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令和7年度9月補正予算案 質疑(全文)

最終更新日:
○読売新聞

 新規事業の中で日本酒の支援事業について2点お尋ねがございます。

 まず1点目は、酒米農家さんに対するこの守り手認定制度の創設というところなんですけれども、具体的には認定証みたいなものを個々人の農家さんに対して渡して、いわゆるモチベーションの向上につなげると、そういうようなイメージの事業になるんでしょうか。具体的な内容というのをもう少し。

○知事

 まさにこれからの検討になるわけですけれども、趣旨とすると、やはり蔵元というか、酒蔵のほうから、とても大切にされている農家さんはモチベーションが高いんですよ。だけど、もっと安くできないのかということで、何ていうんでしょう、言うなれば仕入れ先なもんだから、そこに対する扱いによって、だったらもう生産、普通の主食米に変えるよという意見もあって、やはり頑張って酒米って作るの大変なんで、そこに対する敬意を何とか表現できないかということで、そこを認定制度にするのがいいのか、どういう表彰がいいのか分かりませんけれども、少なくとも県としてたたえられるようなシステムをJAと一緒になるのかまだ分かりませんけれども、そこについてしっかり今回は打ち出すということで、発表させていただいております。

○読売新聞

 もう一つ関連で、この作り手の減少というのは、農家さん以外でも、それこそ蔵元さんであったり、全体的にあると思うんですけども、蔵元さんのいわゆる酒造りに携わる方に対して認定されたりということはお考えなんでしょうか。農家さん以外でも認定する……

○知事

 そうですね、これからまた、この認定制度をつくっていく中で、今、全般的に先細りの感はあるわけでありまして、ただ蔵元も、今24程度ありますけれども、元気にはなっている、今残っているところはですね。特に若手への継承もうまく進んでいるところも多いので、そういったみんなとも意見交換をしながら、どうすれば我々、GIを取った制度でもありますから、日本酒でありますから、さらに世界に売り出していけるのかというところをみんなで考えていきたいと思います。

○読売新聞

 もう1点、(2)にあります品種開発の部分なんですけれども、やはりこれは今年、来年ですぐにできるようなものではないと思います。しかも長期的な目で取り組まれる事業になるのかなというふうに思うんですけれども、知事の中で、例えば、何年までにとか、いわゆる目標とするスケジュールというふうなものがあれば教えてください。

○知事

 それぞれ研究機関に試験場に聞かなければ分からないところもあるんですけれども、ただ、私は佐賀県の研究機関ってすごいなと思っていて、「にじゅうまる」にしろ、「いちごさん」にしてもそうですし、「ひなたまる」という、今度の米の品種にしても、あれ意外と早くできたなってとても尊敬しているので、普通の県は、自分のところでの開発ってあんまりやらなくて、国の研究機関に持ってくるところが多い中で、佐賀県は自分のところで長年研究をしながら作り出す力が強いと思っているので、本当に早期のものを期待したいと思いますけど、どなたか、はい。

○県職員

 今既にですね、酒米については高温に強くて、酒蔵さんのニーズに応えられるような品種を作り続けてきていますので、そう長くないうちに現場に卸せるような形になるかと思います。

○知事

 そう長くないうちに。本当に、確たることは言えませんけど、かなり早くできるんじゃないかなと思います。

○読売新聞

 最後に、ツール・ド・九州2026、1点だけ、確認の意味での質問なんですけれども、来年の第4回の中に、この3日間の中で佐賀が入るということは決まっているということでよろしいんですか。

○知事

 こういうの難しいですよね、決まっていると言うと、また発表の機会がどっかでまとめてあると思うんですけれども、我々とすると、その方向になるだろうという感触を得ているということなので、今回は参加しているということです。

○日経新聞

 私のほうから、NEXT賃金UPプロジェクトの事業についての質問です。この枠が2つあって、賃金を持続的に上げていくための支援として、企業向けの生産性向上に対する支援、これは既にやっていらっしゃるものを第5弾としてやっていくと。それで、その中に、中小企業向けだと、補助率最大4分の3で生産性向上を支援するとか、その事業にはいない、本当に零細ですよね、そこに対しても生産性向上、新しいシステムを入れたりとか、そういう技術を導入することに対しての補助金というのがついているんですけれども、実際に、今回の賃金交渉の最低賃金の審議会の中でも、その使用者側としては、その原資がない。要するに、賃金を上げていくため、原則的に上げていくための原資の確保が難しいからということで、採決の直前に使用者側は退席して、空っぽの状態で採決したという異例の事態になったんですけれども、もちろん生産性を上げていくことが、回り回って企業にとって賃金アップの原資になるのは分かるんですけれども、直接的にこうなる、10月下旬から導入しなければいけない中での直接に効く部分というのはどこになるんでしょうか。

○知事

 まあね、そこはなかなか難しいところですよね。でも、やはりマクロ的に経済を回していくためにはどうしても大きな方向性というのは取り組んでいかなければいけないことだというふうに思います。その中で、止血的方法というのも結構考えられないことはないんだけれど、それをずっとやっていても、それは持続可能性がなかなかなくて、恐らくこれから、毎年まだ続くと思っています。来年以降もですね。やはりそれは、今の世界の潮流を見ていると、やはり日本の人件費というのは非常に低過ぎるという、圧倒的に低過ぎて、この中で日本は立ち行かないし、日本全体の経済が疲弊していくというのは私すごく説得力があると思っているわけです。ただ、やはり現場で聞くと、長谷川さんおっしゃるように本当に零細で苦しんでいるところがある、そういう声も届いております。そこを何とかして、みんなで様々な、ここに経済団体の支援チームがありますけれども、みんなの力を結集しながら、何とか企業がさらに生き延べていけるように。

 今日もニュースがありましたけれども、いろんな市場も変わっているし、なかなか昔ながらのやり方でやっていても、そこの環境に適応しなければいけないわけですよね。だから、その適用ができるように、我々産業労働部も経済団体も含めてそこのサポートを、人的なサポートも含めてやっていくということと併せてこの生産性アップをして、そういう様々な苦しい企業が前を向けるようなサポートをしていきたいと思っています。

○日経新聞

 実際、このところ本当に中小零細の倒産が県内で非常に増えています。だから、本当に手元の流動資金がないという状態なのかなと理解しているんですが、やはりそれは、今、だから国のほうでの議論をしようとされている、全体的にやっぱり人件費を上げていくために、そういう国として補助金が出たら、またそれはそれで一応、予算措置は追加で出てくるということでしょうか。

○知事

 そうですね。特に、まあ、もう今日出ていますから、牛津蒲鉾さんの件は私なりにショック。我々にとってとても大事な企業であったので、なので、そういったところもよく検証して、これからできる限りそういうことがほかに連鎖しないように、それぞれのかまぼこ業は、数年前も鹿島の浜蒲鉾というところが倒産しておりまして、やはりいろんな業態の問題点はまたそれはそれであると思うので、みんなで意見交換すると、かまぼこはあんまり食べなくなった。昔、僕らの頃は板つきのやつを食べていたんですよ、下に板がぱっと乗っかっていて。だから、そういう何かいろんな──あとはスーパーの棚の問題だとか、こういう複合的に横たわっているので、これを一つの契機に、もっと横でいろいろと戦略を考えてみてと思っておりますので。あわせて、これをしながらですね、次なる手を考えていきたいと思います。

○日経新聞

 では確認ですが、NEXT賃金UPプロジェクトとあるのは、企業を支援していく、ほかのシステムとか、バージョンアップに必要なものであったりとか、働く人たちにとって環境を改善するために必要なものというのを支援することで、企業に賃金アップについても余力を残してあげるというか、助けてあげるという意味合いでのネーミングというか、枠組みと考えればよろしいですか。

○知事

 そうなんです。結局、今どんどん経済も進んでいって人件費も上がっていく中で、追いつかないんですよ。今年何とかしてもまた来年来るのでということであれば、そもそも、もうちょっと生産性自体を上げて、もっと先に行かなければ持続可能性がないというふうに思っているので、そういう形になるように。ただ、そんなことを言われても急になという会社もあるから、そこはしっかりと支援をしながら、みんなで応援していくという形をとっていきたいと思います。

○日経新聞

 そうすると、これは2億5,000万円と1億9,000万円というふうに分けていますけれども、このプロジェクト全体としては、足し上げちゃっているイメージでもいいですか、4億4,000万円を……

○知事

 そうです。

○日経新聞

 要するに、賃金アップにつながるような県内中小企業の支援としてこの金額、大枠という捉え方でよろしいですか。

○知事

 はい。こっちはもともとベーシックにずっとやっていこうと思っているんですけれども、こちらのほうは、今回第5弾ですけど、毎回いろいろ意見を聞きながら修正をかけています。

 今回は、評判が第4弾がよかったので、このときは補助率アップなどをして、非常に手が大変多く挙がったので、そのまま延長するということで──そのまま延長するというか、メニューを同じにして額を出していますけれど、これからこちらのほうに関しては、様々な御意見もあるでしょうから、また生きた形になるように、6弾、7弾になるか分かりませんけれども、そういうところで考えていくというものにそもそもこういうものを加えて、持続可能性を維持していきたいと思います。

○日経新聞

 ありがとうございます。

 そして、幹事社からもう一つ、佐賀酒について、お酒のほうについてどうしても質問したいので、お願いします。

 これは、すみません、プリントのフォントの関係だと思うんですけど、これは7,600万円でいいんですよね、1,600万円じゃないですよね、まさかと思って。「7」ですよね。

○知事

 はい、「7」だよね。

○日経新聞

 それと、その農家さんへの支援というのは、先ほど読売新聞からも新しい制度で守っていく、プライドを育てていく、支えていくというのは分かりました。

 2番目の県内の蔵元さんには支援中とあります。先月、たしか酒蔵の協会の方、作り手さんの協会の方の申入れがありましたよね。酒米を県内で作り続けてほしいと。ということは、酒米農家さんに対しては、お金で考えるとどうしても主食米のほうに行きがちだけれども、こういう制度と差額分の補助を給付するということで作り続けてくださいということをされるのと、もう一つ、酒蔵さんに対しては、単純計算で言えば、この酒米が上がっている分をやれば、今2,000円ちょっとで売っているお酒が、当然3,000円以上になると思うんですね、価格を反映したら。それをそこまで上げないようにするためのお金を、今までも投じているし、今回もさらに入れるという認識でしょうか。

○知事

 基本的におっしゃるとおりで、ここの部分はいわゆる価格急騰、お酒だけに限らず、様々なメニューの中でこちらもやっているということなんですね。

○日経新聞

 瓶の価格も上がっています。

○知事

 分かりました。ありがとうございます。お詳しいですね。

 それということと、今回、こっちはこのお米のほうをやろうとしたのは、元が根こそぎなくなると、そもそも酒がなくなるという今回の危機感からこの事業ができていて、こちらのほうは、そういった意味では価格急騰に対していかに対応するかということなので、こちらは国の交付金などを使ってやっているわけですけれども、そういったことに対しては、また国に対してもさらなる交付金をつくってもらったり、これは知事会でもやっていますけれども、そういうことをやっていって、まだまだこれも支援していかなければいけない部分があると思うんですよ。瓶の話は初めて聞きましたけれども、そういったことも含めてしっかり取り組んでいきたい。

○日経新聞

 新規とあって、その中で支援中というのがあったので、ちょっとそこで確認で申し上げたんですけど、既に価格高騰分とかいろいろなもっと広い意味で今まで補助されていたけれども、新たにまた枠組みとして、それもやっていくけれども、佐賀酒を守るための事業として緊急パッケージとしてのこの7,600万円という意味で新規とおっしゃっているんですか。

○知事

 そうです。価格急騰に関しては、随時、補正予算のたびにメニューを変えながら手を打っているわけなんですけれども、こちらはそろそろ決めていくんですよ、作付を。秋。

○日経新聞

 タイミング的にぎりぎりだと。

○知事

 だから、今、メッセージをしないと手後れというか、何というんでしょうか、後追いになるともう作っていないよということになって、ということなので、ここは先に手を打つべきかという判断をしました。

○日経新聞

 分かりました。ありがとうございます。

 幹事社からは以上です。

 各社さん、お願いいたします。

○毎日新聞

 おはようございます。ツール・ド・九州でお尋ねです。

 改めて意気込みをもう少し聞かせていただきたいんですけど、一つは唐津の観光振興といったものとはちょっと違った自転車というレースを佐賀でやることについての思いが何かおありであれば一つ。

 もう一つは、この事業自体が九経連、九州みんなでやりましょうということなわけで、そこに佐賀が新たに参加するということで、何かお考えがあればということで、以上、2つお願いします。

○知事

 そうです。これは、それこそ(九州地域)戦略会議、いわゆる知事と経済界と一緒にやる会議を年に大体3回集まってやっているんですけれども、そのたんびにお声かけもいただいて、ただ、なかなかこれはマンパワーを要するものだから、もうちょっと待ってもらえんかなという話をさせていただいたんです。

 今回は、いろいろ福岡県の服部知事と話す中で、このエリアっていいなと思ったんですよ。この連たんするエリアの中で、今、特に糸島あたりは非常にいい形でPRができているわけですけれども、その奥には、唐津のグランブルーもあるし、その辺を一体としてPRできればなと思いました。

 特にこの自転車レースというのはヨーロッパでも大人気で、特にヨーロッパの選手がいっぱい出るレースであります。そうした中で、非常にこれ、ここの海岸線、波戸岬から唐津に駆け下りてきて、ぐるぐると回ってもらって、唐津城の辺りを──速いんですけどね、自転車は70キロぐらいだから。速いんだけど、そうやって見て、地元の皆さん方にこのエリアの一体感を醸成しながら、糸島の皆さんとか、そういう皆さんと盛り上がれたらいいなと思いましたし、そういった意味で、服部知事とも気持ちが合ったなと思っていたので、きっといい発表をしていただけるんじゃないのかなというふうに思っております。

○NHK

 ご説明ありがとうございました。

 今回の9月補正に当たって、知事が特に思いを込めた点というか、全体を総括して知事の思いをお聞かせてください

○知事

 今、それこそ物価高騰などで、いろんな皆さん方が、県民の皆さんも含めて苦しんでいる状況であるということはよく承知しております。ただ、ある部分ピンチはチャンスで、今こそ飛躍の機会であるというふうに思いますし、私はこの佐賀というまちが世界に誇れる様々な資源を持ったところだと確信をしているので、世界情勢がこういうふうな形で動いているときだからこそ、むしろ王道で将来に布石を打てるような、そして、生産性をつくっていけるような事業立てをしていきたいと思っていたので、さっきのACEの事業の採択もそうですし、ツール・ド・九州もそうですし、我々はそのときに誇るべき、それこそ日本酒だったり、焼き物だったりというところが、我々にとってのベースというか、誇りの根本で、その素材がないと世界に誇れるものはつくっていけないので、そこにしっかりと守るべきところは手を打ちながら、しっかり将来に向けて攻め手を打っていったという予算かなというふうに思います。

 それぞれの事業は個別にそれぞれ準備をしてきたわけだけど、こうやって全体として眺めて見ると、何かそういうふうな、厳しい中だけど、このピンチをチャンスに変えていく未来志向の予算になったのではないかと思っております。

○NHK

 ありがとうございます。

 先ほどあった文化庁のプログラム、今回、九州で唯一、佐賀が採択されたということで、このいきさつというか、経緯のところを少し、どういった経緯で手を挙げられたのか、ちょっと重複する部分はあるかと思いますが。

○知事

 最近、有田は、文化庁との連携の中でも、とてもいいエリアだということで、我々もUSEUM ARITAをやったりとか、400周年事業をやったりしていて、とてもいろんな連携もできておりましたし、文化庁のほうから小林元副知事さんも来ていただいて、佐賀の認識もだいぶ深めていただいて、何か文科省の中でも佐賀県の文化事業のプレゼンスというのは上がっていたので、いろいろ話をする中で、ちょっと手を挙げてみようかということで手を挙げたら──どうですか、太田課長、プレゼンはうまくいったんですかね。

○観光課長

 はい、力いっぱい話してきました。

○知事

 どこで撮ったんだっけ。

○観光課長

 九州陶磁文化館で、オンラインでの。

○知事

 九陶からオンラインでプレゼンしたらしいんで。観光課長と副部長、女性2人でプレゼンしたみたいですけど、何か訴えるものがあったのか。何せ大型なので、12億円という。こういう形の事業としては破格の、そして、文化庁と観光庁がずっと支援をしていくということでありますので、そういった意味で、あとはこれから中身なので、逆に言えば、3分の2国費といっても、やはり税金をしっかりそれだけ使っていく責任があると思うので、必ず文化度が高い、趣のあるというか、そういう事業にしたいという意気込みでございます。

○NHK

 あと、すみません、僕から最後に1点、平和の想い・記憶継承事業の新規のところです。戦後90年から80年に前倒して、確実に記憶を継承していくと、非常に重要だと感じます。その中で、知事が冒頭、県内遺跡の訪問なども行うということで触れられたんですが、これはどういったイメージといいますか、これは学校での……

○知事

 ここ何人か、県内の中高生20名程度という方を特別に公募して、その皆さん方にこのアーカイブの取材も含めてやっていただいて、県内──佐賀はあんまり爪痕というのは、比較的多くないんですけど、それでも確実に鳥栖とかあるので、そういったところを回って、佐賀でも空襲を受けたり、いろんな思いのある方もいるし、佐賀から実際に出征して、つらい思いをした人というのはいっぱいいて、それこそノーヒット・ノーランの石丸さんもそうだけど、そういうのは継承していかないと、彼らの思いというものをずっとつなげていくためにも、この20人にそういったものをアーカイブの中に入れてもらって、彼らにも、例えば、沖縄の戦跡にも行ってもらったりしながら、そういう佐賀県版の平和大使的に、ずっとこれからつながっていく、だから、この80周年のときにこういうふうな形で記録化して、後につないだんだということが分かるように、彼らに活動してもらいたいなという思いです。

○朝日新聞

 大きく2点ありまして、一つはまず今回、ツール・ドのやつもそうですし、あと、ACE プログラムの採択もそうなんですけど、どちらも県の北部と西部ということで、昨今、地価の動向を見ても、本来、東部というと福岡に近いエリア、東南部のほうが元気になってきているんだけど、北西部がどうしても格差ができているというような、発展の格差が出ているという問題があったと思うんですけど、その辺を意識していらっしゃったのか、県の北部と西部がどうしても人口の減りも大きいし、地価もなかなか上がらないみたいな、新幹線は通っているんだけど、なかなかそこが起爆剤になっていないように見受けられるというところで、何か知事の思いが、今回のことも含めて、課題としてどんなふうに感じていらっしゃって、それをどうしていきたいかという、予算付けも含めて、まず最初にお伺いしたいんですけど。

○知事

 基本的に均衡ある発展というか、全県的なチェックというか目配せが必要だと思って仕事をしています。その中で、やはりどうしても、今回の緑化フェアにしてもそうだけれども、南にどうしても寄ってしまうところがあって、特に北部の皆さん方からは、いろいろな声をいただいていて、唐津プロジェクトというのをやっていて、そのほかに縦断的に、これから唐津・伊万里エリアというのは光が当たっていくわけなんだけれども、そういう一環の中で、特にこの福岡から唐津・伊万里方向へのベクトルというのは、今回一つ大きな売り出しとしてやっていけるいいチャンスじゃないかなというふうに思いましたし、僕は唐津の皆さんとかに、もっと佐賀のほうに目を向けてこっちのほうに来てもらいたいなと思う気持ちはあるものの、やはり現実論としてどうしても福岡のほうを見ているというところもあるので、ある部分、それも逆手にとって、そこの連携をしながら一段的に打っていくという手法もあるのかなということで、今回マリンアクティビティでパラセーリングとか、そういったこともやりますけど、そういったことも含めて、うまく糸島さんの流れと乗っかれればいいなというところもあります。

 そうした中で、あるいは自発的な地域づくりというものも北部、そして西部地域にも生まれていくように。そして、やはり新幹線の関係で、鹿島のほうについては、例の鹿島プロジェクトも今実行しようとしておりますし、あとは、やはり武雄と嬉野に関して言えば、新幹線が開通したわけですから、そこの効果を享受できるように、まずは今の、嬉野であれば停車駅にしっかり停車してもらう、今半分なので、まずはそこをきっちりやって、そういうふうなみんな寄りたい、需要のある観光地としてまずは成長させると。武雄は全てのターミナルでありますので、そういったところを生かしながら、今回武雄アジア大学というものも認可されたということでありますので、ぜひそういった意味で、まちづくり頑張っていただきたいなと、県としても応援していきたいと考えています。

○朝日新聞

 ありがとうございます。もう一点ですけれども、平和のことです。90年にもともとやる予定だったのを10年前倒ししようということだったというふうにお伺いしましたけれども、昨今、戦中世代がいなくなってきたことによるいろんな世論とか論調の変化みたいなものがかなり話題になって──選挙もそうでしたけど、話題になってきていると思います。知事としてその辺のことを意識されていたのか、どうしてやっぱり10年前倒ししなきゃいけないんだというのは、現実問題、いや、90年だと物理的に難しいよねみたいな話ももちろんあったんだと思いますけど、このタイミングでちゃんとやらなきゃいけないんじゃないかみたいな、そういう危機感みたいなのをお持ちだったのであれば、その辺ちょっとお話いただければ。

○知事

 やはりどんどんお亡くなりになっているっていう環境の中で、遺族会の皆さん方も、ちょっとあと10年厳しいなっていう声も私のほうにいただいて、そうしている中で、やはり今回、萬二先生もお亡くなりになられて、あれだけいろんな平和について語られていた方が、まさに我々にとって大いなる語り部、私に対しても平和の大切さ、自分がどんなに戦争でいろんな思いをしたかというのを直接伝えていただいていたので、これはあと10年したら、とてもじゃないけれども、形骸化してしまうんじゃないかなっていう危機感です。ですから、今回しっかりやることができたら、10年後またやることができたとしても、いい形でまたつながれるんじゃないか。今回やらなかったら、芯がないような行事になってしまうような気がして。10年後どういう状況になっているか分かりませんけれども、というふうに思ったので、今回はみんなそうやって気持ちがすごく一つになっているので、今回、80周年を盛大にやりたいと思ったわけです。

○朝日新聞

 他に最近の、じゃ、みたいなのは特に、論調の違い、異なる議論の危機感みたいなものはそんなに認識はされていない。

○知事

 その世論って……

○朝日新聞

 世論というか、戦後、戦争に対するあれですけど、選挙では平和というものをちょっと今までとは違うような論調が出てきたりもしていたので、その辺の全体的な世論の流れみたいなのを意識したということではないということでいいですか。

○知事

 ちょっとおっしゃっているのが分からないんだけど、私は本当に戦争はしてはいけないと思っている。だから、平和を維持するためにどうあるべきなのかという議論、思いをしていて、これは政治家、山口祥義としてのずっと一貫した思いで、実際のところ、この自衛隊の使用要請についてもこの10年間議論してきましたけれども、私は一貫して平和第一主義なんです。そのためにただどうするのかということで、それはみんなが武器を持たないようになれば一番いいわけだけれども、その中でどうやってこれを維持していくのかという中での議論だということをずっと申し上げてきたわけですけれども、何としてもとにかく戦争はしてはいけないので、そのために何でも我々の世代としてやるべきことはやっていかなければいけないと。そして、悲惨さっていうのは、私は昭和40年生まれだからいろいろ伝わって聞いているけれども、じゃ、今の若い人たちにそれがどれだけの切実感。何となくウクライナで起きていることも何となく映像で見たりしているというところはあるかもしれないけれども、本当の意味での残酷さというのはなかなか伝わってこないので。

 で、今、とてもバーチャルな時代だから、何となくそれが自然な形で、現実視されていないんじゃないかなと僕はすごく思っていて、それをできる限りみんなが腹の底から認識して、言葉の平和の尊さという、言葉だけじゃなくて、それがずんと胸に落ちるような県民、国民を増やしていくべきだと思っています。

○NHK

 ツール・ド・九州の件で、虹ノ松原、唐津エリアというのは、もともとトライアスロンをやっていたりとか、虹ノ松原であっていたそういう有志の大会も人手不足とかでなくなってしまったという経緯もあるんですが、それがこういう形で、ある意味復活というか、そういうことで、地元もうれしい人たちがいるんじゃないかなと思うんですが、そういうところに対する何か知事の思いというか、期待感みたいなものがあったら、一言いただければなと思います。

○知事

 そうですね、基本的に唐津の皆さんといろいろ話すと、こういうのをやってほしい、ああいうのをしてほしい、こういうのに支援してほしいという声が多くて、私はやはり自発で自分たちで何かをやろうとしたところに支援するというスタイルがいいといつも意見交換するわけなんです。それでも、やはり唐津のみんなからすれば、やはり何かやってほしいという言葉があったので、私は今回のツール・ド・九州が唐津入りするというのは一つの起爆剤になればいいなと。それをきっかけに自分たちで何をやろうかというところ、本当に虹ノ松原なんて、トライアスロンだって復活したらいいと思うし、何でもできるところだと思うんですね。ただ、それはまちの力だし、まちのみんながそこを支援するからいい大会ができていると思うんです。地域尽くしの心尽くしのものであれば、みんな納得するので、今回は非常に大きな大会が来るということなんだけど、本来はそうじゃなくて、自分たちでそれをきっかけに何をするかというところにうまくつなげたいなというのが私の心です。


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