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左藤防衛副大臣の知事訪問(平成27年2月13日)

最終更新日:

 

山口知事と左藤防衛副大臣の面談

 

左藤防衛副大臣の来訪
 左藤章(さとう あきら)防衛副大臣が10月に引き続き佐賀県庁を訪問され、1月に就任した山口知事へのごあいさつと、防衛省が要請している有明佐賀空港への陸上自衛隊オスプレイ等の配備の計画についてあらためて説明がなされました。
 山口知事からは、県民の安全・安心を第一に考えるべきであり、そのためには、まずは今回の計画の全体像、将来像を明確にしていただきたいということ、そして県民の皆さんに真摯に対応いただきたいということを申し上げました。

 ■ 防衛省説明資料

 

面談内容(動画・テキスト)

左藤防衛副大臣の来訪を受けての知事インタビュー別ウィンドウで開きます(外部リンク)

 
 

 

面談内容 (動画・テキスト)

 

【動画(YouTube)】

 
【以下、面談時の発言全文】

 

○左藤防衛副大臣 

 おはようございます。防衛副大臣の左藤章(さとうあきら)でございます。

 山口佐賀県知事におかれましては、1カ月前の選挙で当選されまして、心からお祝いを申し上げたいと思います。きょうは、知事初め、副知事さんを含め、ご多用中のところでございますが、お時間を賜りましたことに改めて感謝申し上げたいと思います。座らせていただきます。よろしくお願いします。

 実は、昨年7月22日、武田前副大臣、そして小野寺大臣が、この佐賀県に訪問させていただいて、佐賀空港への陸上自衛隊、V-22オスプレイ等の配備についてお願いに参りました。私も、昨年10月6日に前知事の古川さんと佐賀県の皆さん方にお願いに来たところでございます。本日は、本当に、山口知事さんの就任1カ月ということで大変ご多忙中でありますが、改めてこの佐賀空港の利用についてお願いに参りました。限られた時間でございますが、配備等についての説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 改めて、知事さん初め、皆さん方にここで言うことではございませんけれども、ちょっと我が国の安全保障上の点からご説明をさせていただきたいと思っております。

 ご存じのとおり、我が国の周辺、特に南西諸島については、安全保障の環境上、非常に厳しくなっております。平成24年度以降、尖閣諸島の領海侵犯、非常にしょっちゅう発生するようになりましたし、戦闘機によるスクランブル、残念ですけれども、昨年810回を超えまして、そのうち半分以上、つまり半分ぐらいがこの南西諸島方面であります。そういうことでございまして、何とかこれは当然、国民の生命財産、そして命、暮らし、領海領空しっかり守っていく、領土を守っていくというのが我々の非常に大事なことだろうと思いますし、知事さん初め、同じようなご認識を持っておられると思っております。

 それで、防衛省では、最南端の与那国島や奄美諸島に新たな拠点を整備しておりますけれども、那覇基地ですね、戦闘機約20機を追加配備をさせていただいて、南西諸島に約7,400名の隊員が配置されるように、今、防衛体制を大幅に強化をしております。具体的には、イージス艦、そしてまた、潜水艦などの新型艦船の整備をはじめ、防空レーダーをはじめ改良して、探知能力を高めたいということと、それから、レーダーに感知されにくい、ステルス性の高い戦闘機を導入させていただいて、島嶼防衛が確実にできるように、そういう方向で今動いておるところでございます。

 万一にも、島嶼防衛の攻撃が差し迫った予兆が確認されたり、実際に攻撃を受けた場合に備えて、やっぱり島嶼防衛は奪回を目的に、専門的な訓練を受けました水陸機動団というのを新設して、いざというときの防衛に万全を期したいというふうに思っております。

 この水陸機動団でございますが、残念ながら日本は、島嶼防衛というのは、南西諸島でいうと、南北に1,200キロあるわけですね。そして、1,000個の島々が存在しておりますので、これを何とか迅速かつ大規模な輸送、展開能力をあわせて補充することがどうしても必要になってまいります。そのために、平成27年度予算、政府の予算ですが、オスプレイ5機を獲得するための予算を計上しているわけであります。

 オスプレイはご存じのとおり、他のヘリコプターに比べてスピードが速く、そして、航続距離も長いということでございますので、1,000キロ離れていても給油なしで一発で行けるという非常にすばらしいものでございますので、素早くこれを陸上自衛隊に装備させたいなと、こういうふうに思っているところでございます。こういう島嶼防衛の関係も踏まえてしっかりとやることによって、我が国の領土、領海を守っていきたい、このように思っております。

 そのオスプレイでございますが、先ほど5機の話をさせていただきましたけれども、実は、ご存じのとおり、離島間の急患の輸送や災害対処に非常に有益でありまして、昨年度、実は自衛隊だけでも、オスプレイではありませんけれども、九州地方で急患輸送が約160件ございました。そして、やっぱりオスプレイだとさらにスピードと航続距離を生かすことによって、人の命も助けることができると、このように思っておりますし、昨年もご存じのとおり、東京の小笠原諸島で災害がございましたけれども、昨年の3月に村議会からオスプレイの早期導入、運用、これを強く要望されております。こういう状況でございますので、このオスプレイを安全保障環境、また、災害対応についてしっかり採用して配置をさせていただきたいと、こういう思いでございます。

 これまでのそういうこと、検討しなきゃならない、そういう配置をどこにしようかということで、実はいろいろ我々も調べさせていただいたりいろいろ調査をさせていただいて、佐賀空港にお願いができないかと、こういうことでございます。

 この佐賀空港はなぜかといいますと、1つは、実は先ほど申し上げた水陸機動連隊というのが佐世保の相浦駐屯地に配備します。そしてまた、九州北部にはいろいろ部隊、そして陸海空ともどもございますので、連絡を密にして、そういうことをしっかりできるということが場所的にはいいなということが1点でございますし、そして、佐賀空港はオスプレイなんかの必要な滑走路の長さを有しておられるということと、それから、周辺には市街地がないということ。そして、騒音などの面でも地元住民への負担が最小限に抑制できるんじゃないかと、このように思っております。

 そして、もう1つは、市街地化が進んでいる目達原地区、ここにヘリ部隊がございますが、こういうことの移転先と、いろいろ地域との騒音の問題等もございますので、移転先としても適切じゃないかなと、このように思って佐賀空港にお願いに参ったわけであります。 

当然、こういうお願いでございますので、将来はどうなるかということで、今先ほど申し上げたオスプレイ、当初5機と言いましたが、平成31年には17機、そして、先ほど申し上げた目達原駐屯地のヘリコプター約50機なんですが、佐賀空港西側に配置をさせてもらえないでしょうかと、こういうことで、知事さんはじめ皆さんにお願いに参ったわけであります。

 もちろん、それ以外にこれは沖縄の負担軽減をしなきゃなりません。これは全部沖縄に米軍の基地がございますので、米海兵隊においても佐賀空港を一部利用させていただければと、このように思っております。まあ、どの程度どうなのかということは、まだ正直言って、海兵隊と煮詰まっている話じゃありませんけれども、一部移駐とかいう話がマスコミ等でありましたけれども、そういう移駐はありませんので、先ほどの訓練とかそういうときにちょっと使わせてもらえないかという話でございますが、先ほど申し上げた米軍との話は、まだ煮詰まった話ではありませんので、その辺もひとつ配慮を賜ればと、このように思っております。

 それでは、この佐賀空港の利用についての詳細については、事務方からご説明をさせていただきたいと思います。

 

川嶋九州防衛局長

 私、九州防衛局長の川嶋と申します。お手元の資料に沿いましてご説明をさせていただきます。

 まず、本空港に配備する部隊の規模でございますけれども、現時点におきましてはオスプレイ17機、それから、市街化が進む目達原駐屯地に所在するヘリコプター約50機を加えました合計約70機を想定してございます。配置される関連隊員は約700名から800名程度を想定してございます。なお、やってきます目達原駐屯地のヘリコプターは、1ページに記載のとおりでございます。

 また、2ページでございますけれども、オスプレイの配備にあわせまして、空港が活用できますように、平成31年度を目途といたしまして、佐賀空港の西側に駐機場や格納庫等を整備することを検討してございます。2ページの図は、全くのイメージ図でございます。

 続きまして、3ページでございますが、空港利用の時間帯でございます。佐賀空港の利用に当たりましては、目達原駐屯地での運用実績等を踏まえまして、平日の朝8時ごろから夕方5時、17時ごろの間の運用を基本と考えてございます。

 なお、パイロットの技量維持等のために、空港利用時間の範囲内で夜間に離着陸訓練を実施する場合がございます。また、離島から急患輸送の要請があった場合、あるいは昨年のように自然災害が西日本で発生した場合等には、災害派遣等に基づきまして空港の時間外利用をお願いするということがあると考えてございます。

 空港利用の頻度についてでございますが、新たに取得いたしますオスプレイと目達原駐屯地から移駐いたしますヘリコプター、合わせて70機の航空機を全て運用した場合、現時点での見積もりでは年間290日程度、1日当たり60回程度の離着陸を行うことが想定されております。年間ベースに換算いたしますと、見積もられる離着陸回数は1万7,000回程度となります。なお、1万7,000回と申しますのは、オスプレイが17機そろったときの数でございまして、オスプレイは段階的に整備されていきますので、その間はこれより少ない数になろうかと思います。

 次に、4ページでございますけれども、飛行経路でございます。空港の利用に当たりましては、空港の周囲にヘリコプター用の場周経路、それから、オスプレイ用の場周経路、2本設定することを考えてございます。下の図を見ていただきますと、緑の実線及び緑の点線がございます。内側が一辺6キロメートル程度の角のとれた正方形、外側がオスプレイ用の一辺8キロメートル程度の正方形でございます。このうち、点線の部分、いわゆる空港の北側、陸地側でございますが、住宅地等が所在しておりますことから、騒音抑制の観点から、防衛省、自衛隊といたしましては、空港の南側、海側をこの緑の実線の部分、これを飛行させることを基本として考えているということでございます。

 また、飛行する際には、騒音軽減のために、高度300メートルから500メートル以上を確保するほか、地域の実情を踏まえまして、必要に応じて住宅地、市街地、病院等の上空の飛行を制限するという形を考えてございます。

 次のページでございますが、先ほどの場周経路が目視、目で見て航空機が飛ぶ場合の経路でございますけれども、これは悪天候等によりまして計器飛行をする場合の離陸経路及び着陸経路でございます。これらの経路は防衛省、自衛隊が勝手に定めているものではなく、佐賀空港の実情に鑑みまして、国土交通省のほうでお定めになっている飛行経路、計器飛行の経路でございます。民間の航空機は計器飛行の場合、これにのっとって飛行しております。自衛隊といたしましても、これにのっとって飛行すると、こういうことでございます。

 次に、6ページでございます。

 民間空港としての使用・発展への支障ということでございますけれども、現在の空港の処理能力を考慮いたしますと、自衛隊機の利用が佐賀空港の民間空港としての使用、発展に影響を与えることはない。また、将来、佐賀空港を利用する運航便が増加したとしても、同様に影響を与えることはないと考えてございます。上の表は、これは現状でございますが、民航機着陸回数8回、小型の民航機が18回、それに自衛隊機の離着陸回数60回を合わせまして、その滑走路占有手段等を考えますと、8時から17時の自衛隊の利用可能時間の中に全ておさまるということでございます。

 また、近い将来、1時間当たり最も民航機の利用回数の多い時間帯が終日続いたと仮定した場合でございますけれども、その場合におきましても、8時から17時の利用可能時間の間におさまるということと考えてございます。

 次に、7ページでございますけれども、生活環境等への影響ということでございます。

 佐賀空港の利用に当たりましては、民間空港としての使用、発展、周辺の漁業、農業に悪影響を及ぼさないことを前提と考えてございます。空港から北に3、4キロ離れました住宅地においては、オスプレイの離陸時の騒音の最大値は50デシベル程度と見積もられております。これは50デシベル程度というものは、静かな事務所で測定される値とほぼ同等と考えられております。

 前知事が受け入れの前提とされておりました住民の安全・安心の観点からの自衛隊機による騒音や海域等々への影響につきましては、引き続き分析を進め、丁寧に説明してまいりたいと考えてございます。

 最後に、8ページでございます。

 オスプレイの安全性ということでございます。オスプレイは、開発段階で技術的な問題はクリアされております。また、量産後に起きた飛行事故におきましても、原因が究明され、安全性を高めるための努力を継続してございます。

 下の表、グラフにありますとおり、導入当初、10万飛行時間、おおむねこの時間帯に大きな事故が起きやすいと一般に言われてございますけれども、この10万飛行時間における重大飛行事故の件数については、下表のとおり、非常に低い記録を有しているものと考えてございます。

 以上、事務的にご説明申し上げます。ありがとうございました。

 

○左藤防衛副大臣

 今後の進め方なんでございますが、こちらから勝手な要望でございますけれども、住民説明会において要望があったことを踏まえて、自衛隊機が空港周辺を実際に飛行させて、住民の方にごらんいただき、あわせて飛行音の大きさも体験していただく、いわゆるデモフライトですが、これの実施を検討しております。その際、自衛隊機の一時的な空港利用について、空港管理者である県の協力が不可欠でございますので、今後、この件については県庁の担当部局と調整をさせていただければと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思っております。

 それと、いろんな今、事務当局からご説明をさせていただきましたけれども、やっぱりオスプレイの佐賀空港利用に当たっては、民間空港との関係がございますので、民間空港としての機能を失わないということが大事であるかと思いますし、有明海のノリの養殖を初め、周辺漁業、そして農業への影響や生活環境への影響が及ばないようにすることは当然のことと考えております。私どもこのような基本的な考え方のもとで地元の方々にご理解いただけるように、丁寧な説明を今後ともさせていただきたいと思っておりますので、どうか知事さんはじめ、佐賀県のほうにおかれましても、ご理解を賜ればと、このように思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 

○山口知事

 本日は、わざわざ佐賀にお越しになってご説明をいただきました。また、先だっての鳥インフルエンザにつきましても、誠にありがとうございます。

私としては、我が国の安全保障の重要性につきましては十分に理解しているつもりでございます。しかしながら、県民の安全・安心を守る責任者といたしましては、県民の安全・安心が確保されるのか、そこをまず第一に考えなければいけないと思っております。

 そのことを考える上で、計画の全体像や将来像を明確にしていただくことが必要だと考えております。よろしくお願い申し上げます。また、住民に対しましては真摯に対応していただきたい。住民、県民の皆さんには真摯に対応いただきたいと思っております。

 きょうはお伺いするということで、私からは以上でございます。

 

○左藤防衛副大臣

 ありがとうございました。今、知事さんからお話がありましたように、佐賀県民の皆さん方にご迷惑をかけるわけですから、これは最大限説明をさせていただいて、ご理解を賜れるように頑張っていきたいと思いますし、それは知事さんのお立場は当然県民が優先でありますので、県民がご理解いただかないことには我々も困りますし、しっかりその辺は事務当局含めて頑張って説明をさせていただいてご理解賜れるように、そして、やっぱり一番心配なされる騒音の問題とか危険性の問題とか、そういうのもございますので、よくよくしっかりやっていきたいと思いますので、いろんな面でご理解をいただけるように、また知事さんからもお願いを申し上げたいと思います。

 

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