昭和54年3月31日指定
佐賀県杵島郡白石町福富3451(白石町教育委員会)
考古資料
龍王崎古墳群は、杵島山系の東南端、有明海に向かって突き出た尾根上に立地する。昭和42年に円墳6基の発掘調査が実施され、豊富な副葬品が出土した。
主な出土遺物としては、胡禄(ころく)金具・垂飾付耳飾・鏡・鈴・釧(くしろ)・三輪玉・耳環・勾玉・切子玉・管玉・小玉・挂甲・直刀・鉄鉾・鉄鏃・刀子・鉄斧・刀装具・須恵器・土師器がある。
特に注目されるのは金銅製品で、そのうち胡禄(矢筒)金具は2個ある。いずれも本体筒部の上端あるいは下端に取り付けられていたものと思われ、一つは山形文を、他は八つの波花文をもつ。他に金銅製品としては釧・三輪玉・鈴・鋲留金具があり、いずれも丁寧なつくりである。また金線巻きの銀環や金製装飾付耳飾の残欠も技術の高さを物語っている。
総じて本古墳群の出土遺物は金銅製品を多種多様に含む優れた装飾品に特色がある。またそれらに共通してみられる大陸系文化は5~6世紀頃の杵島地方を考える上で重要な資料である。