天皇陛下御退位に接し、これまで日本国の象徴として国事行為や諸外国との友好親善など各般のご公務に精励いただいたことに対しまして、佐賀県民とともに心より感謝申し上げます。
平成の三十年間を振り返りますと、戦争のない、平和を享受した時代でありました。これもひとえに天皇皇后両陛下の長年にわたるご献身と国民の真摯な努力によるものと存じます。
一方で、度々大きな災害が発生し、日本中が悲しみに包まれることもございました。両陛下が幾度も被災地を慰問され、膝をつき優しく被災者にお言葉をかけられる姿を拝見し、その慈しみのお心に深い感銘を受けるとともに、両陛下を身近に感じることができました。
本県には、御即位後三回にわたりご来県いただきました。特に、皇后陛下の御祖父様が多久のご出身であることから、温かいお心遣いを賜りましたことは、県民にとりまして、大変光栄なことでございました。
吉野ヶ里遺跡や唐津くんち、有明海のシチメンソウなどをご視察の際には、佐賀の歴史や伝統、豊かな自然に触れられた両陛下のお言葉に接し、あらためてその素晴らしさに気づくことができました。こうした佐賀の宝を未来へつなぐため、これからも県民とともに力を尽くしてまいります。御退位後も、私たちを温かく見守っていただきますことを願っております。
天皇皇后両陛下の末永いご健勝と皇室のますますのご繁栄をお祈り申し上げます。
佐賀県知事 山口 祥義