池坊佐賀県連合支部が創立百周年を迎えられましたことを心からお祝い申し上げます。
いけばなは、慌ただしい日常において、私たちに感動と安らぎを与えてくれます。
私も、身近にいけられた花に、心を癒されることがしばしばあります。人の手によって織りなされるこの空間に立ち入れば、様々な表情をした器に、心の情景を映し出す四季折々の花や草木。そこには、色があり、声があり、風があり、命の輝きがある。そう感じさせる奥深さ、心に沁みる優しさがあります。
花をこよなく愛し、人を愛した佐賀の偉人・大隈重信の言葉に次のようなものがあります。
「時のある限り、人のある限り、道が窮まる（きわまる）という理由はないのである。」
万国博覧会などを通して有田焼や佐賀錦をはじめとする日本の素晴らしい伝統文化を次の時代へつなぐことに尽力した大隈。その根底には、時を超えて文化を受け継ぎ、育み、昇華させるのはまさに人であるという強い思いがあったのでしょう。
皆様は、展覧会や学校華道などを通して、池坊という伝統あるいけばなの心を地域の方々や子どもたちに伝えてこられました。花を愛する皆様のこうした活動こそが、百年という歴史を支えてこられたのだと思います。これからも、様々な場面で作品を披露され、花の心を未来へつないでいただくことを期待しています。
結びに、池坊佐賀県連合支部の益々の発展を心から祈念しお祝いの言葉といたします。