
海外クリエイターが佐賀県内に滞在し、
佐賀のものづくりに惹かれて県内でリサーチ・創作活動中です
佐賀県では、オランダとのクリエイティブ分野の連携の一環で、オランダをはじめとした世界のクリエイターが有田町に滞在し交流・創作活動を行う「Creative Residency Arita」を実施しており、今年度で11年目を迎えています。
この事業から派生し、焼物にとどまらず、佐賀県が誇る多様な工芸やものづくりに焦点を当てるとともに、活動の舞台を県内全域へと広げた
「CreativeResidencySaga」を佐賀県とSAGA COLLECTIVE協同組合が連携して令和8年1月から3月まで実施検証しました。
その結果、参加した産地事業者からは、海外クリエイターとの協働を通じて新たな発想や刺激を得ることができ、創造性の向上や従業員のモチベーション向上など、産地の活性化につながったとの評価が寄せられました。令和8年6月に参画事業者がオランダに渡航し、海外クリエイターやオランダ財団との親交を深め、人的ネットワークの構築も進んでいます。
こうした成果を踏まえ、本年度から事業を本格実施しています。現在は、海外クリエイター2名が参加し、諸富家具や名尾手すき和紙をはじめとする佐賀県内のものづくりの現場に触れながら、リサーチ及び創作活動に取り組んでいます。
1. 滞在中の海外クリエイターについて
◇ フェミー・オッテン|Femmy Otten
アムステルダム生まれ、現在はオランダ・デン・ハーグを拠点に活動するフェミー・オッテンは、彫刻、絵画、
ドローイングなどを通して、身体や人間の存在を探求しています。なかでも木彫に長く取り組み、手仕事や素材との
身体的な関わりを重視してきました。今回の滞在では、佐賀の木工や和紙などの伝統的なものづくりに触れ、地域の
作り手との交流を通して技術や知識を学びながら、工芸と現代美術、伝統と自身の表現が交わる可能性を探ります
◇ ロサナ・エスコバー|Rosana Escobar
コロンビア出身のアーティスト/デザイナー、
ロサナ・エスコバーは、植物由来の繊維を用い、彫刻やテキスタイルなど、素材の特性を生かした作品を制作しています。今回の滞在では、名尾手すき和紙の素材や製造工程をリサーチしながら、和紙を「テキスタイル」として捉え、
紡ぐ、編む、織るといった手法を通して、紙がもつ新たな可能性を探ります。
2. 活動計画
概要:海外クリエイター2組による佐賀広域のモノづくり事業者視察・リサーチ・創作活動の実施
日程:9月15日(火曜日)~12月15日(火曜日)
場所:佐賀県内(佐賀市内を中心)
【活動概要・日程】
(1)
1か月目
場所:佐賀県内各地モノづくり事業者
内容:佐賀のモノづくり事業者視察・リサーチ
(2)
2か月目
場所:諸富家具産地、名尾手すき和紙 他
内容:リサーチ集約・作品制作
(3)
3か月目
場所:佐賀市内(後日発表)
内容:作品制作・成果発表会
現在、レグナテック、名尾手すき和紙、吉島伸一鍋島緞通を中心に事業者を繰り返し訪問し、意見交換やサンプル制作を進めています。
フェミー氏はレグナテックにて、家具職人の指導を受けながら、佐賀県産の楠を使用した椅子に自らの手で彫刻を施しています。ロサナ氏は
名尾手すき和紙にて、スタッフと共に原材料の梶の栽培から、原料処理、紙漉きの一連のプロセスを丁寧に観察、体験し、梶の木そのものの
ポテンシャルをどう引き出すか、探究を進めています。
両氏とも、佐賀市内に生活拠点を設け、その土地の人々の営みや時間の流れに身を任せ、自身の身体に染み込ませるように、佐賀での暮らしを
満喫しています。

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| 白石町の妻山神社で地元の人たちとしめ縄作りをしている様子 (ロサナ氏) | レグナテックにて椅子づくりに励んでいる様子 (フェミー氏) |

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| 名尾手すき和紙にて原料の梶の木から和紙作りをしている様子 (フェミー氏) | 名尾手すき和紙にて原料の梶の木から和紙作りをしている様子 (ロサナ氏) |
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※海外クリエイター2名は常に県内でのリサーチや試作など意欲的に県内を巡っています。海外クリエイターのリサーチ・創作の模様や地域のものづくり体験・交流の様子など、取材は随時受け付けています。事前にお問い合わせいただければ取材日の調整をさせていただきますので、詳細は県国際政策グループにお尋ねください。
◇ SAGA COLLECTIVE協同組合
サガコレクティブは佐賀県の伝統的な地域企業11社のグループ。地域資源の「循環と継承」をテーマに、2021年の設立以来、産業の枠を超えて議論を続け、「地域の環境と将来の産業を守ること」をビジョンに掲げ、活動している。
嬉野茶、有田焼、鍋島緞通、名尾手すき和紙、神埼そうめん、諸富家具といった会員企業、それぞれの産業が数世紀、数世代の歴史を持つ。異業種が連携して次の100年の持続可能性を高めるしくみを模索している。
海外クリエイターの受入にあたって、組合会員事業者及びそれ以外の幅広い事業者を含む視察等の事業調整業務を担う。
◇ 合同会社 Studio the Future Japan
Studio The Future (スタジオ・ザ・フューチャー)は クララ・ファン・ドゥイケレンと、ヴィンセント・スキッパーによって 2013 年に設立された、アーティストユニットであり、デザインスタジオでもある、出版社。アムステルダムを拠点としつつ日本法人Studio the Future Japan を立ち上げ、国内でも多数のプロジェクトを手掛けている。令和 6 年度及び 7 年度に「Creative Residency Arita」のディレクション業務を受託し、海外クリエイターと有田焼産地事業者を有機的に結び付ける取組を実践。県内広域での本事業においては、プログラム終了後の国内外での多様な展開を見据え、文化機関との連携、プロダクト開発、アートディレクションを担当する。
<参考1>昨年度の実績について
1. 参加クリエイター

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万博でもコラボした建築家・デザイナー スタジオアクテ
(左)ファニ・ボルデス氏
(右)エステル・バリオル氏 | 世界で活躍し初来日するアーティスト
ウェズ・メイプス氏 |
2.
活動の様子
13件におよぶ現地訪問を通じて、SAGA
COLLECTIVEの協力のもと、多様な生産者・職人との
ネットワークおよび協力体制を構築しました。
ウェズ・メイプス氏はリサーチをもとにドミノゲームおよびアート作品の制作プランを構想し、
スタジオアクテは廃材木材を用いた家具のプロトタイプを制作しました。
最終発表では、展示・交流会を佐賀銀行旧呉服町店および旧中原陶器店で行い、1日あたり40〜50名の来場者が訪れ、海苔網や丸太、醤油粕などの廃材を活かした作品、未活用の建築物を活かした展示は好評を博しました。

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ウェズ・メイプス氏の作品
| スタジオアクテの作品 |
<参考2>Creative Residency Aritaについて
佐賀県では、平成28年に駐日オランダ王国大使館と「クリエイティブ連携・交流協定」を締結し、クリエイティブ分野を中心に、文化・スポーツ等
幅広い連携・交流を推進しています。特に、オランダを中心とした世界のクリエイターが有田町に滞在して、地元の人々と交流し、伝統や文化を
感じながら創作活動を行う「CreativeResidencyArita」を2016年から実施しており、今年で11年目を迎えています。

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| | 令和8年度1期クリエイター活動の様子(リンケ氏) | 令和8年度1期クリエイター活動の様子(エリザ氏) |
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