小中学校の全国学力テストや、高校の大学入試センター試験、共通テストにおいて、ここ十数年ほど、佐賀県の低迷が続いています。ITを普及させれば向上するほど教育は単純ではないということが明確になったと思います。基礎基本の徹底と同時に、知的興味を喚起する授業、自ら思考し深める授業や課題の与え方など、日頃の授業そのものの工夫と改善に本気で取り組むことを県の重点政策として実行してください。
担当課の回答(令和3年10月13日)
本県では、児童生徒一人一人が、高い志と理想を持って、困難に立ち向かい克服していくための力を「生きる力」として、これを育むことを目指しており、「確かな学力」は「豊かな心」「健やかな体」と並ぶ大切な要素だと考え、最重要課題の一つと位置付けて取り組んでいます。
しかし、令和3年度全国学力・学習状況調査では、小学校6年生の国語・算数、中学校3年生の国語・数学の平均正答率は、すべて全国平均を下回っており、この結果について、県教育委員会としても重く受け止めています。
社会が大きく変化していく予測困難な時代においては、児童生徒の基礎的な学力の定着を図るとともに、「自ら課題を見出し、解決する力」や「多様な他者とコミュニケーションをとりながら協働していく力」などの資質・能力を育むことが、これまで以上に求められています。そのためには、ご意見のとおり日頃の授業が重要ですので、授業づくりの基礎・基本やポイントをまとめた資料配布や学校の好事例を共有するなど、工夫・改善に努めています。ICTの効果的な活用方法についても、学校現場の意見を聴きながら研究を進めているところです。
また、授業力の高い教員を県下にバランスよく配置し、模範授業をしたり、授業の支援を行ったりするなど、継続的な関わりを通して、教員の指導力向上にも努めるとともに、授業改善に向けた各種リーフレットを県内の全教員に配布し、指導力向上への取組を進めています。
今回、全国平均正答率を上回ることはできませんでしたが、全国上位の県との平均正答率の差は縮まってきており、これまで学力向上に向けて取り組んできたことの一定の成果も出てきていますので、効果的な取組については、継続・徹底をしていきたいと考えています。
これからも市町教育委員会や学校、家庭・地域としっかりと連携しながら、知的興味を喚起する授業、自ら思考し深める授業などとなるように、日頃の授業の改善や教員の指導力向上等に取り組んでまいります。