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平成23年2月定例会 知事提案事項説明要旨

最終更新日:

議案等の審議結果


平成23年2月定例県議会 

知事提案事例説明要旨 

   本日、平成23年2月定例県議会の開会にあたり、提案いたしました平成23年度当初予算案並びにその他の議案について、その概要をご説明申し上げます。
提案事項の説明に入ります前に、当面の課題に対する対処方針について申し上げます。
まず、地方分権改革について申し上げます。
昨年末、政府は、国の出先機関原則廃止に向けた「アクション・プラン」を決定し、また、平成23年度政府予算案において、「ひも付き補助金」を段階的に廃止し、地域の自由裁量を拡大するための「地域自主戦略交付金」を創設したところであります。
さらに、「義務付け・枠付け」の更なる見直しと、市町村への権限移譲を中心とする「第二次一括法案」について、今通常国会への提出が予定されております。
しかしながら、改革の推進に関する政府のこれまでの取組は、民主党の政権公約や、地方六団体の主張に照らせば、不十分なものと言わざるを得ません。
このため、国と地方の協議の場に関する法案をはじめとする「地域主権改革関連三法案」並びに「第二次一括法案」の今通常国会における成立に全力を挙げることはもとより、「出先機関の原則廃止」など、政権公約の着実な実行を強く求めてまいります。
県としましては、法案の成立を見据えて、地方の条例制定権が大幅に拡充される分野については、佐賀県の実情に最もふさわしい基準となるよう検討を進めるとともに、「九州広域行政機構(仮称)」の設立や、ハローワークの地方移管に向けた特区申請など、地方から具体的な提案を行い、行動を起こすことによって、政治主導での改革断行を求めてまいります。
次に、高病原性鳥インフルエンザ対策並びに口蹄疫対策について申し上げます。
昨年10月以降、全国各地で高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されており、このうち、養鶏農場における感染については、昨年11月に島根県で確認された後、今年に入って、宮崎県、鹿児島県、愛知県、大分県、和歌山県、三重県において相次いで確認され、宮崎県内では発生地が急速に拡大するなど、深刻な状況となっております。
本県では、野鳥の監視や農家に対する衛生管理の指導など従来の対策に加えて、島根県での発生以降、養鶏農場への緊急立入検査による鶏の健康状態の確認や、農場の消毒、異常を発見した場合の早期通報の再徹底など、防疫対策の強化を図ってまいりました。
その後、宮崎県内での感染拡大や大分県での発生を受けて、先月末から今月初旬にかけて、すべての鶏や卵の販売農家を対象とする農場の衛生管理の再点検を実施するとともに、今月7日から、養鶏農家及び愛がん用の鶏等の飼育者に対し、全額県負担による消毒剤の緊急配布を実施したところであります。
一方、韓国国内において口蹄疫が拡大を続けていることから、本県では、国とも連携しながら、有明佐賀空港及び伊万里港における水際対策の強化を図るとともに、県内の畜産農家における衛生管理の徹底や監視の強化など、ウイルスの侵入防止に取り組んでおりますが、関係機関との緊密な連携のもと、引き続き取組の徹底を図ってまいります。
なお、高病原性鳥インフルエンザのさらなる感染拡大や口蹄疫の国内発生に備え、近隣県等で発生した場合の防疫対策や、万一、県内で発生した場合の封じ込めや拡散防止など、想定される段階ごとに、必要とされる初動体制を整えております。
これらの対策を実施するために必要な経費につきましては、今年度については計上済みの補正予算等により対応し、新年度については、所要額を当初予算に計上しております。
今後とも、畜産農家の皆様をはじめ、県民の皆様に安心していただけるよう、対策に万全を期してまいります。
次に、有明海の再生について申し上げます。
ご案内のとおり、昨年12月15日、菅総理大臣は、長い間の諍いの歴史に終止符を打つべく、諫早湾潮受堤防排水門の五年間の開放を命じた福岡高等裁判所の控訴審判決について、上告断念を表明し、同21日に判決が確定しました。
このことにより、十年来の課題であった開門調査が実施される運びとなったことは、県議会の皆様をはじめ、地元の市町や漁業関係者の方々とともに粘り強く取り組んできた成果であり、関係の皆様に改めて心から感謝申し上げます。
今月4日には、県議会議長はじめ関係団体の代表者の皆様とともに菅総理大臣を訪問し、今回の決断に対する感謝の念と地元の方々の喜びの声を直接お届けしたところ、総理は、「農業、防災、漁業に影響が出ない形での開門調査を行わなければならない」との認識を示されました。
国においては、先月23日に鹿野農林水産大臣が長崎県を訪問し、中村知事と意見交換を行うなど、開門調査に向けた取組を始められたところであります。
県としましては、今後、具体的な開門調査の方法などについて、いわば当事者の一人として積極的に関わることで、干拓地の農業や背後地の防災、有明海の漁業などが共存できる形での開門調査の実現に向けて努力してまいります。
今後とも、有明海を「宝の海」として次世代に引き継ぐため、全力で取り組んでまいります。
次に、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業について申し上げます。
来る3月12日、九州新幹線鹿児島ルートが全線開業し、県内では、唯一の新幹線駅である「新鳥栖駅」が開業いたします。
このことにより、本県と関西、中国地区が直結し、山陽新幹線との相互直通運転もスタートすることから、新鳥栖駅を西九州の新しい入り口としてアピールすることによって、関西・中国方面からの観光客などの増加を図る大きなチャンスと考えております。
一方、人の流れが熊本や鹿児島など九州の縦軸に集中してしまうことも想定されることから、横軸となる西九州ルートの開業を見据えながら、これまで以上に佐賀県の魅力を高めていく取組が必要となってまいります。
このため、関西、中国地区の方々に本県の観光資源を知っていただくための情報発信や、新鳥栖駅を発着とする観光ルートを盛り込んだ旅行商品の造成などの取組を強化していくこととあわせて、九州新幹線を活用して、地域の魅力を高めるための特色ある取組を行う地域の団体に対し、積極的に支援していくこととしております。
九州新幹線両ルートの開業効果を様々な形で県内に波及できるよう、今後とも工夫を凝らしながら、取組を活発化してまいります。
次に、九州国際重粒子線がん治療センターについて申し上げます。
平成25年春に、鳥栖市の九州新幹線新鳥栖駅前での開設を目指して準備が進められております九州国際重粒子線がん治療センターにつきましては、先月27日、センター新築工事の安全祈願祭が行われ、昨日、建設工事に着手したところであります。
本プロジェクトを中心となって推進している県といたしましては、「九州重粒子線施設管理株式会社」及び「公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団」との緊密な連携のもと、経済界、医療界、大学など各界各層のご支援、ご協力をいただきながら、センター開設に向けた取組を着実に進めてまいります。
次に、佐賀県と韓国全羅南道(チョルラナムド)との友好交流協定の締結について申し上げます。
北朝鮮による砲撃事件の発生により締結を延期しておりました佐賀県と韓国全羅南道(チョルラナムド)との友好交流協定につきましては、先月25日、全羅南道(チョルラナムド)の朴晙瑩(パク・ジュンヨン)知事を本県にお招きし、佐賀市で調印式を挙行いたしました。
今回の協定締結は、長い年月にわたる県民のレベルでの様々な交流の積み重ねの上に立つものであり、これまでの歴史的な基盤を踏まえ、今後、両地域間の人的な交流をさらに推進していくとともに、産業、環境、医療、文化、教育、スポーツなど多様な分野において、市町や民間レベルでの交流についても拡大を図ってまいります。
なお、協定締結を契機に、両自治体の友好の証として、平成25年4月に韓国全羅南道(チョルラナムド) 順天(スンチョン)市で開催される「2013順天(スンチョン)湾国際庭園博覧会」に、佐賀県が日本代表として出展することといたしました。
次に、海外への拠点設置の検討状況について申し上げます。
先の11月定例県議会の提案事項説明においてご説明申し上げました佐賀県の国際戦略策定の取組につきましては、現在、策定に向けて作業を進めておりますが、検討を要する事項のひとつである「海外拠点の設置」について、現時点の検討状況をご報告申し上げます。
我が国経済が国内市場の成熟化やデフレ経済の影響などにより停滞を続ける一方、近隣のアジア諸国を見渡せば、急速な経済成長を続ける国々が数多く存在しております。
中でも、中国につきましては、2010年の名目国内総生産において我が国を抜き、世界第二位の経済大国となるなど、急速な発展を遂げております。
本県においても、今後当面の間は、経済活動のみならず県民生活の様々な面において、中国との関係が深まっていくことが見込まれることから、海外拠点の設置を検討するにあたっても、まずは、中国をはじめとする東アジア地域を中心に検討を進めてまいりました。
その中で、まずは佐賀県がその強みを生かし、存在感を確立できる地域での展開が必要であると考えており、現時点において、二か所を有力な候補地として検討を行っているところであります。
一か所は、本県と長く友好関係にあり、今後の発展が大きく期待されている遼寧省の省都である「瀋陽」であり、もう一か所は、佐賀牛ブランドが確立し、大陸に比べ関税や検疫による障壁が少なく、県産品輸出や観光客誘致などの起点として期待できる「香港」であります。
今後この二か所への拠点設置に向け、現地地方政府や関係機関と調整を行うなど、準備を進めてまいりたいと考えております。
次に、平成23年度当初予算案について申し上げます。
我が国経済は、リーマンショック後の経済危機を克服し、回復の途上にありますが、足元については失業率が若年層を中心として依然として高水準で推移しており、先行きについても、海外景気の下振れ懸念や為替レートの変動など、景気が下押しされるリスクが存在します。
このような中、国の平成23年度予算につきましては、「中期財政フレーム」に基づき財政規律を堅持するとともに、成長と雇用や国民の生活を重視し、「新成長戦略」及びマニフェスト工程表の主要事項を着実に実施する「元気な日本復活予算」として編成されたところであります。
平成23年度の地方財政につきましては、企業収益の回復等により、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が増加する一方、社会保障関係費の自然増や公債費が高い水準で推移すること等により、定員純減や人事院勧告の反映に伴い給与関係経費が大幅に減少してもなお、依然として大幅な財源不足が生じるものと見込まれています。
このため、社会保障関係費の自然増に対応する財源の確保を含め、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額について、実質的に平成22年度の水準を下回らないよう確保することを基本として、地域主権改革に沿った財源の充実を図るため、地方交付税総額が増額されました。
この結果、本県においても、一般財源が増額となるものの、平成23年度末の県債残高が予算規模を大きく上回る7,026億円程度に達する見込みであることに加え、国と地方を通じて大幅な財源不足が生じていることから、県財政の置かれた状況は依然として厳しいものとなっております。
このような中、平成23年度当初予算につきましては、知事及び県議会議員の改選を控えておりますので、国の予算編成方針及び地方財政計画の策定方針に即応しつつ、いわゆる「骨格予算」を編成することを適当と考え、差し当たっての県政の円滑な運営を確保することを第一義とし、新規施策等の政策的事業については、努めて、次回の補正予算に譲ることとして、予算を編成いたしました。
これを具体的に要約しますと、

一、

投資的経費に関しては、当面の執行が円滑に行われるよう、継続費及び債務負担行為に係るものについては、平成23年度所要額の全額を、その他の事業については、平成22年度予算額に対し、公共事業について、おおむね50パーセント程度を、また、単独事業について、おおむね30パーセント程度を目途に編成したこと

一、

災害復旧事業に関しては、平成22年度に発生した災害については復旧進度に基づく年間所要額を、平成23年度の災害については年間所要見込額を計上したこと

一、

県単独の補助金や貸付金などの政策推進費や臨時・大型事業経費については、当初予算での計上を必要とするものについて、年間所要額を計上したこと

一、

人件費、扶助費、公債費等の義務的経費については、年間所要額を計上したこと

などであります。
一方、現下の経済雇用情勢に鑑み、緊急総合対策については、国の財源などを最大限活用し、所要の額を計上しております。
以上、申し述べました基本方針により編成いたしました平成23年度当初予算案の総額は、歳入歳出とも、それぞれ 

 

一 般 会 計

 

3,847億1,100万円

 

特 別 会 計

1,017億2,200万円

なっており、一般会計におきましては、前年度当初 予算と比較しますと、13.0パーセントの減となっております。
次に、 予算案の主な内容についてご説明申し上げます。
まず、緊急総合対策にかかるものについて申し上げます。
中小企業に対する金融支援につきましては、経営の合理化や安定強化などに取り組む中小企業者を支援するため、県制度金融やがんばる企業支援資金などにおいて、当面の資金需要に対応する新規融資枠を確保することとしました。
あわせて、緊急対策融資の融資先への返済額の軽減及び資金調達の円滑化を推進するための資金を創設するなど、所要の措置を講じることとしました。
雇用対策につきましては、雇用の受け皿を確保するとともに、成長分野における新たな雇用機会の創出や、地域のニーズに応じた人材育成を図るため、県及び市町において、地域の実情を踏まえ創意工夫を凝らした各種の取組を実施することとしております。
また、離職者等の就労を支援するため、雇用の受け皿として期待できる 情報技術分野や 介護分野を中心に、職業訓練の科目・内容を拡充して実施することといたしました。
次に、経済対策につきまして、柱立てに沿って申し上げます。
まず、「安全・安心の確保」の取組について申し上げます。
男女間のあらゆる暴力の根絶につきましては、配偶者からの暴力の被害者等の心身の早期回復を図るため、県立男女共同参画センターにおける女性総合相談体制の拡充や早期支援の仕組みづくりに取り組むこととしました。
地域で安心して子育てができる環境整備につきましては、子どもの保育環境の充実を図るため、保育所の新設及び老朽化施設の改築を促進することとしました。
児童虐待の防止対策につきましては、児童相談所や市町における児童の安全確認のための体制強化や、職員の専門性向上、県民への広報・啓発の充実など、対策の強化を図ることといたしました。
医療提供体制の充実につきましては、病院と薬局との連携体制を構築するため、西部保健医療圏において整備中の伊万里・有田地区統合病院(仮称)の機能に対応した、地域の拠点となる高機能薬局の整備に対し助成することといたしました。
不登校対策につきましては、高等学校における不登校や休学中の生徒の学校復帰や社会的自立を促すため、民間非営利団体など相談機関と連携した支援体制の構築に取り組むこととしました。
犯罪被害者支援の充実につきましては、地域社会から被害者も加害者も出さない、安全で安心なまちづくりを実現するため、出前講座などによる県民の理解促進や、サポーターの養成に取り組むこととしました。
次に、「産業の高度化・活性化」の取組について申し上げます。
中小企業の新製品・新技術開発に対する支援につきましては、県、大学、商工団体等の産学官連携により開設する「機能性食品」の研究開発拠点において、県内中小企業との調整機能を高めるため、専任のコーディネータを配置することといたしました。
林業の振興につきましては、間伐等の森林整備の加速化と、間伐材等の森林資源を活用した林業・木材産業の再生を図るため、条件が不利な森林の間伐や作業路の開設、地域材を活用した木造施設整備などに対して助成することとしました。
次に、「地域経済基盤の強化」の取組について申し上げます。
県民協働の推進につきましては、「新しい公共」を担う市民社会組織(CSO)の活動基盤を強化するため、資金調達や人材育成、市町との協働事業の実施などについて支援することとしました。
次に、当初 予算案のうち緊急総合対策以外の主な内容について、「総合計画2007」に掲げる六つの柱に従って申し上げます。
まず、『 健康で暮らしやすい佐賀県』について申し上げます。
県有施設のアスベスト対策につきましては、一昨年に実施した建築士による目視調査の結果を受けて、昨年9月から11月にかけて実施した含有調査に基づき、含有が確認されたすべての施設について除去工事を行うこととしました。
医療提供体制の充実につきましては、地方独立行政法人佐賀県立病院好生館が行う県立病院移転改築事業について、地方独立行政法人法等の定めるところにより、引き続き一定の負担を行うことといたしました。
治安の確保につきましては、現場警察力の充実を図るため、鳥栖警察署平田警察官駐在所を移転改築することといたしました。
次に、『地球環境時代のトップランナー佐賀県』について申し上げます。
低炭素社会の推進につきましては、一般住宅における太陽光発電設備の設置に対し、市場価格の状況を踏まえた形で補助を行うことにより、家庭部門における二酸化炭素排出量削減を促進することとしました。
新エネルギーに対する理解促進につきましては、核燃料サイクル交付金を活用して、玄海町が行う次世代エネルギーパークの整備及び唐津市が行う水産業の活性化を支援する事業に対して助成を行うこととしました。
有明海の再生につきましては、今後実施される開門調査が、諫早湾干拓事業の影響を検証するために有効なものとなるよう、国の開門調査計画などに対する意見を述べていくため、佐賀大学と共同して科学的な検討に取り組むこととしました。
次に、『学びきらめく佐賀県』について申し上げます。
確かな学力を育む教育の推進につきましては、引き続き、少人数による授業やティームティーチングなど、児童・生徒一人ひとりを大切にしたきめ細かな指導に取り組んでまいります。
特別支援教育の推進につきましては、障害のある児童・生徒が、より身近な地域で教育を受けることができるよう、中原養護学校及び伊万里養護学校において、障害種別の段階的な拡大を進めてまいりましたが、本年四月からは、県内すべての障害保健福祉圏域において、知的障害及び肢体不自由の児童・生徒に対応できる体制が整うこととなりました。
文化の振興につきましては、本年が佐賀城築城から400年という節目の年に当たることを機に、佐賀市が行う、佐賀城天守閣の発掘調査に対し、必要な支援を行うことといたしました。
博物館施設における企画展につきましては、名護屋城博物館において「海に生きる―近世唐津の海人たち―」を開催することとしております。
スポーツの振興につきましては、本年8月の秋季大会をはじめ、本県で開催される国民体育大会第31回九州ブロック大会が円滑に実施されるよう、必要な支援を行うこととしております。
また、平成25年に佐賀、福岡、長崎、大分の北部九州ブロック四県を会場として開催予定の「全国高等学校総合体育大会」に向けて、必要な準備を進めることとあわせて、中学生や高校生の競技力向上を図るため、引き続き、指導者のレベルアップや、中学生と高校生の一貫した指導体制の構築などに取り組んでまいります。
次に、『活力あふれる佐賀県』について申し上げます。
新エネルギー関連産業の振興につきましては、次世代の自動車として大きな期待が寄せられている燃料電池自動車について、鳥栖市に設置される水素ステーションや、県に導入した燃料電池自動車を活用して、福岡県とも連携しながら、広域走行等の社会実証を実施していくこととしました。
基礎科学の理解促進並びに国際リニアコライダー計画の推進につきましては、世界の素粒子物理学研究の頂点となる国際リニアコライダー(直線衝突型高エネルギー粒子加速器)の脊振地域への立地に資するため、地質調査を実施するとともに、国際研究都市構想の策定や、最先端の基礎科学に触れる機会の提供等に取り組むこととしました。
福岡都市圏への 情報発信につきましては、3月に開業する新博多駅ビルを訪れる方々に「佐賀」を知っていただき、「佐賀」に来ていただくために、広告媒体によるPRや博多阪急などでのイベントを実施することといたしました。
競争力のある売れる農産物の生産振興につきましては、園芸農業の持続的な発展を図るため、環境保全型園芸農業及び省資源型園芸農業の取組拡大や、新たに園芸農業に取り組む生産者の育成や経営規模の拡大に必要な機械・施設の整備などに対し、引き続き助成するとともに、脱石油・省石油や猛暑に対応できる園芸ハウスの整備に対する支援を強化することとしました。
畜産業の振興につきましては、「佐賀牛」のブランド力を一層強化するため、肥育素牛の生産拡大に必要な繁殖雌牛の導入や施設、機械等の整備に対して助成することとしました。
水産業の振興につきましては、漁業経営の安定を図るため、玄海地区においては、水産加工処理施設や製氷施設の整備に対して、また、有明海地区においては、ノリの種となる糸状体の生産施設の整備に対して、助成することといたしました。
元気な農業経営者の育成につきましては、消費者ニーズに即した農産物の生産や自ら販路開拓ができるような高い経営能力を持った人材を育成するため、農業大学校に農産加工の実習施設を整備することといたしました。
最後に、『未来ひろがる佐賀県』について申し上げます。
森林の保全につきましては、水源のかん養や地球温暖化の防止など森林の持つ様々な公益的機能を十分に発揮させるため、引き続き佐賀県森林環境税を財源として荒廃森林の再生を推進するとともに、新たに、間伐により得られる二酸化炭素の吸収量を企業等に販売する制度を活用することにより、森林整備の促進を図ることとしました。
幹線道路網の整備につきましては、県内の主要都市を結び、北部九州の広域的な幹線道路網を形成する西九州自動車道、佐賀唐津道路、有明海沿岸道路、国道498号の整備を引き続き推進し、西九州自動車道の唐津インターから北 波多インター間におきましては、平成23年度内の供用開始を予定しております。
港湾の整備につきましては、伊万里港において、二隻同時接岸や大型船寄港を可能とする七ツ島地区コンテナターミナルの整備を進めるとともに、唐津港においては、物流機能強化や大型旅客船の接岸、さらには震災時の緊急物資輸送にも対応する東港地区耐震強化岸壁の整備を、国と連携して進めてまいります。
以上、平成23年度当初 予算案の主な内容についてご説明申し上げましたが、これに対する一般会計の歳入財源としましては、

 

県税

 

695億7,300万円

 

地方消費税清算金

 

156億700万円

 

地方交付税

1,293億4,000万円

 

国庫支出金

441億1,700万円

 

繰入金

192億5,200万円

 

諸収入

319億5,200万円

 

県債

 

504億6,100万円

 

その他

244億900万円

 

 

3,847億1,100万円

となっております。
このうち、県税につきましては、最近における経済の動向、過去の実績等を総合的に勘案するとともに、平成23年度地方税制改正案に係る増減収額を考慮して計上しております。
地方交付税につきましては、地方財政計画等をもとに、現段階で見込み得る額を基礎において、所要額を計上するとともに、県債につきましても、国の地方債計画等をもとに、今回計上する事業費の財源として所要額を計上しております。
次に、企業会計として運営しております工業用水道につきましては、収益的支出約4億4,200万円、資本的支出約1億4,900万円となっております。
次に、予算外議案としましては、条例案として「佐賀県職員定数条例の一部を改正する条例(案)」など11件、条例外議案として「国営土地改良事業に対する市の負担について」など5件、あわせて16件となっております。
これらの議案につきましては、それぞれ提案理由を記載しておりますので、説明を省略させていただきます。
以上、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げましたが、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
顧みますと、平成19年4月、佐賀県が置かれている人口減少や格差の拡大といった社会構造や環境変化にも対応した「くらしの豊かさを実感できる佐賀県」を実現したいという強い思いをもって、新しい四年間の任期に臨みました。
それから今日まで、議員の皆様、県民の皆様のご支援、ご協力によりまして、この重い務めを果たしてまいることができました。心からお礼を申し上げます。
この間、十年後の佐賀県のあるべき姿に到達するために四年間に実施しておくべき政策を盛り込んだ「総合計画2007」を策定し、その後、金融経済危機という不測の事態への対応を迫られましたが、緊急プログラムに沿って必要な財源を確保しながら、政策の着実な推進に努めた結果、一定の成果をあげることができたものと考えております。
中でも、有明海の再生については、県民をあげての取組が実り、十年来の懸案であった開門調査の実現に向けて、大きな一歩を踏み出すことができました。
また、「2007青春・佐賀総体」の成功や、県立佐賀北高等学校の全国高等学校野球選手権大会優勝など、県民に大きな感動と希望を与えてくれた出来事もありました。
このほか、

  • 九州新幹線鹿児島ルートの開業と西九州ルートの着工
  • 早稲田佐賀中学校・高等学校の開校
  • 佐賀県のがん対策のシンボルとなる「九州国際重粒子線がん治療センター」の開設に向けた取組や、「新県立病院」の建設に向けた取組
  • 平成22年産米が、県産米として初めて「食味ランキング」で最高評価の「特A」に認定された「さがびより」の生産と販売
  • 食育やユニバーサルデザインの取組を広げていくこと
  • 我が国で初めてとなる「国連公共サービス賞」の受賞につながった県民協働の取組

など、県政の各分野の政策について、県民の皆様に支えられて着実に進めることができたものと考えております。
一方で、財政状況の厳しさや、経済・雇用情勢の悪化などから、県民の皆様が、十分に「くらしの豊かさを実感できる」という段階には、まだ至っていないものと認識しております。
今日、経済のみならず、物流や情報通信技術の進展などを背景に、あらゆる分野で「グローバル化の時代」を迎えており、また、化石燃料に依存しない社会の実現に向けた「エネルギー変革」が急速に進んでおります。
このような世界的な情勢変化とともに、本格的な人口減少社会や地方分権社会の到来など、時代の転換期を迎える中、佐賀県の「仕様」そのものを新しいものに変えていく意識をもって、県政の各分野の課題に取り組んでいくことにより、佐賀県という地域を、21世紀にふさわしい、際立つ地域としていきたいと考えております。
今回の定例県議会は、議員の皆様方におかれましても、また、私にとりましても、任期最後の県議会となりますが、ここに、県政の各般にわたり賜りました皆様方のご理解、ご支援に対しまして、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

    
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