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令和7年11月26日令和7年11月定例県議会 知事提案事項説明

最終更新日:

令和7年11月定例県議会の開会に当たり、最近の動き、提案事項などについて御説明申し上げます。

はじめに、10月に開催した戦後80年佐賀県戦没者追悼式について申し上げます。

高齢化が進む御遺族の想いを深く受け止め、今回、これまで20年ごとに開催していた追悼式を10年前倒しして開催しました。追悼式において大切にしたテーマは「想い・記憶を未来につなぐ」であります。一つ一つ手作りで運営し、平和への想いや戦争の記憶を、御遺族から次の時代を担う中高生たちへとつないでいきました。例えば、冒頭は、私の式辞から始めるのではなく、御遺族や高校生たちの想いを伝えることから始めました。そして、私が申し上げたことは、つなぐことの大切さです。戦争という悲劇により、多くの尊い命が犠牲となりました。私自身、県民の代表として、公私の別を問わず、全国各地の佐賀県出身者が祀られている戦跡に赴き、戦没者を弔い、平和への誓いを心に刻んでまいりました。戦後80年を迎え、御遺族の高齢化に伴い、戦争の記憶を未来へつなぐ線が細くなっている切実な状況に対し、危機感を持っておりました。今回初めて、会場で中高生が御遺族へインタビューを行い、今しか残せない、かけがえのない「生の声」をアーカイブ化しました。それらの声を活用しながら、平和の尊さを、若い世代が様々な機会を通じて発信し、未来へと引き継いでいきます。私は、日常では、できる限り「絶対」という言葉は使わないようにしています。しかし、戦争は絶対に、絶対に、してはならない。こうした強い気持ちで、今回の追悼式を新たな取組の起点とし、今後とも、御遺族の想い・記憶を絶やすことなく大切に守りつなぎ続けてまいります。

次に、第74回日本青年会議所全国大会について申し上げます。

10月に、全国から約11,000人が集まり、第74回日本青年会議所全国大会いわゆるJC全国大会が佐賀県で初めて開催されました。地域が一体となり来県者をもてなそうと、佐賀JCは少ないメンバーで力を合わせ、歩行者天国にしたサンライズストリートでのフェスの開催やSAGAアリーナならではの演出などに取り組みました。佐賀の若者たちが自らの力で初めて全国大会を成し遂げ、自信を得たことは佐賀の未来に向けた大きな希望であり、大変嬉しく思っております。そして、全国各地で活力ある地域づくりに若いエネルギーを燃やしている1万人を超えるJCメンバーに、生き生きと変わろうとしている佐賀のリアルな躍動を感じていただいたことは佐賀の未来にとってかけがえのない財産になったものと考えております。

会場となったSAGAアリーナは、コロナ禍やSAGA2024の先の未来を見据え構想したものです。このSAGAアリーナの整備が大会の佐賀県開催へとつながりました。このほかにも、全国土地改良大会や九州地区商工会青年部合同研修会など多くのコンベンションが開催され、経済的効果や佐賀を見直す機会の創出など新たな価値が生まれているものと認識しています。議会で様々御議論いただきながら行った一つの判断が大きな成果につながっております。SAGAアリーナによって生み出された人の流れや効果が、更によい形で地域経済に波及していくよう、官民で連携し、ホテル誘致などにも取り組んでまいります。

続きまして、当面の諸課題への対処方針について申し上げます。

まず、玄海原子力発電所についてです。

玄海1号機の営業運転開始から、10月で50年が経過しました。この間、国内外において様々な事故等がある中、玄海原子力発電所では県民の命に直結する重大な事案は起きておりません。私が、10年間、玄海原子力発電所に向き合い続けているに当たり、常に心に留めていることを改めて申し上げたいと思います。まずは、原子力発電は何よりも安全が最優先である。福島第一原子力発電所の事故を忘れてはならず、風化させてはならない。二度とあのような事故を起こさない。そして、原子力発電に関わる全ての人は、強い気持ちで、常に緊張感をもって取り組んでいかなければならないことなどです。こうした考えのもと、私は一貫して、九州電力に対して、「嘘をつかないこと、風通しのよい組織とすること、あらゆる事態に対応できる体制を構築すること」という3つの約束を求めております。九州電力においては、引き続き、この3つの約束を大切にしながら、玄海原子力発電所の運転に当たっていただきたいと思います。

現在、3号機、4号機とも通常運転中です。4号機では、9月28日に、定期検査中に使用した弁が閉まりきらずに、ごく少量の蒸気が漏れる不具合が発生しました。九州電力から、原因は極めて小さな異物が弁の内部に混入したこととの報告がありました。県から、九州電力に対して、今後とも小さな不具合であっても連絡と公表を行いながら丁寧に対応し、再発防止策を徹底するよう求めております。

玄海原子力発電所とは、廃止措置を含めて、これからも長い年月にわたり関わり続けなければなりません。今後とも、県民の安全を何よりも大切に、県も含め全ての関係者の中に気の緩みが生じることがないよう、取り組んでまいります。

次に、佐賀空港の自衛隊使用について申し上げます。

7月末の佐賀空港での訓練開始から約4か月が経過しました。他の駐屯地などへの飛行訓練や夜間飛行訓練等が順次始まり、これまでのところ、防衛省が示した運用計画に基づいた訓練が実施されているものと認識しています。飛行の安全は何よりも大切です。慎重にも慎重を重ねて安全を最優先に運用していただきたいと思います。

10月からは、ノリ漁期に合わせて海水混合施設が稼働しています。こうした中、排水対策施設の一部に不具合が生じ、近くの水田が一部冠水した事案が発生しました。防衛省から、何らかの理由で施設に不具合が起きたこと、監視体制が十分であれば冠水することはなかったことなどの報告がありました。県から防衛省に対して、施設の管理に万全を期すよう求めております。防衛省には、一つ一つのことに真摯に、丁寧に対応いただき、地元との信頼関係を構築していってほしいと思います。県としては、防災対応や広域医療搬送などの様々な面から佐賀駐屯地との連携を検討してまいります。

次に、有明海の再生について申し上げます。

有明海漁協は国の有明海再生加速化対策交付金事業を活用し、サルボウの採苗器の設置や、海底耕うん等に取り組まれております。県としても、12月に赤潮によるノリの色落ち被害の軽減にもつながるサルボウの人工稚貝約250万個を放流することとしております。

今期のノリ養殖については、海水温が例年に比べ高く、これまでで一番遅いスタートとなりました。県は、栄養が低下した場合などに、直接ノリに栄養剤を添加し、色を維持する技術開発に取り組んでおり、今期は、夜の干出時にこの技術の実証を行っています。また、有明海の再生について、明日27日に、農林水産省に政策提案を行うこととしております。引き続き、やれることは何でもやるという強い気持ちで支援していきます。

宝の海である有明海の再生は、国や県、市町、漁業者など有明海に関わるもの皆で取り組む課題です。これからも、力を合わせて全力で取り組んでまいります。

次に、九州新幹線西九州ルートについて申し上げます。

10月と11月に、国土交通省の水嶋事務次官と様々な意見交換を行う中で、西九州ルートについても話しました。現在の整備新幹線の財源スキームには課題があることを私と水嶋次官の間で共有しました。今後も、国土交通省と意見交換を行っていきたいと考えております。

また、上下分離区間を走る特急「かささぎ」の運行本数等について、現在、JR九州は来春のダイヤ改正に向けて検討を進めております。JR九州は、平成28年の六者合意などを掲げ、「かささぎ」の減便を検討していますが、六者合意はあくまでもフリーゲージトレインの導入が前提であります。その前提がない今、合意時の14本が維持されるべきものと考えます。11月4日に、県と沿線市町が一緒になり、JR九州に対し、運行本数を維持するよう申入れを行いました。上下分離区間は、西九州新幹線の開業に伴い、特急の大幅な減便のほか、乗換負担が新たに発生するなど、利便性が大きく低下しています。沿線地域の皆さんをはじめ県にとって重要な問題であり、引き続き、JR九州に対して利便性の確保を求めてまいります。

次に、県立大学について申し上げます。

10月末に施設に関する基本設計をとりまとめました。今議会に、その概要をお示ししております。敷地の北側にある佐賀総合庁舎の本館を改修して使用し、敷地の中央には大講義室・中講義室を、南側には新たに4階建ての校舎を建設することとしました。「まちのようにキャンパスをつくる」という考えのもと、学生だけでなく、地域住民、企業、自治体など、様々な人々が行き交い、関わり合い、学び合う場となる空間づくりを目指し、引き続き検討を重ねてまいります。ソフト面においては、現在、専門家チームとともに、カリキュラム内容を精査し、教員公募の条件の整理を進めております。地域に愛され、地域とともに成長する大学を目指し、着実に準備を進めてまいります。

続きまして、最近の県政の主な動きについて申し上げます。

まず、SSP構想の推進についてです。

滋賀国スポにおいて、佐賀県は男女総合成績の天皇杯で13位と好成績を収めました。国スポは、基本的に競技人口が多い都市部や全種目に出場できる開催県が上位を占めます。佐賀県は開催の翌年となる今回、全40競技中37競技がブロック予選を突破して本大会に進み、28競技で入賞しました。この大きな要因は、SAGA2024で活躍したスポーツメンターのうち競技引退等を除いた8割以上が佐賀で競技を続け、指導にも当たっていることです。メンター自身の活躍はもちろん、県勢初の3位となったバスケットボール少年男子など、指導を受けた中高生世代の活躍が光りました。佐賀に集まったトップアスリートが、若い世代の育成に関わり、県全体のレベルが底上げされる好循環が生まれつつあるように感じています。こうしたよい流れを、来年の青森国スポにもつないでいくことが重要だと考えております。

全障スポでは、個人競技7競技49名、団体競技に3チームが出場し、金メダル22個、銀メダル13個、銅メダル19個を獲得しました。去年の大会を機に増えた仲間とともに佐賀のパラアスリートたちが、滋賀の地で活躍したことを大変嬉しく思っております。2連覇を目指すも決勝戦で惜敗したバレーボール知的障がいの部男子などパラアスリートたちは既に次の目標に向かって練習に励んでおります。今年から開催しているSAGAパラスポ2025なども通じて、パラスポーツの仲間を増やしながら、取組を進めてまいります。

SAGA2024が、グッドデザイン賞のベスト100、ACC東京クリエイティビティアワードの3部門でゴールド賞を受賞しました。戦後復興期から続いた「国体」を「国スポ」へと刷新し、体育的な規律重視の大会から、スポーツ本来の自由さや楽しさを軸とした新しい大会へと転換したこと、大会を一過性のイベントとせずに、未来を見据えた挑戦に取り組み、全国に発信したことなどが高く評価されました。今後も、SSP構想のもと、スポーツの持つ真の価値を大切にし、新たなスポーツシーンを佐賀から切り拓いてまいります。

次に、11月11日に行った政策提案について申し上げます。

その日は、国会が予算委員会中であったことから、官邸や国土交通省等への政策提案となりました。官邸においては、尾﨑官房副長官、佐藤官房副長官、露木官房副長官の3官房副長官や、飯田首相秘書官、須藤内閣総務官と面談しました。省庁では、国土交通省の水嶋次官、廣瀬技監や4名の局長、総務省の原次官、財務省の宇波主計局長等と意見交換を行いました。九州で唯一南海トラフ地震の津波被害想定がゼロである佐賀県の防災拠点としての優位性などを私から説明し、社会資本の整備や九州佐賀国際空港の機能強化等について、骨太で有意義な面談や意見交換ができたものと認識しております。

次に、肥前名護屋城について申し上げます。

国の特別史跡「名護屋城跡並陣跡」は、徳川家康や前田利家など、全国から150を超える武将・大名が集結し、日本文化が花開いた歴史的な舞台です。当時、人口20万人を誇る世界最大級の都市が、半径約3キロメートルのエリアに存在しました。茶や能などの文化交流が盛んに行われ、SNSのない時代に、今でいうところの文化の「流行」が発生し、日本全国に広がっていったものと考えております。名護屋城はまさに「文化新流行時代到来の地」なのです。

特別史跡指定70周年を記念し、日本最大級のお城イベント「出張!お城EXPO」を九州で初めて誘致し、11月23日、24日に第5回名護屋城大茶会と併催しました。大茶会には県内外から多くの人が来場し、文化ツーリズムの創造に向けた飛躍点になったものと考えております。また、前田利家陣跡に、名護屋城付近の陣跡の中で最大の堀と見られる遺構が発見されました。城郭考古学者の千田嘉博さんや歴史学者の平山優さんから、「陣というより、まるで城」と評価されております。こうした巨大な堀が存在するのは、前田利家陣跡と徳川家康陣跡のみであり、前田利家が徳川家康と並び豊臣政権下において別格の力を持っていたことを示す貴重な遺構です。今後も、官民の取組を掛け合わせ、肥前名護屋城が持つ唯一無二の価値に光を当てた取組を進めてまいります。

次に、小中学生に対する職業体験の創出について申し上げます。

11月に、多久市の県立産業技術学院をメイン会場として、県内の小中学生向けに、リアルな環境において仕事のやりがいや素晴らしさを感じ、楽しむことのできる職業体験イベント「SAGA × Оut оf KidZania 2025」を開催しました。県内の企業・団体の協力を得て、佐賀県ならではの伝統産業やものづくり産業、地域の暮らしを支える保育や介護、農業、建設業などKidZania監修の36種類のほかにも、多彩な体験プログラムを実施し、2日間で多くの子どもたちが参加しました。県では、高校生や大学生、UJIターン人材など、様々な人材確保・定着に関する施策を展開しています。今年11年目を迎えた「ものスゴフェスタ」には過去最大の企業・団体に参加いただきました。佐賀で育った子どもたちが、将来、佐賀の企業で働きたいと思うきっかけともなるよう、引き続き、産業界等と連携し取り組んでまいります。

次に、有明海沿岸道路等の社会資本の整備について申し上げます。

有明海沿岸道路と佐賀唐津道路が接続する「Tゾーン」の整備において、ジャンクション部のランプ橋工事などに着手します。地元の小学生や、地域で活動する「ありあけ海道盛り上げ隊」の皆さんと一緒に、昨日11月25日に着工イベントを行いました。福富鹿島道路では、鹿島側において、8月に地元へ具体的なルートを示し、用地測量を進めており、用地買収に着手します。大川佐賀道路においては、(仮称)川副インターチェンジの令和8年度中の開通に向けて準備が進められています。人やモノの交流を促進し、地域に活力を生み出す、広域幹線道路ネットワークの整備を進めてまいります。

次に、10回目を迎えた佐賀さいこうフェスについて申し上げます。

文化芸術活動の裾野を広げ、佐賀県の文化的・歴史的価値の再発見・再認識する機会の創出等を目的に開催している佐賀さいこうフェスは今年で10回目を迎えました。県立美術館・博物館周辺の環境整備と合わせて、城内エリアの風景を大きく変えました。国内外で活躍するアーティストとの交流、タイフェス、障害福祉施設による笑顔deさいこうマルシェとの同時開催など、コロナ禍においても中止することなく、仲間を増やしながら、毎年進化を遂げ、佐賀の秋には無くてはならない存在となっていると思います。今では、ARKSでのコスメイベントの開催など、取組の輪が城内エリアから広がっております。今後も、10年間一つ一つ積み重ねてきた仲間との絆を大切にし、多くの人に文化的・歴史的資産であふれる佐賀県を体感いただけるよう取り組んでまいります。

次に、鳥栖駅東側エリアにおける新たな価値の創造に向けた取組について申し上げます。

鳥栖は九州のクロスポイントであり、鳥栖駅は佐賀県の東の玄関口です。駅の東側エリアの活用は、市と県が連携して進める重要な取組です。小郡鳥栖南スマートインターチェンジ周辺では、その立地特性を戦略的に活用して官民連携で産業団地の開発に取り組んでおります。鳥栖市において、地域の更なる発展に向けて新たに鳥栖駅に橋上の改札口を設置することが発表されました。こうした中、10月に、鳥栖市や地元の商店街等と連携し、駅の東側エリアにおいて、「TOSU NESTIVAL2025」を初めて開催しました。鳥栖市の鳥「メジロ」をモチーフにした遊具としても楽しめる、高さ10メートルの巨大なモニュメント「NESTOPIAN」を中心に、音楽・食・スポーツ・アート・街歩きなど、多彩な文化的要素を組み合わせた都市型フェスティバルとして展開しました。企業立地が盛んな鳥栖の強みを活かし、誘致企業等とのコラボも実現し、各社において物品販売、ワークショップなどが行われました。今回のフェスが鳥栖駅東側エリアの活用ひいては鳥栖のまち全体を更に発展させていくことにつながっていくよう、鳥栖市や地元関係者と連携して取り組んでまいります。

続きまして、提案事項について御説明申し上げます。

今回の補正予算案の編成に当たりましては、9月補正予算編成後の情勢の推移に対応するため、早急に措置を要するものについて所要額を計上することといたしました。

この結果、その総額は、歳入歳出とも、それぞれ、

一般会計      約55億  700万円

特別会計      約10億4,100万円

  となり、これを既定の予算額と合わせますと、本年度の予算総額は、

一般会計  約5,335億5,200万円

特別会計  約2,024億5,000万円

  となっております。

   次に、予算案の主な内容について申し上げます。

まず、世界海洋プラスチックプランニングセンター開設準備事業についてです。

来年6月のオープンに向けて、世界的な課題である海洋プラスチック問題の解決を目指す拠点として、唐津市波戸岬に世界海洋プラスチックプランニングセンター、愛称プラプラを整備しております。世界的な海洋プラスチック問題の解決に向けては、国家レベルでのルールの整備と合わせて、地域から取り組むこと、一人一人の行動変容を促すことが大切です。多くの人、特に将来を担う子どもたちにプラプラを訪れてもらい、回収・分別・原料化・再生などリアルな体験を通じて、海洋プラスチック問題に関心を持ってもらいたいと考えております。また、修学旅行などの旅行商品の造成に取り組むこととしました。多くの人がプラプラを訪れ、自然な気づきの中で海洋プラスチック問題を考えるきっかけとなり、その動きが世界へ広がるよう取り組んでまいります。

次に、さがすたいるアウトドア体験事業について申し上げます。

県では、誰もがしぜんに支え合い心地よく過ごせる、佐賀らしいやさしさのカタチ「さがすたいる」を推進しています。今年3月に、普段はなかなか自宅から外出ができない障がいのある方などがSAGAアリーナでプロスポーツの試合を観戦しました。参加された方たちにとっては一歩を踏み出す体験となり、運営サイドにおいてはSAGAアリーナについてバリアフリーに関する気づきを得る機会となりました。このたび、屋外での取組として、来年3月にアウトドア体験の交流イベントを吉野ヶ里歴史公園で開催することとしました。今後も、みんながしぜんに支え合い、心地よく過ごせる佐賀県を目指し、取り組んでまいります。

次に、介護テクノロジー導入支援事業について申し上げます。

介護の現場は、ベッドから車椅子への移乗、介護記録の作成など、身体的、事務的に負担のある業務が多い状況です。今年9月に「さが介護業務効率化サポートセンター」を開設し、機器に関する研修会の開催、機器導入の伴走支援などを行い、県内事業所の機器導入を進めてきました。サポートセンターの開設を契機に、機器導入のニーズが更に高まっていることなどを踏まえて、今回、予算を増額し、導入促進を図っていくこととしました。引き続き、介護現場の働きやすい職場づくりを支援してまいります。

予算外議案といたしましては、条例議案として10件、条例外議案として19件となっています。

乙第66号議案「佐賀県手数料条例の一部を改正する条例(案)」につきましては、いわゆる盛土規制法に基づく規制区域指定に伴い、当該区域内の一定規模以上の盛土などが許可制になることから、許可申請等に係る手数料を新たに規定するものです。

最後になりますが、今年は日本で女性に参政権が認められて80年になります。様々な分野で女性の参画拡大が求められている日本において、この節目の年に、女性初の総理、高市内閣総理大臣が誕生したことは大変意義深いことだと考えます。

昨今、若い女性が地方から都市部へと転出する要因の一つとして、固定的な性別役割分担意識やアンコンシャス・バイアスが挙げられています。私自身、県内の行事に参加する中で、お茶出しや、表彰式でのお盆持ちを主に女性が対応している場面を目にすることがあります。これらの業務は性別を問わないものであり、女性がやるもんだという、私の言葉で言えば「もんだ症候群」が、県内にも少なからずあるように感じております。長い時間をかけて築かれてきた男性を中心とした社会システムやそうしたものに慣れた人々の意識等が「もんだ症候群」の醸成に影響している面もあるのではないかと考えています。男女共同参画、女性の活躍推進について、庁内で意見交換したところ、女性職員から意見が出されました。「もんだ症候群」の解消に向けては女性の意識改革も必要。若い世代にも「もんだ症候群」は存在する。これまでの歴史や社会環境の中で、制度や文化に深く根付き、無意識のうちに私たちの行動や判断に影響を与えているものも多くあるなどです。「もんだ症候群」を解消する特効薬はなく、改めて、人の意識や考え方にアプローチしていくことやそれらを変えていくことの難しさを感じており、引き続き議論してまいります。こうした中でも、地域を前進させていく上で大切なことは、お互いのことを知ろうとする共感の取組を一つ一つ積み重ねていくことだと考えております。今年1月に、県庁において、性別に関係なく私も含め幹部職員が生理痛体験を行いました。また、私は九州地域戦略会議の男女共同参画を推進するプロジェクトのリーダーとして、妊婦ジャケットを着用し「知事が妊婦に」編の動画に出演したり、10月末には九州各県の知事や経済団体のトップに生理痛体験をしてもらいました。これらの体験により女性の想いなどが真にわかるわけではありませんが、知事である私が率先して行動することが、意識改革に向けた一つのきっかけになることを期待しております。

性別、年齢、障がいなど、人に違いがあるのは自然なことであり、人生には世代を問わず様々な選択肢が広がっています。誰もが自分らしい生き方を選択する自由があり、その一つ一つの選択を互いに認め尊重し合い、違いを大切にしながら、多様な意見が交わされる環境を育むことは、組織や地域に活力を生み出す源泉になると考えます。

分断と対立が深まる世界の情勢などを見ておりますと、社会全体で寛容さが薄れつつあり、多様性に富んだ議論をしにくくなっているように感じています。気候変動、食料安全保障など国際社会が協力し取り組むべき課題は多々あり、今世界は、どのような形で協調し共存していくのかが問われていると考えます。こうした時代において、この佐賀が輝きを増していく鍵の一つは寛容さであると思っております。寛容の心を大切にし、個性あふれる県民の皆さんが輝きたい場所で輝くことができる。そうしたフィールドをこの佐賀の地で、県民の皆さんと一緒に、創っていきたいと考えております。

以上、今回提案いたしました議案などについて御説明申し上げました。よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。

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