佐賀県北部は、福岡県、長崎県3県に跨る玄海灘とよばれる大自然に囲まれた好漁場であり、漁業も盛んに行われています。どこか一か所自然が破壊されれば、魚貝類に多大な影響が出ます。もし洋上風力発電設備の建設が進んでいくと、佐賀県北部の漁業に甚大な影響が出ます。再考をお願いします。
担当課の回答(令和3年9月14日)
県では、再生可能エネルギーを中心とした社会の実現と共に、洋上風力発電事業による地域経済への波及効果を期待し、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(再エネ海域利用法)に基づいて、事業の誘致を目指した取組を進めています。
再エネ海域利用法では、国が法定協議会を設置し、法定協議会による議論を踏まえて開発を認める海域を「促進区域」として指定しない限り、洋上風力発電の開発を進められないことになっています。
現在、唐津市沖では、開発を計画している一部の事業者が、環境アセスメントやボーリング調査を実施しておりますが、現時点では、唐津市沖を対象とする法定協議会は設置されておらず、設置の目処もたっていない状況です。そのため、今の状況では、事業者による調査等がどれだけ進んだとしても、再エネ海域利用法に基づく洋上風力発電事業の開発を進めることはできません。
洋上風力発電に対しては、漁業者の声として、漁業に悪影響を及ぼすことへの懸念があることを承知しております。他方、五島市における実証事業において、洋上風力発電設備による漁礁効果が確認されていることもあり、この漁礁効果に期待をされている漁業者の声も少なくありません。
このため、県では、洋上風力発電事業の誘致を目指した取組を進めるに当たり、漁業への影響を評価することが非常に重要と考えています。
県としては、県民の皆さまに、洋上風力発電事業を誘致することによるメリットやデメリットを正しく知っていただいた上で、地域の未来にとってどうあるべきかを共に考え、議論していきたいと考えております。