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※会見録は、わかりやすいように一部校正しています。
平成28年9月2日 知事定例記者会見
質疑内容
○NHK
オスプレイの問題について、前回の定例記者会見以降の状況の変化として、7月にお送りした防衛省への質問書に対する回答が、一部まだのところもありますけれども、回答書が来ましたと。あと、今月からは各地区の校区ごとの説明会もある予定とお聞きしていまして、一方で、漁協さんからの質問書についてはまだ送ったばっかりという状況であるということと、漁業者の方が今月からはノリの養殖の準備なんかも終わるという状況はありまして、そのあたりを勘案しますと、知事の御判断に向けては、今はどういう環境にあるかという御認識をまずはお伺いできればと思います。
○知事
我々の全体像の明確化ということに関しても、大分進んできたなというのは、これは毎回申し上げているところで、現在、防衛省さんが自治会、それから漁協さんに今話をしているところだと思っています。
その中で、漁協さんにつきましては、8月23日に漁協からの文書が県に来て、県とお互い、同じように整理していこうということだったので、県のほうから防衛省さんのほうに質問文書を8月26日に送ったところです。これが23項目です。たまたま同じ日だったんですけれども、うちのほうからの33の質問書に、同じ23問帰ってきて、残りの10問、これが基本的には騒音だとか大気関連があるわけですから、そういった形で、今お互いの確認作業が進んでいるのかなと思いますし、自治会のほうについても、私が聞いたところによると、またさらに防衛省のほうから地元のほうに入ってきて、説明会があると聞いておりますので、そういったところについて、今しっかり注視している状況だと思っています。
○NHK
9月の定例議会でも恐らく先生方から質問があると思いますけれども、9月の定例議会で知事としての受け入れするかどうかに対する判断を打ち出す段階にはありませんか。
○知事
私はスケジュール感は持たないのでという話はさせていただいていますけれども、今の流れからいって、県議会議員の皆さん方の考え方も私は非常に重要だと思っていますし、各県会議員の皆さん方の地元のいろんな意見を聞いて、そういったものを今回、9月議会でお話しいただけるのではないかと思っておりますので、いろんなやりとりをしながら、さまざまな検証や検討が行われていくと思いますが、9月議会の中でということは、今までの県との流れからいって難しいというか、そのスケジュールになる可能性はあまり想定できないのではないかと今思っています。
○NHK
知事は常々スケジュール感を持たずにとおっしゃっていますけれども、そうすると、9月の議会のうちにと結論を急ぐお考えは……
○知事
ないです。
○NHK
玄海原発について、きょう、まさに規制委員会の現地調査が行われています。再稼働に向けた審査のステップが確実に前に進んでいる状況だと思うんですけれども、先般、知事がおっしゃっていた20の市町の首長さんとの意見交換をされたいというお話でしたけれども、その機会は、具体的な時期だとか、形式だとか、そういうようなことは知事の中でお考えが進んだ部分がありますでしょうか。
○知事
まず思っているのは、いずれやってくる、我々としてどういう意見を出していくのかというタイミングの中で、20の首長さんと話す機会をつくっていこうかなと思っておりますけれども、これも毎回申し上げておりますように、この審査が進んでいく中で、国の考え方を聞いて、その後のあり方を考えていきたい、その中で、20人の首長さんの意見を聞くタイミングも考えていきたいと思っています。
○NHK
もう少し国の考えみたいなものを、この後聞く機会を県として持ってからという。
○知事
基本的に設置変更許可が行われる前、きょう規制委員会が現場に行っていますよね。これは大部分進んだということかなと私も思っていて、そこから許可までの間にパブリックコメントも含めて、いろいろな流れがあります。その間に我々として、どういう流れになるのかもしっかりと検討して、許可があると、国のほうから話があって、どういう進め方にしましょうかと。それは個別に各地域ごとにやるという国の話があるので、その中で我々としての地元の思いも伝えながら、その後の手続をやっていく流れになるのかなと思っています。
○佐賀新聞
原発に関して、知事はかねがね幅広く意見を聞く姿勢を示していらっしゃると思いますが、その中で、佐賀県だけ第三者的な専門機関というか、第三者機関の組織がない状況に今なっていると思うんですけれども、鹿児島も新しい知事が誕生されて、設置する意向は示されているんですが、知事として、佐賀県にそういう専門家なりなんなりの意見を聞く場みたいなものは設けられるような考えはあるんでしょうか。
○知事
前から申し上げているように、佐賀県はできるだけ多くの方々の意見を聞きながら、それを公開してやっていきたいという思いはあるわけですけれども、ずっと悩んで考えていたのは、それは本当に委員会という方法がいいのか、委員会という限られたメンバーでなくて、もっともっと多くの方々の意見を聞いて、それを示していくというやり方がいいのかというのは、今考えているところでもありますけれども、ご案内のとおり、同じ九電の鹿児島県庁がそういったことを考えておられて、もしうちの県民の皆さん方が、何かちょっと不安だなと、もし思われていることが多いとしたならば、それは私の本意ではないので、委員会というものをつくって、それ以外の皆さん方の話もしっかり聞いていくやり方も検討しなければいけないかなと思っています。
いずれにしても、我々の検証のやり方は、今、部内で検討しておりますので、その中で、それも検討していきたいと思っています。
○佐賀新聞
国から来た後で意見を聞いた上での判断だと思うんですけれども、知事としてそういう意見を聞いた上での判断基準というのは、どういうふうなものを今想定されているんでしょうか。
○知事
もともと私は、今いろいろな県でいろいろな検証も進んでいますし、もちろんさまざまな論点も出てきているので、そういったところをしっかりとよく我々自身も佐賀県に置きかえて問題がないのかどうか一個一個しっかり整理をしていって、来るべきそういう時期になったときに、我々としての考え方もお示しして、県民の皆さん方にどうお考えなのかしっかりとお伺いをして、もちろん県議会の皆さん方の話も聞いて、我々としての考え方を示していくという大きな流れだと思いますけれども、個別にそれをどうやっていくのかということについては、今、中で議論をしているところです。
○佐賀新聞
そのいろいろな論点というところを今具体化していただくことはできますか。
○知事
多くの問題点があります。最近でいえば高浜の避難訓練がいろんな天候の問題によって、なかなかうまくいかない問題とか、基準地震動とか、あと免震棟の問題だとか、あと熊本の場合のように連続して起こる災害に対して、屋内退避がどうなのかとか、毎回毎回いろんなことがこうやって出てくるので、そのたびに我々として大丈夫だろうかという検証はしているので、そういった多くの問題について、いずれ整備して、我々の考え方も示すときがあると思います。
○佐賀新聞
教育委員会のシステムに不正アクセスがあった事件で、既にもう検証のための第三者委員会も立ち上がっている状況ではあるんですが、この件に関して、県も進めてきた責任が一定レベルあると思うんですが、県なり県教委なりの責任のとり方とかは知事としてはどのようにお考えでしょうか。
○知事
そこは教育委員会が自ら考えていただく話だと思いますけれども、しっかり考えていただくような形で、我々がさまざまな申し出をすることは大事だと思っているんです。我々のシステムでは教育委員会は独立していますから、知事がやることというのは、例えば、予算だとか教育長の指名とか限られているので、その中で信頼して動いてもらうしかないというところで、ぜひ教育委員会には自浄的に、自主的に現場を大事にしながら、何がミッションなのかがわかった上で第三者委員会の指摘にも素直に、謙虚に受けとめてもらいたいなと思っています。今年から総合教育会議もあり、次の総合教育会議では、その問題についても説明を受けることにしていますから、そういった機会を通じて佐賀県の教育委員会が自主的に、本当に県民から信頼される組織になっていくことを期待したいと思います。
○朝日新聞
諫早干拓について、きょうまさに今、この時間、福岡で4県協議が始まって基金案について議論されているところです。2年前に規約が改正されたときに、4県協議の性格として、開門問題には触れずに、あくまで水産振興について話し合う場としてスタートしたところです。でも、今回、大臣が来られたときに、長崎県でのぶら下がりで言っていたんですけれども、国としては、今回の4県協議は長崎地裁の延長として話し合う場であって、開門しないという地裁の前提が引き継がれて、今回4県協議が始まりますよという認識のようなんですね。その点について、構成メンバーである県としてはどのようにお考えでしょうか。
○知事
私はかねがね、この問題についてはあまり話さないといって会うのはどうかと、いかがなものかなと思っていました。それは長崎県庁にいたときからそうで、この問題は別にしてやるってどうなのと。やっぱりいろんな人が掛け値なしに話し合う中でいろんなことが出てくるのかなと思っています。
その中で、その問題をやるからそれにオーケーだということとは全く違います。ただ、いろんな意味で、できる限り関係者が集まる機会はあっていいんじゃないかなと思っています。
○朝日新聞
前提云々よりも、集まって話し合うということに意味があるというお立場。
○知事
そう。私は関係者が、有明海の再生という問題で掛け値なしに会っていくのは非常に有意義だと思いますし、その中でそれぞれの主張をしていくことはあっていいんだろうと思っています。
○朝日新聞
その際に規約が改正されたときに知事レベル会合も可能とするという形になっているんですけれども、それから2年、まだ知事レベル会合には至っていないんですが、今回、この機を捉えて知事としてはそういうところに出ていきたいというお考えのありますか。
○知事
私は求められたら、全くやぶさかではありません。そのときに、4県で、今までもいろんなシチュエーションがあったんですけれども、こういう議題だから出ないとか、そういうのはもうやめにしたほうがいい。すべからくそれぞれの思いをちゃんと言って、有明海の再生というミッションはみんな同じなので、その上でどうあるべきなのかということはあっていいんではないかなとは思っています。
○西日本新聞
原発のことで改めてお伺いしたいんですけれども、現地調査がきょう行われていますが、最後と言われています。改めて、知事の現段階での再稼働の是非をお聞かせください。
○知事
この問題は、規制委員会の審査をしっかりして、県民の意見を聞いて、その上で再稼働とする方向については、もうずっと一貫して言ってあります。ただ、先ほど言ったさまざまな論点もありますから、そういった問題についてしっかり確認作業をした上でということなので、そういった方向でこれからも考えていきたいと思います。
○西日本新聞
お答えが重複してしまうかもしれないんですけれども、そちらの判断時期の表明、それはいつごろになると考えていらっしゃいますか。
○知事
今、審査の最中ですけれども、これは本当に先が見通せないです。ただ、その中で、きょう現地調査が入ったことを考えると、今までの、ほかの原発を考えると、これから数カ月の中でいろんなことが行われていくのかなというイメージは持っています。
○西日本新聞
あと、原発の重大事故時の避難計画についてお伺いしたいんですけれども、今、現段階での避難計画では、5キロから30キロ圏の住民は屋内退避が前提になっていますけれども、熊本地震では、多くの道路とか建物とかが損壊して、計画に無理があるとか、屋内退避は大丈夫なのかという声が住民のほうからも出ていますけれども、避難計画についての見直し、こちらはどう考えていますでしょうか。
○知事
これはやはり国のほうの指針を直す作業、検証する作業はもちろんやっていただきたいと思うんですけれども、私が現時点で思うのは、やはり原子力があってもなくても、地震がさらに連続する可能性は、今回の熊本地震でも実証されたわけですから、要するに地震が起きたときに、原子力の緊急事態が起きてようが、起きていまいが、まず、自分の家にいるよりは、例えば体育館だとか避難所だとか、そういったところに避難していただくことを習熟していくことは大事だろうと思います。今回、10月10日に訓練もありますから、そういったことも含めて、実証する場にしていきたいなと、同じ論点としていきたいなと思っています。
○西日本新聞
先月の会見でもありましたけれども、再稼働に関する住民説明会、現時点で開催の考えはありますでしょうか。
○知事
これから皆さん方に、どういうやり方をやるかということの中で考えていきたいと思いますけれども、基本的にやれることは何でもやっていきたいなと。今までの他県の例も参考にしながら、プロセスを大事にしながらやっていく中で、そういったものも考えていきたいと思いますし、そのときにはそれぞれ説明する主体もあるわけですから、そういったところとも相談しながら、どういったやり方にするのか考えていきたいと思います。
○西日本新聞
説明する主体というのは、九電ということでよろしいでしょうか。
○知事
九電が説明する場面もありますし、国が説明する場面とかあると思うんです。県民の皆さんとか、市町の状況だとか、そういうことに応じて、そういったところについて考えていきたいと思います。
○佐賀新聞
先日、新潟県の泉田知事が地元紙の報道を理由に出馬表明を撤回されていますが、このような知事の姿勢に関して、知事としてのご所感をお伺いしたいんですけれども。
○知事
他県のことについて私が口を挟むのはどうかなと思いますけれども、一般論的に言うと、私はやっぱり報道機関に対して──報道機関というか、その向こう側にやっぱり県民の皆さんがいて、そこに謙虚に、愚直に、真っすぐにというか、そういう姿勢で向かい合っていきたいなと思っています。なかなか思うように報道していただけないと思うこともありますけれども、でも、それも含めて、自分自身の見え方ってそうなのかなと思いながら、謙虚にそのときの状況に応じて対応してやっています。
○NHK
異動の話ですけれども、ことしは5、60人程度という知事のお話でしたけれども、来年以降、軌道にのってきたら、4月と10月の比率と言うんでしょうか、どれぐらいのイメージ。
○知事
私は10月をふやしていきたいなと思っています。
○NHK
それはなぜでしょうか。
○知事
先ほど申し上げたように、4月に全てを変えると、1つは、県庁の組織は4月最初のころ一回お休みというか、勉強ゾーンみたいになっていて、どうしても端境期みたいな形になって、新しい人は勉強しなければいけないのでというところもあったりすることと、まず新しい年度になったときに、この予算はどういう考えなんだろうという検証から始まっていくところもあるので、できる限り4月1日をスルーすることによって、自分が責任を持って現場に行って要求した予算とかをそのまま執行できるメリットもあるんです。ということと、その分4月1日が減るものだから、転校生というか、新しく来た人たちが、そういったことで意思疎通とか、お互いの課の中でよく現場のことをわかっている人間の意見も聞きながらできたりとか。新聞社でもどうなんですか、4月1日にがらって変えたりしませんよね。そのときそのときの状況に応じて。
だから、そういったところというのがあったほうがいいのかなと思うのと、そうは言っても、あんまりやり過ぎても安定性を欠いたりとかあるので、年にまず2回定期異動にして。佐賀県もいろんな課題を抱えていて、それに応じた体制を組むのはすごく大事なことですけれども、それと、職員の皆さん方も、そんな少しずつ異動といったら大変なところの、その辺の設置を考えたときに、この10月を少しずつふやしていくことで、年に2回でその辺の中和を図ったという感じでしょうか。
○朝日新聞
オスプレイに関連してですけど、昨日、佐世保の市の総合防災訓練で、オスプレイが、米海兵隊のですけど使われました。佐世保市長さんも、その後の囲み取材で佐賀空港に配備されて、防災拠点となることは大歓迎だという趣旨のことをおっしゃっているんですけれども、配備に関連して改めて防災拠点になるというのは、きのうの佐世保市の報道なども見て、知事は現時点でどのようにお考えですか。
○知事
私はよく見ていないんですけれども、職員も、副部長を派遣してどうだったという話も、報告も受けています。浮島だったか、非常に早く行けたことだとか、飛び立って瞬時にアウエーというか、離脱できることだとか、機体はそこそこ揺れるというか。運搬という意味ではいいのはわかっているんですけれども、なかなかそこで救護の医療行為だとかはどうなのかなとか、いろんな論点はあると思います。その中で、熊本地震でも使われたんでしょうか。そういったことも含めていろんなことが検証されるのはいいんじゃないかと思いますし、佐世保市長のお考えはご自身のお考えなんだろうと思います。
○朝日新聞
将来的にですけど、例えば、10月10日じゃないですけれども、佐賀県のほうでも防災訓練で使ってみたりだとか、そういう将来的な考えはありますか。
○知事
システムとすると、自衛隊は私の要請になるんですけれども、今回は米軍ですよね。米軍は米軍のご判断もあると思います。私もオスプレイ自体がどういう形でどういう音を出すのか、今問題になっている騒音だとか大気だとかは一度知ってみたいとは思いました。
○朝日新聞
どこかの機会を捉えて、試乗してみたいというような話ですか。
○知事
試乗するということではなくて、動きというか、近くでその音を感じたりというのは意義のあることなのかなと思いますけれども、私も最近、いろんな報告とか話の中で、実際やっぱり来てもらわないとわからないという声も多いという話もあるので、いずれ、これからいろんな検証をする中で、状況に応じて、タイミングによるんでしょうけれども、この検討が進んでいく過程の中で一度来てもらうということもあってもいいんじゃないかとは思っています。
○サガテレビ
それに関してなんですけど、実際に防衛省のほうにも強く要請していくとか、デモフライトも含め、住民も来てほしいとおっしゃっているので、その辺を強く要請するとか、その辺のお考えはいかがでしょうか。
○知事
皆さん方の要請がどうなのかとか、今まさにそういった確認作業をやっているところなので、その中で、そういうタイミングがあるとすれば、私としては、それをとめる気はないし、そういうタイミングがあれば、実際、私も行ってみようかなとは思っています。