○司会
それでは、これより二者協議に係る合同記者会見を始めます。
本日、会見を行いますのは、皆様から向かって左、国土交通事務次官の水嶋智様、そして、向かって右、佐賀県知事、山口祥義でございます。
まずはじめに、本日の合同会見の趣旨につきまして水嶋次官からご説明をお願いいたします。
○水嶋国土交通事務次官
ただいまご紹介いただきました国土交通事務次官の水嶋でございます。座ったまま失礼をいたします。
西九州新幹線につきましては、佐賀県とはこれまで国土交通省として「幅広い協議」など、事務レベルでの議論を進めてまいりましたが、残念ながらなかなか議論が深まってこなかったという経緯がございます。
昨年10月以降、旧知の間柄でもあります山口知事と私との間で西九州新幹線の在り方についてを一緒に考えていこうということで、お互いに時間をつくって、東京、あるいは佐賀で意見交換を重ねてきたところでございます。
山口知事との信頼関係に基づきまして、直接フル規格の整備に向けた議論を行うことができました結果、現時点での合意に至ることができました。その内容をこうした共同会見という形で発表させていただくという運びになった次第でございます。詳細は、この後、山口知事及び県庁の職員の方からご説明があると思います。
私といたしましては、西九州新幹線を現状のまま放置してはいけないという強い思いで鋭意取り組んでまいりました。今回の合意は、あくまで環境アセスについての合意でございまして、着工そのものについての合意ではございません。しかしながら、これから佐賀県と国土交通省が連携をして、西九州新幹線の整備や佐賀県の地域振興、さらには九州北部の活性化に向けた新しい一歩を踏み出すことができるのではないかというふうに期待をしております。
私からは以上です。
○司会
続きまして、これまでの経過、そして、先ほど水嶋次官からもご発言ありましたように、現時点での合意の骨子につきましては山口知事からご説明いたします。
○山口知事
皆さんお疲れさまです。佐賀県知事の山口祥義でございます。
そして、今日はお忙しい中、記者の皆さん方にも集まっていただきました。そして、水嶋次官にも佐賀県庁にお越しいただきました。心から御礼申し上げたいと思います。
そして、信頼関係はもともとあったわけですけれども、さらに深めながら、とてもいい議論ができたなと私は思っております。いわゆるトップ同士の2人きりの協議だったもんですから、なかなか調整過程などなど、表に出すこともできなかったこともぜひご理解いただきたいと思っております。
そして、本日、水嶋国土交通事務次官と九州新幹線西九州ルートの在り方に関して、今後の進め方について一定の合意を得ることができました。
水嶋次官とは11回、二者協議を重ねてまいりました。1回当たり大体1時間半ぐらいですかね、ということで、2人の時間を非常に多く重ねてまいりました。改めて水嶋次官のご尽力に深く敬意を表したいと思います。本当にありがとうございました。
ここからは私なりのコメントになるわけですけれども、九州新幹線西九州ルートは、国がフリーゲージ式新幹線を断念して今の状況に至っているという特殊事情がございます。いわゆるフル規格整備というのは全く新しい話と認識しておりまして、私は今回の議論は国の責任というものが出発点であったというふうに思っています。
そういう佐賀県は特殊な状況に置かれておりましたので、このフル規格整備という新しい議論は、財政負担、在来線ルート、地域振興など、様々な課題がある複雑な方程式を解くようなものだと常々申し上げてまいりました。佐賀県として、現行のスキームのまま無条件でフル規格にすることはできないんだということも一貫して申し上げてまいったわけであります。この点、水嶋次官は、この佐賀県の特殊事情についても受け止めていただきまして、私は分かっていただいたのかなというふうに感じております。
本合意は、今、水嶋次官からお話があったように、環境アセス実施までの合意でありまして、フル規格整備の合意ではありませんが、この議論を深めていくための糸口となります先ほど申した複雑な方程式の係数というか、論点というかを分かりやすく示すことができたというふうに思います。今後、国、長崎県、JR九州さんにおいて検討を深めていただく内容も整備されたと思っています。今後はその具体化を関係者も含めてなされていくのかどうかというものが鍵になるかと認識しております。
さらに、今後、仮にフル規格整備に合意する場合には、そうしたものの具体化と、まだルートは決まっておりませんので、仮に整備する場合の。ルート決定に伴う新たな事項も含めた、いわゆる新たな合意が必要となることも合意できたわけであります。
まだまだ課題はありますけれども、今回の合意を得たことで議論を深めていくための糸口を示すことができ、県民の皆様にお示しすることができたのは非常に意義深いと認識しています。
これから具体的な二者合意の内容について、佐賀県の寺田地域交流部長から読み上げさせていただきたいと思いますので、まずそれを見ていただきたいと思います。
以上です。
○司会
今、山口知事からもございましたように、この後、地域交流部長の寺田から全文読み上げをいたします。その間、知事と水嶋次官はこちらのお席にお移りください。
それでは、寺田部長お願いいたします。
○寺田佐賀県地域交流部長
それでは、私のほうから読み上げさせていただきます。
スクリーンのほうを御覧ください。
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九州新幹線西九州ルートの在り方に関する二者合意
国土交通省と佐賀県は、速達性などの整備新幹線の一般的なメリットを共有し、一方で、通常の整備新幹線の整備スキーム下での九州新幹線西九州ルートのフル規格整備においては、佐賀県にとって財政負担や在来線の利便性低下などの大きな課題があることで認識が一致した。
さらに、九州新幹線西九州ルートには、国土交通省が開発を進めていたフリーゲージトレインを断念せざるを得なかったという特殊事情があり、国土交通省においては導入が技術的に困難との結論になり、現在の状況に至った責任を十分に認識していることを確認したうえで、当該ルートの在り方について議論を前に進め、深めていくために、下記のとおり合意した。
1.環境影響評価及びその事前調査の実施
・国土交通省は、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、「鉄道・運輸機構」という。)と連携し、環境影響評価の実施に向けた事前調査を令和8年度末に完了するよう実施する。
・事前調査は、北陸新幹線(敦賀-新大阪間)の環境影響評価の実施状況(最大幅12km)を参考に、技術的な課題等を確認しながら進める。
・国土交通省と鉄道・運輸機構は事前調査の実施及び結果の評価について、佐賀県との間で構成する技術検討会(仮)の検証を経て行う。
・鉄道・運輸機構は事前調査終了後、令和9年度から環境影響評価を実施する。環境影響評価については、事前調査結果を踏まえ、国土交通省及び佐賀県の協議に基づき、鉄道・運輸機構において進める。
・なお、事前調査及び環境影響評価は特定のルートを前提としない。
2.1.の実施と併せた実施事項
国土交通省は、1.の実施と併せ、次の(a)~(c)を確実に行う。
(a)財政負担
・九州新幹線西九州ルートを事業化する場合の佐賀県の地方負担について、国土交通省は、一定の上限を設ける等、特別の配慮を行う。
・佐賀県区間に係る地方負担は、長崎県と佐賀県が、受益の程度等を踏まえて、共同して負担をすることが適当であり、両者の負担の在り方については、国の特別の配慮も踏まえ、別途、両県で協議のうえ決定し、国土交通省は当該決定を尊重する。
・地方負担に関する地方交付税措置について、国土交通省は、充当する地方債の元利償還金に対して現行の上限を超える交付税措置率を適用するよう、関係省庁と協議する。
(b)在来線
・長崎本線及び佐世保線について、国土交通省は、佐賀県と連携・調整して、九州旅客鉄道株式会社(以下、「JR九州」という。)に対して、九州新幹線西九州ルートを事業化する場合においても、現行の経営形態を維持することを念頭に、佐賀駅を通るルートとなる場合には、長崎本線又は佐世保線を区間に含む特急列車及び普通列車のそれぞれについて、開業前の本数を確保する(※)内容でJR九州と佐賀県の間の合意を成立させるよう、JR九州に対して要請する。
※特急列車については、九州新幹線西九州ルートを事業化する場合においても、佐賀駅を通るルートとなる場合には、整備新幹線と合わせて開業前の本数を確保し、それ以外のルートとなる場合には、特急列車の開業前の本数を確保する。
(c)地域振興
国土交通省は、交通ネットワーク全体の相乗効果を最大限発揮させる観点も踏まえ、以下の事項を確実に行う。
・佐賀空港の滑走路延長及び平行誘導路整備の議論があることを受けて、北部九州地域の空港のあり方に関する検討の調査について、令和9年度から実施する。
・有明海沿岸道路及び佐賀唐津道路の早期完成に向けて、国と県が連携し、計画的に整備を推進する。
・長崎本線(上下分離区間)の利便性向上に向けて、遅滞なく、ICカードの導入に係る支援策の提示を行い、イニシャルコストを佐賀県が、運用のコストをJR九州が負担する形でのICカードの導入に係るJR九州の同意を得る。
・佐賀市内の南北アクセスの充実に向けて、佐賀県及び佐賀市と連携して取り組む。
3.今後の取り扱い
今後仮に、九州新幹線西九州ルートのフル規格整備に関して佐賀県が合意する場合は、国土交通省と佐賀県による、2.に記載した内容の具体化やルート決定に伴う新たな事項を含めた「新たな合意」を前提とする。
以上
令和8年7月17日
国土交通事務次官 佐賀県知事
※本合意書は、水嶋智国土交通事務次官と山口祥義佐賀県知事が、それぞれ国土交通省と佐賀県を代表して協議を重ね、国土交通省と佐賀県の見解として取り纏めたものである。
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以上です。
○司会
ありがとうございます。では、水嶋次官と山口知事は中央の席にお戻りください。
これより、合意書に署名をいただきます。
では、水嶋次官、山口知事、お手元にお持ちいたしました合意書へ署名をお願いいたします。
〔署名〕
では、この後、お二人、合意書をお持ちいただきまして、撮影のお時間を頂戴したいと思います。水嶋次官と山口知事はお立ちいただいて、机の前のほうにお進みください。
〔写真撮影〕
こちら合意書の写しをご準備しておりまして、これから会場の記者の皆様にお配りいたします。少々お待ちください。
〔資料配付〕