令和5年12月4日 文化課 文化財保護・活用室 担当者 長崎・細川 内 線 3343 直 通 0952-25-7233 E-mail bunkazaihogo@pref.saga.lg.jp |
吉野ヶ里遺跡で国内最古級とみられる青銅器鋳造遺物が発見されました
佐賀県では、令和4年から吉野ヶ里遺跡「謎のエリア」の発掘調査を進めており、令和5年5月3日~6月15日に実施した調査では、邪馬台国時代の石棺墓が発見され、全国的に大きな注目を集めたところです。
令和5年9月23日から調査を再開(9月1日から準備開始)したところ、新たに国内最古級とみられる弥生時代中期の青銅器鋳造遺物が出土しました。
詳細は下記のとおりです。
記
1 発見された青銅器鋳造遺物
鋳型 2点(両面鋳型1点、片面鋳型1点)
取瓶(とりべ)または坩堝(るつぼ) 1点
銅剣・銅矛鋳型(両面) 銅剣鋳型 取瓶または坩堝
石材:蛇紋岩(じゃもんがん) (銅矛の可能性あり)
石材:石英斑岩(せきえいはんがん)
2 出土地点
吉野ヶ里遺跡日吉神社境内地跡(吉野ヶ里丘陵地区IX区401調査区)
石棺墓の西側付近(遺物包含層からの出土)
3 時代
弥生時代中期前半(紀元前2世紀頃)
4 出土した日
・銅剣・銅矛鋳型 令和5年 9月6日
・銅剣鋳型 令和5年10月9日
・取瓶または坩堝 令和5年 9月7日
5 青銅器鋳型の出土例
吉野ヶ里遺跡では8・9例目(うち重要文化財4点)
6 発見の意義
・日本における青銅器生産は九州北部(福岡県、佐賀県、熊本県)で始まったが、今回の発見により、吉野ヶ里遺跡が当時の最先端技術である青銅器鋳造技術を取り入れた遺跡の一つであることが再認識された。
・吉野ヶ里遺跡でこれまで出土した鋳型石材7点は全て石英斑岩であり、蛇紋岩の鋳型の出土は初めて。当時、青銅器鋳造の先進地であった朝鮮半島ではほとんどの鋳型が滑石製であり、これに近い石材(蛇紋岩)を求めた可能性がある。
・吉野ヶ里遺跡は、弥生時代をとおして集落の発展・変遷が分かる遺跡として学術的な評価を得ている。青銅器鋳造は、弥生時代中期における最先端技術の導入であり、集落構造の特徴や変遷を解明するうえで、これまでの吉野ヶ里遺跡の研究成果を敷衍する極めて大きな発見といえる。
7 出土品の公開・情報発信
(1)速報展示会
期日:令和5年12月7日(木曜日)から12月22日(金曜日)
場所:吉野ヶ里遺跡展示室(国営吉野ヶ里歴史公園内)9~17時
※観覧料無料。ただし、吉野ヶ里歴史公園の入園・駐車料金が必要です。
(2)情報発信
発掘調査の情報は、公式ホームページ「ナゾホルよしのがり」でも確認できます。
【ナゾホルよしのがりURL https://yoshinogari.fun/(外部リンク)】
添付資料