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平成17年2月定例県議会 知事提案事項説明要旨

最終更新日:
平成17年2月定例県議会

本日、平成17年2月定例県議会の開会に際し、県政を運営するにあたりましての私の所信を述べさせていただくとともに、提案しました平成17年度当初予算案並びにその他の議案について、その概要をご説明申し上げます。

昨年は、自然災害が猛威を振るった災害の年でありました。

全国各地で集中豪雨や台風による被害が相次ぎ、さらには、新潟県中越地震やスマトラ沖大地震が発生し、国の内外で未曾有の被害となりました。

県内でも、6月の竜巻災害をはじめ、台風18号などの暴風雨により、100億円を超す大きな被害が発生しました。

県では、これらの災害を教訓として、市町村、防災関係機関と十分な連携を図りながら、地域防災計画を見直すとともに、災害時要援護者対策の指針を作成し、市町村に示すなどして、今後の防災対策に万全を期してまいります。

平成17年は、私が佐賀県政を担当させていただいて実質的に3年目となります。

昨年を「改進」の年と位置付けましたが、これは、先人が築いてくださった佐賀の財産を大切にしながらも、時代に合ったものにする、できれば時代に先んじたものにしていく、そういうことによって佐賀県を際立つものにしていきたいという決意をこめたものでした。

今年は、この「改進」の精神によって芽生えたものを、さらに練り上げていく、熟させていくという思いを込めて、「錬熟」の年と位置付けることとしました。際立つ佐賀県になることに備え、力をためる、さらには、より高い視点で将来を眺望するという願いを「錬熟」の二文字に込めて、去年までの経験の上に立って、しっかりと地に足を着けて、物事を固めていく年にしたいと考えております。

次に、平成17年度の県政を進める際の考え方について申し上げます。

まず、「重点実施項目の着実な推進」についてであります。

平成15年度から4年間に、佐賀県として重点的かつ集中的に取り組むべき事項として定めた「重点実施項目」については、平成16年12月末時点では、49項目を小項目に分けた87項目のうち、83項目は実施済み又は工程表どおり進んでおり、達成状況はおおむね順調に推移しております。平成17年度は実施期間の3年目となることから、工程表から遅れている項目については、取組を加速する方策を講じてまいるなどして、目標を達成するため、さらに歩を進めることとしております。

今後とも、その進捗状況については、県民の皆様に常にお示ししてまいります。

本県の経済や雇用の状況は依然として厳しく、国民所得と県民所得との格差が拡大する傾向にあり、また、佐賀県の人口は、平成9年以降減り続けており、国立社会保障・人口問題研究所の中位推計によれば、平成42年には75万1,000人まで減少すると予測されております。 

このような厳しい現状に加えて、逼迫する財政状況の中、県政の直面する多くの課題に対応し、佐賀県が将来にわたって豊かさを高め、健全性を維持していくためには、佐賀県が取り組むべき課題を明確にして、その実現に向けて施策の重点化を図ることが重要であります。

このため、

○ 新たな産業用地の整備等による企業誘致の推進に加え、新産業の創出を図ると
ともに、新分野の開拓を促進し、『経済活性化と雇用創出』の取組を強化すること

○ 定住の促進に向けて、福祉・医療サービスの向上、暮らしの安全確保、健康な食
生活、美しい景観など、『生活環境の向上』を図ること

○ 佐賀県産品の流通促進、観光施策の推進、全国水準を意識した情報発信を行う
など、県として存在感を高める『佐賀県ブランドの構築』を図ること

○ 地球温暖化問題など、複雑、多岐にわたる環境問題に取り組むとともに、全国に
先駆けた新エネルギーや循環型社会づくりに取り組む『環境先進県づくり』を進める
こと

○ 学校、家庭、地域が一体となって豊かなふるさとの自然を教材としながら、ともに
学びあい、生涯を通じて学び続けることのできる『人づくり』の佐賀県を目指すこと

を中心に、戦略的な施策の展開を図ってまいります。

次に、平成17年度当初予算案について申し上げます。

我が国の経済は、このところ一部に弱い動きが見られ、回復が緩やかになっているものの、先行きについては、国内民間需要の増加が続いており、世界経済の着実な回復に伴って、景気回復は底堅く推移すると見込まれています。

このような中、国の平成17年度予算につきましては、これまでの「改革断行予算」という基本路線を維持し、持続的な財政構造の構築と予算の質の向上を図るため、歳出改革を一層推進することとされ、一般会計の一般歳出は、3年ぶりに前年度の水準以下に抑制されたところであります。

また、平成17年度の地方財政につきましては、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が回復傾向にある一方で、公債費が高い水準で推移することや社会保障関係経費の自然増等により、依然として大幅な財源不足が生じるものと見込まれております。

このため、地方財政計画の歳出については、国の歳出予算の見直しと歩調を合わせて、規模の抑制に努めることにより、財源不足額の圧縮を図ることとする一方、歳入においては、「三位一体の改革」を着実に推進するためには、国と地方の信頼関係が必要なことから、安定的な財政運営に必要な一般財源が確保されたところであります。

この三位一体の改革につきましては、本県の場合、平成17年度における国庫補助負担金の廃止・縮減により約78億円の一般財源が必要となる一方で、税源移譲額は約65億円になる見込みであり、この差額については、地方交付税により措置されることとなっております。

このような中で、本県の財政状況につきましては、これまでの数次にわたる経済対策等の実施によって、平成16年度末の県債残高が予算規模を大きく上回る6.199億円に達する見込みであることに加え、今後税収の大幅な増加が見込まれない中、公債費が高い水準で推移し、財源不足が続くことが予想されるなど極めて厳しい状況にあります。

このため、これまで以上に財政健全化の取組を進める必要があることから、財源調整用の基金を枯渇させることなく、平成20年度までに収支均衡の予算編成が可能となることを目指して、昨年10月に策定した行財政改革緊急プログラムの着実な実行が喫緊の課題となっております。

このような厳しい中にあっても、県民の視点に立って、真に県民が必要としているものに、より的確に、より迅速に対応するため、平成16年度から県庁の組織を「本部制」に再編し、各部門の判断と責任において積極的に部門経営を行うことができるよう、各本部に予算や人員の配分に関する一定の権限を委譲したところであります。

こうしたことから、平成17年度当初予算の編成にあたっては、

○ 県の仕事そのものの見直しと自立した歳入構造の確立を目指す「行財政改革緊
急プログラム」の着実な推進を図ること

○ 県民との約束である「重点実施項目」関連施策への予算を重点化すること

○ 各本部の経営判断に基づき事業を選択し見直すこと

などを行ったところであります。

この結果、平成17年度当初予算の総額は、歳入歳出とも、それぞれ、


一 般 会 計 4,270億3,000万円

特 別 会 計 約 857億 700万円


となっており、一般会計におきましては、前年度当初予算と比較しますと、2.6パーセントの減となっております。

また、公債費や地方消費税の清算金支出等を除いた一般歳出では、1.7パーセントの減となっております。

次に、予算案の主な内容について申し上げます。

まず、『農林水産商工分野』についてであります。

地域産業の創出につきましては、地域産業の高度化や新産業の創出などを図るため整備を進めております「九州シンクロトロン光研究センター」の本年9月の利用開始に向けて、施設の心臓部である光源装置などの調整を進めるとともに、開設当初から様々な手段を講じて、その利用拡大を図り、本施設を核とした頭脳拠点の形成に取り組んでいくこととしております。

また、産学官共同研究体による環境分野や医療・福祉分野、シンクロトロン光利用分野などでの独創的・先導的な技術や廃棄物の抑制技術に係る研究開発について助成することとしました 。

さらに、県内企業の新事業・新分野への展開を促進するため、次世代エネルギーの代表である水素を原料とする燃料電池関連産業の育成を進めていくこととしております。

高齢者による新たな事業の創出につきましては、少子高齢化といった社会背景を踏まえて、「起業」を通じて地域経済の活力の維持・向上を図るため、今後定年退職を迎える高年齢者等を対象に起業家を創出するための支援を行うこととしました。

また、育児中の女性や障害者等が家庭にいながら容易に仕事を確保することができるよう開設した「さがSOHOネットワーク」を利用している事業者間の関係強化や受注の安定確保と拡大を図るため、「さがSOHOビジネスフェア」を開催することとしております。

県制度金融につきましては、経営の合理化や安定強化などに取り組む、県内中小企業者の資金需要に対応できるよう、新規融資枠を確保するとともに、佐賀県中小企業再生支援協議会が、中小企業の再生支援を実施する場合に、円滑な融資が図られるよう、制度改正を行うこととしました。

また、厳しい経営環境の中、担保の不足や保証人の確保難が、資金調達の阻害要因となっていることから、県、県信用保証協会、県内金融機関が連携し、物的担保及び第三者保証人を必要としない迅速な貸付を可能とする「がんばる企業支援資金」を創設することとしております。

企業誘致の推進につきましては、企業誘致が地域経済の持続的な発展と多様で魅力ある雇用機会の創出に大きな役割を果たすことから、中・長期的な視野に立って、今後大きな発展が見込まれる新エネルギー産業などの重点誘致産業の立地を推進していくため、新産業集積エリアの基本構想及び基本計画を策定し、新たな集積エリアの整備に向けて取り組んでいくこととしております。

また、一層の企業誘致を推進するため、新たに「佐賀県企業立地促進特区」を創設し、特区内に立地した企業に対し、県税の特例措置等を適用するための条例制定について審議をお願いしているところであります。

雇用の促進につきましては、重点実施項目に基づき、「1万人雇用創出計画」の達成に向けて、各種施策に積極的に取り組むとともに、特に若年者の高い失業率や不安定な就労状況を改善するため、総合的に就職を支援する「若年者就職支援センター」を設置することとしました。

また、雇用環境の厳しい若年者を最新の情報技術に対応できるIT人材として育成するとともに、若年者の雇用の受け皿として期待されるデジタルコンテンツ産業の誘致基盤を新たに形成するため、企業実習と一体となった職業訓練を実施することとしております。

プロ農業者の育成につきましては、新たな米政策に対応し、水田農業の担い手の明確化と育成を図るため、引き続き個別大規模農家や経営を一体化した集落型経営体への農地・農作業の利用集積を促進するとともに、競争力があり、収益性の高い園芸農業を確立するため、引き続き高品質化、低コスト化、規模拡大等に必要な施設・機械の整備に対して助成することとしました。

安全・安心な農産物の生産拡大につきましては、環境にやさしい農業の推進に向け、引き続き有機栽培や特別栽培、エコ農業などの取組を拡大するために必要な施設・機械の整備に対して助成することとしております。

また、耕種農家と畜産農家が連携し、有機物資源の有効活用を図り、資源循環型農業を推進していくため、良質たい肥の生産や利用に必要な施設・機械の整備に対して助成することとしました。

活力ある中山間地域の形成につきましては、中山間地域における耕作放棄地の発生を防止し、多面的機能の維持・増進を図るため、中山間地域等直接支払制度を継続して実施し、これまで以上に集落の自律的かつ継続的な農業生産活動を推進することとしております。

漁業生産の回復につきましては、玄海地域において、漁場環境の改善と水産資源の回復を図るため、引き続き魚介類の産卵・育成の場となる藻場の造成に取り組むとともに、新たに唐津湾の海底耕うんや清掃を実施することとしました。

また、唐津港において、新鮮で安全・安心な水産物の流通を促進し、水産基地としての再生を図るため、日本遠洋旋網 (まきあみ)漁業協同組合が行う製氷・貯氷施設の整備に対し助成することとしております。

有明海地域においては、貝類資源の早急な回復を図るため、引き続き海底耕うんや清掃の実施、ナルトビエイの駆除、貝類種苗生産技術の開発等に取り組むとともに、ノリ漁家の経営安定を図るため、ノリ養殖の協業化を引き続き推進することとしました。

なお、平成18年秋に本県で開催する「第26回全国豊かな海づくり大会」に向けて、実施計画の策定等、所要の準備を進めるとともに、県内の気運を盛り上げるため、推進大会を開催することとしております。

県産木材の需要拡大と間伐の推進につきましては、質の高い木材の生産や水源かん養などの公益的機能が発揮されるよう、引き続き間伐や造林などを計画的に実施するとともに、昨年の台風18号及び台風23号による森林災害の早期復旧に引き続き取り組むこととしました。

県産品の市場開拓・販路拡大につきましては、消費者の志向に的確に対応した県産品の市場開拓を行っていくために、民間の流通専門家からの指導や助言を受けながら、効果的な販売促進活動を実施していくこととしております。

また、県産品のブランド力を高めていくような商品を創り出すために、意欲のある事業者による消費者の視点に立った商品の磨き上げと販路開拓を支援することにより、高品質なモノを供給する県としての地位の確立を目指すこととしました。

さらに、大都市圏の高級食品店内に県産品の売り場を設置し、県産品の販売活動と情報発信の場を確保することにより、県産品のブランド力の向上につなげていくこととしております。

県産農産物の海外市場開拓につきましては、昨年から、中国への梨の輸出に取り組んでまいりましたが、輸出に積極的な団体等を支援するとともに、中国沿岸地域をはじめとしたアジア地域を対象に、海外商社の招へいや現地販売活動を行いながら、引き続き県産農産物の輸出を促進することとしました。

観光の振興につきましては、本年4月に九州7県と民間が一体となり発足する「九州観光推進機構」に参画し、国内大都市圏や東アジアを中心とした海外に向けての広報宣伝、観光客誘致事業を展開することとしております。

また、本県独自の戦略として、「団塊の世代」の退職等を視野に入れた親・子・孫の3世代旅行「ファミリーツーリズム」について、民間の人材を最大限に活用しながら、積極的に推進していくこととしました。

次に、『健康福祉分野』についてであります。

障害のある方の地域生活支援につきましては、パソコン活用能力の向上を図ることにより、生活を豊かにし、就労を含めた社会参加を促進するため、技術習得や指導者養成講座等の事業を行うこととしております。

また、働く場づくりや所得の向上を図るため、研究会を設置し、就労促進、所得向上の具体的な方策についての検討や、障害者雇用の推進を目的として設置される特例子会社の立地に関する調査・研究を行うとともに、授産施設や作業所の経営改善のための専門家による助言や指導に要する経費に対して助成することとしました。

みんなが安心して暮らせる地域社会づくりにつきましては、介護や子育て、生活支援などの総合的な福祉サービスを、地域住民や市民社会組織(CSO)、ボランティア等が協働し、支援していく「地域共生ステーション(ぬくもいホーム)」を整備することとしております。

また、誰もが地域で自分らしく安全に暮らせる住みよいまちづくりを目指した、ユニバーサルデザインの全県的展開に向けて、推進指針を策定するとともに、優れた製品の認定などを行うこととしました。

高齢者福祉の充実につきましては、平成18年度からの介護保険制度見直しと第3期介護保険事業計画策定に向けた保険者指導を行い、併せて、宅老所の整備を進めるとともに、介護サービスの利用者が適切な選択ができるよう情報の提供などに取り組むこととしております。

児童虐待対策につきましては、増加する相談に速やかに対応し、児童虐待の早期発見と適切な援助活動の強化を図るため、児童相談所における夜間・休日緊急体制の整備や市町村職員に対する研修会の開催等を行うこととしました。

小児救急医療体制の充実につきましては、より一層の体制充実が求められる地域において、夜間、地域の小児科医などが拠点となる医療施設で、子どものケガや急病に対応する、新たな救急医療体制の整備に対して助成することとしております。

また、小児科医をはじめ、県内で不足している診療科の医師の確保を促進するため、卒業後、地域医療に貢献する意欲を持った医学生等に対し、新たに修学資金を貸与するとともに、佐賀大学医学部など医師育成機関とも連携しながら効果的な医師確保対策に努めることとしました。

心と体の健康づくりの充実につきましては、食生活の乱れによる意欲の減退や生活習慣病の増加、食を大切にする心の欠如など、食に関連して今日の社会が抱える様々な問題が指摘される中で、「食育」の必要性が高まっていることから、学校や保育所等における食育を推進するとともに、関係団体、行政等の連携を図り、食育の意義や必要性について、県民への普及啓発を行うこととしております。

次に、『くらし環境分野』についてであります。

県民協働の推進につきましては、昨年10月に策定した「県民協働指針」に基づき、市民社会組織(CSO)と県が協働してきめの細かい公共サービスを提供できるよう、協働に関する県民の理解を深める研修会の開催や県民協働のための調整役の養成、公募による提案型協働事業の実施などの具体的な取組を行うこととしております。

将来を担う人づくりにつきましては、国際的な視野で発想・思考・行動できる人材を育成するため、高校生を佐賀県及び福岡県で開催される「日本の次世代リーダー養成塾」に参加させることとしました。

また、将来性豊かな若者が、世界に通用する資格や技術等を修得するため、海外の大学などへ留学する際に支援する制度の検討を行うこととしております。

子育てにやさしい環境づくりにつきましては、昨年3月に策定した「佐賀県新エンゼルプラン」を具体化する「佐賀県次世代育成支援地域行動計画(仮称)」に基づき、県内どこにいても子育てと仕事が両立できるよう、引き続き延長保育、休日保育など多様な保育の充実を図るとともに、県内すべての小学校区で小学校低学年を対象とした放課後児童クラブの設置に向けて取り組むこととしました。

また、九州地方知事会において、子育て支援のための九州・山口共同事業を検討するとともに、社会全体で育児費用を支援する方策についてさらに研究を深めてまいります。

県民生活における安全・安心の確保につきましては、災害発生時にいち早く初動体制を整えるとともに、災害情報の収集・伝達をはじめ、各種防災対策を迅速かつ的確に実施するため、その拠点となる常設の防災センター(仮称)を県庁新行政棟内に整備することとしました。

また、佐賀県防災行政無線設備については、老朽化に伴う更新と併せ、映像や電子メール等双方向による通信ができるよう、映像装置や本庁と現地機関を結ぶ地上系無線設備の整備などを行うこととしております。

太陽光、風力、バイオマス、燃料電池等を利活用した新エネルギーの導入促進につきましては、先駆的に取り組む地区の選定や、その具体的な施策について戦略的な行動計画を策定することとしました。

自然環境の保全につきましては、国の重要湿地に選定され、県自然環境保全地域でもある樫原湿原地区の湿地環境を再生・保全するため、今年度県民協働により策定した自然再生実施計画に基づき、湿地の浚せつなどによる多様な湿地環境の再生事業に取り組むこととしております。

本年4月から施行する産業廃棄物税につきましては、その収入を循環型社会の形成に向けた施策の費用に充てることとして、新たに、産業廃棄物の排出事業者が行う減量化や再生利用を促進するために必要な施設整備に対する助成等を実施することとしました。

また、唐津市鎮西町菖蒲において、公共関与により廃棄物の処理を行うため、現在、財団法人佐賀県環境クリーン財団が進めている施設整備事業を引き続いて支援することとしております。

「宝の海」有明海の再生につきましては、海域環境の保全及び改善に関する調査研究の推進と調査研究体制の整備を進めていく組織である「有明海再生機構(仮称)」の活動を支援するとともに、干潟・底質環境の長期的変遷と栄養塩類の循環の仕組み等に係る研究を実施することとしました。

男女共同参画社会の形成につきましては、女性に対する暴力の被害者支援及び根絶のため、DV総合対策センターにおいて、被害者支援関係機関の更なる連携強化を図るとともに、新たに「佐賀県DV被害者支援基本計画(仮称)」を策定することとしております。

続きまして、『教育分野』についてであります。

基礎学力の定着と個性を生かす教育の推進につきましては、子どもたちにとって、よりよい学習環境とするため、小学校低学年に少人数学級又はティームティーチングの選択的導入を行えるよう所要の措置を行うとともに、中学1年生では、基礎学力の定着を図るために、県内全ての中学1年生の数学と英語について、少人数授業やティームティーチングによる授業が行えるよう非常勤講師の配置を行うこととしました。

豊かな人間性を育む教育の推進につきましては、学習障害や高機能自閉症など発達障害の児童生徒への学校内での支援体制を整備するため、小・中学校へ医療や福祉関係者等の専門家を派遣して指導・助言を行うこととしております。

また、自閉症につきましては、基本的な生活行動を獲得する幼少期に、適切な療育指導を行うことが有効であることから、1歳6ヵ月児健診、3歳児健診での早期発見及び自閉症の可能性がある児童と親の療育指導を全国に先駆けてモデル的に実施することとしました。

さらに、障害のある子どもたちの教育の充実を図るため、県南部地区に新設する養護学校の校舎等の建設工事に着手することとしました。

文化の振興につきましては、昨年8月に開館した、佐賀城本丸歴史館において、引き続き県民協働の運営を進めるとともに、開館1周年を記念する特別企画展として「江戸時代の科学技術(仮称)」を開催することとしております。

また、県立博物館では「発掘された日本列島2005」を、名護屋城博物館では、「秀吉と城」をそれぞれ特別企画展として開催することとしました。

スポーツの振興につきましては、平成19年夏季に開催する全国高等学校総合体育大会「2007青春・佐賀総体」の成功に向けた諸準備を推進することとし、全国規模の大会が開催できるよう公認施設としての総合運動場等の整備を行うこととしております。

次に、『県土づくり分野』についてであります。

幹線道路網の整備につきましては、県内の主要都市を結び、北部九州の広域的な高速交通網を構築する西九州自動車道や有明海沿岸道路、佐賀唐津道路の整備を引き続き推進することとしております。

有明佐賀空港の振興につきましては、さらなる利用促進を図り、増便の実現に結び付けていくために、航空会社と提携したボーナスマイルキャンペーン事業や、低額レンタカー・乗合タクシー運行事業を引き続き実施するとともに、新たに、有明佐賀空港の利便性を幅広く浸透させるための情報発信事業を実施することとしました。

また、夜間貨物便の貨物取扱量増加に伴う来年1月の貨物専用機導入に対応し、貨物地区の拡張を行うとともに、貨物上屋の増設を行う佐賀ターミナルビル株式会社に対し増資を行うこととしました。

九州新幹線鹿児島ルートの整備につきましては、当初計画より2年早い平成22年度末に完成すべく、新鳥栖駅の整備や筑紫トンネル工事、筑後川橋梁工事等を円滑に推進するため、その整備費に対する負担を引き続き行うこととしております。

なお、九州新幹線長崎ルートについては、並行在来線の経営分離に関する沿線自治体の同意を得るため、早期に協議を再開していくこととしております。

唐津港東港地区の整備につきましては、平成19年4月に予定されている唐津・壱岐間のフェリー就航に対応するため、平成17年度から埠頭の岸壁工事に着手することとしました。

農業生産基盤の整備につきましては、引き続き農地の排水対策など生産力の維持・強化に向けた整備を計画的に実施することとしております。

また、農業水利施設の長寿命化に向けて、施設の機能診断や予防保全対策に新たに取り組むこととしました。

安全で災害に強い県土づくりにつきましては、水害、土砂災害の防止、被害の軽減のため、緊急性の高いものから重点的に整備を推進するとともに、洪水予報、土砂災害情報の提供等にも取り組むこととしております。

生活圏における交通網の整備につきましては、歩道の整備など交通安全対策に努めるとともに、県民からの要望が高い、防犯にも配慮した道路照明の整備に新たに取り組むこととしました。

森林の保全につきましては、引き続き、「こだまの 森林(もり)づくり」を推進するとともに、県民協働による森林づくりを一層推進するため、新たに、森林ボランティアによる森林づくりの企画・運営や実践活動など、ネットワークづくりに支援していくこととしております。

水環境の保全につきましては、水質悪化が問題となっているダム湖のアオコや濁り対策として、現地での検証試験や水質調査を行い、県管理のダムの水質改善を図っていくこととしました。

また、汚水処理施設の整備につきましては、生活環境の改善と公共用水域の水質保全を図るため、公共下水道事業、集落排水事業及び浄化槽整備事業を推進することとしております。

魅力ある地域づくりにつきましては、佐賀県らしい歴史や豊かな自然を活かした美しい景観づくりを支援・推進するとともに、地域の象徴となっている建造物を地域住民が主体となって保存・活用し、それにまつわる物語とともに後世に継承するため、「22世紀に残す佐賀県遺産」制度を創設することとしました。

また、佐賀城本丸歴史館を拠点として佐賀城公園のある城内地区及び周辺地区において、「水」と「緑」と「歴史」を活かしたまちづくり計画を策定するとともに、県民・市民と連携して、「佐賀城下再生100年事業」に取り組むこととしております。

活力のある「むら」づくりにつきましては、地域活動の継続による棚田やクリークなどの美しい農村景観を守り育てていくため、「美の里づくり推進調査」を実施することとしました。

建設業の健全な育成につきましては、厳しい経営環境にある建設業の構造改革に向けた緊急対策として、平成16年度に策定の建設業再生プログラムに基づき、新分野進出など新たな展開を行う調査研究経費に対し補助を行うこととし、建設業の合理化、新分野進出が図られるよう支援することとしております。

次に、その他について申し上げます。

業務改革の推進につきましては、庁内の総務事務の効率化を図るため、個々の職員が自分のパソコンから給与、旅費等の届出・申請を電子的に処理できる仕組みを構築するとともに、平成18年度から給与事務等の一部を外部委託するための業務手順について、試験運用を行うこととしました。

本県に関する情報発信につきましては、新たに子ども向けのホームページを設けるなど、インターネットの活用を進め、本県の取組や魅力を効果的かつ広範に発信し、本県に対する良好な評価につなげていくこととしております。

危機に強い体制づくりにつきましては、昨年9月に施行された国民保護法に基づき、外部からの武力攻撃事態等や大規模テロなどの緊急対処事態における国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施できるよう「佐賀県国民保護計画」を策定することとしました。

アジアのハリウッド構想推進につきましては、映像制作など21世紀に成長が見込まれるデジタルコンテンツ産業の佐賀県への集積・定着を図るため、企業誘致説明会の開催や県内風景のインターネット配信を行うとともに、映画やテレビドラマの撮影誘致を行うこととしております。

合併後のまちづくりの支援につきましては、佐賀県合併支援プランに基づき「合併市町村交付金」を交付するほか、合併によって新たに誕生する市町村ごとに、庁内に「まちづくり支援チーム」を設置し、合併した市町村と連携を図りながら、まちづくりへの助言や支援を行っていくこととしました。

警察署の再編整備につきましては、警察力の充実強化を図るため、相知警察署及び呼子警察署を唐津警察署に統合することに伴い、唐津警察署の敷地内に仮設庁舎を設置するとともに、老朽・狭隘化の著しい鳥栖警察署については、現地での改築に向けた地質調査や設計を行うこととしております。

以上、平成17年度当初予算案の主な内容についてご説明申し上げましたが、これに対する一般会計の歳入財源としましては、

県 税   727億5,500万円

地方消費税清算金 169億3,000万円

地方譲与税 64億2,500万円

地方交付税 約 1,360億8,200万円

国庫支出金 約 693億4,400万円

繰 入 金 約 189億 700万円

諸 収 入 約 220億2,300万円

県 債 641億1,400万円

そ の 他 約 204億5,000万円

計 4,270億3,000万円


となっております。

このうち、県税につきましては、最近における経済の動向、過去の実績等を総合的に勘案するとともに、平成17年度地方税制改正案に係る増減収額を考慮して計上しております。

地方交付税につきましては、地方財政計画等をもとに、現段階で見込み得る額を基礎において、所要額を計上するとともに、県債につきましても、国の地方債計画等をもとに、今回計上する事業費の財源として所要額を計上しております。

次に、企業会計として運営しております県立病院好生館につきましては、収益的支出約106億3,500万円、資本的支出約13億6,900万円となっており、これに対し、一般会計から約16億1,700万円を繰り出すこととしております。

工業用水道につきましては、収益的支出約4億9,300万円、資本的支出

約5,100万円となっております。

次に、予算外議案としましては、条例案として「佐賀県国民保護対策本部及び佐賀県緊急対処事態対策本部条例(案)」など51件、条例外議案として「市町村の廃置分合について」など6件、あわせて57件となっております。

このうち、乙第52号議案「市町村の廃置分合について」につきましては、地方自治法第7条第1項に基づき、平成17年10月1日から佐賀市、佐賀郡諸富町、同郡大和町、同郡富士町及び神埼郡三瀬村を廃し、その区域をもって、新たに佐賀市を設置するものであります。

その他の議案につきましては、それぞれ提案理由を記載しておりますので、説明を省略させていただきます。

以上、今回提案しました議案についてご説明申し上げましたが、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。



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