を必要としているとの意思の表明があった場合やその家族、支援者などから本人に代わってその意思の表明があった場合に、その実施に伴う負担が過重でないとき、障害のある人の性別や年齢、障害の状態に応じて、障害のない人と分け隔てなく設備やサービスなどを利用できるよう、障害のある人との相互理解を深め、必要かつ合理的な配慮の提供を行わなければならない。

3 県は、第3条の基本理念にのっとり、障害を理由とする差別を解消するために必要な取組を行うものとする。

4 県は、前項の取組を行うときは、障害のある人やその家族、支援者、事業者などの関係者から意見を聞き、その取組に反映するよう努めるものとす

 る。

 (相談や紛争の防止などのための体制の整備)

第10条 県は、障害のある人やその家族、支援者、事業者などの関係者からの相談に的確に応ずるとともに、障害を理由とする差別に関する紛争の防止や解決を図ることができるよう人材の育成や確保のための措置その他の必要な体制の整備を図るものとする。

 (佐賀県障害者月間)

第11条 県は、第3条に定める基本理念に関する県民の関心や理解を深めるとともに、障害のある人の社会、経済、文化その他あらゆる分野

の活動への参加を進めるため、佐賀県障害者月間を設ける。

2 佐賀県障害者月間は、11月15日から12月14日までとする。

3 県は、障害のある人の支援団体などと連携し、佐賀県障害者月間の趣旨にふさわしい取組を行うものとする。

 (市町との連携)

第12条 県は、市町と連携し、障害を理由とする差別の解消の推進に関する取組を行うよう努めるものとする。

2 県は、市町が障害を理由とする差別の解消の推進に関する取組を行おうとするときは、情報の提供など必要な支援を行うものとする。

 (財政上の措置)

第13条 県は、障害を理由とする差別の解消に関する取組を進めるため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

   附則

 (施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

 (検討)

2 この条例の規定については、この条例の施行後5年を目途として、この条例の施行の状況について検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。
 

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