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西九州新幹線開業記念式典後の知事インタビュー

最終更新日:

○西日本新聞
 今日、開業ということで新幹線、まずは武雄温泉と嬉野温泉、実際盛り上がりを見られたと思うんですけど、その盛り上がりを見ての受け止め、率直な思いを。
○知事
 今日一日、朝早くから新しい新幹線の船出をして、その後、鹿島に向かうにつれて雨が降ってきて、何かいろんな思いが今日は湧き上がる日だなと思って。でも、まず、この9月23日という日、この日は、きっと忘れないだろうなって思いました。でも、全てにおいて、この地域全てが栄光への道の新しいスタートでありたいし、私もそうしなければいけないと強く胸に刻んだ一日となりました。
 まず、武雄は、思った以上に武雄温泉駅がすばらしい、いろんな列車の玉手箱みたいな形になっていたので、皆さん、鉄道ファンも大分言っていましたけれども、いろんな鉄道が、いろんな列車が見られるところだなって。その象徴が、「ふたつ星4047」が10時22分に出発したと同時に、その向こう側に「かもめ」が止まっていて、ずっと活躍していたキハ4047と新幹線が一緒に共存しているのを見て、何かでも、それって美しいな、古きよきものと、これから旅立つ「かもめ」が一つになれているんだなと思いました。
 それと、私はずっとこの23分の旅と併せて、このスローな旅というのが、何としてもコンテンツとして売りになるものだって言ってきましたから、今回特にJR九州さんも同じように、ここはスローな旅というものが大事なんだということを共感いただいて、一緒に列車を造っていただいた、そういったことについては非常に心強く思いましたし、何があっても、この地域を選んで周遊、滞在していただくエリアを、何としても、つくり上げるというよりは磨き上げる。もともとありますから、ここにはすばらしい資源が。ただ、これを一つ一つ磨いて、世界の皆さん方を魅了するということが必要なので、これはみんなで取り組むべき話だと思うので、みんなと一緒になって取り組んでいきたいと思います。そのためには、もちろん長崎県とも連携をしながら、そこも共感していただいて、売り物は何なのかということ。やはり、長崎のまちもこれまで培ってきた港町として、そして、いろんな人の息遣いが聞けるまちだと、私も住んでいて思ったので、そういう価値観を共有できたらいいなと今日、改めて思いました。
○読売新聞
 今回、長崎本線、在来線の方は特急本数が減るということですけれども、上下分離になったことの佐賀県にとってのメリットを改めて説明していただきたいのと、あと、今後どういう地域にしていきたいかというのをお願いします。
○知事
 まず、我々が下の部分を持っている、要は所有することになりましたから、そういうハードの事業というのはやりやすくなったのかなと思いますし、このたび、多良駅の西側の山側に出入口を自ら設置することにしたのも、自らそうやって決めてすぐできるわけだし、今回、肥前浜駅もそうだったけれども、肥前鹿島の駅前も県が整備をすると。全体構想をつくりながら多くの人に来ていただくエリアにするということもしやすくなったので、そういったところを活かしながら、これからいろんな、全国でも在来線の問題、ローカル線の問題、存廃の問題が言われていますけれども、私は公共が整備の中で関与していってもいいんじゃないのかな。やっぱり道路は公共で造るわけだから。鉄路もある程度、国の支援も受けながら、自治体が関与しながらやっていくというやり方もあっていいのではないのかなと思っていたので、これはいい試金石にして、佐賀県としてこの地域が盛り上がるように。いずれは様々な交通インフラがここと結びたいと思うようなそういう魅力が満ちあふれた地域にしていきたいなと思っています。そのためのコンテンツとすると、やはりこの鹿島・太良エリアには多くの人を魅了する食に関する様々な生産資源がありますし、祐徳神社だとか海中鳥居だったり、そういうのに代表される非常に霊験あらたかなものもあるので、そこをもっともっと磨き上げていくという作業、先ほども申し上げましたけれども、ということをすることが大事だなと思うので、「むしろこれから」というのは私の命名なんですけれども、むしろこれからなんだと。ストレートに今日のテーマに上げさせていただきました。みんながそういう気持ちになってこれから取り組むことができたら、そもそも持っているこの地域の魅力にさらに光が差してくるのではないのかなと思います。もともと、カキ小屋なんてのはここから発祥ですからね。ああいうのを自分たちでつくりあげたりとか、鹿島酒蔵ツーリズムもそうだけど、ああやって多くの人たちを魅了することができる地域なので、そういう部分の磨き上げのところをもっともっとみんなでつくり上げていけば、必ずや成し遂げられることだと思っています。
○朝日新聞
 従前からの繰り返しになるとは思うんですけれども、今日開業したこと。実際、沿線の首長からも挨拶の中で、部分開業という言葉を使った上で、早くつながってほしいとか、高速ネットワークにつながってほしいというふうなことを挨拶でおっしゃる方もいて、いろんな動きがこれからまた出てくると思いますけど、改めて知事の今の思いをお尋ねいたします。
○知事
 まず、今日はやっぱり嬉野、武雄と見ていった中で、まちが今動き出しているなという実感はしたんですね。なので、もちろんこれから「幅広い協議」も含めて様々な協議が行われているわけですけれども、この状況というものも、一定しっかり見るということも大事かなと思っています。ですから、こういう、今実際に動き出したことと、私が常に申し上げている大きい観点、未来も見据えた、そして九州全体のインフラというものの関係もしっかり頭に入れた上で協議をしていけば、佐賀県として別に、何も例えば、フルをやらないと言ったことは一度もないわけだけれども、ただ、しっかりみんながその気持ちになって、佐賀県民も一定一つの気持ちになって取り組むということにしないと、例えば、もしフルということになるにしても、これから15年以上、その仕事を佐賀県はずっとしなければいけないことになるので、これはもちろんお金のことばかりでなくて、県職員をそこに割いて、線路を引っ張ることに人的資源、そして、財政も傾けなければいけないわけですね。なので、長崎県は全て終わっていますから。もともと長崎県さんが時間短縮効果ということでそもそも振り出された話です。もともとは「むつ」の話もあったわけだけれども、そこからだんだんそういう話になっていって、佐賀県は非常に大きな、鹿島・太良地域というところを抱えていながら、前の知事のときにそういう判断もしたので、それは、佐賀県として、それを引き継いだ上で、じゃ、どうしていくのかということを考えなければいけないと思います。
 何かこれまで、本当私もずっと思うんだけれども、本当は今日、この話が終わった日なんです。今日同じように新幹線が佐賀駅と新鳥栖駅につながって、今日でこんな議論は終わりのはずだったんです、フリーゲージトレインによってね。だから、そうやってずっと、それは長崎県さんのことも考えながら、佐賀県内は在来線というところがぎりぎりの判断だったと思います。なのにね、それが向こう側が──もともとフルと在来線が通るという設定だったんだけれども、それを後になって国ができませんということになって、それを佐賀県に強いるというのは、ちょっと筋が違うんじゃないのと思いますけど。だから、だんだん年が経ってくると、何でそこだけつながないんだって、すごく短絡的な話になるけれども、ぜひ国民の皆さん方にもそういう佐賀県の切なさを分かっていただきたいなと。
 今日、鹿島・太良の地域を見て、あれだけ本数が通っていたのが、14本、しかも3年後には10本、特急が3分の1になってしまう。そういうことも含めて物事を単純にそこだけを見ないで、よくそこを考えていただけると。
 やっぱり筋って大事だと思うんですよね。そういうのをいい加減にやっていると、やっぱり世の中っておかしくなりますし、ぜひみんなで考えていただきたいと思います。
○FBS
 すみません、追加で関連なんですけれども、いいですかね。
 先ほどフルというところには時間もお金も、そして人もかかっていくというところをお話しされていましたが、それに対しての佐賀県としての効果、メリットというところにまだちょっと疑いがあるということなのかなと思うんですが、今改めてこれからフルというのか、もし話が進んで、お金がかかる、何ぼかかるというところに対して、佐賀県のメリット、効果、改めてどう思われますか。
○知事
 なので、佐賀県は、まず今のこの状況は、少なくとも十数年続くので、何がどう変わろうが、今仮に今日フルと言ったって十数年続くわけですよ。だから、これをもうみんなで、佐賀県に一つになってまず盛り上げて成功させるということ。そして、それと併せて、フルの議論ということに関して言えば、先ほどおっしゃっていただいた様々な課題がある中で、それを乗り越えるだけの大きな可能性というものを佐賀県民の皆さんと共有することができるものが、作り上げることができたら、そのときは可能性が出てくると思うんですよ。だから、私一人で決める話ではないので、まずそういうセットができて、それを県民の皆さん方と共有するということが、じゃ行こうかということになる環境が整えばあると思いますけれども、それが本当に素直な、もうずっと私が真っすぐに答えているだけで。
○FBS
 そしたら、今の段階で大きな可能性というのは、まだちょっと見えづらいということですか。
○知事
 いろんな課題がありますからね。だから、これは難しいのは、結構ケースがいっぱいあるじゃないですか。道路だったら、新たに道路を造って、それも使える、ほかも使える、旧道も使えるとか、いろいろ選択肢はあるだけれども、一回造ってしまった鉄路というのは、変えられないし、今使っている佐賀駅って、1時間に5、6本走っているんですよ、特急と普通がね。それって、本当に近郊会社線みたいな形で不便ではない。列車の時間を待って佐賀駅に行かなくったって、行ったやつに乗れるという、そういう環境なわけですよ。
 そういった環境を崩すとか、さらに、負担金は今度佐賀県区間だけだから、それだけ多額な負担金。しかも、それはどんどん上がっていく可能性があるわけですよね。そういうような様々な要素をどのように整理して、また、ルートの問題というのは非常に大きいじゃないですか。そういうところでパッケージとして出来上がるかどうかだと思うんですけど。
 だから、国と協議してても、アセスルートから――アセスルートというのは昔からある佐賀駅を通るルートですけれども、そこからぴくりともしないから、そうすると、なかなか先ほど言った姿というのが見いだしにくいんじゃないかなと。
○朝日新聞
 逆に言うと、新大阪とつながる時間が長崎-博多が20分、30分早くなる、そのつながることと今の時短の効果だけでは、やはりこれだけの額とか負担に見合うものではないと、こう考えているんですか。
○知事
 少なくとも大阪という意味からすると、新鳥栖駅で佐賀県はつながっていますから。しかも、これからの旅は20分早く行きたい旅になるかどうか。昔みたいに団体旅行のビジネスマンが少しの隙間を使ってという旅になるのかどうか、様々な要素があると思うんです。なので、我々からすると、これからの時代、コロナ後の時代ということも考えると、それから、やっぱり多くのインバウンドの時代にも入ってくると思うし、九州は多くの空港から入ってくる可能性が高いと思うんですね。なので、そういったことも含めて考えていかないと、安易に決める話ではないと思います。





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