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委員長報告

最終更新日:

 議案等の審議結果

 

委員長報告 

決算特別委員長報告
委員長 木原 奉文


決算特別委員長の報告をいたします。

 9月19日の本会議におきまして本委員会に付託され、閉会中の継続審査となっておりました、乙第75号議案「平成23年度佐賀県歳入歳出決算の認定について」及び、乙第76号議案「平成23年度佐賀県工業用水道事業決算の認定について」、以上2件の議案について、11月5日から16日まで現地視察を含めて委員会を開催し、慎重に審議いたしましたので、その経過及び結果について報告いたします。

まず、採決の結果を申し上げます。

11月15日に全ての質疑を終了し、16日に討論に移り、乙第75号議案について反対の立場から、

1、「県土づくり本部において、公共単独建設予算の約30パーセントにあたる金額が繰り越されていることは異常な状態と言わざるを得ない。この大きな要因は、行財政改革における財源不足に伴う歳出見直し、及び現地機関の用地担当職員や土木技術者の削減であり、県行政の運営に大きな問題を及ぼすことが懸念されることから、県民へのしわ寄せにならない安定した県政運営を知事に強く求める。」

1、「九州国際重粒子線がん治療センター建設について、事業費150億円のうち民間からの寄付で賄うと説明していた130億円が思うように集まらず、地域医療再生基金の取り崩し、福岡県からの助成、鳥栖市からの支援、さらに金融機関からの融資を受けるに至り、結果として財団とSPCに事業費の3分の1以上である50億円以上もの公費を投入することになった計画の甘さに対し、知事の責任の所在を指摘する。」

1、「平成23年6月21日に知事公舎において、知事が九州電力の副社長や幹部に対し、玄海原子力発電所2号機・3号機の再稼働に言及する発言を行ったことが大きな社会問題となり、加えて、やらせメール問題やシナリオ作成依頼問題、仕込み質問の問題、九州電力関係者の動員問題に及んだことを考慮すれば、玄海原子力発電所に関する事業や決算については認められない。」

1、「佐賀空港への格安航空乗り入れに関して、県は5億4千万円の補助を行っているが、乗り入れ条件や搭乗率が下がった場合の運休の基準に関する協議状況が何も示されず、具体的な搭乗率確保のための対策が不明確である。また、国際線専用ターミナル建設に9億円の補助を決定した後に設計変更されるなど、予算の提案の仕方や補助金のあり方に問題があるため、今後適正な補助金の支出に努めるとともに、補助金のあり方については監査委員もしっかり監査のうえ、指摘すべき点はきちんと指摘されたい。」

1、「長崎新幹線建設について、日本経済が停滞する中で、多額の公費投入に対して1.09の費用対効果が本当にあるのか非常に疑問がある。また、沿線自治体から要望されている在来線使用区間の騒音問題や踏切問題、遮断機問題の対策にも更なる県費の持ち出しが見込まれることを考えれば、予算執行については慎重に行われたい。」

との討論がありました。

討論の後、直ちに採決に移り、乙第75号議案を採決した結果、賛成者多数をもって原案のとおり認定いたしました。次に、乙第76号議案を採決した結果、全会一致をもって原案のとおり認定いたしました。

 続いて、審議の過程で申し述べられました主な意見及び要望の概要について申し上げます。

 まず、総務常任委員会関係の事項について申し上げます。

1、被災者支援については、被災地の復興がなかなか進まず、今でも佐賀での避難生活を続けられ、先行きに不安を持っている被災者も多いことから、プライバシーに配慮し生活状況を把握したうえで、市町と連携して綿密な対応を行われたい。

1、地デジ対策として行ったケーブルテレビ事業については、県が積極的に進めてきた事業であり、ケーブルテレビは地域インフラとして重要なものであるが、国の実施した「ICTふるさと元気事業」が、会計検査院より、ケーブルテレビの加入率の低さから不当な事業と指摘を受けていることから、今後も加入の促進や有効利用など市町への支援を積極的に図られたい。

1、防災・減災等の体制づくりについては、原子力事故発生時に住民の生命と安全の確保を図るため、住民避難訓練等の更なる充実に努めるとともに、県外避難についても検討されたい。

1、消防団対策については、地域防災の要である消防団員の確保のため、今までの募集活動に加え、さらに踏み込んだ募集活動に取り組むとともに、消防団以外の自発的組織への支援を図り、消防の機能強化に努められたい。

1、地域防災力強化事業については、災害発生直後、地域で相互に協力しながら、救助や避難活動を担う自主防災組織の重要性に鑑み、今後も組織化を促進するとともに活動の充実強化を図られたい。

1、平成23年度決算については、多額の繰越明許費や、実質収支の黒字、及び不用額があることから、各補正予算作成時に、適正な精査と新たな事業の追加により有効な財源の活用を図るとともに、特別会計の見直しや予算の効率的な執行や運用を行うなど、これまで以上に適正な財政運用に努められたい。

1、財政運営については、厳しい国の財政状況により、臨時財政対策債が交付税算定されない恐れもあることから、昨年度策定した「行財政運営計画2011」に基づき、将来に向けた公債費のあり方も考慮しながら適切な財政運営を図られたい。

1、土地開発基金については、土地の購入実績が少なく現金保有残高が100億円を超える状況であることから、基金の適正規模と、用途を拡げるなどの有効活用を検討されたい。

1、地域づくり基金については、七色の島づくり事業など、地域の特性を生かした快適で活力ある地域づくりを推進するという本来の目的に有効活用されるものについては、今後も引き続き事業の継続について検討されたい。

1、暴力団排除条例については、本条例の施行後、警察に対する暴力団関係の相談数増加といった暴力団排除に向けた県民の関心の向上などが見られることから、今後も県民と警察が協働して暴力団排除の取組みを図るとともに、その状況を広く県民へ周知されたい。

1、自転車の交通安全対策については、自転車が関係する交通事故が増加していることから、中高校生などへの自転車利用に関するルールの周知徹底や、交通指導取締りとあわせて、自転車の通行環境の整備にも取り組まれたい。

との意見などが出されました。

 次に、文教厚生常任委員会関係の事項について申し上げます。

1、公立学校のいじめ問題については、その要因が学校環境をはじめ家庭環境、社会環境など様々であり、根本的解決を図るためには、いじめは人権問題との認識に立って、知事部局が中心となり、教育委員会と一体となった協議の場を設け、組織的に問題解決を図られたい。

1、放課後児童クラブの充実については、新1年生の4月1日からの受け入れや待機児童の解消に向けた市町との協議を進めるとともに、4年生以上の児童の受け入れも推進されたい。

1、原子力発電所の安全対策について、玄海原子力発電所1号機の廃炉の問題や、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の問題、プルサーマル計画などの議論なしに、曖昧なまま玄海原子力発電所の再稼働を推進すべきでなく、知事は、こうした問題に対する国や電力事業者からの回答が得られない限り再稼働の同意をしないよう毅然とした態度で臨まれたい。

1、廃棄物の不法投棄監視業務については、本庁への業務集約による効果と課題を検証するとともに、不法投棄の未然防止のために監視活動や適正処理の指導に取り組まれたい。また、未解決事案の早期解決を図られたい。

1、さがんアスリートサポート事業については、より多くのトップアスリートの活躍が見られるよう、教育委員会や私学、市町と連携のうえ、今後活躍が見込まれる選手の発掘及び支援について考慮しながら事業を推進されたい。

1、県立図書館の運営については、社会的な環境の変化などを踏まえ、県民の知的活動のサポートや新たな知識を生み出す「知の拠点」として、今後とも図書館先進県づくりを進められたい。

1、九州国際重粒子線がん治療センターについては、県民の期待に応える必要があることから、開設準備や開設後の安定した運営を見据え、県民の理解を得ながら資金の確保に努められたい。

1、生活保護問題について、就職が可能な方には職業訓練や職業紹介などの自立に向けた支援に努めるとともに、増加する保護費の不正受給の問題に対し、その原因を分析のうえ返納などの適切な処理をされたい。

1、児童虐待問題は、「発生予防」「早期発見・早期対応」「保護・支援」の3つの段階における対応が必要であり、虐待が起こる社会的な背景を分析し、市町、警察、医師会、学校などが連携を強め、地域社会全体で問題解決に取り組まれたい。

1、児童虐待が起きる背景について、家庭の経済的問題から派生したケースも多いことから、行政が中心となり、虐待をした親や、子どもに対する支援策を検討されたい。

1、がん対策については、がん検診の受診の推進が最も重要であることから、受診率を高めるための広報啓発活動や受診しやすい環境づくりに努めるとともに、肝炎対策としてインターフェロン治療費助成制度の改善や、子宮頸がんワクチンの接種率の向上にも努められたい。

1、世界で活躍する人材づくり事業については、体験的英語活動の推進とともに、市町立中学校での事業実施の働きかけを行われたい。また高校生が長期留学をしやすい環境づくりにも取り組まれたい。

1、先進的ICT利活用教育推進事業については、県と市町の連携が重要であることから、市町に対し、教育の情報化に関する理解を進めるとともに財政的支援のあり方も検討されたい。 また、教職員のICT教育の指導力向上にも努められたい。

1、公立学校の不登校問題については、ICT機器を活用した教育や、全学級における少人数学級の実施など、様々な方策を組み合わせたきめ細やかな対応により問題解消に取り組まれたい。 

との意見などが出されました。

  次に、産業常任委員会関係の事項について申し上げます。

1、電気自動車については、将来の我が国の環境や資源状況を考慮し、さらなる普及を図っていくため、環境・エネルギー問題に関する啓発や、充電インフラなどの環境整備、車両購入補助の実施に引き続き取り組まれたい。

1、ジョブカフェSAGAについては、未就職や離職した若者、正社員を目指している若者のため、ハローワーク特区を活用しながら、ヤングハローワークとも連携した総合的な就職支援を実施し、さらなる利用者の満足度の向上、就職実績の向上に取り組まれたい。また、認知度不足を解消するための広報対策にも引き続き取り組まれたい。

1、中小企業の人材育成・確保については、本県の産業や企業の持続的な発展のため、教育サイドとの連携を強化し、企業ニーズに沿った人材の育成、求職者と企業のマッチング支援を行うなど、長期的視点に立った人材の育成・確保対策に取り組まれたい。

1、所管の特別会計については、多くの不用額がある一方、収入未済額も発生している状況であることから、需要に見合う予算額の設定や、それぞれの設置目的に沿った積極的な活用や効果的な支援を行い、また、経済状況や制度対象者の現状も踏まえ、制度のあり方の検討も含め、適正かつ弾力的な運営を図られたい。

1、中小企業事業資金貸付金については、制度の目的やその時々の経済社会情勢の変化を踏まえ、課題を分析し、中小企業の資金ニーズに応えることができるよう、そのあり方を検討されたい。

1、有害鳥獣対策については、棲み分け対策、防除対策、捕獲対策を適切に組み合わせた取り組みの推進により、安心できる農家の営農のため、より一層の農作物被害の軽減に努められたい。

1、農業経営の多角化の推進については、農業者の所得向上や農村地域の活性化のため、経営多角化に必要かつ効果的な教育・研修等の人材育成に必要な予算の拡充や、農業者等からの多様な相談に対応する体制の強化など、支援体制の充実を図られたい。

1、佐賀牛の振興については、ブランド牛の競争が激しくなっている中で、消費者から選ばれるため、キャトルステーションの活用などにより、一層の高品質化に努め、ブランド力の強化を図られたい。

1、東部工業用水道事業については、県東部地区の企業活動のインフラとして、また、地域振興上重要な施設である一方、黒字額が年々減少しているため、将来を見据えた経営方針のもとに適切な事業運営に努められたい。

との意見などが出されました。

 次に、県土整備常任委員会関係の事項について申し上げます。

1、建設業の再生について、建設業は社会資本の担い手であると同時に、災害活動など、地域への貢献を果たす重要な産業であるが、厳しい経営環境が続いていることから、引き続き建設業再生支援フォローアップ事業などの支援策に取り組むとともに、経営基盤の強化や新分野進出などの取組みも促進されたい。

1、生活排水処理施設については、住民に必要な生活基盤施設であり、また、水路や河川など、公共用水域の水質改善など重要な役割も果たしていることから、地域の実情に沿った手法による整備促進に取り組まれたい。

1、ため池については、集落近くに位置し、経年変化により危険な状態にあるものも多いことから、関係団体等と協議し、計画的な整備に努められたい。

1、住宅リフォーム緊急助成事業については、個人資産への公金投入という見方もあることから、県民の理解が得られるよう説明責任を果たされたい。また、地域経済の活性化と既存住宅の性能向上については、大きな効果があったことから、事業の成果を検証し、この制度の将来的なあり方を検討されたい。

1、治水対策については、本年7月に九州北部を襲った豪雨により、各地で河川の氾濫や土砂災害が発生したことから、河川改修やダム建設などの治水対策の重要性に鑑み、早急な整備に取り組まれたい。また、ハード整備だけでなく、ソフト対策にも取り組まれたい。

1、土砂災害防止対策については、県内には土砂災害危険箇所が多く存在していることから、砂防堤などのハード対策と、警戒避難体制の整備などのソフト対策をあわせて、総合的に推進されたい。

1、有明佐賀空港の佐賀―上海線については、費用対効果を明確にするため、就航後1年となる来年1月を目途に、県内経済への波及効果等の調査を行い、その結果を報告されたい。

1、有明佐賀空港の国際線専用施設の整備については、尖閣諸島問題の長期化により上海線の利用が厳しい状況にあることや、他のLCCの誘致等が未定であることを考慮し、日中間の関係改善や上海線の安定的な利用など、新たな展開が望めるまでは工事着工を保留するなど、慎重な対応を検討されたい。

1、離島と本土との格差解消対策については、地域の現状を踏まえ、離島航路の公道への格上げなどにより、離島の方々の負担軽減を図られたい。

1、県北西部地域の道路については、県民生活の社会・経済活動を支える社会資本であるとともに、災害時における避難道路でもあることから、沿線住民の安全・安心と、地域の一体的な発展のため、早急な整備に努められたい。

との意見などが出されました。

以上をもちまして、決算特別委員長の報告を終わります。

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