予防接種の意義・目的
予防接種とは、身体にワクチンを接種することで、その感染症に対する抵抗力(免疫)を高めるものです。予防接種を受けることにより、感染症の発病を予防したり、かかった場合に重症化しにくくしたりする効果が期待されます。
また、予防接種は、(1)個人の感染予防・重症化の防止(個人免疫)という目的とともに、(2)多くの人が接種を受けることにより、感染症のまん延を防止する(集団免疫)という社会的な意義も持っています。
予防接種は、国民の生命と健康を守る対策の一つとして、とても重要です。
予防接種の制度
予防接種には、予防接種法に基づく定期の予防接種と、個人の希望により必要に応じて接種を受ける任意の予防接種があります。
定期の予防接種については、国や市町で定められている対象者であれば、市町による公費負担(無料※)で、佐賀県では県内全域の協力医療機関で接種を受けることができます。
※高齢者の予防接種については、一部自己負担があります。
定期の予防接種の種類
※(1)~(13)はこどもの予防接種、(14)~(15)は高齢者の予防接種、(16)は昭和37年(1962年)4月2日から昭和54年(1979年)4月1日生まれの男性で風しん抗体価がHI法8倍以下またはHI法8倍以下相応の者の予防接種
(1)4種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ)⇒平成24年11月から、4種混合ワクチンが導入されました。
(2)3種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)
(3)2種混合(ジフテリア・破傷風)
(4)不活化ポリオ⇒平成24年9月から、生ワクチンから不活化ワクチンへ変更となりました。
(5)麻しん風しん混合、麻しん単独、風しん単独
(6)BCG(結核)
(7)日本脳炎
(8)ヒブ(インフルエンザb菌)
(9) 小児の肺炎球菌感染症
(10)ヒトパピローマウイルス感染症予防接種(子宮頸がん予防ワクチン)⇒現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にお勧めすることを一時的にやめています。接種に当たっては、ワクチンの「効果」と「リスク」について確認し、検討してください。詳しくは、ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~
(外部リンク)や佐賀県庁ホームページ「子宮頸がん予防ワクチンについて」を御覧ください。
参考:厚生労働省作成リーフレット
(11)水痘⇒平成26年10月1日から定期の予防接種になりました。
(12)B型肝炎⇒平成28年10月1日から定期の予防接種になりました。
(13)ロタウイルス感染症⇒令和2年10月1日から定期の予防接種になりました。
(14)高齢者の肺炎球菌感染症
(15)高齢者のインフルエンザ⇒接種時期が10~12月となっています。佐賀県庁ホームページ「インフルエンザの予防接種情報」を御覧ください。
(16)風しんの第5期の定期接種
(厚生労働省作成)風しんの追加的対策に係る啓発動画
(外部リンク)
令和2年(2020年)10月1日からロタウイルス感染症が定期の予防接種になります
5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうち、40~50%前後はロタウイルスが原因です。ロタウイルスは感染力が強く、ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染してしまいます。ふつう、5歳までにほぼすべての子どもがロタウイルスに感染するといわれています。大人はロタウイルスの感染を何度も経験しているため、ほとんどの場合、軽い症状ですむか、症状がでません。しかし、乳幼児は、激しい症状が出ることが多く、特に初めて感染したときに症状が強く出ます。主な症状は、水のような下痢、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛です。脱水症状がひどくなると点滴が必要となったり、入院が必要になることがあります。
ロタウイルスワクチンを接種し、ロタウイルスによる胃腸炎の予防、重症化を防ぎましょう。
なお、ロタウイルスワクチンには、「ロタリックス」と「ロタテック」の2種類があり、どちらのワクチンも定期接種の対象となりますが、接種の回数などが異なります。また、2種類のワクチンの有効性は同等と考えられています。
詳しくは、下記の定期予防接種概要一覧で御確認ください。
【定期の予防接種の対象者】
令和2年(2020年)8月1日以降に生まれた、次に掲げる者
・ロタリックスを使用する場合、出生6週0日後から24週0日後までの間にある者
・ロタテックを使用する場合、出生6週0日後から32週0日後までの間にある者
※初回接種は生後2月に至った日から出生14週6日後までの間
詳しいことやご不明な点は、お住まいの
市町保健担当課
(PDF:41.4キロバイト)にお尋ねください。
定期予防接種の接種概要一覧表
注意事項
- 県内市町の公費負担により予防接種を受けられる対象は、県内にお住まいの方のみです。
- 予防接種は、ワクチンの種類ごとに対象者、接種間隔が定められています。これを守らないと公費負担での接種を受けることができなくなりますので御注意ください。
- 詳しいことやご不明な点は、お住まいの
市町保健担当課
(PDF:41.4キロバイト)にお尋ねください。
定期予防接種の実施医療機関
県内の実施医療機関ならどこでも接種できます。
- 予防接種の種類に応じて接種できる医療機関が異なります。「実施医療機関一覧」で御確認ください。
- ほとんどの医療機関では、事前の予約が必要です。事前に医療機関に御相談ください。
予防接種後健康被害救済制度
予防接種は感染症の発病予防や重症化予防のために重要なものですが、接種を受けた後にきわめて稀に重い副反応が生じ、入院治療が必要となったり、障害が残るなど健康被害が発生することがあります。
予防接種法には、法に基づく予防接種により万が一健康被害が発生した場合に、医療費等の給付を行う救済制度が規定されており、保護者等から市町を通じて申請することができます。
(制度の詳細は、厚生労働省のホームページ
(外部リンク)を御覧ください。)
副反応報告制度
予防接種は、ワクチンという医薬品を体内に接種するものであるため、接種後に、発熱、接種した部位の発赤や腫脹(はれ)など比較的よく見られる身体の反応や、きわめて稀に発生する脳炎や神経障害などの疾患が生じることがあります。
これらの副反応に関する情報を収集し、予防接種の安全性に関して検討等を行うため、予防接種法に基づく副反応報告制度が設けられており、対象疾患ごとに示された基準にもとづいて、医療機関から独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告が行われる制度になっています。
報告された情報は、PMDAから厚生労働省へ報告され、国が設置する「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」で検討されるほか、被接種者の居住地自治体にも還元されます。
(制度の詳細は、厚生労働省のホームページ
(外部リンク)を御覧ください。)
医療機関の方へ
各種様式は以下のとおりです。印刷して御活用ください。
副反応疑い報告書
(PDF:448.3キロバイト)
実施報告書様式
(PDF:247.4キロバイト)
※国保連合会への請求時の報告書様式です。エクセル様式を希望される場合は、佐賀県健康増進課まで御連絡ください。