佐賀県 佐賀県議会TOP総合トップへ佐賀県 佐賀県議会TOP総合トップへ
佐賀県 佐賀県議会佐賀県 佐賀県議会(スマホ版)
背景色 青黒白
文字サイズ 拡大標準

平成22年11月定例県議会 知事提案事項説明要旨

最終更新日:
  議案等の審議結果
平成22年11月定例県議会 
 
 

   本日、平成22年11月定例県議会の開会にあたり、提案いたしました平成22年度補正予算案並びにその他の議案について、その概要をご説明申し上げます。
 提案事項の説明に入ります前に、北朝鮮による砲撃事件について申し上げます。
 今回、北朝鮮軍が韓国西方沖にある延坪島(ヨンピョンド)を砲撃した問題について、政府は、許しがたい行為として強く非難するとともに、韓国政府の立場を支持し、関係国と緊密に連携して対応していく旨の見解を表明しております。
 一般市民が生活している地域への攻撃によって、民間人2名を含む4名の方の尊い命が奪われたことは痛恨の極みであり、犠牲者に対し、心から哀悼の意を表する次第であります。
 また、この事件の発生により、昨日予定しておりました佐賀県と韓国全羅南道(チョルラナムド)との友好交流協定の調印式についても延期となりました。
 このような事態が一刻も早く解消され、朝鮮半島情勢が正常化することを切に願うものであります。
 次に、当面の課題に対する対処方針について申し上げます。
 まず、現下の経済情勢に対する対応について申し上げます。
 我が国経済は、アジアを中心とした外需などにより景気の持ち直しの動きが続いておりましたが、このところ足踏み状態となっており、先行きについても、海外景気の下振れ懸念や為替レートの変動など、景気が下押しされるリスクが存在します。
 県内に目を向けますと、円高・デフレによる景気の先行きの不透明感が増す中、企業の生産活動については足踏み状態となっており、個人消費は弱い動きが続いております。
 雇用情勢についても、9月の有効求人倍率は0.53倍と3ヶ月続けて上昇しているものの、依然として厳しい状況が続いております。
 今月上旬に実施いたしました県内企業60社の訪問調査では、足元の景況感について、7月時点の調査に引き続き、「悪化した」と答えた企業がわずかながら増加したこと、また、経営上の課題として、依然として「売上不振」、「利益減少」、「過当競争」などを挙げる企業が多いことなど、景気が足踏み状態となっていることが明らかになったところであります。
 こうした中、政府は、デフレ脱却と景気の自律的回復に向けた道筋を確かなものとしていくために、平成23年度までの政策展開を定めた「新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策」を打ち出し、その「ステップ2」として、先月8日、「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」を閣議決定したところであり、対策を実施するための平成22年度補正予算は、開会中の臨時国会において審議中であります。
 本県ではこれまで、金融経済危機に対応するため、三次にわたる「緊急総合対策」に取り組んでまいりましたが、未だ景気回復を実感できる状況に至っていないことに加え、先行きの不透明感が強まっている現状を踏まえ、国の対策にも呼応しつつ、実効ある対策を切れ目なく講じていく方針のもと、「緊急総合対策」の第四次対策として取り組むことといたしました。
 具体的には、

金融対策について、引き続き緊急対策融資による資金調達の円滑化に努めることとあわせて、セーフティネットとしての条件整備を行うこと

雇用対策について、若年者の就職支援の強化と、一人ひとりをきちんと就職に結びつけるための職業訓練を充実すること

経済対策について、「需要を生む」ことや「県民に効果を実感してもらえる」こととあわせて、「佐賀県の成長につながる」ものに取り組むこと

などに意を用いて実施することとしております。
 本対策の実施により、県民生活の不安の解消と成長力の向上を図り、元気な佐賀県の回復を目指してまいりますが、経済は生き物であることから、今後とも情勢変化を見極めながら、時宜を得た機動的な対応に努めてまいります。
 次に、地方分権改革について申し上げます。
 政府は、「地域主権戦略大綱」に基づき、国の出先機関の原則廃止に向けて、年内を目途に、出先機関の事務権限移譲の方針を定める「アクション・プラン(仮称)」を策定することとしておりますが、地方六団体としては、「地方でできることは全て地方に移管する」ことを求めており、中でも、ハローワークの都道府県移管を最優先案件としております。
 一方、各府省の側には、「都道府県は、全国のブロック単位に設置されている出先機関の受け皿としては不十分である」という意見が未だに根強い状況にあります。
 このような中、先般、九州地方知事会として、都道府県へ移管できるものを除いて、九州を単位に設置されている出先機関を「丸ごと」受け入れるため、新たな法律に基づく組織として「九州広域行政機構(仮称)」の設立を目指すことで合意したところであります。
 今後、引き続き詳細な制度設計を詰めていくこととしておりますが、九州のことは九州で決定できるよう、改革の推進に努めてまいります。
 次に、環太平洋経済連携協定(TPP)に対する考え方について申し上げます。
 政府が今月9日に閣議決定した「包括的経済連携に関する基本方針」の中で、TPPについて、「情報収集を進めながら対応していく必要があり、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する」との方針が盛り込まれました。
 ご案内のとおり、TPPは、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構築に向けた道筋のひとつであり、現在9カ国で拡大交渉が進められておりますが、関税の原則撤廃など、非常に高いレベルの経済連携を目指すものとなっております。
 我が国の交渉参加の是非をめぐっては、農業をはじめとする国内産業への影響などについて大きな議論が巻き起こっており、佐賀県議会では、今月10日に開催された臨時県議会において、交渉参加への慎重な対応を求める意見書が、全会一致で可決されたところであります。
 私は、我が国が貿易立国を基本としている中で、世界の貿易の枠組において、我が国の産品が他国の産品に比べて不利な取扱いを受けないようにしていく必要があり、TPPの枠組への参加について検討すること自体は、我が国が不利益を被らないために理解できるものと考えております。
 一方、産業の中でも、我が国の農業、そして佐賀県の農業に極めて大きな影響を及ぼすことも事実であります。
 農業は、国民の大切な食料の安定供給の確保とともに、地域社会を支えるという大切な役割を担っていることから、これをしっかりと守っていかなければならないと考えております。
 政府が先行的に推進するとしている農業分野の国内改革については、来年6月を目途に基本方針を決定するとされておりますが、政策の内容や規模、必要となる財源の確保方法などについて、現時点では明らかにされておりません。
 このため、県としましては、政府に対し、

自由貿易協定(FTA)の中で除外品目を定めるという手法ではなく、TPPでなければならない理由は何か

全体として見た場合に、我が国にとって、どのようなプラス・マイナスがあるのか

を明確に示した上で、全体をとらえた幅広い議論を行い、拙速に結論を求めることなく丁寧な過程を踏んでいくことを強く求めてまいります。
 次に、佐賀県の国際戦略について申し上げます。
 我が国経済が、国内市場の成熟やデフレ経済の影響等により長い停滞を続け、欧米先進諸国も未だ金融経済危機からの回復途上にある中、中国をはじめとするアジアの国々は、世界経済のけん引役として急速な発展を遂げております。
 経済のみならず、物流や情報通信技術の進展などを背景に、あらゆる分野においてグローバル化が急速に進んでおり、地域の企業や自治体なども、世界の動向把握や分析を抜きにして経営や政策立案をしていくことが難しい時代となってきております。
 このような中、佐賀県が持続的に発展していくためには、例えば、経済圏の拡大に対応して地域産業の姿そのものを変化させていくことや、これからの、いわば「グローバル化の時代」における佐賀県、そして我が国の成長と発展を担う人材を育成していくことが重要となってまいります。
 このため、今月2日、庁内に、国際関係の業務を一元的に把握し、推進していく組織体制を整備したところであり、戦略的かつスピーディーに施策を展開していくため、先の県議会においてご議論いただいた、海外に拠点を設置することの検討を含め、県内企業の競争力の強化や、流通・観光展開の活発化、航空路線の誘致といった各分野の取組とあわせて、これらを支える人材育成も視野に入れた基本的な戦略を策定することとしております。
 できるだけ早く具体的な成果に結びつけ、佐賀県の成長につなげていくため、スピード感をもって取り組んでまいります。
 次に、有明海の再生について申し上げます。
 諫早湾干拓事業にかかる潮受け堤防の開門調査につきましては、菅改造内閣発足に伴い、鹿野農林水産大臣が就任されたことから、県議会におけるご提言も踏まえ、9月末、県議会議長をはじめ議員の皆様、有明海漁協の組合長とともに、鹿野新大臣に面会し、有明海の現状や「県民のおもい」をお伝えするとともに、早急に開門調査を実施するとの政治判断をしていただくよう要請を行ったところであります。
 鹿野大臣は、有明海再生の問題が大変大きな問題であると認識されており、検討委員会の考え方を検証し、また、前の大臣の話も伺いながら、これから取り組んでいきたいとの考えを示されました。
 私としましては、臨時国会開会直後の時期に面会の機会を持って頂いたこと自体が、この問題に対する大臣の意欲の表れと受け止めたところであります。
 県といたしましては、実際の有明海の様子を見ていただくことで理解がより深まるものと考えており、鹿野大臣にはできるだけ早い時期に現地をご視察いただき、そのうえで早急に開門調査を実施するとの最終判断をしていただくよう求めてまいります。
 今後とも、有明海の再生のため、全力で取り組んでまいります。
 次に、ユニバーサルデザインの推進について申し上げます。
 ユニバーサルデザインの推進につきましては、パーキングパーミット制度の普及をはじめ様々な取組を行う中で、少しずつ県民に浸透してきているものと認識しておりますが、県民の理解がなお一層深まるよう、広報活動の充実に努めているところであります。
 そのひとつとして、佐賀県が目指すユニバーサルデザインの姿である「三世代みんなが安心して暮らせるまち」を視覚化した「佐賀は、ユニバーサルデザイン」のロゴマークを決定し、テレビ、新聞等様々な媒体で、このロゴマークを活用した広報活動を展開しております。
 県の広報媒体や公文書、名刺などで使用することはもちろんのこと、市町や民間企業にも広く活用していただきたいと考えております。
 さて、「第5回ユニバーサルデザイン全国大会」は、来る12月21日、22日の2日間、「ユニバーサルデザインが広がる社会の実現に向けて―佐賀から広がるユニバーサル社会―」を大会テーマに、嬉野市で開催いたします。
 本大会の開催を契機として、県民の皆様の理解が深まり、一人ひとりの具体的な行動に結びつくことによって、ユニバーサルデザインが今後の社会のあり方や活動の前提となっていくことを心から期待しております。
 本大会の成功とユニバーサルデザインのさらなる推進に向けて、県議会の皆様をはじめ、県民の皆様のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 続きまして、提案事項についてご説明申し上げます。
 まず、補正予算(4号)について申し上げます。
 補正予算(4号)の編成に当たりましては、9月補正後の事態の推移に対処するため、早急に措置を要するものについて所要額を計上することといたしました。
 この結果、補正予算の総額は、歳入歳出とも、それぞれ

 

一般会計

減額

約28億600万円

 

特別会計

 

約900万円

となっております。
 以下、予算案の主な内容について申し上げます。
 医療提供体制の充実につきましては、県南部保健医療圏における救命救急センター及び地域小児医療センターとしての機能を強化するため、嬉野医療センターが実施するヘリポートの新設等に要する経費に対し補助することとしました。
 次代を担う国際的な人材の育成につきましては、地方自治法施行60周年記念貨幣の発行に伴い県に交付される地方分権振興交付金を財源として、記念貨幣の図柄となった大隈重信侯が活躍した幕末維新期の「遣欧・遣米使節団」を現代に再現し、本県の高校生や大学生を海外に研修派遣することといたしました。
 海砂採取の漁業や環境等への影響につきましては、学識経験者からなる環境影響調査検討委員会において、調査項目や調査方法を検討してまいりましたが、調査項目として決定されたもののうち、水質や底質などの基本的な項目から早期に調査を実施することとし、所要の予算を計上しております。
 以上、補正予算(4号)の主な内容について申し述べましたが、これに対する一般会計の歳入財源といたしましては、

 

県   税

 

 

27億7,700万円

 

地方譲与税

 

 

15億100万円

 

地方交付税

減額

1億3,500万円

 

国庫支出金

減額

1億500万円

 

諸 収 入

減額

36億800万円

 

県   債

減額

39億7,200万円

 

そ の 他

 

7億3,600万円

 

減額

28億600万円

となっております。
 次に、補正予算(5号)について申し上げます。
 補正予算(5号)につきましては、緊急総合対策の第四次対策を実施するために必要な予算を計上することといたしました。
 補正予算の総額は、歳入歳出とも、それぞれ

 

一般会計

約135億2,800万円

であり、これに、既定の予算額及び補正予算(4号)をあわせますと、本年度の予算総額は

 

一般会計

約4,640億3,200万円

 

特別会計

約1,019億9,600万円

となっております。
 以下、予算案の主な内容について申し上げます。
 緊急総合対策のうち、雇用対策につきましては、介護、医療、環境・エネルギーなど今後成長が期待されている分野において新たな雇用機会を創出するとともに、地域のニーズに応じた人材を育成し雇用に結びつけるため、佐賀県緊急雇用創出基金に積み増しを行うことといたしました。
 若年者の雇用促進につきましては、主として学卒の未就職者を対象として、県内企業で雇用されながら、職場実習や職場外研修により就職に必要な知識・技能を習得できる事業を実施することとしました。
 次に、緊急総合対策のうち経済対策について、柱立てに沿って申し上げます。
 まず、「安全・安心の確保」の取組について申し上げます。
 新型インフルエンザ対策につきましては、流行時における医薬品の投薬体制を維持するため、薬局に感染防止対策のための医療資器材などを整備することとしました。
 がん対策並びに感染症対策につきましては、「佐賀県子宮頸がん等ワクチン接種促進基金」を造成し、子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン並びに小児用肺炎球菌ワクチンの接種事業を実施する市町に対し補助することといたしました。
 高齢者福祉の充実につきましては、「佐賀県介護基盤緊急整備等臨時特例基金」に積み増しを行い、法令上の設置義務にかかわらず、認知症高齢者グループホームへのスプリンクラー等の整備を促進することとしました。
 次に、「産業の高度化・活性化」の取組について申し上げます。
 「佐賀牛」のブランド力向上対策につきましては、口蹄疫がいつ発生してもおかしくない現状を踏まえ、県内の肥育素牛の生産体制を強化するため、唐津農業協同組合が行う、繁殖農家の子牛を預かり、共同で管理するキャトルステーションの整備に対し、助成することとしました。
 園芸農業の低炭素化の推進につきましては、農業試験研究センターにおいて、太陽光発電やLED照明などを導入したモデル施設を整備し、農家の意識啓発と技術導入の可能性について検証を行うこととしました。
 水産業の振興につきましては、有明海のノリ養殖の適正管理に役立てるため、有明水産振興センターの海況情報処理システムの機能拡充を行うこととしました。
 林業の振興につきましては、林業・木材産業の再生を図るため、「佐賀県森林整備加速化・林業再生基金」に積み増しを行い、間伐等の森林整備に必要な高性能林業機械の導入に対し、支援することとしました。
 次に、「地域経済基盤の強化」の取組について申し上げます。
 有明佐賀空港の利用促進につきましては、東京便五便化の実現に向け、首都圏からの利用者拡大を図るため、東京発全便を対象としたダブルマイルキャンペーンや事業所を対象としたモニターキャンペーンの実施とあわせて、広報活動を強化することとしました。
 また、アジアの格安航空会社(LCC)誘致の可能性を探るため、国際線旅客ターミナルビル等について、民間の資金やノウハウを活用した手法による整備・運営の可能性などについて調査を実施することとしました。
 次に、「新社会資本の整備」の取組について申し上げます。
 ユニバーサルデザインのまちづくりの推進につきましては、唐津市バリアフリー基本構想に基づき、市中心部の一般国道204号のユニバーサルデザイン化を図ることとしました。
 確かな学力を育む教育の推進につきましては、教育現場における情報通信機器等の整備と、それを活用した先進的な実証研究及び人材育成を一体的に推進することにより、教職員の指導力向上と新たな教育システムの構築を図り、本県の児童・生徒の学力向上につなげてまいります。
 次に、「低炭素社会の推進」の取組について申し上げます。
 低炭素社会の推進につきましては、一般住宅に太陽光発電と省エネルギー設備を合わせて導入する場合の助成制度について、地球温暖化対策の機運の高まりの中、引き続き多数の申請が見込まれることから、今年度中の需要に対応できるよう、所要額を増額補正することとしました。
 また、走行時に温室効果ガスを排出しない電気自動車を、県公用車に先導的に導入することとしました。
 このほか、トンネルの照明設備に、長寿命・省電力型の機器を採用し、ライフサイクルコストの縮減と、低炭素社会の推進を図ることとしました。
 以上、補正予算(5号)の主な内容について申し述べましたが、これに対する一般会計の歳入財源といたしましては、

 

地方交付税

20億9,400万円

 

国庫支出金

77億4,300万円

 

県   債

 

29億9,100万円

 

そ の 他

7億円

 

135億2,800万円

となっております。
 次に、予算外議案といたしましては、条例案として、「佐賀県職員給与条例等の一部を改正する条例(案)」など8件、条例外議案として、「県事業に対する市町の負担について」など7件、あわせて15件となっております。
 これらの議案につきましては、それぞれ提案理由を記載しておりますので、説明を省略させていただきます。
 以上、今回提案いたしました議案についてご説明申し上げましたが、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

このページに関する
お問い合わせは
(ID:5982)
佐賀県議会事務局   〒840-8570  佐賀市城内1丁目1-45  
(総務課)TEL:0952-25-7215  (議事課)TEL:0952-25-7216  (政務調査課)TEL:0952-25-7306  メール(共通):gikai@pref.saga.lg.jp

Copyright© 2016 Saga Prefecture.All Rights Reserved. 佐賀県

佐賀県議会事務局

佐賀市城内1丁目1-45
(総務課)TEL:0952-25-7215
(議事課)TEL:0952-25-7216
(政務調査課)TEL:0952-25-7306
メール(共通):gikai@pref.saga.lg.jp
Copyright© 2016 Saga Prefecture.All Rights Reserved.