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令和5年2月8日 知事定例記者会見 質疑全文

最終更新日:
<目次>

 

1 当初予算案について(その1)

○朝日新聞

 ご説明ありがとうございます。幹事社から幾つか発表内容の質問させていただければと思うんですけれども、まずは今、国スポの話で知事のほうからありましたソフト面については、先催県より高くなったということなんですけれども、そこら辺をもうちょっと詳しく、背景、要因をお伺いします。

○知事

 鹿児島県と比較するといいかなと思うので、そうしますと、約15億円の増です。主な要因としますと、まず、物価高騰や物流2024年問題の影響ということで、それが約半分、もう半分が、新しい大会実現のための投資ということで、先ほど説明したナイトゲームとか、個人表彰だったり、全障スポでの伴走者等へのメダル贈呈ということでありまして、いろいろその間工夫をして、一部競技会を県外で実施することでハード整備の減が、これが約7億円とか、バス輸送の規模縮小で約マイナス3億円とか、努力をしながらこうした状況ということです。

 逆に言えば、ハードのほうについては栃木が全体で650億円のところを我々は540億円ということでしたりとか、それぞれ持続可能性があるような施設整備ということも含めて、精査をさせていただきました。

○朝日新聞

 ありがとうございます。いずれにしても、大きなお金がかかって開かれる大会ではあると思います。もちろん、アリーナとかSSPとか、大会後を見据えたプロジェクトもやられてきたと思いますけれども、改めて国スポを開くことでの県内への経済効果等が具体的にあれば伺えればと思いますし、それ以外にどういう効果を期待されているのかというのを。

○知事

 私も佐賀で国体が開かれる予定だと知事になったときに聞いて、体育大会をやるだけであれば、非常に大きな投資をしなければいけないなと思いました。でも、せっかくこの大会をやるということを将来への生きた投資に結びつけるということで考えれば、県民の皆さん方も非常に盛り上がるタイミングでもあるので、上げ潮に乗って行うハード整備などを生かしていきたいなとずっと考えていたわけです。

 ですので、普通に考えると、体育館を各県とも整備とかをして、円滑な国体を運営するためにバレーボールコート4面とか、大体どこもやっているんです。でも、それは、そのときは円滑かもしれないけれども、その先にエンターテインメントは入りにくいなと、4面もあってだだっ広くてですね。と思ったので、ああいう1面集中型で、圧倒的な、コンサートとかイベントをやったときにみんなが感動するような空間をつくったりというふうにしてやったわけで、逆に言えば、SAGAスタジアムという、開会式やるところについては、先催県は大体大きな傘をつくってみんなが濡れないようにして、私もだいぶそれは陳情を受けたんだけれども、そっちをやるとこっちができないとかですね。いろいろ工夫をして、佐賀の大会はそうしたときにはみんなにカッパを着ていただくという、その日だけ──ということでやったりとか。

 例えば、栃木さんだと、飛び込みをプールの中に入れているんですよ。屋内飛び込み台は(屋根を)高く設定しなければいけない。そうすると、すごく維持管理が高くなったりとかいうのを、佐賀県はごめんなさい、外でと言って外に出したりとか、その分、アクア、プールの屋根はがあっと下がったりとか、いろいろみんなで相談しながら工夫をしていて、むしろいずれ将来に生かすようにということを考えたので。ですので、炬火台も作っていないしとか──そこが一番工夫しました。

 だから、普通に国体をやるためということで国体局とかに投げると、国体をやるためだけのミッションになるんだけど、佐賀県の場合は、むしろその先だぜってずっと言い続けてきたので、そこは一定成果も出たと思うし、SAGAアリーナもあれだけ、羽生君まで来るぐらいになっていますし、今度はRIZINというのも今年は初めて佐賀でやるということになりましたし、そういったところの効果というのは出てきたし、これからさらに新たな楽しみ方を九州の皆さん方に提供できるんじゃないかと期待しております。

○朝日新聞

 ありがとうございました。

 あと、県立大のことなんですけれども、今回、具体化プログラムに入っていて5,300万円を計上されているということですけれども、これは具体的に新年度で何が進むのかというロードマップ的なものは具体的にありますか。

○知事

 そうですね。今回のこの5,300万円については、約2,600万円が専門家チームの運営、さっき言いました3か月が延びるやつですね、1年分。そして、専門家チームの意見を踏まえた調査委託事業ということで、これが2,400万円で、さらに広報に200万円ということであります。

 これから考えるべきことというのは、学部規模のイメージだったり、ゼロからつくる大学だからこそできる特色がある教育だったり、県内出身者をどう受け入れようか、これは小・中・高との調整をしたりとか、あとリカレント教育ですね。やはり県民の皆さん方から聞く声としたら、もう一回勉強したい、まだ若い頃には気づかなかったけど、もう一回学びたいという声って結構聞くんです。そういうリカレント教育のコース、カリキュラム内容だったり、そして、我々は本当に早くこの機能が欲しいので、今、急いでこの作業をしているわけですが、そういう過程の中で場所も決まっていくのかなと思います。

 今、専門家チームの皆さん方と相談をしながら進めているので、どういう段取りでどういう内容が決まっていくのかというのはまだ定かではないんだけれども、そのための予算をここに置いてあるので、方向性が決まったところから皆さん方にお示ししていくという形になろうかと思います。

○朝日新聞

 今、お話にあった場所とかに関しては、この新年度の間にある程度というイメージなのか、そこら辺はどの程度進むというふうに……

○知事

 これは私の考えで、もちろんこれはいろんな意見があるので、これからになるわけですが、私とすると、もし令和10年に間に合わせようとすると、ある程度スピードアップを図らなければいけないし、実際に大学をつくるというのは僕はソフトの塊だと思っているんです。ただ、ソフトの塊と言いながらも、最低限の施設というものが必要なので、それがどういう形になるのか、我々はマックス200億円と言っていますけれども、そこまでかけないでやりたいなと思っていて、改修とかなんとかいろいろ、そういったものも織り交ぜながら、できるだけ早くこの機能が欲しいなと思うんです。なので、その機能を行うために必要な施設整備、場所というところとリンクして決まっていくことになろうかと思いますが、そこはまだまだ──山口和範先生は決まっていますけど、そのメンバー自体、今、何というんでしょうか、組織中なので、そういった皆さん方を含めて議論をしていくので、私としてはそういったところを順次やっていきたいと思いますが、そこは見えてこない。ただ、新年度のうちにはある程度そういったところが進捗できるように早め早めに取り組んでいきたいと思っています。

○朝日新聞

 ありがとうございます。

 ちょっと私から最後、全般的なことですけれども、今年度は市村記念体育館の事業が凍結という事態にもなりましたけれども、物価高騰とか人件費高騰が続く中で、今回、予算編成で、やろうと思ったけどできなかった、縮小を余儀なくされたとか、そういう今回の予算での影響というのは、あれば教えてください。

知事

 ハード整備はかなり厳しいですよね、この予算の中で。何とか市村も少しでも早く取り組めるように、財政上、幾らか基金に積んでみたりとかして。ただ、あまりにも物価高騰というか、資材高騰がまだ止まっていないので、そこが逆に落ち着いてくると、財政的にうまく折り合える地点というのが見えてくるのかなと思いますが、県内でも様々なものが今、施設整備も止まっていたりとかしますし、それこそ我々が今お付き合いしているアサヒビールさんも3年延期ということにもなりましたし、そして、TSMCがまた何かやられるという話だったり、関西万博をやるんですかという話もあったりとか。それこそ災害もあるし、いろんな意味でこれからが見えないので、今回、財政運営上、先ほど、社会保障費がプラス10億円アップさせて計画を組み直したのもそうですが、いろんな要素というものがあるので、積極的に未来に向ける投資はしながらも、ある程度抑えるべきところは抑えるというところも今回工夫をしました。

○日刊工業新聞

 産業振興のところでお伺いしたいんですけど、企業誘致のところで50.5億円といったところで、例えば、鳥栖のほうで新しい産業団地を整備するという話なんですけど、そのほかに何か新しく工業団地を整備するだったりとか、調査のために費用を充てるだったりとか、そういったことは何かこう。

○知事

 今回、鳥栖は34ヘクタールという大きな団地で、割といい感じなんです。具体的に申し上げられませんけれども。なので、あの34ヘクタールにも、特に東部は割とすぐに売却されるというか、九州は特に、佐賀県東部地域というのは九州のクロスロードに位置するので、つくった分だけいけている感じなんです。なので、そういったところで、次どうするのかというところも併せて考えていきたいねということと、佐賀県はやっぱり優良農地が多いので、そこをどういうふうに転換していくとか、移っていただく場合にはどういったふうにしていくのかという、全く大きな観点での考え方が必要になってきます。

 ですので、今回は民間ディベロッパーに開発する形というのを初めて取り入れてみたんですけど、様々なやり方というのも工夫しながら、どこまでこの企業誘致をやっていくのか。ある部分、うれしい悲鳴という状況なのかなと思っています。

 ですが、可能性が高いので、適地調査というものについてはこれからも乗り出していきたいと思います。

○日刊工業新聞

 まずは鳥栖でやっていくんですか。

○知事

 いや、鳥栖だけでもなくて、例えば、今度、吉野ヶ里もSUMCOさん、どかんと来るわけじゃないですか。こちらも一瞬で、造成前に売れてしまうという状況も、予約されている状況なので、ですので、あと、場所。なので、これは市町と一緒になって、どういう適地があるのかということに関して、基本的にはみんな使っている農地なので、そういったところについての調整というものが必要かなと思っています。

○佐賀新聞

 予算全体のところで、今回の当初予算、知事のキャッチコピーというか、呼び方、何か、どういう性格のものかを表すような言葉があれば教えていただきたい。

○知事

 別に用意していたわけじゃないんですが、今回、予算をする意味ですごく力を入れていたのは、やっぱり人ということで、「挑戦なくして伝統なし」と、有田でよく言われている言葉ですけれども、やっぱり先人たちが紡いできた佐賀の伝統というのがあって、これは大事にするということで、様々な文化遺産なんかも大事にしていくわけなんだけれども、やっぱり明治維新のときのように、新時代に挑むために必要なものという、人への投資というのは何よりも大切だなと思っていて、ここに力を入れようねということを予算編成の冒頭でみんなに呼びかけて、人にこだわっています。人への投資というのは未来への投資で、県民の皆さんの希望の光になるので、人、人、人にお金をかける。そうすると、それは裏切らない。必ずプラスで返ってくると佐賀県は信じています。なので、じゃ、どのぐらい人への投資をやったのかと、やって、主な予算をがーっと挙げてみました。こんな形で、人材に対する投資をやっていきたいと。そしたら、間違いなく来年、再来年、その未来に行くたんびに光が見えてくると確信しているので、これは鍋島閑叟公が、直正公が弘道館を大事にしたように、佐賀の伝統としてやっていけば、必ず日の目を見るだろうと思って、思い切って投資をしております。

○佐賀新聞

 ありがとうございます。

 すみません、続けてなんですけれども、県立大学で2,400万円、調査費の部分なんですけども、どういう調査を想定されているんでしょうか。

○知事

 ちょっと分からないんですけれども、例えば、山口和範先生とか、チームがありますよね。チームがいろいろアイデアを出したときに、それがそのまま実現できるのかとか、そうしたときのハード整備はどういう形が考えられるのかということに関しては、何というの、絵に描いた餅じゃなくて、それを具体化する、具体化の具体化みたいな。そういう委託調査を行わなければいけないので、それを踏まえてまた、みんなで議論を重ねていくという作業になるので、まさにメンバーの皆さんの議論と、その実現可能性を具体的に落とし込む調査委託チームというか、事業というか、それが2,400万円なので、だから、それが具体的にどういう使われ方をするのかというのはこれからの議論次第と思っていただいたらいいかと思います。

○佐賀新聞

 他にもあるんですけど、ICカードの件で、さっき知事がおっしゃった、唐津線がまだ未整備と、ここに充当されなかった理由というのはあるんでしょうか。

○知事

 これはICカードは初期投資は佐賀県と長崎県が出すことで合意したんですよね。これはちなみに佐賀県は13駅あるので、長崎県は6駅なんですよね。駅の割合でうちのほうがかなり高いです。それはいいとして、初期投資を応援することになったわけですが、JR九州さんが維持管理、運営は全部担っていただけるんです。そこで合意したので、唐津線はかなり難しいと思います。今の僕らのJR九州との調整の状況では。ただ、これから先検討されることがあるとすると、江北-太良間、大浦、どこまでやるか分かりませんけど、そこと長崎側からすると、大村線があるのかなと思いますが、そっちのほうは可能性がないわけではないのかなと思います。だから、次のステップとして、そういった事業立てができるのかどうかということについては、JR九州とよく話をしていきたいと思いますが、今回は、佐世保駅もICカードを使えないなんてあり得ないので、そういった意味では大石知事もちゃんと呼応してくれたし、佐賀、長崎のいい事業になったのかなと思いますし、県民の皆さん方、まだほとんど知られていませんけど、知ったら、ああ、使いやすくなったなというふうに思います。そのときには佐賀県と長崎県の貢献したことをお伝えいただければ幸いでございます。

○NHK

 私も予算案全体について改めて伺いたいんですけれども、未来に向けた投資を押さえつつ、抑えるところを抑えたと先ほど知事もおっしゃられました。今年は国スポ本番って、いよいよそういう年だと思います。仕上げを迎える年度になると思うんですけど、そこに向けた改めての今回の予算への想い、そういうところを伺いたいと思います。

○知事

 これまでためてきた基金をここで吐き出すわけですから、これだけの100億円という非常に大きな予算、ちなみに来年度はこれはゼロになるわけですが、この予算は。だからこそ、これだけの投資に対する効果を県民の皆さんと共に享受できるように。享受できるかどうかは、県民の皆さんと一緒の共同作業になるわけです。簡単にいうと、大勢の何十万人もの皆さん方が来ていただいたときに、佐賀よかったよと、また来たいねと、佐賀すばらしいねと思うのか、佐賀の人たちが、せっかく来たのに、何もなかやろと言うかで、全然この効果というのは違うので、本当にこれから大事なことは佐賀県民が佐賀を誇りに思って、すばらしい場所だということを共に発信できるような機会にすれば、この100億円というのは、未来永劫、非常に大きく生きてくるお金になると思うし、そうしなければいけないという強い覚悟を持っています。

○NHK

 あともう一点、個別の点なんですけど、江藤新平の顕彰に向けても予算でふれられていました。お話の中で、例えば、鹿児島における西郷隆盛のようなことも引き合いに出されていましたけれども、ゆくゆくはというか、佐賀県にとって江藤新平という方の顕彰といいますか、どういった形になっていけばいいのか、知事として思い描かれることはありますか。

○知事

 西郷隆盛は、言うなれば流罪、島に送られたりとか、薩摩藩と必ずしもうまくいっていたわけではないけれども、でも、彼の生きざま自体が、今となっては薩摩人の誇りになっているわけですよ。そういうふうに我々にとっての江藤新平って、ある部分佐賀県人らしいというか、真っすぐに理屈で押し通して、言い方を変えれば、ちょっと空気が読めないところもあったかもしれないけれども、真っすぐにこの日本の将来を見据えて頑張った人なので、やっぱりこの佐賀県人が江藤新平という人間を誇りに思える、大体、大隈重信は地位を向上させたという自負はあるんですが、最後の大物の江藤新平というのは、私もずっと、どういうふうにこれを触っていいものかなと悩んでいたぐらい大物なので、ぜひ佐賀県民自体が江藤新平という人間のものすごさというものに触れて、江藤新平の佐賀だと言うぐらいまでいければなと思いますし、結局私は思うんです、いろいろ調べてみると、坂本龍馬にしても西郷隆盛にしても、結構後づけでみんながヒーローにしているんです。坂本龍馬もそんなに、最初の頃は別に何てことない普通の人で、それを薩長を結びつけたというドラマ化して、今でいうとSNSでフィーバーしたわけですね。だから、それを佐賀県はやってこなかったので、そこがこのSNSも含めて、江藤新平ってどんな人間だったのかということを通じて、この佐賀というものをひもといていけるように展開していきたいなと思います。NHKさんもよろしくお願いします。


2 2月補正予算案について

○読売新聞

 2点伺いたいんですけれども、まず1点目が、補正のほうのどういう狙いの補正予算なのかというところを教えていただきたいなと思っております。

○知事

 2月補正は、特に経済対策、物価高騰という関係がありまして、国の交付金が底をつくというか、基金がゼロになっていくので、今の段階でやれる経済対策、物価高騰対策はなんだろうかということを精査して、この予算になりました。ということで、これから先は財源がほとんどないので、ここは状況がどうなるかによりますが、知事会なども含めて、この財源の問題というのは議論になっていくと思うので、このまま落ち着いてくれればいいんでしょうけれども、状況を踏まえて対応するということで、今回は今できることを全て精査しながら行った予算だと思っています。


3 当初予算案について(その2)

○読売新聞

 ありがとうございます。あともう1点、海洋プラスチックの問題なんですけれども、世界的な問題でもありますし、立地上、(海洋プラスチックのごみが)北部九州は多いんだという話があったと思うんですけれども、その中で、佐賀県独自として、まあ世界初ということなんですけれども、やるということについて、どういう考えからこういう発案になったのか、どういうふうにしていきたいかというところを。

○知事

 これは財源なんですけれども、10分の10が原発施設立地地域共生交付金というのが財源なんです。原発の交付金をどう使うのかというのは僕らにとってすごく命題で、これまで佐賀県は1つの施設にどかんと使っているようなところが、産業労働系の施設、そこをもっと生かすやり方がないのかとみんなで議論をする中で、むしろそうじゃない新たな未来に向かった事業というのができないかという議論の中で、やっぱり海洋プラスチック問題というのは非常に大きな課題だし、このエリア特有というか、ほかもあるけれども、特に激しいエリアなので、ここについての問題提起ができるような事業立てをしたいと思いました。なので、言うなれば、なかなか一般財源ではしにくい事業であるんだけれども、逆に、原発から来るお金であるからこそ、様々な問題提起ができるのではないのかなという事業立てになっています。

○毎日新聞

 別の事業で、理系人材の育成と、あと、将来、佐賀で活躍する人材確保、育成という部分なんですけど、それは県立大学とのからみで将来的な進学の動機づけとか、そういうところに狙っている意図みたいなものってあるんでしょうか。

○知事

 なかなか鋭い質問だと思いますが、もともと県立大学は理文融合型とうたっています。それが必要だと思っているから、そういう人材を育てたい。小・中学生に対して、理系人材とか、そういった授業を高校に対してもやっていくというのは、これも同じ考えです。

 ですので、同じこれからの人材像、誰かについていく偏差値輪切りじゃなくて、自分で打開できるような人材をつくっていくという意味からすると共通ですので、そういった意味で、そうやって、いわゆる理系人材というものが育ってきた中で、そのみんながいずれできる佐賀県立大学に進学する、そして、普段からつながっているということは十分想定していますし、我々とすると、なんで県立大学というファンクションが欲しいかというと、そういうつながり、ネットワークの中の知の拠点にしたい。それが完全にうちの中に抜け落ちていて、要は県立大学がないわけです、4つの県だけ。県の大学がないということ自体が、そこのネットワークをつくり得ないということなので、そこを早くつくらせていただきたいという中で、そういったことも、その布石にもなっているというのは、おっしゃるとおりです。

○朝日新聞

 一つは全体的な話なんですけれども、これは人への投資とも関わるかもしれないですけど、県立大学も当然関わるんだと思うんですけれども、去年人口減少について、佐賀県も23.5%減少するというような推計も出ましたけれども、今回の予算編成で、それが長期的な将来を見据えて佐賀県として打った一手というか、力を入れた政策というふうなことがあれば。

○知事

 大きな目からすると、人口減少は全国的な課題でもあります。例えば、長崎県とか鹿児島県に比べると佐賀県は比較的緩やかですが、それでも人口減というのはくるわけで、そうすると、やはり先ほどの後期高齢者の問題もありますけれども、そういったところに対する支出が増えていきます。それを生産労働人口で支えなければいけないという難しい時代にくるわけですけれども、だからこそ高齢者の皆さん方に元気でいていただくという政策というのがとても大事になるのと併せて、若い人をしっかり育てていって、できれば佐賀で働いてもらうということがとても大事になってきます。なので、むしろ人口減だからこそ佐賀は人手不足対策に乗り出すべきだと思っているし、何といっても、佐賀県は子ども比率全国3位で、そして、それを大量に、毎年2,000人以上の人を、2,000人というのはとんでもない人数ですから、その2,000人を県外に流出しているというのを何十年も続けてきたということに非常に僕はもったいない、切ないという気持ちになっていて、今度の県立大学でもマックスでも今300人が定員がなので、ほかの県は大学がそれこそ7つも8つもあるから、それでも多少しっかり受皿になっているけれども、佐賀はダダ漏れ状態なので、全国の少子化の問題と佐賀県のダダ漏れ問題というのは別の問題。むしろ佐賀にとっては大きな課題というところに、ぜひ皆さんに気づいていただきたいなと。要は機会損失が甚だしいので。

 もちろんよく言われるのは、県外に行きたい人は行かせればいいじゃないかと。それはそのとおりです。行ってもらったらいいし、佐賀を大事に思いながら県外で活躍することも大事だけれども、佐大と西九州大の2つしかないので、佐賀に残って活躍したいという人たちの受皿が圧倒的に不足している状況なので、そういった意味で待ったなしだなと思って、精力的に県立大学という機能というものをつくるために全力を尽くしたいと思っています。

○朝日新聞

 ありがとうございます。

 あと、個別の事業なんですけど、先ほどあった江藤新平の話で、江藤新平への思いとか、その功績への評価というのは知事のお考えというのは分かるんですけれども、復権を要は県の公金でやる意義、必要性というものをどのように考えておられるのか。

○知事

 今回は一つのきっかけで、もともと佐賀県は幕末維新博覧会で七賢人その他を顕彰させていただいて、それが佐賀の誇りという部分につながったし、忘れもしませんが、維新博を見た子どもたちが、おじいちゃん、おばあちゃん、佐賀の子でよかったよと、いっぱいあそこのカードに書いて貼ってあるものを今でも忘れないわけですけど、やっぱりそういう自分の郷土に対する誇りというのは金の価値では考えられないぐらい大きなものなので、今回は両者で4,700万円という事業ですが、これを一つの導火線にして、これ自体が大きく広がって、みんなの誇りになるということと、例えば、今日本という国は一つ一つの制度に関して制度疲労が起こっていたり、制度を守る守らないという問題とかあるじゃないですか。だからこそ、江藤新平のように、例えば、近代的な裁判制度を導入するということで、民のために裁判制度、司法はあるべきなんだ、お上が裁くんじゃなくて、民衆のためにあるべきだと主張して今の裁判制度に帰着しているわけです。だから、やっぱり佐賀に来る法曹関係者の皆さんも、江藤新平の佐賀に来たということで非常に感動すると皆さんおっしゃるように、そういうシステムというものがみんなのためにあるという思想というのは、今の混沌とした時代だからこそ、みんなのために何かシステムがある、そして、それを守らなければいけないことというのは非常に時代にマッチしているんではないかと私は思います。



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