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平成27年度第1回佐賀県ICT利活用教育フェスタを開催しました

最終更新日:

1 開催日 平成27年6月9日(火曜日)        

2 会 場 佐賀市文化会館 大ホール      

               〒849-0923

               佐賀市日の出一丁目21-10

               佐賀県総合体育館 大競技場

               〒849-0923

               佐賀市日の出一丁目21-15

3 参加者 750名

4 日 程

(1)  9時30分~               受付

(2)10時00分~10時20分  趣旨説明

(3)10時25分~11時40分 基調講演

演題:「情報活用能力調査」の結果から見るICT利活用指導改善のポイント

講師:東北大学大学院情報科学研究科 教授 堀田 龍也氏

(4)11時50分~12時30分 事例発表(午前の部)

  13時30分~14時10分 事例発表(午後の部)

(5)14時20分~16時20分 シンポジウム「教育の情報化の現状と今後」

パネリスト:総務省 情報通信利用促進課長 岸本 哲哉氏

                     「教育の情報化に関する総務省の取り組みについて」

               文部科学省 生涯学習政策局情報教育課 情報教育振興室長  新津 勝二氏

                      「教育の情報化の動向」

               日本マイクロソフト株式会社 プリンシパルアドバイザー 大島 友子氏

                      「学習に困難のある子どものICT利活用」

               佐賀新聞社 メディア戦略部長兼論説委員 森本 貴彦氏

                      「ICTでデザインするNIE」

 コーディネーター:佐賀県教育委員会副教育長  福田 孝義

 5 主な内容

 ○10時00分~10時20分 趣旨説明

   佐賀県教育委員会 副教育長 福田 孝義 

   全県展開に向けた取り組み。導入期から改善充実期へ。きめ細やかな状況把握。改善に向けた総合的な検証と改善の取り組み。

   佐賀県ならではの特色や現場の声を活かす。

   21世紀型教育への移行、高度情報化、グローバル化社会への対応が必要。

これまでの取り組み

(1)電子黒板による教授法の改善(指導力の向上)  

(2)学習用PCによる学びの質の向上 アクティブラーニング

(3)全校実施に当たっての課題  教材、OJT

   電子黒板の主役は先生、学習用PCの主役は生徒である。

  SEI-Netについては、市町立学校にも対応するが、参加は市町教育委員会で判断される。

  昨年12月に高校生ICT利活用プレゼンテーション大会(プレ大会)を行った。今年度は先生と生徒を対象に12月に行う。ぜひ参加していただきたい。

・高校生ICT利活用プレゼンテーション大会(プレ大会)最優秀賞作品

https://www.youtube.com/watch?v=-FRiPglJY-A(5分50秒)(クリックするとYouTubeへ接続します。)

 

〇10時25分~11時40分 基調講演

東北大学大学院情報科学研究科 教授 堀田 龍也氏

 「情報活用能力調査」の結果から見るICT利活用指導改善のポイント                              

   北方小学校の公開授業に出席した。5年生の図工では、関節等が動く絵を使って、少しずつ動かしては撮影し、パラパラマンガにする授業だった。ICTを使って子どもたちが協働学習を行っていた。すべての実践を行うためのICTの導入と考えると当然値段はどんどんつりあがる、壊れやすくなる。気軽にこのくらいの規模であればと割り切った導入であれば、いい。すごいものを入れたいとの気持ちもあるが、出来る範囲のことからやってみるという姿勢も感じられて、感動した。

   6年生は数学の授業だった。複雑な問題をどう解いていくか、算数でいうところの自力解決に対しての、各自の考えをまとめ、前に映し出しての発表だった。タブレットだけではなく、無線LAN、授業支援ソフトがあってこそICTの授業ができる。

 子どもたちが胸を張って学習している様子に驚いた。 お客さんを気にすることもなかった、たいへん落ち着いた学校で感心した。

 新しい指導法は、授業環境を考えたときに、学習の道具であり、ICTは目的ではなくあくまで手段である。授業を受ける姿勢が大事である。学習習慣が身についていると、ICTが活きてくる。

   4年生は、理科の授業だった。電気回路の授業。タブレットPCで写真を撮影し、実物投影機が活用されていた。シンプルでライブ感のある授業で、武雄市の教員が作る事前視聴用動画を視聴、動画の視聴状況を教師が確認できるようになっていた。視聴能力が高くない児童のためにワークシートを用意し、「調べて、説明しよう」が授業の目当てとされていた。高次の能力がつく、確かな理解がされていた。反転学習の実践が続けられている。

   北方中学校の公開授業に出席した。3年生は、修学旅行の行動計画を作成する授業だった。最適な行動計画を立てるために、パンフ、ガイドブックとweb資料をもとに話し合いをしていた。後で出てくる情報活用能力調査に近いことが実践で行われていた。

   2年生は国語だった。タブレットPCを道具として活用していた。タブレットPCは授業中ずっとではなく、必要なときのみ使用していた。発表するための、型があり、照れずに発表できる仕組みになっていた。タブレットPCだけではない工夫がされていた。

   1年生は数学だった。自分の考えを発表していた。どの生徒の発表を取り上げるかは、教師のタブレットPCで見られるので、どの子に意図的指名をすればいいかわかる。全ての生徒に発表させたいが時間的に無理である。さらに指名の順番によっても授業の流れが大きく変わる。確実に、理解、定着までするには、教師の工夫が必要である。授業を受ける姿勢が非常によい。学習の構えを掲示して、協働で学習するルールがおさえられていた。

   特別支援学級では、生徒自身にさせる。やってみせることは、短時間で、やらせるところを長くする。タブレットPCでは、写真を使って、写真を見てそのとき学習したことを振り返る授業がされていた。学習の手順の明示し、生徒に見通しを持たせることが必要である。急なことをして不安にさせない。

  学び方がしっかりしていれば、なんでも対応できる。武雄市の2校から感じた。

   全ての授業時間がアクティブラーニングになる訳ではない。安定した教室(生徒指導、学校経営)では授業が成立しやすい。安心して学べる空間を作ることが大事である。学び方の獲得が身に着けばどの教材にも活きてくる。ICTはここに関連している。

   普及型のICTの活用の原則。

  導入したらすぐアップするわけではなく、 整備によって教師の能力が進んでいく。ただし、それには時間がかかる。何年もかけて教師がなじませていく。佐賀県ではいち早く急速に進めようとしている。ある意味、全国で佐賀県が一番である。

 タブレットに書いたものが無線LANを通して、電子黒板に映し出される。今までの、ノートに書いたものを実物投影機に映し出すのと何も変わらない。多くの地区ではタブレットは予算的に難しいので、このレベルでICTを体験していただいた先生にタブレットが入ってくるとなればスムーズに教師のICT指導力は伸びる。これを飛ばしていくと新しい授業を考えないといけない感じになってタブレットが急にきたというようになってしまう。実物投影機を使用している先生たちは、慣れてくるとそのうち教科書を映すようになり、その教科書が自動的に出てくるデジタル教科書を非常に重宝するようになる。そのうち先生のパソコンがタブレットになり、無線LANが完備されてくれば、先生が用意したプリントを電子黒板に映して授業することができる。 教師によるタブレットの活用。グループに1台から1人1台に。段階的に整備される。

 文部科学省で用いられる言葉を使って、 順序づけると以下のようになる。

一番下の継続。 1回やるだけでは力がつきませんから。毎時間同じようなことが継続されるから、初めて力になる。学力になっていく。最終的な目標は、継続。ここにきてる方々ではなく、全ての先生が毎時間継続できるような。いずれもICT利活用だが、上ばっかり(先端)追ってたら、どんどん下との格差が出てくる。リーダーの役割は、普通の先生方に啓発し、普及させ、継続していただくか。

 電子黒板は、全国で8,200台しか普及していない。全国37,000校ぐらいの学校がある。学校に2台が全国平均。実物投影機は160,000台の普及。電子黒板は県立の全校にあるかもと佐賀は思うかもしれない。普通のところにはまだない。みなさんの活動に注目が集まる。実物投影機で一番映しているのは教科書。

 多くの場合、タブレットだけで授業しようとしてしまうが、タブレットもあるという考えが大事である。

 タブレットは全国で72,000台。37,000校ぐらい学校があることを考えると、まだ1校当たり、2台に及んでいない。1校当たりでもない。1教室当たりでもない。

  武雄市は進んでいて、すでに実現しているから多くの人が注目している。

  文部科学省はICTを活用した教育の推進に関する懇談会をつくっていて、ここでICTの整備に関する中間まとめをしている。ここに書かれているのは、授業への計画的、段階的な導入。

初期の段階では、教員が比較的指導に取り入れやすい電子黒板・プロジェクタや実物投影機を用いて、一斉学習において効果的に活用する。次の段階で必要な教科等において1グループ1台や1人1台のタブレット端末を活用して授業を実施する。とこういう順番で導入した方がうまくいくと書かれている。1,800ぐらいの自治体があり、格差が大きい。

   文部科学省が第7次提言を出しており、ICTのことについて書かれている。いずれ起こることとして御覧いただくといい。「自立した学び手として子供たちを育てる」、「ICTは学習の手段及び学習環境として一層重要」、「今後どのような仕事や活動をするとしても不可欠」、と政府の見解として書かれている。反転学習や協働学習等の推進。教科書のデジタル化の推進。いろいろな課題が洗い出されている。

  情報活用能力、プレゼン能力が重要。あるいはプログラミング、情報セキュリティ、ネット依存対策。ネット依存対策は話題になっていないが、これからは重要。

  タブレットだけでなく、実物投影機、無線LANが必要となってくる。

  教師自らのICT利活用能力が必要。ICT支援員を配置することが重要。教材作成や成績処理等の校務支援システムが大切。政府見解でそういうふうになっている。

   情報活用能力育成のために調査。国による調査が初めて行われた。結果は全部webサイトにある。

  学校のPCの優越で変わってくるので、文部科学省がPCを準備して調査。日ごろから使っているかで違う。操作のログが取れているのでどのように試行錯誤したかも分かるようになっている。経験が能力に大きく影響している。学校間で格差が著しい。

   教育情報化の段階モデルとして、慣れて、活用して、だんだんなじんできて、見直しが行われ、一番上で改革。やりもせずに新しいことをするのは無理。親しんで使ってみることから始める。

  どんな状況になっても生きていける力を生徒に身に着けさせる。

   自分は、全日本教育工学研究協議会の会長をしている。今年度の全日本教育工学研究協議会全国大会は富山で大会があり、現場の先生の発表や授業公開される。

   平成28年度は佐賀大会で調整が進んでいる。富山を見ていただいて、その次はぜひ佐賀大会もたくさんの方にお集まりいただきたい。 

 

○11時50分~12時30分  事例発表午前の部

  13時30分~14時10分   事例発表午後の部

   ICT機器及びデジタル教材等の展示・実演、指導事例紹介

   教材関連33社、システム関連9社、機材関連16社の計58社による、最新のICT機器及びデジタル教材等の展示・実演が行われました。

  また、4つのブースにおいて、県内の教諭等による指導事例の紹介を行いました。

   小学校ブース :「小学校における学習用PCを中心としたICT利活用について」

   中学校ブース :「中学校におけるICT利活用について」

   高校ブース  :「高等学校におけるデジタル教材の利活用について」

   特別支援ブース:「特別支援学校におけるICT利活用について」

 

〇14時20分~16時20分 シンポジウム「教育の情報化の現状と今後」

総務省 情報通信利用促進課長 岸本 哲哉氏

            「教育の情報化に関する総務省の取り組みについて」 

   総務省では、ICTを活用して世の中を便利していこうということに取り組んでおり、その中の一つとして、教育についてもICTを活用してもっとよいものにしていこうとしている。文部科学省と協力しながら進めており、総務省は主として情報通信技術面を担当している。

  OECDのPISA2012(高校1年生を対象としている調査)では日本はよくなってきているが、数学的リテラシーはまだまだ課題。数学に対する不安が大きく、楽しんで取り組むなどの学習意欲が著しく低い。伸びていかない要因になっているのではないか。

  今までの方法でない何か工夫しなければいけない。その中の一つとしてICT が大きな力を発揮するのではないかと思っている。

 同じくOECDのPISA2012調査によると、平日ではインターネットを1日31~60分使用している生徒の最も成績が高い結果が出ている。それ以上使うと、成績が落ちていくが、一方で全く使わない子から見ると圧倒的に高い結果が出ている。休日では、1日6時間まではおおむね右肩上がりで成績がよくなっている。6時間以上使用している、あるいは全く利用しないとかなり成績が落ちる結果が出ている。ICTを使うことは、使わないことよりもプラスの要素になっている。

   フューチャースクール推進事業を平成25年まで実施し、成果はガイドラインという形でまとめている。広く御活用いただいており、総務省のホームページから御覧いただける。フューチャースクール推進事業終了後、平成26年度から文部科学省と共同で先導的教育システム実証事業に取り組んでいる。クラウドのプラットホームをつくり、デジタル教材を学校に提供し、得られた学習履歴をクラウドに戻している。最終的にはみなさんが様々なクラウドを便利に使っていただけるように標準化することを目的としている。

 ネット経由でID、パスワードが必要だが、 違う業者間でも同じID、パスワードで使えるような環境をつくろうとしている。また、会社の別によらず、共通して教材を検索して使えるようにしていく。

 教材が並んでいるだけでは使いにくいので、教員用マイポータルもつくっているところ。 

 クラウドってなんだろうと思われる方は、かなり分かりやすく書いているので、クラウド導入ガイドブック2015をぜひ御覧いただきたい。 

資料 新しいウィンドウで(2273KB; PDFファイル) 

OECD生徒の学習到達度調査(クリックすると国立教育政策研究所のHPに接続します。)

クラウド導入ガイドブック2015 (総務省のHPに接続します。) 

 

文部科学省 生涯学習政策局情報教育課 情報教育振興室長 新津 勝二氏

         「教育の情報化の動向」

   平成 23年4月の「教育の情報化ビジョン」を踏まえて、 昨年の8月に懇談会による中間まとめを行われた。結果、3つの側面を通じて、教育の質の向上をしていこうというのが情報化のポイント。情報活用の育成、教科指導におけるICTの活用。そして、忙しい教職員の負担を軽減するための校務の情報化である。実践力、情報活用能力の実践、情報の科学的な理解。ICTを活用してより効果的な授業が実現できる。

  情報活用能力調査の結果、小中ともに課題があり、また、情報入力・タイピングの問題。どこで教えるかも踏まえて、次期指導要領へ活かしていきたいと考えている。

 「学びのイノベーション事業」の結果、成果として、ハード面、ソフト面でいろいろな課題があることが分かった。また、実証校で学力向上の傾向が見られた。地財措置によるハードの整備がなかなか進んでおらず、自治体間の格差が大きな課題である。実証の効果を全国に知らせていくのがハード整備につながると考えている。

  教員のICT指導力が伸びない中、佐賀県は全国1位である。全国平均が31%のところ、佐賀県においては、研修率が相当高い。その結果、教員のICT活用能力が全国平均が69%にとどまるところ、佐賀県においては、全国1位、95%である。

   ICT整備状況は、1台当たり6.6人~6.5人で横ばい。23年度以降、児童生徒数は減少していることを踏まえると逆に台数が増えていない、減っているのではないかという状況である。

 タブレット型コンピュータが2倍以上に増えているのは、コンピュータ室のパソコンがデスクトップ型からタブレット型に替わっているのではないかと思う。

   閣議決定された政府方針にもあるように、プログラミングや情報セキュリティなど情報活用能力育成の重要性が指摘されている。情報科目の今後の在り方については中教審の教育課程企画特別部会において、情報と情報技術を問題発見と解決に活用するための科学的な考え方等を育成する新科目が必履修として検討されている。選択科目として、発展的な内容の科目についても検討されている。しかし現状では、理科や数学の先生が兼任しているところが多数であり、高度情報化がさらに進む中で、「情報」科目専任の教員の配置を真剣に考える必要があるのではないか。

 なお、これら指導方法の変革を支援する方策として、(1)教材の充実、(2)情報化教員の養成、採用、研修、(3)ICT環境の整備が重要である。

資料 新しいウィンドウで(2528KB; PDFファイル) 

 

日本マイクロソフト株式会社 プリンシパルアドバイザー 大島 友子氏

                  「学習に困難のある子どものICT利活用」 

   通常学級に在籍する発達障害の可能性のある生徒について。2012年に文部科学省の調査で、担任の先生が回答した結果、知的な遅れはないが学習や行動の面に課題があると思われる児童生徒の割合が、通常学級で6.5%となっており、各クラスに2~3名ずつ在籍しているということになる。その多くが支援を受けられていないことが問題であるが、こういったお子さんについて、ICTが有効な支援ツールになることもある。

   そういった事例についてお話させていただきたい。 

   大別すると「読むことの困難」、「書くことの困難」、「移動の困難」、「見ること・聞くことの困難」といった困難がある。

  読むことの困難では、視覚に障害があるわけではないが、紙に書かれている文章を順を追って読むことが苦手で、読み飛ばしをしたり、文末を勝手につくってしまうお子さんがいらっしゃる。ICTがどういうふうに役立つかというと音の出るデジタル教材が有効になることがある。どこを読んでいるか分からなくなってしまう、行を飛ばしてしまうお子さんには、耳で聞いて読まれているところがハイライトされる教材で内容を理解しやすいという研究結果が出ている。音の入っているデジタル教材を入手するほか、Windowsには、もともと音声エンジンが入っているので、例えばワードで書かれている文章を読み上げることができるし、追加アプリを入れるとワードで読んでいるところをハイライト表示することもできる。

  実証研究結果を2つ紹介。ひとつは、読むことに困難のある子どもが、DAISY(デイジー)という音声やハイライト表示がされる教科書を使って学習して、テストも先生がデジタル化してくれて音声で聞くことによって、成績が上がった。

 (※マルチメディアデイジー教科書:通常の教科書では読むことが困難な児童・生徒向けに提供されている。)

   もうひとつは、DO-IT Schoolという取り組みの中で、読むことに困難のある子ども向けに先生が紙のテストをカメラで撮って、パワーポイントに貼り、先生が読み上げた問題を録音してパワーポイントに貼り付けるというデジタルテストを作成し、生徒はタッチして問題を聞き、紙のテスト用紙に解答を記載した。同じテストを通常の紙のテストで受けたら0点だったが、手作りのデジタルテストで受けたら100点をとることができ、子どもは内容は理解できていて、問題文を読むことがハードルになってしまっていたことがわかった。ICTの力でそのお子さんの本来の力を発揮することができた事例である。

   書くことの困難では、板書に時間がかかり、授業時間内に全ての板書ができないお子さんがいらっしゃると思う。そのような場合、デジタルノートソフトウェアを使い、しかもそれがテンプレート化されていると、早く板書ができる。読み返したときも見やすくレイアウトされているので、頭に入りやすいという利点もある。

   移動の困難に対するICT活用方法としては、学校に来ることが難しいお子さんの自宅と学校の遠隔授業や遠隔の交流が有効である。

 見ること・聞くことの困難は、拡大や縮小等でICTが効果的である。

 また、覚えておいていただきたい言葉として「合理的配慮」という言葉がある。来年の4月に障害者差別解消法が施行される。障害のある人を差別しないという法律。そこで、合理的配慮をしないといけないと書かれている。合理的配慮とは何かというと、「必要な調整であって、しかも過度の負担がないもの」。理由がある、やりすぎではない。それほど大変ではないが、必要な配慮というものはちゃんと提供しなければいけないと法律で決められるということになる。教育の現場だけではなく、就労の場なども対象になる。 眼鏡をかけているお子さんに眼鏡を取るように言わないのと同じようにフェアな勝負をさせるために、合理的配慮付きの競争が必要であると思う。

 下駄をはかせるというものではなく、同じ土俵に乗ってもらって、それで競争をするという考え方が大事になってくると思う。ぜひこの言葉を覚えておいていただきたい。

参考:「そうか!チャート」、AccessReading、遠隔授業サポート。

資料 新しいウィンドウで(307KB; PDFファイル) 

 

佐賀新聞社 メディア戦略部長兼論説委員 森本 貴彦氏

         「ICTでデザインするNIE」

   社会を取り巻く環境は、紙からwebへ、ネットが重要な位置を占めている。web展開を強力に進めている。電子新聞をリリースしている。

高校で弊社の電子新聞を教材として取り入れていただいている。

教育のトレンドは、

〇アクティブ・ラーニング

〇リベラル・アーツ

という言葉になってくると思っている。 

→知識ではなく、知恵。

→「詰め込み」ではなく、「考える」「学ぶ」

→アイデンティテイー、生き方

が必要になってくる。 そこを学ぶのが教育である。

そういった意味でICTが教育に果たす役割は非常に大きいというのはみなさん御承知のとおりだと思う。 

 スガタ・ミトラさんが、今後の教育には3つ必要だと言っている。( 「WIRED」に掲載)

   「3つの能力」…(1)読み書き、(2)必要な情報を得る、(3)その情報が正しいか、価値を判断。

最大限に学べるのは、新聞である。

NIE+ICT…「読む」、「調べる」、「考える」、直観的に、かつ簡単に。

全てが揃っている教材になる。

教材として取り入れやすい。電子版を授業で使っていただきたい。スタッフが出前授業を行うのでぜひ連絡をいただきたい。

資料 新しいウィンドウで(268KB; PDFファイル) 

 

○質疑応答

  大島さんの発達障害のお話は参考になりました。発達障害を見つけ出して、支援するにはどうしたらいいですか? 

   読み書きの困難をはかるテストの導入はハードルが高い場合があると思いますが、「URAWSSウラウス」は1人分1,080円で診断テストができます。

   また、困難に対して、どんなICTが有効かまとめたリーフレットがあります。マイクロソフトアクセシビリティで検索できます。PDFで入手可能です。

   

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佐賀県  教育委員会事務局  教育総務課
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