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佐賀県人権施策基本方針~人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり~ を策定しました

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佐賀県人権施策基本方針 ~人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり~ を策定しました

 
表紙画像
 県では、令和5 年3月に「全ての佐賀県民が一人一人の人権を共に認め合い、支え合う社会づくりを進める条例」を制定・施行しました。
 この条例に基づき人権教育・啓発をはじめとした人権施策を具体的に進めるため、2024 年(令和6年)3 月に「佐賀県人権施策基本方針」を策定しました。
 今回策定した基本方針では、人権に関する施策を推進していくにあたって、「教育・啓発の推進」及び「当事者に寄り添った支援の推進」の視点で取り組むことが重要であることを明示した上で、この2つの視点から、個々の人権課題ごとに、今後取り組むべき施策の方向性を整理しました。
 人権が尊重される社会づくりを進めていくためには、行政だけでなく、事業者、そして県民一人一人が地域社会を構成する主体として、人権尊重の視点を意識して行動していくことが必要です。
 今後とも、県民一体となって、全ての佐賀県民が一人一人の人権を共に認め合い、支え合う社会づくりを進めていきましょう!
 

1.基本的な考え方

「全ての佐賀県民が一人一人の人権を共に認め合い、支え合う社会」の実現を目指します。
 佐賀県は慈しみ合う県です。
 佐賀の先人であり、日本赤十字社を創設した佐野常民は「博愛これを仁という。仁とは人を慈しむこと。」の言葉を残しています。人の痛みに敏感にな り、苦しみの中にいる人には手を差し伸べ、寄り添い、慈しみ合う精神は、時代を超えて脈々と佐賀県民の心に受け継がれてきました。この精神は
 これからも将来にわたって大切に引き継いでいかなければなりません。
 私たちの社会は様々な年齢、国籍、性別の人、障害のある人ない人も、いろいろな人たちがいろいろな思いで共存しています。
 このような中、インターネットを利用した誹謗中傷や差別を助長する投稿をはじめ、学校や職場でのいじめ、パートナーへの暴力や児童への虐待など、「人権」に関わる問題が依然として発生しています。
 人権に関わる問題はどれも決して他人事ではありません。この解決のためには、県民一人一人が人権に関わる問題を自分のこととして考え、思いやりの心、慈しみ合う心を持って自ら行動していくことが大切です。

 人権尊重のための基本姿勢

 人権が尊重される社会づくりを進めていくためには、行政だけでなく、事業者、そして県民一人一人が地域社会を構成する主体として、人権尊重の視点を意識して行動することが必要です。

 〈それぞれの役割〉
〇佐賀県は、
 ●人権施策を県政の重要な柱と位置付けて、県民環境部が中心となって総合的に施策の推進を図ります。
 ●県の関係部局は、この基本方針を踏まえ、人権に関する諸施策を積極的に推進します。
 ●市町が取り組む人権施策との連携を強化するとともに、必要な助言を行います。
 ●県職員自身が様々な人権課題に対する理解を深め、人権尊重の視点に立って職務を遂行します。

〇市町に取り組んでいただきたいこと
 ● 人権施策を市政、町政の重要な柱と位置付けて、県と連携協力し、地域の実情に応じた人権施策を推進すること。
 ● 市町職員自身が様々な人権課題に対する理解を深め、人権尊重の視点に立って職務を遂行すること。

〇各事業者に取り組んでいただきたいこと
 ● 職場内での研修などにより、従業員の人権課題への理解を深めると共に職場全体での人権尊重の意識向上に努めること。
 ●通常の事業活動の中で、従業員をはじめ、消費者や取引先の方々の人権に配慮すること。
 ●出身地や国籍、性別などに関わらず、個人の能力と適性に基づいた公平な採用と公平な処遇を行うこと。

〇県民の皆さんに取り組んでいただきたいこと
 ● 一人一人に色んな個性があることを知り、お互いに色んな個性を認め合うこと。
 ●「差別をしない」「差別を許さない」という気持ちを行動でも表すこと。
 ● 色々な人権課題を自分のこととして捉え、どのようにすれば解決するかを考え、解決に向けて自ら行動すること。

2.人権施策の視点

 佐賀県では「教育・啓発の推進」と「当事者に寄り添った支援の推進」の2つの視点から人権施策に取り組んでいきます。

 

【視点1】教育啓発の推進

 様々な人権問題を自分自身の問題として認識し、人権尊重の意識が行動として日常生活の中に現れ、根付くためには、家庭、地域社会、学校などのあらゆる場、あらゆる機会を通じた教育・啓発が必要です。
 〈家 庭〉
  保護者への学習機会や情報提供の充実
  家庭教育に不安や悩みを抱える親などへの相談・支援体制の整備 など

   〈地域社会〉
  地域において人権教育・啓発を担う人材の育成、資質向上
  様々な人権問題に関する講座など、地域住民の人権意識を高める学習機会の提供 など

 〈学校等〉
  幼児・児童・生徒の実態を踏まえた人権問題に関する学習方法の改善・工夫
  教職員などに対する人権教育に関する研修会の充実 など

 〈企業等〉
  経済団体の役職員、社会福祉・医療施設の経営者などに対する啓発・研修
  講師派遣や資材提供などによる企業内研修への支援 など
 

【視点2】当事者に寄り添った支援の推進

 女性やこども、高齢者に関する相談をはじめ、障害者の権利擁護に関する相談、外国人の生活相談、HIV・エイズや難病などに関する相談、犯罪被害者に関する相談など、各種相談窓口を設置して対応します。

 ●相談・支援に関する制度や各種相談・支援機関の情報の積極的な提供
 ●各種相談窓口の担当者に対する相談対応スキルの向上のための研修の実施
 ●国や弁護士会などとの相互の連携・協力

 実際に人権侵害行為が発生した場合には、その解消を図り、被害者の救済に努めます。
 ●人権に関わる個々の法令に基づく、専門的な見地からの人権侵害行為の解消
 ●県の人権条例に基づく行政指導(助言、説示、あっせんなど) ※該当する法令がない場合
 ●インターネット上の人権侵害情報の削除に向けた取組(削除要請、国への政策提案)
  
 

3.人権課題毎の施策の推進

 それぞれの人権課題の現状や課題に応じて、行政の様々な分野で「教育・啓発の推進」と「当事者に寄り添った支援の推進」の視点から様々な施策に取り組んでいきます。

〇部落差別(同和問題)

(教育・啓発の推進)
 ●学校教育・社会教育の推進
 ●部落差別(同和問題)に関する啓発の推進
 ●研修の推進(行政職員、警察職員、企業など)
 ●公正な採用選考システムの構築 など

(当事者に寄り添った支援の推進)
 ●相談体制の充実
 ●隣保館事業等の推進
 ●インターネット上の差別的な投稿を解消するためのネットモニタリング、削除要請 など

〇男女共同参画

(教育・啓発の推進)
 ●ジェンダー平等の視点に立った男女双方の意識形成
 ●女性が活躍し男女が共に参画する社会の実現
 ● 学校教育、社会教育における男女共同参画の意識の形成
 ●ストーカー・DV事案などの被害者、加害者、傍観者とならないための広報・啓発の推進
 ● 男女間のあらゆる暴力のない社会の実現に向けた啓発・教育 など

(当事者に寄り添った支援の推進)
 ●DV防止・被害者等支援体制の確立
 ●一時避難における関係機関との連携
 ●関係法令を適用した事件化及び行政措置

〇こども

(教育・啓発の推進)
 ●「こどもの権利」「こどもの意見」の啓発
 ●こどもの意見表明の機会確保
 ●児童福祉についての啓発の推進
 ●情報モラル・セキュリティ教育の推進
 ●児童虐待防止の広報、いじめの未然防止
 ●インクルーシブ教育システムの構築
 ●性に関する指導の充実 など

(当事者に寄り添った支援の推進)
 ● 児童虐待防止等の取組、厳正な捜査と被害児童の支援
 ●こどもアドボカシーへの取組
 ●いじめの早期発見・早期対応
 ●少年の居場所づくり活動
 ●こどもの貧困対策への取組
 ●ヤングケアラー支援への取組
 ●スクールソーシャルワーカーの活用 など

〇高齢者

(教育・啓発の推進)
 ●高齢者の人権問題に関する教育・研修の推進
 ●高齢者施設等に対する助言・指導

(当事者に寄り添った支援の推進)
 ● 高齢者の社会参加の促進(地域包括支援センターの機能強化など)
 ● 虐待等の被害防止と支援(見守りネットワークの構築、消費生活相談窓口の設置など) 等

〇障害者

(教育・啓発の推進)
 ●障害(者)に対する県民への理解促進

(当事者に寄り添った支援の推進)
 ●障害者の社会参加の促進
 ●障害者の就労支援
 ●誰もがスポーツを楽しむ環境づくり
 ●まなびの環境づくり、文化芸術活動の支援 など

〇外国人

(教育・啓発の推進)
 ●多文化共生マインドの醸成
 ●誰もが働きやすい環境の整備
 ●多文化共生を推進する人材の育成
 ●学校における多様性の尊重、指導支援の充実

(当事者に寄り添った支援の推進)
 ●外国人に関する相談体制の充実
 ●外国人への情報発信、日本語指導
 ●学校における外国につながる児童生徒受入体制の構築

〇感染症患者等

(教育・啓発の推進)
 ●ハンセン病についての啓発の推進
 ●HIV・エイズについての教育・啓発の推進
 ●難病についての啓発の推進
 ●C型肝炎等の予防普及、啓発

(当事者に寄り添った支援の推進)
 ●ハンセン病元患者との交流事業などの推進
 ●HIV・エイズについての相談体制の充実
 ●難病患者の就労支援
 ●肝疾患相談支援センターの設置 など

〇犯罪被害者等

(教育・啓発の推進)
 ●犯罪被害者等支援についての啓発の促進
 ●犯罪被害者等についての教育の推進
 ●犯罪被害者等支援に従事する支援者等の人材育成など

(当事者に寄り添った支援の推進)
 ●相談窓口対応の充実
 ●犯罪被害者等支援コーディネーターの配置
 ●法律相談の支援
 ●再被害防止措置の確保

〇性的指向・ジェンダーアイデンティティ(性自認)

(教育・啓発の推進)
 ● 性的指向及びジェンダーアイデンティティ(性自認)の多様性についての教育・啓発
 ●政府の施策と連携した啓発事業

(当事者に寄り添った支援の推進)
 ● 性的指向及びジェンダーアイデンティティ(性自認)の多様性を尊重する社会づくり(佐賀県パートナーシップ宣誓制度の運用など)
 ●LGBTsに関する相談

〇その他

(教育・啓発の推進)
 ●北朝鮮当局による拉致問題などの啓発
 ● 災害の被災者や被災地に対する差別などを防ぐための啓発 など

(当事者に寄り添った支援の推進)
 ● 災害に伴う人権問題への対応(男女共同参画の視点を取り入れた避難所運営等) など

 

佐賀県人権施策基本方針データ

  ◎佐賀県人権施策基本方針(本冊)  

  ◎佐賀県人権施策基本方針(概要版) 

 (参考)
  「全ての佐賀県民が一人一人の人権を共に認め合い、支え合う社会づくりを進める条例」(2023年(令和5年)3月制定)はこちら別ウィンドウで開きます



















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