議案等の審議結果
意見書案と採決状況
意第10号
可決
教育予算の拡充を求める意見書(案)
日本は、OECD諸国に比べて、1学級当たりの児童生徒数や教員1人当たりの児童生徒数が多くなっている。それに反して、教育機関への公財政支出の割合は低いのが現状である。
社会状況等の変化により、学校は一人ひとりの子どもに対するきめ細かな対応がより一層必要となっている。子どもの貧困と教育格差の拡大、「障がい」の状態に応じた特別な支援を要する児童生徒の著しい増加、日本社会への適応に支援を必要とする外国人児童生徒の増加、いじめ・不登校・暴力行為など生徒指導上の問題のさらなる深刻化など、課題も複雑・多様化してきている。こうした課題の解決には、全ての学年における1学級の学級編制の標準を改定し、計画的な定数改善が必要不可欠である。
平成23年に義務標準法が改正され、小学校1学年の学級編制の標準が35人に引き下げられたものの、他の学年については依然として加配による対応に留まっている。自治体が見通しをもって計画的に教職員を配置することこそが、今日の様々な教育課題に対応するために極めて重要である。
しかし、三位一体改革により、義務教育費国庫負担制度の国の負担率が2分の1から3分の1に引き下げられ、自治体財政を圧迫している。いくつかの自治体では、厳しい財政状況の中、独自財源による定数改善措置が行われているが、国の施策として教職員定数改善に向けた財源保障をし、子どもたちが全国どこに住んでいても、機会均等に一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請である。
このような中、昨年6月の参議院文教科学委員会において、教職員定数の計画的な改善等を求める「教育現場の実態に即した教職員定数の充実に関する決議」が行われたところであり、国は、今後の予算編成に当たっては、十分尊重すべきである。
将来を担い、社会の基盤づくりにつながる子どもたちへの教育は極めて重要である。子どもの学ぶ意欲・主体的な取り組みを引き出す教育の役割は重要であり、人材育成につなげるためには、教育予算を国全体として安定的に確保・充実させる必要がある。
よって、政府及び国会におかれては、2017年度政府予算編成において、下記の事項を実現されるよう強く要望するものである。
記
1 豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成する上で義務教育水準の維持向上を図ることが極めて重要であることに鑑み、小学校の全学年において、順次現行の小学校第1学年と同様の少人数学級を導入すること。
2 教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、義務教育費国庫負担制度の堅持と義務教育費の総額を確保すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年6月28日
佐 賀 県 議
会
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
衆議院議長 大島 理森 様
参議院議長 山崎 正昭 様
財務大臣 麻生 太郎 様
総務大臣 高市 早苗 様
文部科学大臣 馳 浩 様
以上、意見書案を提出する。
平成28年6月28日
提出者 留 守 茂 幸 石 丸 博 石 井 秀 夫 武 藤 明 美
木
原 奉 文 稲 富 正 敏 竹 内 和 教 中 倉 政 義
藤木 卓一郎 石 倉 秀 郷 桃 崎
峰 人 土 井 敏 行
指 山 清 範 大 場 芳 博 岡 口 重 文 原 田 寿 雄
徳 光 清 孝 宮 原 真 一 坂 口 祐 樹 藤 崎 輝 樹
向 門
慶 人 米 倉 幸 久 八 谷 克 幸 定 松 一 生
川 﨑 常 博 江 口 善 紀 古 賀 陽
三 井 上 常 憲
池 田 正 恭 野 田 勝 人 中 本 正 一 西久保 弘克
木 村 雄 一 青 木 一 功 井 上 祐 輔
佐賀県議会議長 中倉 政義 様