第17回全国弓道指導者研究協議会ならびに第53回全日本教職員弓道選手権大会が、ここ佐賀の地で開催されますことをお喜び申し上げます。
全国各地からお越しになられた皆様、ようこそ佐賀にいらっしゃいました。心から歓迎いたします。
佐賀県には、江戸時代の佐賀藩士が残した『葉隠』という武士の心得を説いた書があります。
その一節には、「仕届け候へばはや違い候。一生と存じ候へ。」という言葉があります。
何事もこの上はない、これ以上は成長しないと歩みを止めることなく、向上心を持ち続けることの大切さを説くこの言葉は、まさに、「弓道は、永遠に求道」とも言われている弓道の精神と相通じるものがあるのではないでしょうか。
ここにお集まりの選手の皆様も、日頃から生徒一人ひとりの成長を見守る指導者として、自らの目標に向かう選手として、昨日より今日、今日より明日と努力を続けてこられたことと思います。
鍛錬の道においては、技術を高めるだけではなくご自身の心も磨き続け、ライバルと切磋琢磨されながら、人生を深く豊かなものにされていることでしょう。
今、佐賀県では、「SAGAスポーツピラミッド（SSP）構想」を掲げ、スポーツを「する」「育てる」「観る」「支える」といった多様なスタイルで楽しむ文化を広げるとともに、世界に挑戦するトップアスリートの育成に取り組んでいます。
また、2024年には、“体育”から“スポーツ”へ名称が変わる初めての「国民スポーツ大会」と「全国障害者スポーツ大会」が佐賀県で開催されることから、新たなスポーツ文化を佐賀から発信していきたいと考えています。
このたび、全国の指導者の皆様が一堂に会する本大会におかれても、熱戦が繰り広げられるとともに、弓道に親しむ皆様の交流の場となり、次の世代を育む機会ともなりますことを期待しています。
佐賀県には、『葉隠』をはじめ、志ある偉人たちの歴史があり、豊かな自然が育んだ食があり、また、大切に受け継がれてきた和の文化にあふれています。
本大会が、皆様にとりまして、佐賀の魅力を堪能される機会ともなれば幸いです。
結びに、本大会の開催にあたり、ご尽力いただきました全ての関係者の皆様に深く感謝申し上げますとともに、本大会のご成功を祈念しまして、お祝いの言葉といたします。