SAGAガストロノミー交流大使委嘱の経緯について
佐賀県とアドゥリス氏の交流のきっかけは、2013年に有田焼の窯元チームがフランスのリヨンで開催された展示会に出展し、アドゥリス氏と知り合ったことから始まりました。2014年には、アドゥリス氏が主宰メンバーとして関わっている料理に関する世界会議に九州陶磁文化館の館長と有田焼窯元が招聘され、有田焼の歴史や文化、有田焼の手仕事によるものづくりについて講演を行いました。
また、2016年に有田焼400年事業の一環として有田町で開催された世界料理学会 in ARITAでは、「共謀のためのツール」というテーマで自分の料理に影響を受けた日本に対する尊敬と400年を迎えた有田に限りない敬意を払いながら自らがシェフとしての創造をどう行ってきたかを講演していただきました。
その後、2022年2月の佐賀県と駐日スペイン大使館との観光、ガストロノミー、スポーツ等の連携・交流等幅広い分野での連携及び交流に関する覚書締結に際しては、アドゥリス氏から佐賀県とのこれまでの取組や佐賀県の文化や人への敬愛と今後の取組への期待を込めたビデオメッセージをいただきました。
その後も、2023年3月には、山口知事をはじめとした県内関係者がスペインを訪問した際にもアドゥリス氏と面談するなど、交流を深めてきました。
アドゥリス氏はミシュラン二つ星を獲得し、世界ベストレストラン50で常にランクインするなど世界的に評価が高いだけではなく、自ら世界的な料理学会を主催したり、ハーバード大学やMIT、バスク州立大学などで講義を行うなど世界的な情報発信力を持たれており、同氏レストランでは有田焼や佐賀酒、柚子胡椒など佐賀県産品を採用いただくなど、これまでにも佐賀県の情報発信に貢献いただいています。
今後、ガストロノミー分野におけるスペインと佐賀県の架け橋となっていただくとともに、同氏のレストランや料理学会など通じて佐賀県の地場産品等の魅力を発信していただくなど様々な面で協力していただくため、この度SAGAガストロノミー交流大使を委嘱するものです。
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スペイン訪問時のアドゥリス氏との面談(2023年3月) | スペイン大使館との覚書締結(2022年2月) |
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世界料理学会in
ARITA (2016年) | TABA : 有田を舞台にしたMUGARITZの映像作品 (2015年) |
1971年サンセバスチャン生まれ。学生時代、バスク料理と地元産品に深い造詣を持ち、卒業後、世界的に著名なシェフ、フェラン・アドリア氏の店「エル・ブリ」で働き始める。1998年、アドゥリス氏はムガリッツをオープンし、2006年にはミシュラン二ツ星を獲得した。また一方で、ハーバード大学やMIT、バスク州立大学、デウスト大学などで講義を行う。スペインのNational Gastronomy PrizeやThe World’s 50Best Restaurantsにおけるサンペレグリノ社によるChefs’ Choice Award、エッカート・ヴィツヒマン賞、そしてRoyal Academy of GastronomyによるHealthy Cuisine Awardも受賞している。
フランスのリヨンで開催された展示会をきっかけに有田焼のデザイン力や技術力に魅了され、それ以降、有田焼の窯元と一緒にオリジナルの食器を多数創作し、現在も継続して使用している。また、柚子胡椒など佐賀県産の食品を採用したり、昨年春から佐賀酒を採用しワインリストに加えている。
2006年に「世界ベストレストラン50」に初めてランクインして以降、2023年まで毎年ランクイン。2011年と2012年には第3位に選ばれ、2008年と2012年にはシェフズ・チョイス賞(料理人によって選ばれるその年のベストシェフ)に選ばれている。
2016年、有田町で開催された世界料理学会 in ARITAで講演を行い、2022年2月の佐賀県と駐日スペイン大使館とのMOU締結式の際に歓迎ビデオメッセージを送っている。