
令和3年度全国学力・学習状況調査における佐賀県の結果についてお知らせします
今年5月に実施された令和3年度全国学力・学習状況調査における佐賀県の
結果について、下記のとおりお知らせします。
記
1 令和3年度全国学力・学習状況調査
当調査は、文部科学省が、学校の設置管理者等(教育委員会、学校法人等)の協力を得て実施
したものです。
⑴
調査実施日 令和3年5月27日(木曜日)
⑵ 調査方式 悉皆調査方式(全数調査)
⑶ 調査の対象
小学校6年生、義務教育学校前期課程6年生、特別支援学校小学部6年生
中学校3年生、義務教育学校後期課程3年生、特別支援学校中学部3年生
⑷ 県内公立学校の実施学校・児童生徒数(分校を含む。)
|
佐賀県(公立) |
全国(公立) |
学校数 |
児童生徒数 |
学校数 |
児童生徒数 |
小学校 |
162校 |
7,186人 |
18,857校 |
994,101人 |
中学校 |
93校 |
6,886人 |
9,320校 |
903,253人 |
(注)・佐賀県の公立小学校数は、義務教育学校前期課程(6校)、県立特別支援学校小学部(2校)
を含みます。
・佐賀県の公立中学校数は、義務教育学校後期課程(6校)、県立中学校(4校)、県立特別
支援学校中学部(5校)を含みます。
2 佐賀県の結果概要
学力は、知識や技能に加えて、自ら学び、判断・行動し、問題解決する資質や能力等までを含めたものです。今回の調査結果は、学力の特定の一部分であり、学校における教育活動の一側面を示すものです。 |
⑴
教科に関する調査の結果
佐賀県の今年度の状況について、区分ごとの平均正答率を全国と比較すると、小学校6年生、中学校3年生ともに、全ての区分で全国平均を下回りました。 |
令和3年度全国学力・学習状況調査の結果
区分 |
平均正答率(%) |
平均正答数 |
佐賀県(公立) |
全国(公立) |
佐賀県(公立) |
全国(公立) |
小学校
6年生 |
国語※ |
65 |
64.7 |
9.0/14問
|
9.1/14問 |
算数 |
69 |
70.2 |
11.0/16問
|
11.2/16問 |
中学校
3年生 |
国語 |
62 |
64.6 |
8.6/14問 |
9.0/14問 |
数学 |
56 |
57.2 |
8.9/16問
|
9.1/16問 |
(注) ・都道府県別の平均正答率は、文部科学省から整数値で提供されています。そのため
小学校国語(※)は、平均正答率で全国を上回っていますが、平均正答数で全国を
下回っていたため、全国平均を下回ったと判断をしています。
・平均正答数は、児童生徒の正答数の平均であり、四捨五入した値であるため、それ
をもとに平均正答率を求めた場合、上記の数値と異なる場合もあります。
○ 国語は、小学校では、文脈を捉えて漢字を書く問題の正答率は高い傾向にありますが、
目的に応じて文章と図表とを結び付けて読み取り、内容をまとめる問題の正答率は低い
傾向にあります。また、中学校では、話合いの話題や質問の意図を捉える問題の正答率は
高い傾向にありますが、条件に合わせて自分の考えを整理したり、相手や場に応じて敬語
を使ったりする問題の正答率は低い傾向にあります。
○ 算数・数学は、基本的な計算やグラフ・表等の資料を読み取る問題の正答率は高い傾向
にありますが、小学校では、複数のグラフを関連付けて読み取ったり、考えた方法を式や
言葉を使って説明したりする問題、中学校では、事柄や結論が成り立つ理由について根拠
を示しながら説明する問題の正答率は低い傾向にあります。
⑵ 生活習慣や学習環境等に関する意識調査の結果
※令和2年度の全国学力・学習状況調査は中止されたが、国から配布された児童生徒質問紙及び
学校質問紙を活用し、佐賀県独自で調査、集計を行った。
ア 自己肯定感の向上に関して
(グラフ1)児童生徒質問紙
〇自分には、よいところがあると思いますか。
「当てはまる」「どちらかといえば、当てはまる」と回答した児童生徒の割合で見ると、小学校6年生、中学校3年生ともに、令和2年度と比べて増加しており、全国平均と同程度です。 |
≪小学校6年生≫ ≪中学校3年生≫

イ 全職員による共通理解と共通実践に関して
(グラフ2)学校質問紙
〇学習指導と学習評価の計画の作成に当たっては、教職員同士が協力し合っていますか。
「よくしている」「どちらかといえば、している」と回答した学校の割合で見ると、小学校は、令和2年度と比べて同程度であり、全国平均と同程度です。中学校は、令和2年度と比べると増加しており、全国平均を上回っています。 |
≪小学校≫ ≪中学校≫

ウ 学習内容の定着に向けた分かりやすい授業の実践に関して
(グラフ3)学校質問紙
〇授業の中で目標(めあて・ねらい)を児童(生徒)に示し,授業の最後に学習したことを振り返る
活動を計画的に取り入れましたか。
「よく行った」「どちらかといえば、行った」と回答した学校の割合で見ると、小学校は、令和2年度と比べて減少しており、全国平均と同程度です。中学校は、令和2年度と比べて同程度であり、全国平均を上回っています。 |
≪小学校≫ ≪中学校≫

エ 授業改善に向けた校内研修等の充実に関して
(グラフ4)学校質問紙
〇校長のリーダーシップのもと、研修リーダー等を校内に設け、校内の実施計画を整備するなど、
組織的、継続的な研修を行っていますか。
「よくしている」「どちらかといえば、している」と回答した学校の割合で見ると、小学校は、令和2年度と比べて同程度であり、全国平均を上回っています。中学校は、令和2年度と比べると増加しており、全国平均を上回っています。 |
≪小学校≫ ≪中学校≫

オ 家庭学習の充実に向けた指導の徹底に関して
(グラフ5)児童生徒質問紙
〇家で自分で計画を立てて勉強をしていますか。
「よくしている」「ときどきしている」と回答した児童生徒の割合で見ると、小学校6年生は、令和2年度と比べて増加していますが、全国平均を下回っています。中学校3年生は、令和2年度と比べて大幅に増加していますが、全国平均を下回っています。 |
≪小学校6年生≫
≪中学校3年生≫

(グラフ6)児童生徒質問紙
〇学校の授業時間以外に、普段(月曜日から金曜日)、1日当たりどれくらいの時間、勉強をしま
すか。(学習塾で勉強している時間や家庭教師の先生に教わっている時間、インターネットを活用
して学ぶ時間も含みます。)
「1時間以上勉強している」と回答した児童生徒の割合で見ると、小学校6年生は、令和2年度と比べて減少しており、全国平均を下回っています。中学校3年生は、令和2年度と比べて減少しており、全国平均を大きく下回っています。 |
≪小学校6年生≫
≪中学校3年生≫

3 調査結果の評価と今後の対応方針
県教育委員会では、これまで佐賀県で学ぶ児童生徒の学力向上に向け、学校における授業改善や
学習環境の整備の推進に、組織的・継続的に取り組んでまいりました。
今回、2年ぶりに実施された全国学力・学習状況調査の結果から、課題として自分の考えをまとめ
たり、筋道を立てて説明したりすることや家庭学習の時間の確保が継続して見られました。また、
全国上位の県との平均正答率の差や自己有用感に関わる質問項目について改善が見られました。
県教育委員会としては、今回の調査結果の分析をさらに進め、学校教育に対する家庭の理解と
協力を得ながら、子どもたちが将来にわたって学び続ける力の育成を目指し、今後も市町教育委員
会や学校と連携をして、学力向上を一層推進していきます。