本日、平成十六年六月定例県議会の開会にあたり、提案いたしました平成十六年度補正予算案並びにその他の議案について、その概要をご説明申し上げます。 
提案事項の説明に入ります前に、小学校低学年への少人数学級の導入など、子どもたちにとって、よりよい学習環境とするための取組について申し上げます。 
 
 去る、六月七日に教育委員長から、 
○小学校の低学年に「少人数学級」又は「複数の教師が関わるティームティーチングによる指導」の選択的導入を行うための措置  
○学習内容や環境が小学校と大きく変わる中学校一年時における少人数授業やティームティーチングの拡充のための措置 
の二つの要請がありました。 
 
   これは、教育委員会がとりまとめられた「佐賀県公立小中学校の学習環境の改善充実のための方針」の中で、 
○小学校低学年は、将来の基盤となる基本的な生活習慣・学習習慣を形成する重要な時期であるため、子どもの状況により、学級規模を小さくしたり、ティームティーチングにより複数の教師がきめ細かな指導を行うことが有効であること 
今回公表された国立教育政策研究所の報告では、小学校中学年以上では習熟度別授業などの少人数授業が効果的との結果が出され、中学校一年では、学習内容や環境が小学校と大きく変わり、英語や数学などで学力差が生じやすいとの各種調査結果があること 
との検討結果を受けたものであります。 
 
   小学校低学年への少人数学級の導入については、私は、知事就任以降、「重点実施項目」に掲げ、これまで教育委員会に対し求めてきたところであり、今回の県教育委員会の方針が、子どもたちにとって、よりよい学習環境とするために重要な方策であるとの認識にたって、必要な財源の確保を図ってまいりたいと考えております。 
なお、中学校一年時における少人数授業等の拡充につきましては、県教育委員会から今回初めてお聞きしたものであり、今後、検討してまいりたいと考えております。 
 続きまして、提案事項についてご説明いたします。 
今回の補正予算案の編成に当たりましては、当初予算編成後の事態の推移に対処するため、緊急に対応する必要があるものについて計上することといたしました。 
この結果、補正予算案の総額は、歳入歳出とも、それぞれ 
 
  一般会計         約 五億三千六百万円 
 
となっております。 
 これを既定の予算額とあわせますと、本年度の予算総額は、 
 
  一般会計         約 四千三百九十億六千二百万円 
 
となっております。 
以下、予算案の主な内容について申し上げます。 
  まず、学校教育の充実につきましては、東松浦高校と唐津北高校を再編統合し、平成十七年度に開校を予定している唐津青翔高校(仮称)について、地域に密着した魅力ある学校づくりを進めるため、コース別指導など特色ある教育の実施に必要な施設整備に取り組むこととしております。 
  児童福祉の向上につきましては、虐待を受けた児童の児童養護施設への入所増加に対応するため、児童への手厚いケアと早期の家庭復帰支援を行う専門の職員を児童養護施設に配置することとし、所要の経費を計上することといたしました。 
  循環型社会づくりシステムの推進につきましては、鎮西町菖蒲において、公共関与により廃棄物の処理を行うこととし、現在整備中の廃棄物処理施設について、より安全で効率的に事業を行うため、崖の崩落対策及び進入道路の変更等に必要な土地を取得することとしております。 
  有明海の再生につきましては、県民協働で山、川、平野、海に亘る環境保全活動に取り組む必要があるため、具体的な行動計画を策定するとともに、県民、事業所、婦人会やNPOなどの市民社会組織(いわゆるCSO)等による自発的な取り組みを推進する様々な啓発活動を実施することといたしました。 
  個性を生かした地域の振興につきましては、国内外に「世界の有田焼」をアピールし、産地の浮揚、活性化を図るために開催する「ドイツにおける有田陶芸展及び帰国展」事業に対して、世界炎の博覧会記念基金により、助成することとしております。 
   安全・安心な佐賀の「食」づくりにつきましては、BSE対策の強化を受け、より安全で安心な県産牛肉の供給体制を整備するため、社団法人佐賀県畜産公社が行う牛せき柱除去施設等の整備に対して助成することといたしました。 
   多様な職業能力の開発につきましては、障害者が地域の中で自立して、安定した生活を営めるよう、就労を希望する知的障害者に対し、介護サービスについての知識や技能の習得など、地域の雇用ニーズに対応した実践的な職業訓練を実施することとしております。 
   以上、補正予算案の主な内容について申し述べましたが、これに対する一般会計の歳入財源といたしましては、 
 
   地方交付税              約 三億三千二百万円 
   国庫支出金              約 八千五百万円 
   県    債               七千八百万円 
   そ の 他               約 四千百万円 
     計                  約 五億三千六百万円 
 
となっております。 
 次に、予算外議案といたしましては、条例案として、「佐賀県行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例(案)」など十一件、条例外議案として、「町の廃置分合について」など五件、あわせて十六件となっております。 
   このうち、乙第三十九号議案「佐賀県産業廃棄物税条例(案)」につきましては、産業廃棄物が県境を越えて移動していることから、九州地方知事会において、広域的に導入可能な税制について検討を重ねてきたものであり、このたび、その案がまとまりましたので、ここに提案したところであります。 
 本税は、産業廃棄物の排出を抑制し、再生利用等の促進を図るため、廃棄物処理法で定める県内の最終処分場及び焼却施設に搬入される産業廃棄物に対して課税することを内容としており、九州各県の共同案に沿ったものであります。その収入は、循環型社会の形成に向けた施策の費用に充てることとしております。 
 乙第四十八号議案「町の廃置分合について」につきましては、地方自治法第七条第一項に基づき、平成十七年一月一日から杵島郡白石町、同郡福富町及び同郡有明町を廃し、その区域をもって同郡白石町を設置するものであります。 
 また、乙第四十九号議案「市町の廃置分合について」につきましては、地方自治法第七条第一項に基づき、平成十七年三月一日から小城郡小城町、同郡三日月町、同郡牛津町及び同郡芦刈町を廃し、その区域をもって小城市を設置するものであります。 
 その他の議案につきましては、それぞれ提案理由を記載しておりますので、説明を省略させていただきます。 
 以上、今回提案しました議案についてご説明申し上げましたが、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。 
 
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