このたび、高円宮妃殿下ご臨席のもと、「天皇賜杯第77回全日本軟式野球大会」が、佐賀県において盛大に開催されますことをお喜び申し上げます。
全国各地からお越しいただきました皆様、ようこそ佐賀にいらっしゃいました。心から歓迎いたします。
また、コロナ禍にあって感染対策を徹底され、これまで本大会の準備に力を尽くしてこられた関係者の皆様に深く敬意を表します。
今、佐賀県では、「SAGAスポーツピラミッド（SSP）構想」を掲げ、スポーツを「する」「育てる」「観る」「支える」といった多様なスタイルで楽しむ文化を広げるとともに、トップアスリートの育成に取り組んでいます。その一環として、「王座奪還プロジェクト」と銘打ち、夏の全国高校野球大会での３度目の栄冠を目指し、この佐賀の地で、子どもたちが仲間とともに切磋琢磨しながら全国の舞台で活躍する選手に育つよう支援しています。
2024 年には、“体育”から“スポーツ”へ名称が変わる初めての「国民スポーツ大会」そして「全国障害者スポーツ大会」が佐賀県で開催されます。新たな時代にふさわしいスポーツ文化を発信していくため、チーム佐賀・オール佐賀で佐賀らしい取組を進めています。
佐賀県は、球界のレジェンドである権藤博さんをはじめ、西武ライオンズの辻発彦監督や広島カープ緒方孝一前監督など、多くのプロ野球選手を輩出しています。
時代を遡れば、今年没後百年を迎えた佐賀の偉人・大隈重信もまた、野球への情熱にあふれた人物として知られています。
西洋の様々な文化が取り入れられた明治時代、スポーツの素晴らしさが徐々に伝わるなか、大隈は、早稲田大学野球部とアメリカ大リーグ選抜チームの親善試合において、自らマウンドに立ちました。早稲田の創設者であり首相をも務めた大隈が力の限りボールを投げる姿は、多くの観客をさぞ驚かせたことでしょう。それが、日本野球における始球式のはじまりといわれています。
「諸君は必ず失敗をする、隨分失敗をする。失敗に落胆しなさるな。失敗に打勝たなければならぬ。」
大隈が残した言葉のように、選手の皆様が、この佐賀の地で、仲間たちと支えあい失敗をも乗り越えながら、悔いのない試合を繰り広げられることを期待しています。
結びに、本大会のご成功と選手の皆様のご健闘をお祈り申し上げまして、歓迎のことばといたします。