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意見書案と採決状況(平成27年2月意第1号)

最終更新日:

議案等の審議結果

 

意見書案と採決状況


意第1号

可決


 森林・林業・木材産業施策の推進に関する意見書(案)

  森林は、国土保全、水源涵養、環境保全、地球温暖化防止など、国民生活にとってかけがえのない重要な役割を果たしている。特に、近年、地球温暖化が深刻な環境問題となる中で、二酸化炭素を吸収・固定する森林・木材に対し大きな関心と期待が寄せられている。
 しかしながら、景気回復の流れが広がりつつあるものの長期にわたる経済低迷の影響により、森林・林業・木材産業の経営基盤は未だ脆弱であり、森林・林業の担い手である山村は、引き続き危機的な状況を脱していない。
 このような状況の中、森林資源の充実、新たな木材需要の創出などの動向を的確に捉え、林業の成長産業化、山村の活性化を本格的なものとし、森林整備の着実な推進による多面的機能の持続的な発揮を図っていくためには、「農林水産業・地域の活力創造プラン」や「森林・林業基本計画」等に基づき、森林施業の集約化、路網の整備、人材の育成等を積極的に進めるほか、都市部においても、二酸化炭素を引き続き固定し続けてくれる木材・木製品の利用を積極的に進めるなど、木質バイオマス利用の推進を含む一層の国産材の振興により、森林・林業の再生を図ることが緊要である。
 また、これに加えて、森林が果たしている重要な役割に鑑み、国民全体で森林・林業の再生を支えていくことに対する理解の醸成が必要である。
 さらに、近年多発している集中豪雨や台風に伴い発生した災害の速やかな復旧や、大規模な山地災害に備えるための災害に強い森林づくりを進めることが急務となっている。
 加えて、TPP交渉の今後の状況次第によっては、我が国の林業・木材産業の発展にも重大な影響が生じることが考えられる。
 よって、国会及び政府は、今後の森林・林業・木材産業施策の推進に当たっては、特に下記の施策を実現されるよう強く要請する。

1 木材需要の拡大と国産材の安定供給体制の確立
 我が国の豊富な森林資源の循環利用を通じて林業の成長産業化を実現するため、幅広い分野での木材利用の推進や更なる木材の有効利用を可能とするCLT等の新技術の開発・普及、木質バイオマス利用の推進などによる木材需要、とりわけ国産材需要の拡大を図るとともに、森林施業の集約化や路網整備の推進など地域材の安定的・効率的な供給体制の構築を図ること。

2 森林整備加速化・林業再生対策の継続・拡充
 地域の実情に合わせて間伐、路網整備から木材の加工・流通、利用までの一体的な施策を地域が計画的に取り組むことのできる森林整備加速化・林業再生対策については、平成26年度緊急経済対策により、新たな交付金として予算措置されたが、林業・木材産業の再生を通じて地域経済を活性化するため、今後とも対策の継続・拡充を図ること。

3 地球温暖化対策への貢献のための安定的な財源の確保
 地球温暖化防止に向けた間伐等の森林吸収源対策の推進を図るために必要な安定的な財源を確保するため、「地球温暖化防止対策のための税」の使途に森林吸収源対策を追加することや、森林整備等に要する費用に関する施策を講じること。

4 公益的機能発揮のための林野公共等事業の推進
 森林の多面的機能の持続的発揮に向けた各種制度や財政支援措置の拡充、特に公益的機能発揮や地域振興の観点から、地球温暖化防止や国土強靭化に向けた林野公共等事業の積極的な推進を図ること。

5 国民の安全・安心を確保する治山対策の推進と東日本大震災の復旧・復興対策の推進
 地域の安全・安心の確保のため、台風や集中豪雨による山地災害からの早急な復旧を図るとともに、治山対策の推進を通じた災害に強い森づくりや、津波対策等も踏まえた全国的な海岸防災林の整備の促進、治山・林道施設の長寿命化による「緑の国土強靱化」の推進を図ること。
 また、東日本大震災の復旧・復興対策や森林・林業・木材産業に係る原子力発電施設の事故で放出された放射性物質対策を推進すること。

6 山村振興対策の充実
 森林の多面的機能の発揮に重要な役割を果たしている山村の活性化を図るため、平成27年3月に期限を迎える山村振興法の延長・拡充など、山村振興対策の充実・強化を図ること。

7 TPPへの慎重な対応
 TPPに参加し、木材の関税が撤廃されると輸入材の更なる拡大を招き、疲弊した林業・木材産業に更なる打撃を与え、地球温暖化防止にも大きな影響を与えることが懸念されることから、森林・林業・木材産業分野に対し特段の配慮を行うこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成27年3月  日

佐 賀 県 議 会

 内閣総理大臣      安倍 晋三 様
 衆議院議長        町村 信孝 様
 参議院議長        山崎 正昭 様
 財務大臣         麻生 太郎 様
 農林水産大臣      林   芳正 様
 経済産業大臣      宮沢 洋一 様
 国土交通大臣      太田 昭宏 様
 環境大臣         望月 義夫 様
 復興大臣         竹下 亘   様
 内閣府特命担当大臣  甘利 明   様
  (経済財政政策)
 
 以上、意見書案を提出する。
 
  平成27年3月6日

 提出者  全議員

 佐賀県議会議長 木原 奉文 様

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