○NHK
ご説明ありがとうございました。
冒頭、知事からご説明がありました危機管理について1点お願いします。
1つ目を引くのは、この南海トラフの佐賀県の想定、ほぼ被災しない、津波もゼロだという想定のデータでした。知事の発言の中でも、支援させることを、支援県として充実させていくというふうなお言葉もあったんですが、今後、習熟に向けて具体的にどのように県として取り組んでいくか、知事の考えをお聞かせください。
○知事
大分を例えば、今回支援するということになったわけですけれども、まだ我々、大分の地域事情というのもよく分からないわけでありまして、今回、県職員を1人、大分県庁に出向させていて、そういった皆さんとともに具体的にじゃ、どういう支援になっていくのかなというところってとても大事なんです。例えば、佐賀が大雨に遭ったときに、他県のヘリが来たときに、厳木と言っても分からなかったのと同じように、相手のことを分かるって大事で、そういったところについて習熟していくということも大事ですし、我々が今一緒に取り組んでいるCSOをどういうふうに、じゃ、連携とって支援していくのかということもそうですし、さらに言えば、今回、オスプレイ17機も配置されることになるわけですけれども、災害対応に使えるというのはよく防衛省とも話しするわけです。じゃ、具体的にはどういう形で支援することになるのかということも、まだまだイメージができていないので、そういった一つ一つに対して、我々が支援県としてできることというものを考えていくということ。そして、具体的に支援したときには、陸もそうですけれども、空も運航調整というのはとても大事になってくるんですけれども、そういうところのノウハウというのを、まだまだこの佐賀県であっても未成熟だなというふうに思っていて、それこそ報道のヘリも飛びますよね。そういったことをどうやって調整しながら、少しでも多くの命を救っていくのかというのはまだまだだと思うし、この国全体も今、防災庁をつくって、そこを習熟させていくということで赤沢大臣も先週おっしゃっていましたけれども、そういったところについて、佐賀は先鞭を切って、いろんなところで支援するということの熟度を上げていきたいと思っています。
2 オスプレイについて(その1)
○NHK
ありがとうございます。
では続いて発表項目以外で、オスプレイの配備についてご質問します。
今月9日からオスプレイの配備が始まりました。それの配備後、初めての今日が知事の定例会見になったと思います。先日の開設後の知事のコメントとして、この配備は順調に進んでいるというふうな認識が示されていますが、改めて県として、今後どのように向き合っていくのか、知事のお考えをお聞かせください。
○知事
1機、2機、2機、1機ということで、今6機が佐賀空港に配置されているわけですけれども、これからいずれ8月の中旬までの間に17機になるというふうに思います。まさにまだ運用が始まったばかりで、まだ訓練も開始されておりませんので、今のところは問題なく、時が過ぎ去っているという状況ですけれども、いや、これからなので、これからまず、短中期的には、17機揃う過程の中で、訓練の計画というものもできてくると思うんです。具体的に、どのような形で運用される訓練になっていくのかというのは我々も関心事なので、今、防衛省とそういった意味での調整を開始していますので、それがまた一つ一つ、我々が10年間積み上げてきたものを守ってというか、そういう形で運用されていくということが大事だと思っています。なので、防衛省さんには焦ってやるんじゃなくて、丁寧に一つ一つやっていきましょうと、私のほうから申し上げております。今の平時の環境が続くのであればですよね。
ということと、あとは基地自体も、これからそれこそ体育館とか倉庫とか燃料庫(火薬庫)とか、まだ整備されていないものが順次着手されていくと思いますので、こちらのほうについての安全な工事も含めた進捗管理、さらに意識しているのは、海水混合施設も今試運転というか、いわゆる来るべきノリの漁期にしっかり発動するというか、海水と混合しながらしっかりと排水が出るように、1年目はとても大事なので、どういう形でそこの運用がなされて、その状況に応じてどういう対応していくのかというのは、まさに今年大事な年になりますので。
といういろんなことに関して、今、思案を巡らせながら、防衛省と調整しながら丁寧に対応していっております。なので、防衛省さんにも、この前、私が駐屯地に行ったときにも改めて申し上げましたけれども、地域との信頼を一つ一つ積み上げるような形でやっていきましょうということ、これをぜひお互いが守っていくということが大事だと思っています。
○NHK
その配備からもう間もなく1週間が経とうとしております。従前から地元から根強く騒音への懸念といった声もあったんですが、この1週間の中で県に寄せられている相談事ですとか苦情ですとか、そういったものは今のところ把握されていませんか。
○知事
私は直接聞いていませんけど、どうですか。
○県職員
県に2件あって、佐賀市にも2件あっています。
○知事
それは後でまた聞いてください。
○NHK
あと、先ほどの言及の中でもあったんですが、訓練の開始時期、あと、今後の移駐計画、残り11機残っているかと思うんですが、その辺りは今のところ何か具体的に示されているものとか言える状況にありますか。
○知事
調整中で、基本的に訓練といっても、いわゆる苛酷な訓練はやらないというのは約束事なので、あとは、離着陸の関係で、どういう形のものになっていくのかというのを実際今、これまではどちらかというと10年間は内局と話ししていたところがあったんだけど、今回はいわゆる制服組、まさに部隊といろいろ話もしているので、そうした中での個別の運用は結構ありまして、そういったことも含めて、お互いいい形で訓練していただけるようにというものを今調整中ということです。
残りの11機については、まだ具体的には聞いておりませんけれども、まず、今6機来て、6機とともに、様々な、訓練はしていないけれども、いろいろそういったところでの習熟やっておられると思うので、ある程度時間が経ってから次が飛来してくるのかなと私は考えています。
3 九州新幹線西九州ルートについて
○NHK
もう一点なんですが、新幹線の件で、先の定例県議会の中で知事から地元3者のトップ協議について、北陸新幹線の大阪延伸の問題を議論の切り口にしてはどうかということで話があったんですが、その後の今の協議の進捗と申しますか。
○知事
私は「幅広い協議」にしても、3者協議にしても、いつでもどうぞということなんですけれども、がむしゃらに佐賀県から強く我々がスケジュール管理してやる話ではないなとは思うんですけれども、ただ、特に、北陸を題材に話し合ってみるのは有意義じゃないでしょうかという話、これは私のほうからさせていただいたので、日程調整をやっているんですけれども、8月にも2案ぐらい出したけど、駄目と言われたと言っていましたから、なかなか3者がそろうのは難しいのかなと思ったりもしていますけれども、それでも我々は常に門戸は開いておりますし、協議すること自体は意義があると思うので、また折を見て声をかけてみるというか、あちらから声をかけていただいてもいいんですけれどもねと思います。
4 井上萬二様の訃報を受けて
○NBC
私からは1点だけ。
冒頭、井上萬二さんへのお悔やみの言葉が聞かれましたけれども、知事としての個人的な思いでも、それから、何かエピソードでも構いませんが、教えていただければと思います。
○知事
僕はずっとこの、何でしょう、知事になる前からずっと応援してくれていて、何でこう──私はでも、伝統産業を大事にしたいという、佐賀はやっぱりそこが大きな我々の売りであり、誇りであるから、そこを別に都会化しなくても、そこをベースに華やかさというのはつくっていけるみたいな話を最初の頃にさせていただいていて、ずっと自分も挑戦を続けてきたというか、現状に満足せずにって、そんな話をしたのがすごく懐かしくて、それからずっとそばにいてくれました。何といっても有田焼の400年記念のときに、これは僕の思いつきだったんですけど、人間国宝の器でご飯食べたいと思って、でも、ちょっと、萬二先生に聞いてみないとねということで聞きに行ったらですね、いや、もともと使ってもらうために、要は、器、食器として作ってんだよって言っていただいたから、それでみんな、ほかの皆さん方も同じ──中島宏先生もそうだったし、皆さんそういう、今右衛門さんも、あっ、すごいかっこいいなと僕は思ったんです。そういう心構えで作っていただいているんだなと。だから、飾っている物だけじゃなくて。だから、ああいうなんか、すごい、かっこいい人たちだなと思っていたし、ずっと、萬二先生お元気で、90歳超えてもおられたので、息子さんが亡くなられて、そこでかなり愕然とされていましたけれども、最近はちょっとお孫さんも頑張ったりしているので、もうちょっとお元気でいてほしかったなという、本当に悲しい思いです。
○NBC
プロフィールを拝見すると、予科練の生き残りで、昭和4年生まれでいらっしゃって、鹿児島で終戦を迎えたということですが、そういった意味でも、戦争の生き残りで日本を発展させてきた方の一人で、今年、戦後80年という意味でも非常に大きな出来事だったのではないかと思いますが、その辺りはいかがですか。
○知事
もう一点がそうなんです。有田出身の古賀海軍大将のことをよくお話しされていて、その慰霊の集いみたいなものにも私も誘われて、ぜひ来てくれということで行きまして、そのときにも、やっぱりこの大戦というのを忘れちゃいけないんだと。佐賀の人間もこうやっていろんな人間がねって、やったことを、もちろん戦争はよくない、やるべきではないってことを、だけど、忘れてはいけない。で、繰り返してはいけない。非常に、まさに経験者ならではというか、だから、今回、萬二先生が亡くなられて、こういうことなのかなと。こういう方々が亡くなっていくということが、戦後80年経ちましたけれども、とても今、世界中が不安な情勢の中で、それってあまりにも痛いことだから、しっかり我々が受け継いでいかなければいけないなという強い気持ちになります。
5 佐賀県の危機管理とオスプレイについて
○日経新聞
冒頭の危機管理と、その後のオスプレイの問題について、確認なんですが、だから、これだけ10年間積み重ねてきた佐賀の危機対応、これを生かしていくためにということと、オスプレイの配備に関しても各方面から、災害時の対応について可能であると。そうなると、佐賀県はこのスキルをブラッシュアップするため、訓練とかも想定されていると思うんですが、そうすると、その配備の終わった8月の中旬以降とか、その式典とかがある程度終わって、平常運行というか、その状態になったときに、例えば、災害を想定した訓練みたいなものに、今後、あそこのオペレーションルームとかですね、のところに佐賀の駐屯地の方が入ってきたりとかオスプレイとの連携、例えば、県内で土砂災害がありましたとか、孤立した集落がありましたみたいな想定であるときにオスプレイの方たちが出てきてという、そういう訓練というのは想定されているんでしょうか。
○知事
基本的に今時点で想定しているわけじゃないんですけれども、あたかも当然のように様々なときに佐賀駐屯地のメンバーというのはリエゾンの形で我々の中に入ってくると思います。今も久留米だとか目達原のメンバーは、災害が起きるかどうかのところから県庁に詰めてくれたりもしております。我々は普段から顔合わせで年に3回ぐらい一緒にご飯を食べながら意見交換をしているんですけれども、そういったところでも佐賀駐屯地の青山さんになるでしょうか、来ていただくことになろうかというふうに思いますけれども、そういった意味で、駐屯地自体も佐賀の地勢だとか、それから佐賀のほかの部隊のいろいろ特徴だとか、そういったところにも習熟してもらいたいと思いますし、我々からするというか、私からすると、オスプレイを災害にどのような形で使うのかなというまだイメージができていない。いわゆる輸送には適していると。隊員とか、そういうのはよく分かるんですけれども、それをどういう形で運用、援用していくのかなというところのイメージがまだできていないので、そういったところについてもぜひこれから意見交換をさせていただいて、効果的な活用方法というものも共有ができたらいいと思っております。
6 渇水対策について
○読売新聞
冒頭の危機事象に関する質問になるんですけれども、今年は梅雨明けが例年よりもかなり早いということでして、県内でいわゆる水不足、渇水というのも一つ可能性として出てくる話になってくるのかなというふうに思うんですけれども、現時点での知事の水不足、渇水に対する危機感といいますか、受け止めというものを教えてください。
○知事
そうですね、例年は今ぐらい──ちょっと前まで渇水、渇水って渇水本部とかつくったりしてやっていて、それから後に急に今度は豪雨災害に対する備えという、急にモードチェンジが入っていくのがここ数年の佐賀県の姿だったんですけれども、今年はいっとき、5月ぐらいまでは渇水という話があったんですけど、それから、そこまで渇水は言われなくなってきたんですけれども、その後、今、梅雨があまりにも早く終わったので、そこから先、それについての報告を受けていませんけれども、誰か分かる方はいますか。渇水についての課題の共有がなされていないんですよ。ということは、私に上がってきていないということは、純粋にダムも貯水されているのかなというふうに思うんですけれども、それはまた後ほど報告させたいと思います。
7 オスプレイについて(その2)
〇佐賀新聞
オスプレイに関してなんですけれども、9日に1機来た後、2機連続で飛来するというときもありまして、そのときに民間機が出る、ちょっとインターバルみたいなのを待って2機目が着陸するというようなところもありました。民間機への影響みたいなのを何か今感じていらっしゃったりとかありますでしょうか。
○知事
特にないというか、基本的には、今は平時の状況ですから、民航機優先ということで、特に今、飛来するところだから、時間調整なんかもある程度できますし、そういったことでやっているのかなというふうに思います。
あとは影響というところに入るのか分かりませんけれども、佐賀線(―羽田)は自衛隊の関係者がよく乗っていただいているなと、私も乗ったときにそういうふうに思って、この前行ったら、佐世保の相浦の方も佐賀線のほうが便利かなと言っているという話もあったので、大村空港(長崎空港)に行くよりも、たまたま佐賀に来たときにそのまま佐賀からという話も聞いて、全くそんな想定もしていなかったので、そうやっていろんな人の動きというのもできてくるのかなというふうに思うので、だから、いろんなこれからまた我々が思いもつかないような姿とか形が出てきたときに、そういう一つ一つに丁寧に対応していくというのが大事だなと改めて思いました。
8 外国人政策について
○佐賀新聞
題が変わるんですけど、今、公示されている参院選で一部排外主義的な主張が存在感を発揮している部分があるなと思うんですけれども、知事、政治家として、その排外主義に対してどういうお立場なのかというのを。
○知事
選挙中なのであまり私がそこをコメントするのはどうかと思いますが、基本的には今までの私の言動を見ていただいたら分かるように、やはり、外国の皆さん方も共に過ごしやすい佐賀をつくりたいと私は思っているんです。なので、佐賀の場合は本当に外国人の皆さん方が大きな力になって、いろんなところで担い手になって、特に介護だったり、様々なところで、最近農業にも携わっていただいたりとか、幅広くご活躍いただいているので、一緒になっていい、この度、多文化共生だけじゃなくて、職のマッチング、仕事のマッチングをするセンターもつくりました。外国人雇用センター(さが外国人材雇用サポートセンター)をつくりましたし、そういった意味で、私はそういういい形で、共に、強い佐賀をつくっていくという考え方でこれからも政治家として判断していきたいと思います。
9 気候変動について
〇佐賀新聞
危機事象対応だったりとか、渇水とか、そういう豪雨災害とか、そういう話が出た中で、この夏の猛暑だったりとか、気候変動というテーマで、ちょっと質問したいんですけど、気温上昇だとかそういうところで、佐賀県のそういうところが課題になってきているところ、影響が出ているようなところとか、何かこうお感じになっているところがあれば、教えていただきたいなと思いまして。
○知事
もう気候変動で世界中が今大変なことになっていると思います。これまででは考えられないような今地球になっているんだけれども、この気候変動って、徐々に動いていくので、いきなり大きなことも起きるけど、火事とか、水害とか起きるけれども、じわじわ忍び寄ってくる感じがするんですよね。必ず大きな、人が暮らしていけない地球に近づいているような気がするんです。
そのときに大事なのは、みんなで取り組むこと、特にマクロじゃなくて、ミクロの地域単位で、みんながそういう気持ちで取り組むことだというふうに思うんだけれども、私は今の様々な国際間の摩擦なんかも見ていると、何か、言い方は難しいけど、覇道がばっこしてきているような気がするんですよね。人間が共同して、共存していくためには、王道というか、みんなで、お互い分かち合い、分かり合いながら、理解しながら、未来の子どもたちのためにという、普通当たり前で共有するような感覚が、何か自分のところだけよければいいとか、短期的な視点でメリットがあればいいとか、あと、あいつは許せないから何とかしてやろうとか、脅してやろうとか、いわゆるこれは覇道だと思うんですけども、そういう覇道がばっこするようになると、じゃ、何かみんなで、気候変動に対して取り組んで、みんなのためだもんねって思う気持ちがなえてくる。そういう地球になっていくと、ますます、僕ら昭和の時代には、世紀末なんて言っていましたけど、何か危ない方向になっているんじゃないかなということを私は強く危惧しています。
○佐賀新聞
もう何か暑くて農業に影響が出たりだとか、漁業に影響が出たりだとか、そういうところもちょっとずつ出てきているのかなというに感じていまして、環境問題とか、そういうものに対して取組を進めていくということとか、県としてそういう気候への対策みたいなのがあれば。
○知事
そうですね、僕らの意欲的な取組とすると、プラプラ(PLA PLA:世界海洋プラスチックプランニングセンター)って来年波戸岬にオープンするんですけど、あれも一つで、気候変動という問題もちろんありますけれども、プラスチックごみが勝手にどんどん流れ着いてきてという。海洋が汚染されて、魚がプラスチックを食べてしまうという問題もあるし、そういう問題、みんなが、ああ、やべぇって、それはだめだよねとみんな思っているわけです。でもみんな思っているだけじゃいけないわけで、じゃ、佐賀県からそんなにごみがたどり着くものについて、国際的に問題提起をこの地域からやろうとやっているわけです。これが波戸岬から世界へというものがどの程度刺さるかどうか分からないけど、でも、やっぱりやることも大事だと。まずやってみて、これで声が上がってきて、俺も俺もとなってくるとまた別の地域から声が上がって、気候変動やばいんじゃないかと、みんなでこれからしっかり緑を大切にしながらCO2排出削減をみんなでしていくとか、そういう地域発でやっていくということをこの地球上でもっと増やしていって、そうしていくことによって、さっき言った覇道を押し込むような、そんな大きな流れに、難しいけど、言っていることは分かりますか、何となく。そういう方向になるように、佐賀県は地域発というものにこだわってやっていこうと思っております。