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総務省「フューチャースクール推進事業」並びに文部科学省「学びのイノベーション事業」に係る第3回武雄地区地域協議会を開催しました

最終更新日:

佐賀県教育委員会では、本県の児童生徒の学力向上に向け、ICT利活用教育を本県教育の最重要課題と捉え、平成23年度から「先進的ICT利活用教育推進事業」に取り組んでいます。

本事業については、本県の重要施策として「佐賀県総合計画2011」においても“進”重点項目に位置付け、機器の整備、人材育成及び新たな教育情報システムの構築を一体的に推進しています。

こうした中、今年8月、国において県立武雄青陵中学校が総務省「フューチャースクール推進事業」並びに文部科学省「学びのイノベーション事業」の実証校として認定されたことから、県教育委員会では同校を「先進的ICT利活用教育推進事業」の新たな実証研究校として位置付け、県立致遠館中学校等と併せて実証研究に取り組むこととしました。

そこで、県教育委員会では、平成23年11月に本事業の円滑な実施に向けて、教育委員会や学校関係者、保護者等で組織する地域協議会を設置しました。

今回は、主に、今年度の取組状況と次年度の事業計画等についての協議を行いましたが、その概要は以下のとおりです。

[概要]

1 日時 平成24年3月19日(月曜日) 17時~19時

2 場所 県立武雄青陵中学校会議室

3 内容 

(1) 佐賀県教育委員会挨拶(福田教育情報化推進室長)

○本日の協議会については、今年度最後の会ということで、今年度の取組の総括をしていただきたい。

○青陵中学校の先生方のご努力並びに関係のみなさまのご協力のおかげで、順調に取組が進んでいることに感謝している。特に、2月28日実施された総務省及び文部科学省からの視察についても、公開授業を含め、素晴らしい内容であったとお褒めの言葉をいただいた。

○先進的ICT利活用教育推進事業は、県の施策として実施しているが、新しいことに取り組む際には、必ず高いハードルがあるものだ。一歩一歩着実に、何ができるか精査しながら進めていきたい。

協議会の様子1

(2) 議 事

ア 平成23年度の取組状況について

  (ア)総務省及び文部科学省研究会有識者による実証校視察について

  (イ)岡山県新見市教育委員会視察について

  (ウ)平成23年度報告書について

イ 平成24年度の事業計画について

ウ 意見交換

  <石松武雄青陵中学校校長>

   まず初めに、2月28日の授業公開には県教育委員会はじめ総務省や文部科学省からも視察に来ていただき感謝申し上げる。全学級で電子黒板及びタブレットPCを利活用した授業を展開することができ、好評であった。

   今年度は、12月~1月の職員目標を「電子黒板の操作に慣れよう」、2月~3月の職員目標を「タブレットPCの操作に慣れよう」と設定し、授業での利活用を促進してきた。

電子黒板については、ほとんどの職員が学力向上の有効なツールとして評価しており、現在では全職員が利活用できている。タブレットPCについては、導入当初、通信トラブルが若干あったものの、生徒が考えたことを全体の場で発表したり共有化したりするなどの協働学習に有効であると感じている。

   今後は、各教科での効果的な活用方法や活用場面について更なる研究を進めていく。

<事務局>

  〇2月28日公開授業後の意見交換会で出た主な意見

・  協働学習として大変興味深い取組であった。今後も進めてほしい。

・  電子黒板がスライドする形で設置している学校を初めて見た。

・  紙のノートとタブレットPC、アナログとデジタルをどう学習に生かすかを考えていく必要がある。

・  端末の持ち帰りも含めた実証研究も必要になる。

・  「ICT機器の操作が苦手」→「ICT機器は嫌い」という思いを抱かせてはいけない。

・  ICT機器は、実体験を完全に補完できるものではない。ICTありきの授業にならないように気を付ける必要がある。 

 

〇岡山県新見市教育委員会及び新見市立哲西中学校視察報告

・  家庭への持ち帰りを想定して実証研究を行っている。

・  持ち帰りを日常的に行うことに向けて、子どもたちにルール作りをさせたいと考えている。

・  電子黒板に書き込んだものを進んでメモする姿勢に乏しい。次年度の課題とする。

〇成果報告書に記載したアンケート調査の主な結果

・  電子黒板について、利活用状況は、国語、数学、理科、社会の4科目で98%を越えた。教員が説明する際の補助としてだけではなく、生徒が表現力を身に付ける場面においても利活用されている。しかし、83%の教員から文字が書きにくいという意見が出た。

・  タブレットPCの利活用状況であるが、全体的な利活用率は低いものの、生徒の発表場面を支援するツールとしての活用度が高い。しかし、準備や片付けを負担に感じるとした教員が90%以上いた。次年度以降、解決に向けた運用上の工夫が必要である。

・  効果的な教材を作成することができるようになったり、他の教員の指導方法を学ぶ機会が増えたと回答した教員の割合が多くなっている。教員の全般的な指導力の向上が期待できる結果となった。

・  Web会議システムでの取組については、高い評価が出なかった。これは、無線同士での接続が不安定であったことと実施回数が少なかったこと、また、中学校と高等学校の企画担当者同士での打ち合わせや意思疎通が不足していたこと等の理由が上げられる。次年度以降の課題である。

<草場佐賀大学准教授>

   新見市は、自治体としてネットワークが整備されている。端末の持ち帰りを実施しているが、3GかWi-Fiか。

<事務局>

   3Gは経費が高いということでWi-Fiである。

 <森本CIO>

   新見市の場合、今回の事業とは別にソフトバンクの孫社長が直接Wi-Fiを整備した。

<草場佐賀大学准教授>

   端末は、最終的には持ち帰りをしないと家庭学習につながらないと考える。また、上越市の小学校は全教室スライド式電子黒板が整備されている。

 <浦郷武雄市教育長>

   これまでは授業を見ただけで、中学校の教師か高校の教師であるかは大体分かった。今回の公開授業を参観した際には、良い意味で分からなかった。これはICTを利活用した授業への取組のスタートが一緒であったからだと考える。先生方にはよく取り組んでもらい感心したところであった。

<福田室長>

プロジェクタタイプの電子黒板の場合、文字が書きにくいという意見も多かったことから、もう少し実証を続けてみたいと考えている。

<草場佐賀大学准教授>

それは、操作するパソコン側のメモリーにも問題がある。大学ではワイヤレスタブレットペンで実施しようとしている。タッチして書くものが全てではない。また、電子黒板に提示したものを紙やOnenoteに書かない生徒が多い点が気になる。ノートをまとめる力が付かないし、自分でまとめないから力が付かない。

板書することの良さは、生徒がノートを書くスピードと同じであるところだ。電子黒板はたくさんの資料を与えることができるが、生徒がスピード感についていけないでいる。

 <福田室長>

タブレットPCはあくまでもReaderとしての活用が主である。ノートはノートとして大切にしたい。無理にパソコン上で書き込みをする必要はない。使う場面はいくらでもある。

<草場佐賀大学准教授>

電子黒板にしろタブレットPCにしろ、ハード面の整備ができれば文字は書き易くなる。

 <江口致遠館中学校教諭>

可動式電子黒板は大変便利だが、頻繁に動かすためプロジェクタが少しずつずれる。その都度位置合わせをしなければならない。

 <福田室長>

電子黒板の導入に際しては、70インチのプラズマ型か可動式かで検討したが、本校への導入段階では可動式がよいと判断した。

<草場佐賀大学准教授>

小学校の黒板は小さいため、70インチの電子黒板を取り付けた場合、黒板が使いづらい。黒板の在り方を教育学の視点から考える必要がある。

<野田武雄青陵中学校PTA会長>

2月28日の公開授業を参観したが、電子黒板を利活用した授業は大変よかった。さらにタブレットPCもサクサク動いていた。

 <江口致遠館中学校教諭>

致遠館中学校では、1、2年生の英語で毎時間タブレットPCを使用している。ICT支援員が英語の講師をしていた関係もあり、英語の教材を作成してくれるのでありがたい。数学もよく使っているが、単元によっては使えないところもあるようだ。

 <福田室長>

韓国では、タブレットPCは理科や社会での活用が多い。

 <森本CIO>

実物投影機は使い勝手がよいと思う。

<草場佐賀大学准教授>

小学校は、教室の中に教師の机があるので、実物投影機を置いての授業がしやすいが、中高は教卓しかないのでやりにくいだろう。理科室や社会科教室は広い机があるのでできる。ICT向けの教室設計も必要だろう。

 <福田室長>

機器を使っていく中でいろいろな工夫が出てくる。まずは、ICT機器を使ってみることが大切である。その中から効果的な使い方を見つけていけばよい。

 <石松校長>

青陵中の教員は、ICT支援員に頼るよりも、自分でやってみたいという意欲が高い。

〇遠隔授業についての意見

<足立武雄高等学校教諭>

青陵中学校とのプレジョイントスタディでは、事前の準備が大変であったが、生徒たちは前向きに取り組んでくれた。またやってみたいという感想が多かった。

<福田武雄青陵中学校教諭>

武雄高校の進路講演会にWeb会議システムで参加した。音声も画像も精度が高く大変よかったが、事前の準備等が大変そうであった。

 <福田室長>

このWeb会議システムについては、将来的には、県庁の教育情報化推進室と教育センター、各教育事務所をWeb会議システムで結ぶ取組等も考えている。

中高一貫教育の取組として、Webによる学習指導や交流を図るため、武雄高校にはWebチューター制を考え、タブレットPCを配備した。

〇次年度の事業計画について

・  総合的な学習の時間「探究」の充実を図るため、Web会議システムを利活用したWeb版ジョイントスタディを日常的に行える環境を構築する。

・  外国語学習の充実を図るため、Webチューターを新たに位置付け活用することで、英会話、スピーチ、ディベート等の資質を向上させ、よりコミュニカティブな英語力の育成に取り組む。

・  通常授業の充実を図るため、デジタル教材を積極的に活用し、学力の向上に向けた取組を行う。その際、デジタル教科書、紙の教科書、板書の役割等についても検証する。

・  ICTを効果的に利活用した新たな年間指導計画や単元指導計画を作成していく。

<森本CIO>

以前、Webを利活用した国際交流についての経験がある。ノウハウをもっているので聞いてほしい。

<草場佐賀大学准教授>

年間指導計画作成のためのノウハウをもっている。上越市では、市全体で統一した指導計画を作成している。情報提供できる。

 <石松校長>

次年度の公開授業では、デジタル教科書を使用している授業を見せたいと考えている。

<松尾杵西教育事務所長>

ICT支援員の存在が検証成果に入っていないことが気になる。このICT利活用教育については、支援員がいなかったらできないものなのか、また、どの程度の人数がいれば推進していけるのか。将来的には、教員自身が推進していけることが大切である。

 <福田室長>

次年度からの本格導入になるが、教育情報化推進リーダーが、その役目を果たしていくことになると考えている。韓国では、教育ボランティアや地域のボランティア等も活躍されている。

 <石松校長>

次年度の公開授業には、是非とも地域協議会のメンバーに参観していただきたい。そして、電子黒板やタブレットPCを利活用した授業を間近に見ていただいた後で、いろいろなご意見やアドバイスをいただければありがたい。

協議会の様子2
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