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成果発表会2日目の詳細はこちら

最終更新日:

1 開催日 平成26年7月7日(月曜日)

2 会場 佐賀市文化会館 中ホール(〒849-0923佐賀市日の出一丁目21-10)

3 参加者 870名

4 日程

(1)  9時30分~ 受付

(2)10時00分~ 開会

(3)10時00分~12時00分 シンポジウム1 「ICT利活用教育の現状と今後(1)」

パネリスト:総務省 情報通信利用促進課長補佐 柳迫泰宏氏 

               文部科学省 情報教育課長 豊嶋基暢氏 

               日本視聴覚教育協会 事務局 郡谷寿英氏 

               佐賀新聞社 編集局長 富吉賢太郎氏 

               日経BP社 上席研究員 中野淳氏 

コーディネータ:Windowsクラスルーム協議会事務局長

                    日本マイクロソフト文教本部長 中川哲氏 

(4)12時00分~14時00分 ICT機器及びデジタル教材等の展示実演、指導事例紹介

(5)14時00分~16時00分 シンポジウム2「ICT利活用教育の現状と今後(2)」

パネリスト:佐賀大学文化教育学部長 甲斐今日子氏

               信州大学教育学部教授

              (文部科学省「デジタル教科書・教材等検討チーム」主査) 東原義訓氏 

               九州大学附属図書館付設教材開発センター教授 岡田義広氏 

               県立学校校長会代表   有田工業高等学校長 牟田久俊 

               市町教育委員会代表   武雄市教育委員会教育長 浦郷究氏 

コーディネータ:佐賀県教育委員会副教育長 福田孝義

 

5 主な内容

○10時00分~12時00分 シンポジウム1「ICT利活用教育の現状と今後(1)」

総務省 情報通信利用促進課長補佐 柳迫泰宏氏 

   フューチャースクール推進事業を通して、学校現場でのICT環境の構築・運用・利活用をする際の参考になるとともに、地方自治体の導入のきっかけとなるように、実証事例を踏まえた教育ICTのポイントや留意点をまとめたガイドラインを作成した。今後の技術的な課題として、サーバーの運用管理、コスト、環境の維持管理、アプリケーションの連携、学校と家庭との連携、多様化したデバイスへの対応等についてまとめている。そのうえで、平成26年度から、クラウド等を活用して、児童生徒の学習履歴を活用したきめ細かい指導、学校と家庭を問わない継続した学習や、低コストの教育ICTシステムを確立し、その成果を普及モデルとして推進する先導的教育システム実証事業に取り組む。

資料 新しいウィンドウで(1325KB; PDFファイル)

総務省パンフレット 新しいウィンドウで(1187KB; PDFファイル)

 

文部科学省 情報教育課長 豊嶋基暢氏

   平成23年度4月に策定された「教育の情報化ビジョン」において、教育の質の向上を示し、学びのイノベーション事業をとおしてICTを活用した指導方法の開発等を行った。

   ICTを活用した教育の効果は、児童生徒や教員の意識、教員のICT活用指導力、学力の傾向においても一定の効果が得られている。

   今後、ICTを効果的に活用した教育を推進し、子供たちの主体的な学びを実現していくために、情報通信技術を活用した教育振興事業として、教育効果の明確化、効果的な指導方法の開発、教員のICT活用指導力の向上方法の確立が不可欠であり、平成26年度は、これらの課題を解決するため実証研究を行うとともに、デジタル教材等の充実や、児童生徒の情報活用能力に関する調査研究等を実施している。

資料 新しいウィンドウで(784KB; PDFファイル)

 

日本視聴覚教育協会 事務局 郡谷寿英氏

   本協会は、昭和3年に設立し、半官半民の立場をとりつつ、名称を変えながら、現在は、一般財団法人として、各種関係団体と連携を図り、学校での電子黒板やタブレットPC等のICT活用の定着をめざしている。

   具体的には、文部科学省からの委託を受けた「国内のICT教育活用好事例の収集・普及・促進に関する調査研究」、文部科学省との共催による「eスクールステップアップ・キャンプ」等、研修と環境と事例共有を3つの柱としながら、実践研究発表会を開催、教育ICT活用事例集の発行など、教育関係者の方々への普及に取り組んでいる。

   こうした中、ICT利活用教育は、国が示す2020年に向けて、認知から定着の時期に移行したと考えている。

資料 新しいウィンドウで(1167KB; PDFファイル) 

 

佐賀新聞社 編集局長 富吉賢太郎氏 

   授業の本質は、目的を外さずにどこまで脱線できるかだ。

中学校の3年間で『銀の匙』を1冊読み上げる授業、『長崎物語』を教材として江戸時代を学習した授業。生徒たちを指導の深みに誘う過程に、ICTがそうした指導を可能とするツールとして有効に働くだろう。

   そして、現代は、正解のない問いにどう向き合うかが問われる時代だ。そんな時代を生き抜く力、その一つが藤原和博氏や橋本治氏、重松清氏が言う情報編集力と言えるが、そういった力を身に付ける必要がある。

   昨日の三宅なほみ氏の講演でもそうだ。21世紀型スキルの育成。そのためには、お仕着せでなく、生徒が主体的に学ぶ授業が必要だ。

   今、学校では、佐賀新聞電子版が閲覧できる。学校の中で日常の中で、社会を見る目を養う。それが可能となる。

   今後、ICTは当たり前になる。さながら、インターネットは手のひらの上の図書館。先生が研究を重ね、授業を脱線させる。ICTはその可能性を秘めている。そのためには体力、知力、教養が必要だ。そこによい授業の可能性がある。

 

日経BP社 上席研究員 中野淳氏

   ICTは、コミュニケーション能力の育成(21世紀型スキルの必須項目)やデジタル教材、eラーニング、反転学習、MOOC(Massive Open Online Courses)など、新しい学びのスタイルに対応できる。

   また、セキュリティ、情報モラルなど、社会で求められる情報リテラシーの育成等のために、1人1台PCが有効である。

   社会の変化の速さへの対応、Excel、Wordを解説できない現行の教科内容、また、生徒のスキル差、ネットでの情報収集・発信、著作物の転載等が容易な分、著作権法違反のリスクが増大するなどのICT利活用教育が抱える課題がある。こうした中、「日経パソコンEdu」を佐賀県立高等学校で採用し、課題解決のための教材となる可能性を持っている。

資料 新しいウィンドウで(1811KB; PDFファイル) 

 

コーディネータ:Windowsクラスルーム協議会事務局長 日本マイクロソフト文教本部長 中川哲氏 

   今日の高度情報活用化、グローバル化社会にあって社会が求める人材・スキル(資質)とそれをどう育成するか。正解のない問いにどう向き合い、どう答えを導き出すか。複数の異なる専門知識を持つ人間が集まって、議論を通じて知恵を出し合いながら、正解を探っていく方法を用いながら、子どもも大人も主体的に学ぶことが大切だ。

 


○12時00分~14時00分  ICT機器及びデジタル教材等の展示・実演、指導事例紹介

   教材関連32社、システム関連7社、機材関連15社の計54社による、最新のICT機器及びデジタル教材等の展示・実演が行

われました。

  また、4つのブースにおいて、県内の教諭等による指導事例の紹介を行いました。

 

小学校ブース:大町ひじり学園小学部   教諭 栗山茂樹

中学校ブース:佐賀市立城西中学校   教頭 草場聡宏

高校ブース:佐賀東高校   教諭 靏本隆則

特別支援ブース:中原特別支援学校   教諭 井上理香 


 

○14時00分~16時00分 シンポジウム2「ICT利活用教育の現状と今後(2)」

佐賀大学文化教育学部長 甲斐今日子氏

   佐賀大学では、専門で学んでいるわけではない学生に対しても、授業でICTに関わる観点から、様々なカリキュラムを設定している。

   例えば、学部生に対しては、ICT利活用教育に関する授業科目を開講し、講義を実施。また、「大学院教育実習」において、ICTを利活用した授業力の向上を図っている。
 さらには、佐賀県の教員採用試験にICTに係る指導力が問われることから、そのための学生支援として、電子黒板を利活用する授業構築のアドバイスを行うなど、「教員採用試験対策講座」を通じて、ICT利活用授業の体験と研鑽を行っている。

   教員免許更新講習においても、情報セキュリティの内容を盛り込むなど、現代的な課題に対応し、ICT利活用教育の内容を取り扱っている。

 資料 新しいウィンドウで(482KB; PDFファイル) 

 

九州大学附属図書館付設教材開発センター教授 岡田義広氏 

   九州大学では、学生1人1台体制を導入し、PC必携化を行っている。

   その前提として、無線LAN環境整備するとともに、e-Learning教材を開発している。

   教材開発については、授業の録画とそれらを編集した講義ビデオ教材の公開、3次元CG技術を活用した電子教材の開発と提供、教材開発技術や著作権等に関する講習会の実施等を行っている。その成果として、反転授業(Flipped Classrooms)と融合型学習(Blended Learning)の設計も可能となったり、人体の構造や機について、イメージを通じて直感的に理解できるようになったりすること等があげられる。

   また、無線LAN整備により、どの講義室でもe-Learning教材を利用可能となったし、講義以外の時間にも自学・自習が可能となった。

   今後は、クラウド・システムの利用が重要となる。著作権処理の効率化も重要だ。また、大学学習資源コンソーシアムとの連携を必要がある。

   さらに、MOOCsおよびJMOOC(大規模オープンなオンライン・コース)の利活用にも可能性が期待できる。

資料 新しいウィンドウで(864KB; PDFファイル) 

 

県立学校校長会代表 有田工業高等学校長 牟田久俊

   電子黒板と学習用PCが日常的に使用できる環境になった。

本校では、普通教科での利活用はもちろん、実習教科でろくろの実演、機械科の溶接、製図等を動画で収録し、何度も見直すなどでたいへん高い学習効果が得られている。

   こうした一連の取組は、推進リーダーの熱意、ICT支援員、サポーターの熱意が大きな支えとなっている。

   ハード(PCの整備等)が先か、ソフト(教材等)が先かという議論がよくなされるが、デジタル教科書を用いても従来の授業形態を越えないタイプのものはよくある。そういった授業では、時間の短縮などの効率化が図られて良い面もあるが、デジタル教科書に頼らない方が、むしろ独創的な授業が構築できるのではないかと感じている。教師として学びのツールであるPCをどう活用していくか。

   本校では、生徒自らが考え、卒業式に学習用PCを用いて感動的な演出を試みたことがある。他県の高校とのコラボレーションも行ったこともある。

   それは、必要な場面での利活用であり、そこで培われる力は、単純な学力ではない。まさに、キーコンピテンシー、21世紀型スキルの育成だ。そのためにも、教師主導型の授業の発想から脱却しなければならない。生徒たちが自由に協働学習の場を創出できるよう、教師はコーディネートしてやることが大切だと思う。

資料 新しいウィンドウで(1961KB; PDFファイル)

 

市町教育委員会代表   武雄市教育委員会教育長 浦郷究氏 

   これまで、推進協議会を基盤に全県を挙げてICT利活用教育の推進に努めており、そのための手立てを互いに勉強し合っている。今回は、臨時交付金を付けてもらい、機器整備の大きな呼び水となった。このように、全市町、整備計画等に幾分の課題はあるが、全市町が力強い一歩を踏み出している。

   特に武雄市は、新たな取組(スマイル学習、反転学習)に踏み込んだ。

   本市は、県や国の情報化のビジョンに沿いながら、首町の積極的な姿勢もあり、議会や市民の支援、教職員の努力、大学・企業などの積極的な支援を受け、ICT教育環境の整備に当たってきた。

   特徴的な取組としては、「スマイル学習」が挙げられるが、将来に生きる「学習生活」の獲得のため、家庭学習・生活習慣と学校との連環し、取組を進めている。コンテンツの作成は、各校の分担で行っているが、このことにより、教材研究の充実や新たな学校間交流が可能となった。

資料 新しいウィンドウで(60KB; PDFファイル)

 

信州大学教育学部教授(文部科学省「デジタル教科書・教材等検討チーム」主査)   東原義訓氏

   1978年『未来の教室』が発行された。竹園東小を舞台にコンピュータを活用した教育の幕開けだった。この実践研究の最重要課題は、より高い「人間どうしのそうお作用による教育」を実現するのにコンピュータが必要か」ということだった。子どもは「講義は授業で、復習はPCで」「コンピュータは自分のペースで」などと答えている。個に応じた学習に一定の成果が確認できた。

   他方、現在、学力学習状況調査のB問題で、話し合い活動をよく行っている学校に有為な差が認められている。人と人との相互作用を高める。PCもこうした相互作用の場で用いられることが多い。いわば協働学習だ。PCは、決して人を分断するものではない。40年前の答えが、今、出ている。

   第2次教育振興基本計画では、主体的な学びが強調された。一律の正解はない。自立、協働、創造がキーワードとなっているが、それはとりもなおさず、現代が多様で異なる価値観の他者を受容していかねばならないことを表している。教育方法の質的転換が必要な時代だ。主体性をもって学ぶ力。答えのない問題に他者と一緒に取り組む力。基礎的基本的な知識技能を活用する力。こういった力をこそ育成しなければならない。

   ICTは使い方によっては、超画一的な指導をも可能とする。しかし、ICTが目指すものはそのようなものではない。正解のない課題にこそICT活用の意義がある。新し学びを全ての児童生徒に与えたい。佐賀県が新たな幕を開けたのだと感じている。

資料 新しいウィンドウで(499KB; PDFファイル)

 

コーディネータ:佐賀県教育委員会副教育長 福田孝義

   総務省並びに文科省からは、全国展開に向けた国の動き(新規事業、税制措置等)について、

    ・視聴覚教育協会からは、国が示す2020年に向けて、認知から定着の時期に移行したこと

    を

    ・佐賀新聞社富吉賢太郎編集局長からは、時代を問わず、よい教師は授業を脱線させる力

   量がある。ICTには、新たなツールとしての可能性を秘めていることを

    ・日経BP社からは、ICTは、特に、コミュニケーション能力の育成に大きな力を発揮すること

   を

    ・佐賀大学甲斐学部長からは、教員採用試験に向けた対策や教員免許更新講習における

   考え方を

    ・九州大学岡田教授からは、ICTを利活用した指導事例、学生1人1台体制を導入したことを

    ・武雄市浦郷教育長からは、全市町、課題はあるが、一歩を踏み出したことを、特に武雄市

   は、新たな取組(スマイル学習、反転学習)に踏み込んだことを

    ・有田工業牟田校長からは、実践校としての取組を中心に、工業高校ならではの取組状況

   を

    ・信州大学東原教授からは、午前・午後の発表をまとめる形で、主体的な学び、正解のない

  問いへの取組、未来の学校NOWを

それぞれ示していただいた。

 

   現代は、常に学びながら生きていく時代だ。佐賀県では、計画的に事ICT利活用教育を推進してきた。学校の先生方も本格的に授業を実践し始めたところだ。これから自信を持って取り組めるよう実践を重ねていきたい。

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