今回は、みやき町にある綾部神社を訪問し、綾部神社で行われている「旗上げ・旗下ろし神事」や浮立についてお話をうかがい、宮司さんや中原浮立保存会の皆様と意見交換を行いました。
綾部神社は「風の神」をまつる神社で、鎌倉時代の1205年創建。天候を占う「旗上げ神事」と「旗下ろし神事」は千年以上の歴史があり「日本最古の気象台」とも呼ばれています。また、「旗下ろし神事」の前日には五穀豊穣を願い行列浮立が行われています。
初めに、境内に高くそびえる大イチョウの先端に結びつけられた竹の更にてっぺんに掲げられた神旗を拝見しながら、「旗上げ・旗下ろし神事」について説明いただきました。「旗上げ神事」では、神旗人の皆さんが、命綱なしで高さ30メートルの大イチョウに登り、神旗を結び付けた長さ18メートルの竹を下から少しずつ押し上げ、旗を掲げるそうです。その後72日間、宮司さんが毎朝夕の旗のなびき方や巻き方を観察します。「旗下ろし神事」では、下ろした旗の傷み具合と72日間の観察をもとに、農作物の豊凶や台風の襲来を占うとのことでした。
次に、「旗下ろし神事」の前日に行われている行列浮立を体験しました。慶長3年(1598年)に鍋島直茂公から風除けの浮立をするように申し渡されたのが行列浮立のはじまりと言われているとのことでした。浮立で使用する「はさみ箱」や「犀の毛」は見た目よりもずっしりと重く、軽々と持っている皆さんの努力が素晴らしいと思いました。
最後に宮司さんや中原浮立保存会の皆さんとお話をさせていただきました。昔は「旗上げ・旗下ろし神事」の後継者不足に悩まされていたそうですが、参加できる地区が増えたことから今では順番待ちになっているそうです。残念ながら、今年は感染症の影響で浮立などを中止されたとのことでしたが、お話をうかがう中で神事や浮立などを大切に守り抜いてこられた皆さんの想いを感じることができました。
【山口知事のさー行こう!!】
1000年も前から気象に対して想いを巡らせてきた綾部神社の歴史に感慨を受けました。この素晴らしい伝統がずっと受け継がれていくことを期待しています。
特色ある伝統を大切に継承してきた佐賀さいこう!