令和5年11月14日 健康福祉部障害福祉課 担当者 江島、黒田 内線 1574 直通 0952-25-7401 【E-mail】shougaifukushi@pref.saga.lg.jp |
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づき指定障害福祉サービス事業者に対し行政処分を行いました
本日(11月14日)、佐賀県は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号。以下「障害者総合支援法」という。)第50条第1項の規定に基づき、下記のとおり行政処分(指定の一部効力停止)を行いました。
記
1 事業者の名称等
名称 株式会社MLS
代表者 代表取締役 北村孔一
所在地 福岡県大川市大字向島1370番地3
2 事業所名等
事業所名 グループホームかがやき嘉瀬
所在地 佐賀市嘉瀬町大字十五1444番地1
サービス種別 共同生活援助
指定年月日 令和3年1月1日指定
3 処分の内容等
処分の内容 指定の一部効力停止6か月(利用者の新規受入れ停止及び報酬算定を7割に制限)
処分年月日 令和5年11月14日
効力発生日 令和5年12月1日から令和6年5月31日まで
4 処分の理由
(1)人格尊重義務違反【障害者総合支援法第50条第1項第2号】
ア 利用者の預り金(小口現金)の入出金を管理している帳簿において、少なくとも従業者Aを含む2名の従業者が、当該預り金の不明等が生じた場合に
「残高調整」と記載することで、帳簿上の帳尻合わせを行っていた。
イ 利用者の通帳等を管理していた従業者Aが、利用者本人の許可無く利用者の預貯金口座から現金を引き出し、着服した。
ウ 事業者は、従業者Aによる不適切な行為を把握していたにもかかわらず、事業者として適切な改善措置を行わないまま、別の従業者Bに利用者の通帳
等の管理を任せた。
エ 従業者Bも、従業者Aと同様、利用者本人の許可無く利用者の預貯金口座から現金を引き出し、着服した。
(2)運営基準違反【障害者総合支援法第50条第1項第4号】
ア 利用者に対し、利用者負担額の支払いを受けたことに対する領収証を交付していなかった。
イ 管理者による事業所の従業者及び業務の管理等に係る一元的な管理が行われていなかった。
ウ サービスの提供により発生した事故について、行政機関等に報告を行わなかった。
(3)虚偽答弁、監査妨害【障害者総合支援法第50条第1項第7号】
ア 監査当日、県が提出を求めた資料(利用者通帳)について、虚偽の保管場所を説明することで資料の押収を妨げ、監査を妨害した。また、県の監査に
おいて、虚偽の答弁を繰り返した。
(4)法令違反【障害者総合支援法第50条第1項第9号】
ア 従業者Aが人格尊重義務違反(経済的虐待)となる行為を行っていたことを把握していたにもかかわらず、自治体への通報を行わなかったことは、
「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」第16条に基づく自治体への通報義務違反にあたる。
(5)不正不当な行為【障害者総合支援法第50条第1項第10号】
ア 令和3年度実地指導に係る事前提出資料の「預り金の状況」において、県に対し、施設長の自主点検及び利用者本人等への報告を行っている旨の虚偽
の報告を行った。
イ 令和3年度実地指導に係る改善状況報告書において、実際には利用者へ交付していない領収証を県へ提出し、「利用者に交付した」として虚偽の報告
を行った。
<参考資料>
■障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 ~抜粋~
(定義)
第五条 この法律において「障害福祉サービス」とは、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護、生活介護、短期入所、重度障害者等包括支援、施設入所支援、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助及び共同生活援助をいい、「障害福祉サービス事業」とは、障害福祉サービス(障害者支援施設、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法(平成十四年法律第百六十七号)第十一条第一号の規定により独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が設置する施設(以下「のぞみの園」という。)その他主務省令で定める施設において行われる施設障害福祉サービス(施設入所支援及び主務省令で定める障害福祉サービスをいう。以下同じ。)を除く。)を行う事業をいう。
1~16 略
17 この法律において「共同生活援助」とは、障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において相談、入浴、排せつ又は食事の介護その他の日常生活上の援助を行うことをいう。
18~28 略
(指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設等の設置者の責務)
第四十二条 指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設等の設置者(以下「指定事業者等」という。)は、障害者等が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、障害者等の意思決定の支援に配慮するとともに、市町村、公共職業安定所その他の職業リハビリテーションの措置を実施する機関、教育機関その他の関係機関との緊密な連携を図りつつ、障害福祉サービスを当該障害者等の意向、適性、障害の特性その他の事情に応じ、常に障害者等の立場に立って効果的に行うように努めなければならない。
2 指定事業者等は、その提供する障害福祉サービスの質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより、障害福祉サービスの質の向上に努めなければならない。
3 指定事業者等は、障害者等の人格を尊重するとともに、この法律又はこの法律に基づく命令を遵守し、障害者等のため忠実にその職務を遂行しなければならない。
(指定障害福祉サービスの事業の基準)
第四十三条 指定障害福祉サービス事業者は、当該指定に係るサービス事業所ごとに、都道府県の条例で定める基準に従い、当該指定障害福祉サービスに従事する従業者を有しなければならない。
2 指定障害福祉サービス事業者は、都道府県の条例で定める指定障害福祉サービスの事業の設備及び運営に関する基準に従い、指定障害福祉サービスを提供しなければならない。
3~4 略
(報告等)
第四十八条 都道府県知事又は市町村長は、必要があると認めるときは、指定障害福祉サービス事業者若しくは指定障害福祉サービス事業者であった者若しくは当該指定に係るサービス事業所の従業者であった者(以下この項において「指定障害福祉サービス事業者であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命じ、指定障害福祉サービス事業者若しくは当該指定に係るサービス事業所の従業者若しくは指定障害福祉サービス事業者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定障害福祉サービス事業者の当該指定に係るサービス事業所、事務所その他当該指定障害福祉サービスの事業に関係のある場所に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 第九条第二項の規定は前項の規定による質問又は検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。
3 前二項の規定は、指定障害者支援施設等の設置者について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(指定の取消し等)
第五十条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定障害福祉サービス事業者に係る第二十九条第一項の指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止することができる。
一 略
二 指定障害福祉サービス事業者が、第四十二条第三項の規定に違反したと認められるとき。
三 略
四 指定障害福祉サービス事業者が、第四十三条第二項の都道府県の条例で定める指定障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準に従って適正な指定障害福祉サービス事業の運営をすることができなくなったとき。
五~六 略
七 指定障害福祉サービス事業者又は当該指定に係るサービス事業所の従業者が、第四十八条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該指定に係るサービス事業所の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定障害福祉サービス事業者が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。
八 略
九 前各号に掲げる場合のほか、指定障害福祉サービス事業者が、この法律その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律で政令で定めるもの又はこれらの法律に基づく若しくは処分に違反したとき。
十 前各号に掲げる場合のほか、指定障害福祉サービス事業者が、障害福祉サービスに関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
十一~十二 略
2~3 略
■障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律 ~抜粋~
(障害者福祉施設従事者等による障害者虐待に係る通報等)
第十六条 障害者福祉施設従事者等による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。
2~4 略