県内の野生鳥獣による農作物被害の状況と対策
- イノシシなどの野生鳥獣による佐賀県の農作物被害額は、年間約227百万円(R6年度)となっており、依然として中山間地域を中心に農業生産に大きな影響を及ぼしています。イノシシによる被害は、被害全体の約6割を占めており、また、中型哺乳類やカモなどによる被害も発生しています。
- 被害対策については、野生鳥獣の種類や特性に応じ、地域一体となり、「棲み分け対策」「侵入防止対策」「捕獲対策」を適切に組み合わせて実施していくこととしています。
【成果指標】 - 佐賀県では野生鳥獣による農作物被害額について、2032年度(R14年度)までに80百万円まで減らすことを目指します。
- R6年度の被害金額は約227百万円で、ここ20年間でピークであったH14年度の1/3以下まで減少しているものの、前年度(R5年度)よりも約37百万円増加しました。
- 被害のうち、全体の約6割がイノシシで、次いで中型哺乳類(アナグマ、アライグマ、タヌキ)、カモが多くなっています。
- 棲み分け対策(農地等に寄せ付けない)、侵入防止対策(農地等に入らせない)、捕獲対策を総合的に組み合わせながら、地域一体となって対策を実施されております。
3.主要な野生鳥獣による農作物被害金額と捕獲数の概要 (1)イノシシ - R6年度の被害金額は約149百万円で、ここ20年間でピークであったH14年度の約1/3まで減少しましたが、前年度(R5年度)よりも約34百万円増加しました。農作物別の被害額としては、水稲が約95.8百万円で最も多く、次いで果樹が多くなっています。
- R6年度の捕獲頭数は全体では28,084頭で前年度から約5,900頭ほど増加しました。このうち狩猟が1,696頭、有害鳥獣捕獲が26,388頭でした。
(2)カモ - R6年度の被害金額は約20百万円となっており、前年度(R5年度)よりも約12百万円増加しました。農作物別の被害額としては、麦類が約17.8百万円で最も多く、次いで野菜が多くなっています。
- R6年度の捕獲羽数は全体で3,338羽で前年度(R5年度)より約200羽減少しました。このうち狩猟が2,299羽、有害鳥獣捕獲が1,039羽でした。
(3)中型哺乳類(アナグマ、アライグマ、タヌキ) - R6年度の被害金額は約25.4百万円で、前年度(R5年度)よりも約5.4百万円増加しました。農作物別の被害額としては、野菜が約14百万円、果樹が約10百万円となっています。
- R6年度の捕獲頭数は全体で6,184頭で、前年度(R5年度)より約180頭増加しました。このうち、狩猟が226頭、有害鳥獣捕獲が5,958頭で、獣種別では、アナグマが1,303頭、アライグマが4,542頭、タヌキが339頭となりました。
(4)サル - R6年度の被害金額は約3百万円で、前年度(R5年度)よりも約0.2百万円減少しました。サルの群れが生息している唐津地域においては、群れが侵入したハウスや農地は壊滅的な被害を受けることもあるため、深刻な問題です。農作物別の被害額としては、果樹が約2.6百万円、野菜が約0.4百万円となり、被害額を二分しています。
- R6年度の捕獲数は有害鳥獣捕獲が13頭となりました。
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