平成27年6月定例会 知事提案事項説明要旨
提案理由の説明に入ります前に、去る6月7日にお亡くなりになられました、重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝であられる古賀フミ先生に対しまして、謹んで哀悼の意を表します。
先生の作品は、藩政時代からの「佐賀錦」の特色と精神を確実に伝えながら、伝統の深さと現代的な感覚を見事に融合したものとなっており、先生は、様々な努力により、佐賀の伝統工芸である佐賀錦を芸術性の高い日本の美術工芸へと高められました。
先生のそうした姿勢に学びながら、古きを大切に新しきを創造していく佐賀県を目指して努力していきたいと思います。心からご冥福をお祈り申し上げます。
それでは、平成27年6月定例県議会の開会に際し、県政を運営するに当たりまして、私の所信を述べさせていただくとともに、提案いたしました平成27年度補正予算案並びにその他の議案につきまして、その概要をご説明申し上げます。
まず、県政を運営するに当たりましての私の基本的な考えについて申し上げます。
今議会におきまして、今後4年間の県政運営の基本となる総合計画2015(案)を提出させていただいており、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を基本理念として県政を進めていく所存でございます。
これは、私の二つの考えに根ざしたものです。
一つは、人に寄り添い、人と対話し、これまで受け継がれてきた人の「想い」を感じ取りながら、次の世代へつなげていくことが大切であるという考えであります。
もう一つは、本県には、連綿と続く歴史や文化・伝統、地域の絆、農林水産品、陶磁器など、「本物」の地域資源があり、これらの“佐賀らしさ”の価値を私たち自身が再認識するとともに、更に磨き上げ、世界に発信していくことにより、世界からも称賛される佐賀県をつくっていきたいという考えであります。
また、総合計画(案)の基本理念に掲げる佐賀県を目指していくため、
• 安全・安心のくらし さが
• 楽しい子育て・あふれる人財 さが
• 人・社会・自然の結び合う生活 さが
• 豊かさ好循環の産業 さが
• 文化・スポーツ・観光の交流拠点 さが
• 自発の地域づくり さが
の6本の政策の柱を置き、これらの柱ごとに10年後の佐賀県の目指す将来像を設定いたしました。
この将来像につきましては、『安全・安心のくらし さが』では、自然災害や重大事故等に対して、多大な被害を防止する対策が進み、迅速かつ的確に対応できる体制が確立され、穏やかに安心して暮らすことができている佐賀を目指していくことといたしました。
『楽しい子育て・あふれる人財 さが』では、結婚・出産・子育ての希望がかない、楽しく子どもを産み育てることができていて、また、多様な個性・能力が培われているとともに、地域への誇りをもって、世界でも地域でも活躍する人財が育っている佐賀を目指していくことといたしました。
『人・社会・自然の結び合う生活 さが』では、女性が社会で躍動していて、また、男女を問わず高齢の方も障害のある方も誰もが、住み慣れた地域の中で、多様な人々を尊重しながら、思いやりをもって行動しているとともに、恵まれた自然環境の中で健康にいきいきと暮らしている佐賀を目指していくことといたしました。
『豊かさ好循環の産業 さが』では、起業や企業立地、イノベーションや新産業の創出が進み、多様な雇用の場が生まれているとともに、産業を支える人材が育っていて、また、農林水産業が自立的な発展を遂げ、地場産業が活性化していて、地域の知恵と技術により磨き上げられた県産品の販路が世界中に拡大している佐賀を目指していくことといたしました。
『文化・スポーツ・観光の交流拠点 さが』では、本県の豊かな歴史や文化・伝統などの魅力が、国内のみならず世界へ発信され、国内外の交流人口が増えていて、また、県民の誰もが文化やスポーツに親しみ、楽しむ風土が形成され、地域内外の人と人とがつながる交流拠点づくりが進んでいる佐賀を目指していくことといたしました。
『自発の地域づくり さが』では、快適なまちづくりが進んでいるとともに、過疎地域や離島・中山間地域も元気にあふれていて、また、地域間や国内外との人・物・情報の交流が盛んになり、誰もが様々な形で参加しながら自発的な地域づくりが進んでいる佐賀を目指していくことといたしました。
そして、これらの佐賀県の目指す将来像へ着実に近づけていくため、
• 県内にある「本物」の地域資源の磨き上げや、女性が活躍する社会づくりの推進などにより、雇用の創出や新しいひとの流れ、子育ての希望をかなえる環境、時代に合った地域を創り出していく「さが 創生」
• 県産品、街並みなどの「モノ」と、社会のシステム、サービスなどの「コト」を磨き上げ、新たな価値を付与することにより、人のくらし、まち・地域を心地よくし、豊かなものにしていく「さがデザイン」
という二つの視点を入れて、政策を推進してまいります。
そのうえで、総合計画(案)に掲げる施策の推進に当たっての取組姿勢といたしまして、「現場」、「ミッション」、「プロセス」というキーワードを掲げました。
この取組姿勢により、
• 現場の人の思いが実現され、人が現場で輝いていること
• 本来の目的を忘れることなく、何のためにやっているのかという目的意識を常に持って行動すること
• 政策や事業を決定していく場合、県民の声を聴き、そして議論を重ねることで信頼関係をつくること
を大切に、県民一人ひとりの幸せ向上につなげてまいります。
また、総合計画(案)に掲げる「さが 創生」と「さがデザイン」の視点を反映した取組を重点的に推進するため、必要な組織体制の整備を行うこととしております。
次に、当面の課題への対処方針について申し上げます。
まず、有明海の再生について申し上げます。
昨年度のノリ養殖は、県全体では豊作であったものの、西南部の漁場では赤潮に伴う色落ち被害が長期化したことから、不作となったところです。
また、タイラギ漁も3年連続で休漁になるなど、漁船漁業は深刻な状況にあり、漁業者の方々にとって水産資源の回復は一刻の猶予も許されない状況にあります。
このため、有明海再生の早期実現を求めて、本年4月23日に、県議会をはじめ、有明海沿岸市町水産振興協議会、有明海漁業協同組合と合同で、林農林水産大臣に面談し、
• 開門調査の実施方針を改めて明確にし、その実現に向けて取り組むこと
• 漁家経営の安定に向けて、漁業者が水産資源の回復を実感できるような取組を一層推進すること
を要請したところです。また、6月10日の国への政策提案においても、このことを改めて提案しました。
県といたしましては、宝の海である有明海の再生につながるよう、国や有明海沿岸の関係県と連携し、水産資源の回復にしっかり取り組んでまいります。
このような中、有明海の東よか干潟及び肥前鹿島干潟が、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地ということで、5月28日にラムサール条約湿地に登録されました。
今回の登録を契機に、私たちの身近にある有明海の価値を、まずは県民一人ひとりに再認識していただきたいと考えております。
そして、この有明海の豊かな自然環境を保全していくとともに、県が誇る「本物」の地域資源として、世界への発信を強めていくことにより、多くの方々に訪れていただけるよう、関係者と連携して取り組んでまいります。
次に、原子力発電について申し上げます。
原子力発電に関する県の考え方の基本は、「県民の安全を第一に考える」ということです。
原子力発電所については、安全性が確認されることが大前提であり、そのため、まずは一元的に規制監督権限を有する原子力規制委員会において、各原子力発電所の安全性について、厳格な審査を行っていただくことが何よりも必要であると考えております。
現在、新たな規制基準に基づく審査が行われており、県としても、その状況を注視しておりますが、審査の結果については、原子力規制委員会が丁寧かつ十分な説明を行うべきと考えております。
また、本年4月に運転を終了した玄海原子力発電所1号機は、今後、国の認可を受けて廃止措置が実施されていきますが、県としても、安全第一の姿勢で状況を注視してまいります。
次に、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定について申し上げます。
TPP交渉につきましては、先月、グアムで交渉参加12か国による首席交渉官会合が行われたところであり、また、現在、米国議会において、TPP妥結に不可欠とされている米国大統領貿易促進権限法案及びその関連法案を巡り、様々な動きがみられるなど、予断を許さない状況となっています。
このような中、県では、6月10日の国への政策提案において、
• TPP交渉について、国民に対し最大限の情報提供を行うとともに、安倍首相が国民に約束されたことや、国会決議の重みを十分踏まえて、農産物重要5項目を守り抜くよう、粘り強く交渉すること
• 交渉の行方にかかわらず、農林水産業をはじめとした地域産業の持続的発展について取り組むこと
を改めて提案しました。
県といたしましては、交渉の行方を重大な関心を持って注視するとともに、引き続き情報収集に努めながら、機を逸することなく国に提案を行うなど、適切に対応してまいります。
次に、城原川ダムについて申し上げます。
城原川につきましては、近年でも大きな洪水が発生しており、流域の方々の安全・安心のためには早期に治水方針が決定され、対策が実施されることが必要であると考えております。
私も知事就任後の3月、改めて城原川を視察し、水没予定地の方々と懇談する中で、その思いを新たにし、ダム検証を早急に進めるよう国へ積極的に提案してまいりました。
これを受け、先月18日にダム検証の第1回目となる「城原川ダム事業の関係地方公共団体からなる検討の場」が開催されました。
城原川の下流域の方々はもとより、長年にわたってダム問題でご苦労されてきた水没予定地の方々にとりましても、長らく動きが見えなかったダム検証が、今回、目に見える形で動き出したことは、大きな一歩になったものと考えております。
今後はダム検証が、県民の意見を十分反映させるようなプロセスを経て、その上で速やかに進められ、県民の安全・安心が一日も早く確保されますよう、事業者である国に対してしっかりと要請し、県としてもできる限りの協力を継続してまいります。
次に、佐賀空港について申し上げます。
平成26年度の利用者数は、東京便が5便化し、また、成田便が就航したこともあり、55万人を超える利用となり、過去最高となりました。
また、春秋航空との間で、佐賀―杭州線の開設に向けた準備を進めていくという意向書を取り交わしました。浙江省の省都である杭州市との間での路線開設は、中国との人・物の交流の更なる拡大につながると考えており、引き続き、佐賀―杭州線の開設に向けた準備をしっかりと行ってまいります。
このように、LCCが積極的に路線展開を図っていることを好機と捉え、国内線・国際線の誘致促進に向けた取組の強化を図り、佐賀空港を起点とした人・物の交流を拡大させることにより、地域の飛躍につなげていく必要があります。
このため、佐賀空港がさらに戦略的に発展していけるよう、「佐賀空港がめざす将来像」をとりまとめることといたしました。
現状では、施設機能の余力不足により路線展開に制約があることから、快適で使いやすい空港づくりに向けた機能強化策として、路線数や便数の充実に対応できるような旅客ビルや駐機場の整備内容を検討した上で、事業に着手したいと考えております。また、国際戦略のターゲットエリアへの路線誘致を有利に進めるため、滑走路の2,500メートルへの延長に向けた検討を開始したいと考えております。
また、基幹路線である東京便の更なる充実を目指すことはもちろんのこと、LCCの拠点空港化を進めることで、九州におけるゲートウェイ空港としての地位を確立していきたいと考えており、佐賀空港の愛称についても、「九州佐賀国際空港」を使用することについて検討することとしております。
続きまして、提案いたしました平成27年度補正予算案並びにその他の議案について、その概要をご説明申し上げます。
今回提案いたしました平成27年度補正予算案につきましては、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」に取り組むため、国の地方創生先行型の交付金も活用しながら、新規事業などの政策的な事業を中心に編成を行ったところです。
なお、投資的事業につきましては、当初予算を骨格予算として編成していたため、前年度9月補正後の予算額の5割程度を計上していたところですが、公共事業については、国の認証見込額を追加計上するとともに、単独事業については、生活道路の整備など、県民生活に密着した社会資本の整備をさらに推進するため、必要額を追加計上することといたしました。
この結果、補正予算案の総額は、歳入歳出とも、それぞれ
一般会計 約 471億8,200万円
特別会計 約 85億円
となり、これを既定の予算額とあわせますと、本年度の予算総額は、
一般会計 約 4,353億2,900万円
特別会計 約 1,089億7,400万円
となっており、一般会計におきましては、前年度当初予算と比較いたしますと、0.8パーセントの増となっております。
本県の財政状況は、平成27年度末の県債残高が予算規模を大きく上回る約7,066億円に達すると見込まれるとともに、高齢化の進行等に伴い社会保障関係経費等が増加するなど、今後、収支不足が拡大していくことも考えられますので、引き続き、財政規律にも配意した予算編成に努めてまいります。
次に、補正予算案の主な内容について、総合計画(案)に掲げた6本の政策の柱に沿って申し上げます。
第1に、『安全・安心のくらし さが』について申し上げます。
まず、『防災・減災等の体制づくり』につきましては、災害時の情報の収集・伝達体制の強化を図るため、災害情報を幅広く迅速に収集し、視覚的に分かりやすく表示する地理情報共有システム、いわゆる防災GISを導入することといたしました。
次に、『交通安全対策の推進』につきましては、人口10万人当たりの交通事故発生件数等が全国最多であることから、交通安全に対する広報・教育等を集中的に行うことにより県民の意識改革を図り、県民の交通マナーを高め、交通ルールを遵守した運転を促すことで、交通事故の発生をより一層抑制することといたしました。
第2に、『楽しい子育て・あふれる人財 さが』について申し上げます。
まず、少子化対策につきましては、「結婚したい」、「子どもがほしい」、「安心して楽しく子育てがしたい」といった希望がかなえられる社会づくりを推進する「子育てし大県“さが”プロジェクト」を展開することとし、このプロジェクトを進めていくため、庁内に推進本部を設置し、出会いから子育てまでのライフステージを通した切れ目ない支援の強化やワーク・ライフ・バランスの実現等を推進し、安心して子どもを産み、健やかに育てることができる環境の整備を進めていくことといたしました。
そして、この取組の一環として、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度・中度の難聴児に対して、言語の習得、教育等における健全な発達を支援するため、補聴器の購入費用の一部を助成することといたしました。
次に、『豊かな心を育む教育の推進』につきましては、知識と心の基盤を作り、ふるさと佐賀に対し誇りと自信を持つ人材を育成するため、佐賀に関わる歴史や文化、人物などを学ぶ郷土学習教育の充実に取り組むことといたしました。
第3に、『人・社会・自然の結び合う生活 さが』について申し上げます。
まず、高齢者が活躍する社会づくりにつきましては、健康イベントの開催やボランティアポイント制度拡充への支援などにより、県民一人ひとりが健康に関心を持ち、望ましい生活習慣を定着させ、社会参加活動を推進する「さが元気プロジェクト74」を展開することで、74歳になっても元気でいきいきと社会の中で一定の役割を果たせる社会の実現を図ることといたしました。
次に、『医療提供体制の充実』につきましては、佐賀で活躍する県出身の新卒薬剤師を確保するため、一般社団法人佐賀県薬剤師会が実施する臨床研修制度と奨学金制度に対して支援することといたしました。
また、先の大戦における幾多の県下戦没者の霊に対して、追悼の意を表し、遺族への慰藉(いしゃ)を行い、併せて平和を祈念するため、戦後70周年に当たり、県戦没者追悼式を実施することといたしました。
第4に、『豊かさ好循環の産業 さが』について申し上げます。
まず、多様な雇用の創出として、『チャレンジする企業や起業家の育成支援』につきましては、農林漁業者の取組への支援に加え、加工技術や販路を持った企業の6次産業化の取組を推進することにより、農林水産物の高付加価値化や新たなビジネスの創出を図ることといたしました。
また、県内の民間施設や組織と連携して、県全体が新たな事業を育成・支援する機能を持つよう、起業家層の発掘をはじめ、機会の場の提供、人材の育成・支援に取り組むことといたしました。
さらに、『産業を支える人材の確保と就職支援』につきましては、県の重要な産業であるものづくり産業を支える技能・技術を持つ人が、これまで以上に尊敬・評価され、若者がさらに誇りと自信を持ってものづくりに従事する県を実現するため、新たに「佐賀県ものづくり人財創造基金」を造成し、長期的な視点に立って、ものづくりの素晴らしさを知る機会の創出や、産業と教育が連携したものづくりマインド向上につなげる教育などに取り組むとともに、技術開発や技能伝承を支援することといたしました。
次に、農林水産業の自立的な発展として、『マーケットインによる競争力のある農産物づくり』につきましては、佐賀ならではの伝統野菜や他県ではほとんど栽培されていない園芸特産物について、農家の磨き上げる力を向上させ、商品力を高めることにより、農家所得の向上を図ることといたしました。
また、『次世代の担い手の確保・育成』につきましては、農業者が夢を持って農業に取り組み、産地の維持・発展が図られるよう、スキルアップ研修を実施するとともに、地域が主体となったトレーニングファームの整備を支援することにより、産地を支える雇用型経営体の育成システムをモデル的に構築することといたしました。
さらに、『森林資源の循環利用の推進』につきましては、県産木材の利用拡大を推進するため、民間住宅や公共施設等の木造化を支援するとともに、木質バイオマス燃料などの新たな需要機会を捉え、主伐等において、曲がりや小径のため未利用のままになってきた木材の利用促進や、低コストな生産体制づくりの取組を支援することといたしました。
次に、県産品の販路拡大、そして世界への進出支援として、『県産品の国内での新たな販路開拓による販売促進』につきましては、佐賀を訪れた人が買いたくなる、人に勧めたくなるような佐賀をイメージさせる魅力的な土産品の開発や、効果的な販売展開を支援することにより、土産品の消費拡大を目指すこととし、その仕組みづくりに着手することといたしました。
また、『県産品の輸出促進』につきましては、県内加工食品事業者が行う海外販路開拓の取組を支援することにより、海外で売れる「佐賀の美味しいもの」のモデルケースをつくるなどして、県内事業者の輸出機運の醸成や海外での販路拡大を図ることといたしました。
第5に、『文化・スポーツ・観光の交流拠点 さが』について申し上げます。
まず、『多彩な文化芸術の振興』につきましては、県立博物館等の来館者の満足度向上を図るため、国内はもとより海外の観光客にとってわかりやすい多言語ガイドシステム等を導入することといたしました。
次に、『特色ある地域文化の保存・継承と魅力発信』につきましては、去る5月4日、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界遺産委員会の諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)により、世界遺産一覧表への記載が適当との勧告がなされ、世界遺産登録に向けて大きく前進した「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の構成資産の一つである三重津海軍所跡への関心と来訪動機を高めるため、活用推進に向けた情報発信と誘客対策を行うことといたしました。
次に、スポーツの推進につきましては、先月の2015WTF世界テコンドー選手権大会において、濱田真由選手が金メダルを獲得され、佐賀から「世界一」が誕生したことを大変喜ばしく思っております。濱田選手のように、たくさんの佐賀県ゆかりのアスリートやチームが、世界や国内トップレベルの舞台で活躍されるよう、県民の皆様とともに応援していきたいと考えております。
そして、これらのスポーツ選手を育むとともに、多くの県民の方々にスポーツを楽しんでいただけるよう、県総合運動場球技場について、利便性・機能性の向上のために必要な環境整備を行うことといたしました。
また、海外からのスポーツキャンプ誘致による交流人口の拡大や、世界に向けた佐賀県の情報発信等を行うため、スポーツ相互交流を実施し、対象国とパートナーシップを形成することといたしました。
次に、『観光客の誘致促進』につきましては、本県で撮影された映画やドラマにより本県の知名度が向上しているタイでの観光プロモーションを強化するとともに、携帯電話の新しいコミュニケーションツールを活用した佐賀を回遊するドラマ仕立ての体験アプリを開発し、提供することにより、更なる誘客促進を図ることといたしました。
第6に、『自発の地域づくり さが』について申し上げます。
まず、『自発の地域づくりの推進』につきましては、人口減少や少子高齢化に伴う地域活力の低下による様々な課題の発生に対応していくため、中山間地域を含めた各地域の自発的かつ主体的な取組を財政的に支援する「さが段階チャレンジ交付金」を創設し、対象となる経費に対し助成することといたしました。
このほか、課題の洗い出しから事業化に至るまでの支援、大学と連携した地域づくりの取組支援など、地域の様々な実態・実情に応じた支援を市町と連携して行うことといたしました。
また、移住につきましては、これまでUJIターンなど一部の取組しかできていなかったことを踏まえ、本県への移住希望者が移住の決断をスムーズに行うことができるよう、ワンストップで仕事や住まい等の移住関連情報を提供するための体制整備をしていくとともに、首都圏や福岡県における移住フェアへの参加、メディアやホームページを活用した情報発信などに取り組んでいくことといたしました。
次に、『地域における身近な移動手段の確保』につきましては、市町等の詳細な調査検討や利用促進の取組を支援することで、モデル事業の成功事例(スモールサクセス)を県内各地に広げていくことといたしました。
次に、『佐賀空港の使いやすさの向上』につきましては、佐賀―杭州線の就航及び定着のための運航経費支援や、利用促進のための広報に取り組むことといたしました。
次に、『幹線道路ネットワークの整備』につきましては、県内の主要都市を結び、広域的な高速道路網を構成する有明海沿岸道路、佐賀唐津道路、西九州自動車道及び国道498号の整備を引き続き推進するとともに、これらを補完する国道3号、国道34号の整備も推進していくことといたしました。
なお、有明海沿岸道路の芦刈インターから(仮称)住之江インター間におきましては、平成27年度中の供用開始を予定しております。
次に、『港湾の利活用及び整備・保全の推進』につきましては、唐津港利用拡大のため、東港地区において、大型旅客船寄港による観光バス等の待機のほか、新たな貨物の取扱いや、耐震強化岸壁が有する機能を活用した緊急物資の取扱いを行う際に必要なヤードを整備することといたしました。
以上、補正予算案の主な内容について申し述べましたが、これらの取組を通じ、「最高」の佐賀のさらなる飛躍と、佐賀の「再興」を実現してまいります。
次に、予算外議案といたしましては、条例案として、「佐賀県個人情報保護条例の一部を改正する条例(案)」など8件、条例外議案として「請負契約について」など4件、あわせて12件となっております。
その他の議案につきましては、それぞれ提案理由を記載しておりますので、説明を省略させていただきます。
以上、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げましたが、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。