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令和5年7月 九州北部豪雨災害について

最終更新日:

 皆さんおはようございます。まず冒頭に、このたびの災害におきまして、特に浜玉地区で3名の方がお亡くなりになりました。心からご冥福をお祈りしたいと思います。

 そして、今でも多くの皆さん方が災害で苦しんでいます。心からお見舞い申し上げたいと思いますし、皆さんを支えるために多くのボランティアをはじめ皆さんのご支援をいただいております。こちらに関しまして、心から感謝申し上げたいと思います。

 まず最初は、この令和5年7月の九州北部豪雨災害について、概括的に報告、そして、今後について話をさせていただきたいと思います。

 まず、全ての前提になりますが、これまでも何度か申し上げたことですが、この5年ぐらいは、5年というかもっと、7、8年と言ってもいいのかもしれません。朝倉豪雨災害のときからずっと我々は気候変動によって、全く状況が違うということを申し上げてきました。昭和の頃とは全く雨の降り方、そして、最初の頃は豪雨災害、ゲリラ豪雨、そして、線状降水帯とかいろんな言い方をしていますけれども、局所的に激しい雨が降るというものがこの昨今の雨の降り方であります。ですので、気象庁との話の中でも、我々の中では昭和の頃に鹿児島で降っていたような雨の降り方が北部九州で降っているということ、これを大前提にまず最初にお話をさせていただきたいというふうに思いますし、私も高校は鹿児島で過ごしたわけですけれども、あの頃に激しい雨が降りました。ただ、鹿児島の地形はそれを吸収するようなシラス台地というか、そういうところもあったわけですけれども、我々の北部九州の地形がそれを吸収できるような形になかなかなっていないということで、この異常気象にどう対応していくのかということが大きな問題意識として持たなければいけないということを考えています。ですので、連続で大雨特別警報が出されていることもそうですし、これは毎年来るものだということで我々は備えなければいけないという意識でおります。

 今回の令和5年の豪雨災害の特徴について、概括的にお話をさせていただきたいと思います。

 長雨が続く中で線状降水帯が発生したわけですけれども、特に唐津市から脊振山系に係る北部地域、そして、鳥栖市周辺の東部地域を中心に、短時間に豪雨が集中したというのがまず一つ、事象として上げられます。令和元年、令和3年についてはもうちょっと南側、武雄、嬉野、それから神埼というところが被災したわけですけれども、そこに比べてもうちょっと北のほうで、特に山岳地域、山間部といったところ、北部から東部にかけてというところに豪雨が集中したわけであります。

 今回は非常に施設被害が多い災害でした。最大時間雨量が92ミリを、唐津市から佐賀市の山間部で観測して、ご案内のとおり、唐津市七山、平原、鳥巣など、そして、富士町の麻那古地域などの山間部で土砂災害が発生いたしました。

 さらに、城原川上流で最大時間雨量85ミリを観測したことによって河川、玉島川、城原川、こういったところでの河川水位が上昇して、護岸の崩壊が発生したということが随所に起きたということが大きな特徴であります。

 非常に人災というか、住家という意味からすると、この平原今坂地区のまさに亡くなられた災害というのが非常にクローズアップされております。これがありましたし、鳥巣、麻那古、そして、こういう落橋ということがよく報道されましたけれども、こういうふうな被害はありますけれども、全体とすると、多くの施設被害が起きたということが大きな特徴なのかなというふうに思います。

 客観的な数字で見ていきますと、住家被害に関しては、例えば、家屋の全壊、半壊を見ますと、令和元年、令和3年は1,000件、1,200件だったのが、今回は50件なんですね。浸水被害、いわゆる床下、床上、合わせますと、令和元年は5,000件、令和3年は2,400件、今回は90件です。ですので、もちろん亡くなられたところもありますし、非常に厳しい災害ではあったんですけれども、令和元年、令和3年は非常に多くの皆さん方に影響を与えた災害であったということは言えるのかなというふうに思います。そういった意味では、住家被害については、深刻な被害であったんだけれども、局所的だったというふうに、客観的に申し上げられるのかなというふうに思います。

 逆に言えば、道路、河川等の被害箇所、被害額に関しましては、せんだって復旧・復興本部で発表がありましたように、令和元年、令和3年よりも箇所数は多いし、被害額も今の時点で、発災後1週間でもう令和元年、令和3年を上回っている被害が起きている。簡単に言うと、道路を土砂で覆っていて、それの復旧だったり、護岸が崩れ落ちていて、そこを復旧しなければいけないという意味で、施設被害系が非常に多いことが今回の大きな特徴ではないかというふうに思っています。

 というところが、いわゆる客観的な、今回の現状における被害の概況というふうに整理をさせていただきました。

 我々といたしましては、7月10日の朝6時に災害警戒本部、それまでもちろん連絡室で夜通し警戒をしていたわけですけれども、この朝方に線状降水帯も発生して、そのまま災害警戒本部を設置しまして、私も6時台に出勤して指示をして、現地確認も翌日に行って、復旧・復興推進チームを割と早めに設置しました。今回の現地確認をして概況報告を受ける中で、やはり非常に多くのところが、護岸ですとか道路が埋まっている状況でありましたので、併せて並行して復旧・復興を早めにしなければいけないという判断をして、いつもはもうちょっと災害対策をずっとやっているんですけれども、それはそれである程度方向性が確認できたので、こちらを早めに設置するということにいたしました。

 14日に関しては、災害復旧を様々な皆さん方に依頼をしに行きましたけれども、併せて特徴的なこととして、やっぱり温暖化対策をしっかりやっていかないと、これは毎年のことになるよという話を、政府全体で取り組んでいただきたいという話をさせていただきました。

 現地は、これは平原の現場ですけれども、自衛隊さんのご支援もいただきながら、消防、警察、自衛隊、みんなで順番に交代交代ですね、土砂災害というのは本当に土で完全に埋め尽くされていて、少しずつ掘り起こしていくような作業で大変なことです。私も地震の現場も行ったことありますけれども、全く違っていて、非常に労力と時間がかかる作業で、こちらについても現場で頑張っていただいた実動部隊の皆さんに本当に心から御礼申し上げたいと思います。海上保安庁の皆さん方にも、我々のかちどきと一緒に様々な捜索もしていただきました。ありがとうございました。

 ということで、復旧・復興を行っているわけですが、この設置をして、翌日に第1回会議を開きまして、大きくインフラ関連と農業を中心とした産業関連グループの支援、そして、生活支援ということで、特に、生活関連に関しては、やはり今回、平原の皆さん方もまずどうしていいのかということで非常に呆然とされておりました。被災数が多いわけではなくても、我々がいつも申し上げているように、被災された人にとっては同じことなので、数の問題ではなくても、それぞれの家庭にしっかりと向き合っていくということは大事だというふうに思います。大きい災害だと支援住宅、仮設住宅ができたりとかするわけですけど、そういうことではない、むしろ個別対応が必要になるときこそ、NPOの皆さん方と一緒に生活支援をしていくということはとても大事になっていくと我々は考えています。

 それぞれ分けていきますが、インフラについてはご案内のとおりです。このような形に道路が封鎖されているところがありましたので、速やかに土砂の撤去をして、まず通行が可能になるようにしたりとか、護岸崩壊も、これはまず応急処置ではありますけれども、このような形で土のうを積んだりしながら、できる限りまずやれることをやろうということで、建設業の皆さん方の支援も受けながら対応しております。

 さらに、排水ポンプ車も県は5台整備したわけですけれども、最初、鳥栖のときにも出動しましたけれども、今回も轟木川の排水作業で少しでも早く冠水を取ろうということでポンプ車は活躍しておりますし、ドローンも被災状況の調査ということで、特に、今坂のものはかなり上から崩れ去っていますので、状況確認にドローンが非常に有効でありました。

 産業関連に関しては、特に浜玉に関してはハウスみかんのメッカでありますから、ミカン系、それから富士町のホウレンソウ、さらに東部のみやきのアスパラガス、こういったところ、さらに言えば、漁協の漂着ごみを取っていくということであります。こういったことを中心に、さらにこれから営農再開に向けた支援を、農林水産部を中心に努力していくということであります。

 さらに、生活関連に関してですけれども、ここに書きました、おひとり、おひとりに寄り添って支援をしていくということで、生活、住まい、そして心身の健康面を、企業、CSO等とも連携してフォローしていくということであります。

 それぞれ対象の地域がいろいろありますけれども、市町と連携しながら住民本位にしっかりと応急住宅ですとか、修理ですとか、生活再建支援制度、こういったものを活用して支援をしていきたいというふうに思います。

 災害ボランティアに関しましても非常に参加をいただきました。本当にありがたいなというふうに思っております。みんなでお互い支え合いながら、少しでも前に向けるように努力をしていきたいというふうに思います。SPFもいつも本当にありがとうございます。皆さんのおかげできめ細かい支援が可能になっております。

 それで、7月が終わって、これからまだまだ8月、9月とあるわけでありまして、実は、令和元年3年の豪雨災害は8月に起きているわけでございます。ですので、ぜひ土砂災害警戒区域、要は山のほうにお住まいの皆さん方にお知らせなんですけれども、もちろん、避難していただくのが一番いいので、我々も避難指示の在り方など市長、町長と一緒に連携して取り組んでいるわけですけれども、一つ前提として申し上げておきたいのは、内水氾濫は避難に時間的余裕はある程度あるわけで、そして、浸水しても我々が助けに行くことが可能なんですけれども、ご案内のとおり土砂災害は一瞬なんです。一気に土砂崩壊で家屋を飲み込んでいきます。そして、どの地点で起こるか予想は不能です。例えば、土砂災害警戒区域の設定などは気象庁と連携しながら、黒になったり紫になったりというところはあるんだけれども、じゃ、具体的にどこの箇所が崩れるのかというのは、さすがにこれは分かりません。ということと、冒頭に申し上げましたように、昔と全く雨の降り方が違います。ですので、私も現場現場に入って、住民の皆さん方から聞くと、今までなかったもんねと。これまで一度もなかったという話はよう聞きます。今までと違うんですよ、災害の、雨の降り方がですね。だから、降るとき、そして崩れるときは一瞬なので、そこの意識を、逆に言えば、これまでの昭和からの過去の経験というのは余り生きてこないということを我々は県民の皆さん方と共有しなければいけないという強い問題意識を持っています。

 ですので、もちろんできるだけ早めに市町からの避難指示等に従って安全な場所に行っていただくと。特に夜、避難するのはなかなか厳しい状況のときもありますので、あらかじめ避難していただくということがもちろん推奨されるわけですけれども、そうでなくても、なかなかそうは言っても避難していただく方はまだまだ限定的です。それでも、せめて移動困難なときはどこに寝るのがいいのかなと。どっちかと言うならば2階、垂直避難ということをお勧めしたいと思います。もちろん、これはケース・バイ・ケースなんですけれども、我々の経験で、これまでの土砂災害は基本的に1階部分をダルマ落としのようになることが結構多いです。これは確率論なので、絶対そうかと、100%とは言い切れないところがありますけれども、1階か2階かと問われれば2階のほうがいいと思います。垂直避難を推奨しているのにはそういう考え方があるんだというふうに思いますので、ここにあります、多くは1階で被災している。ですので、あとは斜面の反対側ということだけでも救われる命もあると思いますので、ここはまさにみんなで県民と一緒になって、協働でそういった対応ができるように一緒に頑張っていきたいなと、心がけていきたいなというふうに思います。何といっても救える命を少しでも救えるように、助かるようにしていきたいと思っております。

 ということで、これから復旧に取り組んでいきたいと考えております。

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