がん対策の問題について、この４月から、がん撲滅特別対策室を設置させていただきました。３つのお知らせを簡単にしたいと思います。
１つは、職場健診で肝炎ウイルス検査が無料で受けられるようになっております。
佐賀県は肝がん死亡率が18年連続で全国ワーストでございます。これの脱却が急務です。もともとの原因として、Ｃ型肝炎、注射の回し打ちが、筑後川周辺で若干多かったという原因はあるものの、その対応をしっかりすれば肝がんは防げるんですけれども、そこについての普及がまだまだ進んでいないところがあって、今全力でやっているところでございます。
肝がんの原因は、Ｂ型、Ｃ型ウイルス肝炎。ですから、ウイルスに感染しているかどうか検査をしてもらうというのが必要です。しかし、30から60歳の働く世代の受検率が低調ですので、何とか気軽に検査を受けてもらいたい。検査を受けて、今は昔のような大きなお金がかからなくても対処できるので、まず、何とか検査を受けてもらいたいと思っているんです。
県内の企業、佐賀県は中小企業が99％を占めるわけですが、協会けんぽに加入しています。そして、今まで協会けんぽのＣ型肝炎ウイルス検査については自己負担があったのですが、今年度予算によって個人負担分が無料になっておりますので、ぜひ職場健診のついでに無料で、この肝炎ウイルス検査を受けていただきたいと思います。これを受けていただくことによってはっきりしますし、すぐ対処できることによって肝がんの罹患率は大幅に減ると思いますので、何とか、このワーストワンを脱却するために、皆さんご協力をいただきたい。報道の皆さん方のご協力、ご支援をいただきたいと思います。
２つ目は、佐賀県がん総合支援センターが「さん愛プラザ」としてリニューアルさせていただきました。
場所は、メディカルセンターと言って旧好生館跡地、２つ並んでいる北側のほうです。「ふれあい」、定期交流サロンというものを、がん患者の交流会ということで５月から毎月第３日曜日に開催しています。それから、「ききあい」ということで、がん相談日が増加して、月曜日から金曜日まで無料で相談できるようになりました。そして、フリーダイヤルでがんの悩み相談ダイヤルを設営しております。がんにならない、そして、がんになっても安心して暮らせる社会を目指していきたいと思います。
３つ目ですが、佐賀の子どもたちへ未来のプレゼントのピロリ菌の事業です。これは、簡単に説明しておきますと、私も知事になった年に胃がんにかかりまして、それはピロリ菌が原因だったと言われました。「昔の井戸水だったり口移しだったりいろんなことが原因だったと思われます」と言われて、「ということは、そのピロリ菌というものが私の胃の中になかったら、発症していなかったんですか」と言ったら、「基本的にはそういうことなのですよ」と言われ、「であれば、佐賀の子どもたちにピロリ菌の除去を若いうちからやっておけば、この子たちは大人になってから胃がんにかからない」ということですかと聞いたところ、基本的にそうなんだと、ほぼなくなるという話がありました。今、中学３年生にこのピロリ菌検査を全県的に、佐賀県は全国で唯一県単位でやっているんですけれども、胃がんが減ったかどうかがわかるのは、数十年後なので、そういうこともあって未来へプレゼントと言っています。すぐに効果が出ないけれども、いずれ佐賀県民が胃がんにかかっていないというデータが出ると私は信じています。そのような事業なので、ぜひ受けて、みんなピロリ菌検査をしましょう。親の了解を得る形にしているので、ぜひ広げていきましょうという話です。
学校の健康診断とかで尿検査の残りの尿を使うだけでわかるので簡単なんです。ただ、参加の意思だけを示していただくことになります。今、佐賀大学など協力の医療機関を全県的な佐賀モデルとして実施しています。
28年度から始めましたが、28年度は了解をとれた生徒が78％だったんですね。いろんな理由で承諾書が親に届かなかったりとか、学校単位でいろいろあったところでありますけれども、みんなで努力して29年度は85％まで参加がふえました。何とかこれを100％に近づけて参加いただくようにしたいなと思っております。そして、ここに参加して、二次検査が必要ということになるとさらに今度は別の検査をすることになります。これはもちろんだれが検査対象かとわからないように、プライバシーに配慮しながらやっています。その中で陽性者がいますが、二次検査が必要というのに未検査の方がおられます。要は要検査なわけだからこの方々を何とかゼロにしないといけません。検査後に、未治療という方もおられますので、これは絶対ゼロにしたいと思っています。治療は15歳になってから実施ですがこれらを減らすことがこれからの先進県佐賀としての課題だと思っています。
今年度もやりますので、ぜひピロリ菌検査の同意書を提出いただきたいと思います。それから、二次検査が済んでいない生徒は二次検査を、陽性だった子は早目に除菌治療をしていただくということ。これは全て無料で行っておりますので、ぜひ御支援をいただきたいと思います。
そして、同意書を親に持っていくことを通じて、がんに関して親子で話し合ってもらう、家族で話し合っていただくというもう一つの大きな目標があります。がんについて家族で考えるきっかけにしたいという事業です。それから、肝がんの定期検診についても親子でも話し合っていただきたいのです。
あなたの今と未来のために、佐賀県はがん撲滅に本気です。