今回は株式会社ExtenD(エクステンド)を訪問し、AIソムリエが液体の「味」をどのように数値化するかの見学、体験を行い、AIソムリエ技術やダイヤモンド舌センサーの応用の可能性について意見交換を行いました。
株式会社ExtenD は、産業技術総合研究所発のスタートアップ企業で、液体の状態を高速かつ簡便に可視化する装置「AIソムリエ」を開発しました。
まず、CTO(最高技術責任者)の大曲さんから、AIソムリエの技術について説明を受けました。
AIソムリエは、センサーにダイヤモンドを使用することで、幅広く感度の高い測定が、またセンサーを安価に生産することが可能となったそうです。測定して得た液体固有の「指紋情報」と「人間の味覚情報」をAIによって結びつけることで、液体の持つ味や香りの数値化することができます。装置は小型で持ち運びがしやすく、1分1滴で気軽に測定ができるのが特徴です。河川の水質による災害予測や、尿や血液による疾病の予防など、幅広い分野での活用が期待されているとのことです。
この取り組みが評価され、株式会社ExtenDは「第3回 知財活用ビジネスプランコンテスト」においてグランプリ(日本弁理士会会長賞)を受賞しました。
次にAIソムリエの技術を体験するため、「利きコーヒー対決」を行いました。4種類のコーヒーの味を事前に飲んで記憶し、その後、選ばれた1つが4種類のうちのどれかを選ぶものです。正解のコーヒーは二つのコーヒーがブレンドされているものでしたが、AIソムリエはわずかな時間でそのブレンドの割合まで正確に判別することができました。AIソムリエによる測定の速さと正確さに本当に驚き、技術力の高さを実感しました。
最後に、AIソムリエ技術の応用について意見を交わしました。味や香りの評価は、まだまだ人間の感覚や、積み重ねた経験が成せる職人芸に頼る必要がある分野です。その分野に対して、AIソムリエ技術を使った「味のデータベース」の構築ができれば、今後さまざまなビジネスが生まれる、まさにブルーオーシャンの可能性があることを感じました。
【山口知事のさー行こう!!】
株式会社ExtenDの皆さんは、鳥栖市の産業技術総合研究所に研究拠点を構え、素材としてのダイヤモンドの特徴を活かして画期的な取り組みをされています。AIソムリエの技術は、飲食物の味や香りのみならず、あらゆる分野への応用の可能性がある、大変革新的かつ実用的な技術だと感じました。身近な技術として、大いに発展することに期待しています。
ダイヤモンドを使った最先端の技術が生まれる佐賀、さいこう!