令和4年9月、佐賀県果樹試験場の第1圃場の基盤整備工事が竣工しました。
令和2年度からカンキツ栽培の省力化技術開発を実施するための圃場整備に向けて、果樹試験場職員と計画段階から圃場の形状や用水設備の設置位置などについて打ち合わせを重ねながら整備を進めていきました。
現在、果樹試験場では、中山間地域における根域制限技術を活用した超省力栽培システムの開発を進められており、今回整備を行った圃場においても来春より作付けが開始する予定です。
近年では佐賀県産みかんの新品種「にじゅうまる」の発表もありましたが、省力的で佐賀県ブランド品を多く生産するための新技術の開発が進むことが期待されます。
傾斜地の区画整備、貯水施設及びパイプラインによる用水設備を新設し、カンキツ栽培の省力化に向けた試験研究を実施するための環境整備を行いました。
・圃場整備面積1,298.4m2
・貯水タンク1基、揚水ポンプ1台、給水栓23箇所、パイプライン1,089.7m
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基盤整備工事施工前 | 基盤整備工事施工後 |
↑急峻・狭幅な段々畑を区画整備し、1段あたりの圃場面積を拡大!土砂崩壊防止の園地保全効果も◎
これからの取り組み
この度の基盤整備で、試験圃場の拡大や 用水設備の新設により、すべての園地でかん水が可能となりました。これにより、作業労力の大幅な軽減とともに、干ばつ等の近年の気象条件に対応した管理作業が可能となり、効率的な試験研究の実施が期待されます。果樹試験場では、今後も中山間地域における果樹農業のさらなる省力化・生産安定に向けて
(1)
低コストで導入可能な栽培システムの確立
(2)
防除や除草、収穫などの作業負担を大幅に軽減できる省力機械・器具の検討
(3)
省力的に樹勢や果実品質を制御するための養水分管理技術の開発
などに取り組んでいきます。
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果樹の超省力栽培 | ドローンを使用した薬剤防除 | 新設した用水設備(給水栓)の通水試験 |
↑新たな栽培技術の開発・研究の様子。用水設備の整備により各圃場の樹にかん水が可能に。