史跡指定100周年記念企画展
「名護屋城阯竝陣阯」を開催します
「名護屋城阯竝陣阯」-この名称で名護屋城跡と10カ所の大名陣跡が史跡に指定されたのは、大正15年(1926)のことです。この指定が現在に続く、発掘調査・保存整備・活用の端緒となりました。昭和30年(1955)には「特別史跡 名護屋城跡並陣跡」となり、昭和51年(1976)には佐賀県による保存整備事業がスタートし、令和8年(2026)は史跡指定から100年、保存整備事業開始から50年にあたります。本館ではこれを記念し、史跡指定100周年企画展「名護屋城阯竝陣阯」を開催します。
文禄・慶長の役の際の出兵拠点として豊臣秀吉が築いた名護屋城は、当時日本で最大の大坂城に次ぐ規模を誇る「天下人」秀吉の城としてふさわしい城でした。名護屋城の周辺には各地から集まった諸大名の陣が築かれ、山々に陣がひしめく様子は、当時の武士の手紙に「野も山もあく所なく候」と記されています。
史跡指定100年を記念して開催する本展覧会では、古文書や絵図などの資料から名護屋城や大名陣の築城や構造に迫ります。中でも「肥前名護屋城図屛風(群馬本)」は16年ぶりの出品となり、展覧会後期では名護屋城博物館所蔵の「肥前名護屋城図屛風」とそろって展示します。二つの屏風を並べて展示することで、描かれている人や動物、建物の違いといった、同じ構図の二つの屏風の違いをご覧いただけます。また、大正時代の史跡指定に係る調査資料といった近代資料も紹介し、史跡指定までの軌跡を追います。本展覧会が「特別史跡
名護屋城跡並陣跡」の本質的価値を再認識する機会となれば幸いです。
1 展覧会名 史跡指定100周年記念企画展「名護屋城阯竝陣阯」
2 会 期 令和8年(2026年)10月9日(金曜日)~11月29日(日曜日)
〔52日間〕※月曜日休館、ただし月曜日が祝休日の場合は翌平日
3 会 場 佐賀県立名護屋城博物館 2階 企画展示室
4 主 催 佐賀県立名護屋城博物館
5 観 覧 料 無料
6 出品点数 31件95点(国宝1件2点、重要文化財1件2点、佐賀県重要文化財2件2点を含む)
7 展示構成
|
コーナー |
主な展示資料 |
|
大正の史跡指定から100年 |
パネル展示 |
|
序
文禄・慶長の役と肥前名護屋
-「天下一御陳所」 |
・「豊前覚書」(九州大学附属図書館蔵) |
|
(1) 肥前名護屋城
-「名護屋之御要害天守以下聚楽ニ劣ルコトナシ」 |
・「舊記雑録:後編 二六」(重要文化財/東京大学史料編纂所蔵)※前期展示
・「名護屋城縄張図」(神戸大学大学院人文学研究科蔵)
・「浅野長吉書状」(佐賀県重要文化財/佐賀県立図書館蔵) |
|
(2) 肥前名護屋の諸大名陣
-「名護屋ニ陣を固可在之候」 |
・「大和田近江日記」(一般社団法人千秋文庫蔵)
・「肥前名護屋城図屏風(群馬本)」(個人蔵)
・「肥前名護屋城並陣図」(佐賀県立名護屋城博物館蔵) |
|
(3) 古城から史跡へ
-「濠渠、石塁、磴道等、尚遺存シ其ノ雄大ナル」 |
・「壬申測量日記」(国宝/伊能忠敬記念館蔵)
・〔巡見記録〕(唐津市蔵)
・「柴田常恵野帳資料(No.61)」(國學院大學博物館蔵) |
|
これからの百年に向けて |
・「黒田長政陣跡出土 壺片」(佐賀県立名護屋城博物館蔵) |
会期の途中で展示替えを行います。
【前期展示】10月9日(金曜日)~11月1日(日曜日)
【後期展示】11月3日(火曜日・祝日)~11月29日(日曜日)
8 会期中に当館で行うイベント
(1)史跡指定100周年記念企画展
名護屋城阯竝陣阯 開催記念講演
「史蹟指定百年・特別史跡 名護屋城跡と陣跡の価値」講師:服部英雄氏(九州大学名誉教授)
日時:10月11日(日曜日)13時30分~15時
場所:名護屋城博物館1階ホール
料金:無料(事前申込み不要)
(2)なごや歴史講座「名護屋城二ノ丸・三ノ丸の発掘調査について」講師:末光博史(名護屋城博物館学芸員)
日時:10月18日(日曜日)13時30分~15時
場所:名護屋城博物館1階ホール
料金:無料(事前申込み不要)
(3)草庵茶室体験プログラム
日時:11月7日(土曜日)
10時30分/11時/11時30分/12時/14時/14時30分/15時 各回20分
場所:名護屋城博物館
料金:1名につき2,000円
(4)第6回名護屋城大茶会
日時:11月22日(日曜日)
場所:名護屋城跡・前田利家陣跡・茶苑海月・名護屋城博物館
料金:イベントにより有料のものあり
(5)学芸員による展示解説
日時:10月11日(日曜日)/10月18日(日曜日)/11月3日(火曜日・祝日)
各回15時より15分程度
場所:名護屋城博物館2階企画展示室
料金:無料
9 主な展示資料

肥前名護屋城図屏風(群馬本)(個人蔵)
旧伊勢崎藩主酒井家に伝わったとされる「肥前名護屋城図屏風」。「唐津城図屏風」と対になっています。下絵もしくは写とみられる名護屋城博物館所蔵本とは異なり完成された屏風絵で、施された金雲もきらびやかです。描かれている構図や年代は名護屋城博物館所蔵本と同様ながら、図中には大名陣の陣主名が記されるといった、名護屋城博物館所蔵本には無い特徴もあります。

壬申測量日記
(国宝/伊能忠敬記念館蔵)
全国を測量した伊能忠敬が、文化9年(1812)に唐津・東松浦半島の測量を行った際の記録。名古屋村では名護屋城跡に置かれた遠見番所から測量を行っています。忠敬は調査に関することだけでなく、測量場所付近の名所・旧跡も記録しており、測量場所付近の大名陣跡も書き留めています。

舊記雑録:後編
二六
(重要文化財/東京大学史料編纂所蔵)※前期展示
天正18年(1590)から同19年にかけての島津義久・義弘・久保の動向に関する資料などを収載しており、名護屋城普請において島津家が担当した石垣についての記述もあります。

黒田長政陣跡出土
壺片
(佐賀県立名護屋城博物館蔵)
黒田長政陣跡主郭部の中央に位置する耕作された土層から出土したもの。唐草文と緑釉が特徴的で、16世紀後半に作成された華南三彩の壺の一部とみられます。