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平成16年2月定例県議会 知事提案事項説明要旨(2月23日)

最終更新日:
 
平成16年2月定例県議会

1.知事提案事項説明要旨(2月23日)

  本日、平成16年2月定例県議会の開会に際し、県政を運営するにあたりましての私の所信を述べさせていただくとともに、提案しました平成16年度当初予算案並びにその他の議案について、その概要をご説明申し上げます。
 平成16年は、私が県政を担当させていただいて実質的に2年目となります。
 昨年まいた種は芽を出し、まだまいていないものについては種をまき、そのようにして四年間のうちに、きちんと花を咲かせるものは花を咲かせる、実を結ばせるものは実を結ばせる、そのような年にしたいと考えています。
 その決意を込めて、今年を「改進」の年と位置付けたいと思います。郷土の偉人である大隈重信侯は、政党政治の先駆けとなる「立憲改進党」を創設しましたが、これにならって、「立県改進」の精神で県政を進めていきたいと考えています。
 この「改進」という言葉には、これまで先人が築いてくださった佐賀の財産を大切にしながらも、時代に合ったものにする、できれば時代に先んじたものにしていく、そういうことによって佐賀県を際立つものにしていきたいと願いを込めたものです。
 ぜひ、この「改進」の精神を県議会の議員の皆様や県民の皆様と共有し、県民の満足度が日本一になるよう、『変革と創造の佐賀づくり』に向けて、誠心誠意、全力で取り組んでまいる覚悟であります。
 次に、平成16年度の県政を進める際の考え方等について申し上げます。
 まず、「重点実施項目の着実な推進」についてであります。
 昨年6月に、今後の4年間に、佐賀県として重点的かつ集中的に取り組むべき事項として「重点実施項目」を定め、県民との約束としてその推進に努めているところでありますが、平成16年度は、それぞれの進捗に応じて、次の一手を講じてまいります。
 具体的には、新たに、地域経済の活性化及び雇用対策のための全国初となる複数県連携によるローン担保証券融資制度の創設をはじめ、県民協働を推進する環境整備としてのNPO活動拠点の整備やNPOの自主的・主体的活動に対する支援制度の創設等を実施することとしております。
 これにより、49項目のうち44の項目について取組に着手したことになりますが、まだまだ道半ばであります。「知恵は無限」をモットーに、県民から高い評価がいただけるよう推進に努め、進捗状況も含めて県民の皆さんに常にお示ししてまいります。
 一方で、人口の減少、経済の成熟化など、我が国の社会構造が縮小へと向かわんとする歴史的転換点にある今、逼迫する財政状況の中にあっても、佐賀県として将来にわたって社会経済の豊かさや健全性を維持するための戦略を、他の地域に先んじて構築し、それを実行していくことが必要であります。
 すなわち、この佐賀県が、新たな視点に立ち、九州北部の中で、さらには、日本、アジアの中で個性を発揮しながら、その存在感と一定の役割を果たしていくことこそが、将来にわたる佐賀県の物心両面の豊かさの基盤となるものと認識しています。
 この佐賀県の県民が、そしてそれぞれの地域が個性を発揮しながら、互いに協働することによって佐賀ならではの良さや豊かさを共有し、ひいては、佐賀であることの誇りと自信を育んでいけるような戦略的な施策の展開も図っていく必要があります。
 具体的には、平成16年度においては、

・心安らぐ田園風景や歴史的街並みなど「美しい景観づくり」や充実した佐賀の暮らしを提案する「定住促進へのギアチェンジ」

・今後大きな成長が見込まれる「デジタルコンテンツ産業の育成、誘致への取組」や産業としての農業を強化するための「戦略的な農産物販売と海外へ輸出できる農産物づくり」

などの取組に着手することとしました。
 しかしながら、これらの施策は、佐賀県の進むべき方向として完成されたものではなく、あくまで「端緒」であり、今後、県議会の議員の皆様や県民の皆様のご意見をお伺いしながら、さらに幅を広げ、また内容を深化させていきたいと考えているところであります。
 昨年4月に知事に就任して以来、私は、県民一人ひとりの声を聞き、これを県政に反映していくことこそが、県政運営の最終目標である県民満足度の向上のための最善の方法との信念から、「オープン」であること、「現場」に立脚すること、そして県民の皆様とともに歩む「県民協働」であること、この3三つを県政運営のキーワードに掲げ、若さを実行力に変えて、私の全能力を傾注して県政に取り組んでまいりました。
 知事就任以来、私自身が現地を訪問し「知事とかたろうかい」等の県民との対話を進めておりますが、そこでは若者の雇用問題や子育て支援など、県庁という役所の論理とは違った、個々具体的な意見や提案をお聞きしております。また、県民の皆様は、県政に注目し、かつ、期待していただいているとの感を強くしております。そのような県民の皆様のご期待をしっかりと受け止め、これに応えていく必要があると認識しております。
 このため、平成16年度当初予算案においては、「知事とかたろうかい」で出された「県の働きかけで学童保育を全市町村で実施してほしい。」とのご提案を受け、平成18年度末には県下の全ての小学校区で放課後児童クラブを実施することを目標に、県独自の補助制度を創設したところであります。また、「難病患者を長期に受け入れる病院が遠くにしかなく困っている。」とのご意見に対応して、難病患者やご家族に対して、療養や日常生活上の悩みや不安の相談に応じる「難病相談・支援センター(仮称)」を設置することとしたところであります。
 今後とも、このような県民の皆様のご提案の中で、可能なものは直ちに実行に移すスピード感のある施策の展開に努め、県民の満足度を測りながら、これを向上させるよう、全力で取り組んでまいります。
 また、私は、3つのキーワードを一層、具体的な場面に深く浸透させるためには、「自らの目で見て、自らの頭で考え、自らの言葉で訴え、そして自らの足で行動する」県庁に変えていくことが必要と考えております。
 さらに、これからの県庁は、多様化する県民ニーズへの対応、新しい行政課題への対応、成熟化時代・分権時代の行財政環境への対応など、時代変化に対応することは言うまでもなく、むしろ時代に先んじたものとすることが求められます。
 そこで、全国的にも引けを取らない水準を維持してきた行政能力や比較的健全な財政状況などを活かしながら、

・目標(ビジョン)と戦略に基づく経営能力を高めつつ、人や予算といった限られた経営資源を効果的に配分する「政策形成過程の見直し」

・職員一人ひとりの意欲と能力を高め、県行政を進めるための「職員意識の改革」

・意思決定過程の簡素化や事務の効率化などを総合的に推進する「業務改善」

・新しい課題に的確に対応し、県民の視点に立った行政展開を行うための「組織改革」

を実行するなど、県庁改革を集中して実施していく必要があると認識しており、平成16年度において大幅な組織改革に取り組むこととしております。
 具体的には、部の組織を国の組織や法律等の枠組みを基本とした「縦割り組織」から、生活者を起点とした「横割り組織」に再編するとともに、「管理型」の組織から「経営型」の組織への進化を目指して、各部門に予算や人員の配分に関する一定の権限委譲を行い、各部門の判断と責任において積極的に部門経営を行うことができる体制に改めることとし、現在の6部を6本部に再編する「佐賀県本部設置条例(案)」を別途、提案しているところであります。 
 続きまして、当面の懸案事項に対する対処方針について申し上げます。
 まず、県立病院好生館の移転改築問題についてであります。
県立病院好生館の移転改築問題につきましては、公共施設のあり方やまちづくりの観点、そして長年築きあげられた現地での医療提供の歴史、周辺住民の方々の好生館に対する思い入れを考え、私は好生館を何とか現地に残したいとの思いから、技術的な面を含めて、現建物の改修、現地改築又は敷地の拡張の可能性を検討してまいりました。
 まず、現建物の改修について検討しましたが、事業費が最も少額で済むという利点はあるものの、例えば、現在、診療科によっては1か月以上手術をお待ちいただいている状況を改善するための手術室の増設さえ難しく、好生館に求められる診療機能が十分発揮されるためには、現建物の改修では難しいと判断しました。
 次に、現地改築について検討しました。
 現地改築は、県民にとって長い間馴染みのある場所であることや市街地の空洞化を防ぐことができるという利点があり、また、検討の結果、技術的にも可能であるとの結論に達しました。
 しかし、現地改築は、

・工事の段階的な施行により、長期にわたって患者や周辺住民の方々に負担をかけること

・敷地が狭いことから日影規制の基準を満たすためには建物の配置や形状が制約され、患者、医療従事者にとって使い勝手の悪い建物になること

・本館改修工事、防音工事、楠の移植、立体駐車場建築工事といった特別な工事が必要になること

・日照等の面で周辺の区域に悪影響を及ぼすこと

というような問題が発生します。
 これらの問題を解消するために隣接する区域を取得して改築することも併せて検討しました。
 その場合であっても、段階的に工事を進めなければならないことには変わりがなく、住宅や商店が密集している地区であるため、多くの家屋所有者の方との話し合いが必要になり、その対応に相当な時間を要することが見込まれることとなります。
 最後に、移転改築について検討しました。
移転改築は、十分に広い敷地の確保が容易であることや、工事期間中でも好生館を利用される方々に負担をかけない、という利点がある一方、移転場所によっては、現在好生館を利用されている方々にとって行きにくくなることや市街地の空洞化に拍車をかけることとなるおそれが出てくることなどが考えられます。
 こうした、内部的検討と併せて、この問題について実施した「県立病院みんなで対話」における参加者アンケート及び県政モニターへのアンケートを合計した結果は、移転改築が53.5パーセント、現地改築が19パーセント、現施設を改修が17.1パーセントと「移転改築」を望む声が最も多くなっております。
 これまで、私自身、好生館を現地へ残したいとの思いをもって現建物の改修、現地改築を検討してまいりましたが、これらの方法は多くの問題を抱えながら事業を実施することになることや相当長い期間を要すると見込まれること、そして、議会でのご議論や県民の皆様からの声を総合的に考慮した結果、県立病院好生館については「移転して改築」せざるを得ないとの結論に達しました。
 移転先については、現在の好生館の利用状況や病院経営の面からの人口集積度を考慮して、佐賀市内と考えております。
 また、移転場所につきましては、私としては、公共施設のあり方やまちづくりの観点、さらに、市街地の空洞化を危惧する声に思いを致して、公共交通機関を利用できる市街地を第一候補とし、それが無理な場合であっても、できるだけ市街地に隣接した区域が望ましいと考えており、今後、佐賀市と協議しながら、候補地の選定を進めてまいりたいと考えております。
 次に、佐賀商工共済協同組合の破産問題についてであります。
昨年8月27日に破産宣告を受けた佐賀商工共済協同組合の破産問題につきましては、その後、12月16日に第1回債権者集会が開催され、破産管財人から破綻に至った経過等が報告されたところであります。県では、破産管財人の要請により、それまで県独自の調査は控えておりましたが、債権者集会での報告を受け、この問題に対する県の関与について事実関係を解明し、それに伴う県の責任の有無について明らかにするため、昨年12月18日に調査チームを発足し、調査を進めてきたところであります。
 調査にあたりましては、法律的な判断や経営・財務の分析等に関して、弁護士及び公認会計士の2人の顧問から専門的なご助言をいただくとともに、この問題に関わる県の関係者及び組合の関係者の協力を得て、取り組んできたところであります。
 その調査結果につきましては、去る2月15日に調査チームから最終報告がありましたが、事情聴取に基づく事実解明と数次にわたる顧問との打合せを経て、法的責任についての判断ができたものと考えており、私としても、この報告書を基本的には受け入れざるを得ないと判断し、翌16日、公表したところであります。
 この報告書においては、県として反省すべきところはあるものの、法的責任はないという判断になっておりまして、この点に関しましてはご理解を賜りたいと思います。
 これまで実施してきた被害者対策につきましては、きちんとやっていくこととしておりますが、今回の調査結果を踏まえた私の判断としては、現時点において、新たな救済策を実施することは難しいと考えているところであります。
 しかしながら、私としては、県の法的責任はないとしたこの報告書の結論を受け入れざるを得ないと思っておりますものの、被害に遭われた方々の心情を思えば、それだけで済ませるわけにはいかないという気持ちもまた、あります。
 このため、せめて、被害者の方々の痛みの一部でも私自身が感じることが県政の責任者として必要であると考え、この際、私の給料を平成16年4月から3か月間、50パーセント減額することとしたいと考えております。このために必要な条例案を提案するよう準備を進めているところであり、どうかご理解をお願いする次第であります。
 なお、県の組合指導や事務処理のあり方に関しましては、調査報告書の中で、反省すべき点があるとの指摘がなされており、これを受けまして、今後、県の組合指導のあり方を見直し、組合内部の監査体制の強化に対し一層の支援を行うとともに、県庁内部の事務処理については、この機会に改めて検証を行い、引き継いだ事項の進捗状況や新たな項目を明確にした引継ぎを義務付けるなど、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
 また、商工共済ビルにつきましては、佐賀城公園の計画区域内にあり、これまで、用地取得について調整を進めてまいりましたが、このほど、破産管財人から買い取りの申し出がありましたので、今回、所要の経費を計上しております。
 次に、平成16年度当初予算案について申し上げます。
 我が国の経済は、雇用情勢は依然として厳しいものの持ち直しの動きが見られ、企業収益の改善、設備投資の増加など、企業部門に前向きの動きが見られるなど景気は着実に回復しております。
 このような中、国の平成16年度予算につきましては、ますます悪化の度合いを増している財政状況を踏まえ、これまでの「改革断行予算」という基本路線を継続し、財政構造改革を一層推進するとともに、歳出全体にわたる徹底的な見直しを行い、一般歳出について実質的に平成15年度の水準以下に抑制されたところであります。
 特に、今回の予算編成においては、国と地方に関する「三位一体の改革」に着手し、国庫補助負担金を1兆円規模で廃止・削減するとともに、所得譲与税の創設により約4,200億円の税源移譲がなされました。これを本県にあてはめると、国庫補助負担金につきましては約31億3,000万円が削減されておりますが、そのほぼ同額の約31億5,000万円が所得譲与税等により移譲されていることから、必要な財源は確保されております。
 しかしながら、地方交付税につきましては、総額抑制方針のもと、その代替措置である臨時財政対策債と合わせて約12パーセントという、想定を大幅に上回る削減が行われており、これを本県にあてはめると、200億円を超える減額となったところであります。加えて、このことが年末になって示されたことから、本県においても、急きょ、予算編成作業を見直し、予算要求基準を再設定するなど、歳出の再削減を行ったところでありますが、それでもなお、195億円の収支不足が生じることとなり、財源調整用の基金の取り崩し等を余儀なくされたところであります。
 私は、「三位一体の改革」は、歳入、歳出面での地方の自由度を高めるためにぜひとも推進すべきと考えており、今回の改革の実施は、その目標に向かって一歩を踏み出したという意味では一定の評価をしております。しかし、今回削減された国庫補助負担金の内容を見ると、義務教育費国庫負担金の退職手当及び児童手当については地方の裁量が及ばないものであり、公共事業関係の国庫補助負担金については事業量の縮減の意味合いを持つものであります。また、今回のように、地方交付税等の削減だけが突出して行われることや、地方公共団体の毎年度の財政運営に支障が生じることがあってはならないものであります。
 このため、今後の改革においては、その全体像や、毎年度の地方財政計画の見通しなどをできる限り早い段階で明らかにすべきであると考えており、地方の意見を反映させるため、今後、全国知事会などと連携を密にし、積極的に国に提案してまいりたいと考えております。
 一方、本県経済につきましては、個人消費が低調で、企業倒産も高水準となっており、依然として厳しい面もありますが、鉱工業生産指数や雇用情勢は持ち直しの動きがあるなど、一部に明るい兆しが見られるところであります。
 このような中で、本県の財政状況につきましては、これまでの数次にわたる経済対策等の実施によって、平成15年度末の県債残高が予算規模を大きく上回る6,141億円に達する見込みであることに加え、今後税収の増加が見込まれない中、公債費が高い水準で推移し、財源不足が続くことが予想されるなど極めて厳しい状況にあります。また、今後の「三位一体の改革」の実施により、本県財政運営に大きな影響が出てくることも視野に入れておく必要があります。
 このため、当該年度の歳入に見合う歳出構造への転換を図り、収支均衡型の予算編成が可能な状況にすること、及び、将来的な公債費の増嵩を抑制するため、いわゆるプライマリーバランスを黒字基調とすることを目指して、引き続き、財政の健全化に取り組んでいく必要があります。
 一方、県を取り巻く社会経済情勢の変化や厳しさを増す財政状況を踏まえつつ、それぞれの政策課題に対して戦略を持ち、前例にとらわれない新しい施策の創造や、県民の皆様の要望や提案あるいは県民の皆様と直接接する機会が多い最前線の職員からの提案など、現場のニーズに対応するための新しい施策の展開、さらには県と県民の皆様がともに公益の実現を図る「県民協働」による施策の展開が必要であります。
 このため、平成16年度の予算編成にあたっては、「あれも、これも」から「あれか、これか」の事業の厳しい選択と見直しを行っていくとともに、納税者、生活者の視点から、職員一人ひとりの意識改革と徹底した行財政改革を進め、限られた財源の重点的、効率的配分を行う一方で、

・県と県民との約束である「重点実施項目」関連施策への予算の重点化や、
・公共事業の投資効果の早期発現を目指した継続箇所への予算の集中化

など「事業の厳しい選択と見直し」をキーワードとして予算編成を行ったところであります。
 この結果、平成16年度当初予算案の総額は、歳入歳出とも、それぞれ、

    一般会計      4,385億        円 
    特別会計   約   206億 3,000万円 

となっており、一般会計におきましては、前年度6月現計予算と比較しますと、マイナス2.8パーセントと、4年連続の減となっております。
 また、公債費や地方消費税の清算金支出等を除いた一般歳出では、4.7パーセントの減となっております。
 なお、公共事業につきましては、国の予算や地方財政計画において事業費が大幅に削減されたことを踏まえ、国の認証見込額約545億3,800万円を計上するとともに、県単独事業につきましては、約427億1,300万円を計上しております。
 以下、予算案の主な内容について、佐賀県総合計画の基本方向に沿って申し上げます。

 第1は、『のびやかに育つ人』についてであります。
 まず、教育の充実につきましては、学校教育の活性化を図るため、県内の全ての公立小学校、中学校、高等学校及び特殊教育諸学校の教育活動について、学校別に評価を行い、その結果を公表する「学校評価」の取組に着手することとしております。
 また、児童生徒が佐賀の良さを実感し、佐賀を誇りに思う気持ちを育てるため、小中学校を通して、農林水産業や地場産業の体験活動を実施することとしました。
さらに、学習障害や高機能自閉症等のいわゆる軽度発達障害に関して、小中学校の全教職員の理解を深めるとともに、児童生徒への教育的な支援を行う体制を整備するなど、特別支援教育の実施に向けた取組に着手することとしております。
 県立高等学校における教育の情報化につきましては、授業でコンピュータやインターネット等を活用できるよう、パソコン等の機器を整備することとしました。
 このほか、県立高等学校の再編整備につきましては、幅広い県民に関係する重要な問題であることから、多くの県民の理解と納得が得られるよう、県民に対して十分な情報提供と説明を行いながら推進していくこととしました。
 多様なニーズに応える生涯学習の環境づくりにつきましては、日本一の図書館先進県を目指し、平成16年度は、その第一歩の取組として、県民の生活様式の多様化に対応し、祝日にも開館するなど「年間の開館時間日本一」を実現することとしました。
 青少年の育成につきましては、国際的な視野で発想・思考・行動できる人材を育成するため、高校生を日本の次世代リーダー養成塾に参加させることとしております。
 次に、多彩な文化の振興と伝統文化の継承について申し上げます。
 「佐賀城本丸歴史館(仮称)」につきましては、平成16年8月1日の開館に向け、引き続き来館者受入れ等所要の準備業務を行うとともに、県民協働を進めながら、佐賀の歴史や文化の情報及び観光面や県のイメージを発信する拠点としての活用を図っていくこととしております。
 また、博物館等の文化施設における特別企画展として、県立博物館では「よみがえるあかばねとう赤羽刀」展を、九州陶磁文化館では「初期伊万里展―染付と色絵の誕生―」を開催することとしました。
 スポーツの振興につきましては、平成19年夏の「全国高等学校総合体育大会佐賀大会」開催に向けた体制を強化し、諸準備業務を促進するとともに、全国規模のスポーツ大会が開催できるよう公認スポーツ施設としての総合運動場等の整備を行うこととしております。

 第2は『安心できる生活』についてであります。
 はじめに、誰もが安心できる活力ある福祉社会の形成について申し上げます。
 高齢者福祉の充実につきましては、地域に密着した多様できめ細かい福祉サービスの充実が図られるよう、NPOが行う宅老所の一層の開設促進を図ることとしております。
 介護保険につきましては、介護サービスの質の向上を図るため、痴呆性グループホームに対する外部評価機関の体制づくりを支援するほか、特別養護老人ホームの整備に助成するなど介護サービス基盤の整備を推進することとしました。
 児童福祉の向上につきましては、生活指導を要する児童の自立支援機能の強化を図るため、「虹の松原学園」の寮舎を改築することとしております。
 少子社会対策につきましては、社会全体で子育てを支援するための指針となる「佐賀県次世代育成支援行動計画」を策定するとともに、育児の社会化の視点から、育児費用を社会全体で支援する「育児保険制度」について研究することとしました。
 また、県内どこにいても仕事と子育てが両立できるよう、保育所入所の待機児童ゼロを目指し、引き続いて保育所の整備を促進することとしたほか、延長保育、休日保育等多様な保育サービスの充実を図るとともに、小学校低学年等を対象とした放課後児童クラブの設置を促進することとしております。
 障害者福祉の充実につきましては、障害者が地域において自立した生活ができるよう、宅老所が少人数の障害者を受け入れた場合に助成することとしたほか、障害者に一定期間グループホーム生活を体験させ、地域生活への移行の円滑化を図ることとしております。
 また、障害者の自立と社会参加を促進するために、福祉用具に関する相談、研究開発、情報提供等を一貫して行う支援機能(テクノエイドセンター)の整備に向け、産、学、官の連携により、本県の実情に最も適したあり方の検討を行うこととしました。
 男女共同参画社会の形成につきましては、アジア地域の女性リーダーとの議論を通じて、男女共同参画社会の実現を促進するため、「佐賀アジア女性フォーラム2004」を開催することとしております。
 また、女性に対する暴力の被害者が増加していることから、被害者支援関係機関の連携を強化するとともに、被害者の支援及び被害根絶のための総合対策を実施する「DV総合対策センター(仮称)」を設置することとしました。
 続きまして、健康を守る社会の形成について申し上げます。
 女性が抱える様々な健康上の悩みに対し、気軽に相談できる場や情報の提供を行うことにより、生涯にわたる女性の健康づくりを支援することとしております。
 また、地域で生活する難病患者等の日常生活における相談支援、地域交流活動の促進及び就業支援などを行う拠点として「難病相談・支援センター(仮称)」を整備することとしました。
 小児医療の充実につきましては、小児専門医が不足する中、小児救急医療の充実策として、適切な受診を促すための患者家族への啓発や夜間の専門電話相談窓口の設置、一般内科医に対する小児救急医療の研修等、医療の提供と受け手双方に対する総合的な対策を講じることとしております。
 また、小児医療体制が十分でない地域に対して、中核となる医療機関の診療体制の整備に向けた地域の取組を支援するほか、小児専門医の安定的な育成、確保を図るため、自治医科大学卒業生を活用することとしました。
 次に、安全な暮らしの確保について申し上げます。
 交通安全対策につきましては、県民に不安を与える暴走族の徹底取締りのため、総合的な対策に取り組むこととし、条例案の審議をお願いしております。
 また、我が国が武力攻撃を受けた場合の対処方針等を定めた武力攻撃事態対処法など有事関連3法が施行されたことに伴い、県が作成することとなる国民保護計画等への県民理解を促進するため、国民保護フォーラムを開催することとしました。
 消費生活の安定向上につきましては、消費生活相談が増加・複雑化していることを踏まえ、消費生活センターの相談業務をNPOに委託し、その専門性や柔軟性、ネットワークを活用することにより、県民サービスの充実を図ることとしました。
 続きまして、環境への負荷の少ない循環型社会の形成について申し上げます。
 まず、地球温暖化防止対策を推進するため、環境先進県づくりの一環として、地方分権研究会の共同プロジェクトである二酸化炭素排出権の模擬取引実験に参加することとしております。
 また、県民・事業者・行政が一体となった地球温暖化防止対策を推進するため、夏の軽装促進運動など、環境保全のための県民運動を積極的に展開するとともに、県内事業所における温暖化防止のモデル事業に助成するなど、産業・運輸・民生部門における施策を先駆的に取り組むこととしました。
 太陽光発電等の新エネルギーの導入促進につきましては、都道府県では全国初となる「佐賀県新エネルギー導入促進宣言」の採択を行うとともに、公共施設への導入をはじめ、産業の育成、雇用の創出も視野に入れた新エネルギー施策に取り組むこととしております。

 第3は『さかんになる交流』についてであります。
 国際交流の推進につきましては、本県と地理的に近く、歴史的・文化的・経済的に密接な関係を有するアジア地域との交流を促進することとしているところですが、今回、中国貴州省へ訪問団を派遣し、今後の交流や協力についてのトップ間による意見交換を行うこととしております。
 また、草の根レベルにおける国際協力を促進するため、民間国際交流団体が行う海外への支援物資輸送に対し、財団法人佐賀県国際交流協会を通じて支援することとしました。
 次に、高度情報社会の形成につきましては、行政の情報化を推進するため、佐賀県高度情報通信基幹網を利用した行政情報、防災情報等の通信基盤となる公共ネットワークを整備するとともに、県民サービスの向上や行政事務の効率化・高度化を図るために現在進めている「電子県庁」構築の一環として、新たに警察行政についても、申請、届出等の行政手続をインターネット上で行えるよう電子化することとしました。
 情報通信基盤の整備につきましては、高速インターネット利用可能世帯90パーセントを目指し、民間通信事業者によるサービスの提供が見込めない市町村におけるADSLの導入を促進するため、必要な設備の整備に助成することとしております。
 続きまして、交流をひろげる交通ネットワークの形成について申し上げます。
 まず、有明佐賀空港の振興につきましては、さらなる利用促進を図り、増便の実現等に結び付けていくとともに、福岡空港等との連携を推進していくことが重要であることから、行政と民間が一体となって、広域的な集客支援対策やアクセスの利便性向上対策に重点的に取り組むこととしております。
 また、県政の発展に欠かせない産業活動や、特性を活かした地域づくりを支援するため、県内幹線道路網の基軸となる西九州自動車道や有明海沿岸道路の整備を推進するとともに、佐賀唐津道路のうち多久佐賀間の早期事業化を図るため、環境影響評価調査等を実施することとしました。
 さらに、空港・港湾等の交通拠点や県内の各地域間を結び、広域高速交通網と一体となった県内幹線道路網を構築する国道498号や県道東与賀佐賀線等の幹線道路網の整備を推進することとしております。
 次に、参加と連携による分権型社会の形成について申し上げます。
 まず、多くの県民の積極的な参画と、県と県民との協働のもとに、創造的でアイデアに満ちた県民の活動が活発に展開される環境を醸成するため、ボランティア団体、自治会、婦人会やNPOなどの市民社会組織(いわゆるCSO)による自主的・自立的な活動に対し助成するとともに、商店街の空き店舗などを活用したNPO活動の拠点整備に対し助成することとしております。
 また、佐賀のよさを残す佐賀らしい原風景を将来にわたって守り育て、活用していくため、その保存や再生・活用についての基本方針をNPOと行政が協働して策定するとともに、農山村や歴史的街並みなどを「佐賀の美しい景観」として選定することとしました。
 さらに、有明海の環境保全という共通課題を抱える有明海沿岸地域が、人、モノ、情報の交流を拡大し、より緊密な関係づくりを進めるとともに、福岡都市圏との連携・補完関係を強化し、九州北部地域全体が共に発展する気運を盛り上げるため、NPO等と協力し、シンポジウムや福岡市内でのイベントを開催することとしております。
 このほか、市町村合併につきましては、平成16年度が合併特例法の最終年度であることを踏まえ、各地区における合併に向けた自主的な取組が順調に推移し、新しい市や町の立ち上げが円滑に行われるよう、関係市町村等に対する支援を積極的に行うこととしております。

 第4は『はつらつとした産業』についてであります。
 はじめに、「食」と「くらし」を支える農業・農村の振興について申し上げます。
 今日の農業を取り巻く情勢は、担い手の減少や米政策改革への対応、さらにはWTO農業交渉等に見られる外国からの輸出攻勢の強まりなど大きく変貌しております。また、健康や安全、環境などへの関心が高まる中、消費者からはより安全で安心な農産物の供給が強く求められております。
 このような変化に的確に対処し、本県農業を持続的に発展させていくため、消費者の視点を一層重視し、「作る」農業から「売る」農業への転換を図るとともに、意欲的な「農業経営者」づくりや競争力のある「さがブランド」づくり、さらには、活力のある「むら」づくりを推進することとしました。
 まず、意欲的な「農業経営者」づくりにつきましては、新たな米政策に対応し、水田農業の担い手の明確化と育成を図るため、個別大規模農家や経営を一体化した集落型経営体への農地・農作業の利用集積を促進するとともに、低コストで効率的な経営の確立に必要な施設・機械等の整備に対して助成することとしております。
 また、農業分野や農村地域でのIT活用を図るため、農業者の情報利活用能力の向上や農業経営におけるIT活用を推進することとしております。
 さらに、競争力のある収益性の高い園芸農業経営の確立に向け、本県園芸農業を担うプロ農業者を育成するため、高品質化、低コスト化、規模拡大等に必要な施設・機械等の整備に対して助成することとしました。
 次に、競争力のある「さがブランド」づくりにつきましては、消費者が求めるより安全で安心な米・麦・大豆・園芸作物の生産拡大と環境にやさしい農業の推進に向け、有機栽培や特別栽培、エコ農業などの取組を拡大するために必要な施設・機械等の整備に対して助成することとしました。
 また、民間ノウハウを活用した生産と流通の連携に基づく戦略的な流通販売対策の構築に向けた検討に着手することとしております。
 さらに、佐賀農業を海外からの農産物攻勢に対する「守り」から「攻め」の姿勢へ転じるため、県内での輸出気運を醸成するとともに、経済成長の著しい中国沿岸地域を対象に、現地での販売活動や買受人の招へい等を行い、県産農産物の輸出を促進することとしました。
 なお、消費者の安全で安心な農産物へのニーズに対応し、有機栽培等により生産された農産物の販路拡大を図るため、有機農産物等のPRを推進するとともに、営農集団等が行う販売促進活動に対し支援することとしております。
 畜産につきましては、消費者が求める高品質で安全・安心な畜産物の生産拡大により、佐賀産畜産物の銘柄を確立するため、肥育素牛や粗飼料の自給力の強化に必要な施設・機械等の整備に対して助成することとしております。
 また、農業生産基盤の整備につきましては、引き続き生産力の維持、強化に向けた整備を計画的に実施することとしております。
 次に、活力のある「むら」づくりにつきましては、中山間地域における農業を中心とした地域の活性化や居住環境の整備等を図るため、「里地棚田保全整備事業」や「中山間地域総合整備事業」等を引き続き実施することとしました。
 また、県内の各地域における棚田保全に対する地元住民の気運を高めるとともに、広く県民に環境保全や食料生産など、棚田の持つ機能の重要性をアピールするため、本年9月に本県で開催される「全国棚田サミット」の開催に対して助成することとしております。
 続きまして、健全な森林を守り育てる林業の振興について申し上げます。
森林・林業につきましては、今年度策定した「新しい佐賀のもり森林づくりビジョン」において、森林を県民の財産として、「環境を育むもり森林づくり」、「県民協働」、「森林資源の持続的利用」の3つの基本方向のもと、施策を展開していくこととしております。
 環境を育むもり森林づくりにつきましては、森林の有する公益的機能を高度に発揮するため、森林所有者に代わって公的に管理することを含め、もり森林づくりの方策を検討するための調査を行うこととしました。
 また、多様なもり森林づくりを推進するため、県民協働により、今後、10年間で100万本を目標に、広葉樹の植林を行う「こだまのもり森林づくり」に取り組むこととしております。
 さらに、県産木材の需要の拡大を図るため、集成材など新たな用途のための加工システムの整備等、木材の安定的な供給体制の整備に対して助成することとしております。
 次に、豊かな海が育てる力強い水産業の振興について申し上げます。
つくり育てる漁業の推進につきましては、玄海地域において水産資源の維持増大を図るため、引き続き、魚介類の産卵・育成の場であるアラメの藻場造成などに取り組むとともに、新たにアマモの藻場造成に取り組むこととしております。
 また、有明海再生の一環として、漁場環境の改善のため、引き続き、海底の耕うんや清掃を実施するとともに、タイラギ等二枚貝の食害の原因となっているナルトビエイの本格的な駆除に取り組むこととしました。
 さらに、ノリ漁家の経営の安定を図るため、ノリ協業化を引き続き推進することとしております。
 流通・加工体制の整備と消費の拡大につきましては、玄海地区における水産物の販売力向上を図るため、流通、販売対策を強化するとともに、新たに、消費者の食の安全・安心に対する関心の高まりに対応して、養殖魚介類の生産履歴情報を一元管理する体制の整備に取り組むこととしております。
 続きまして、新世紀を切り開く戦略的な産業振興について申し上げます。
 まず、地域産業の高度化や新産業の創出などを図るため整備を進めております九州シンクロトロン光研究センターにつきましては、来年3月の供用開始に向けて、施設の心臓部である光源装置及び企業・大学等に広く利用してもらうための光源利用実験装置(ビームライン)を完成させ、調整・試運転を行うとともに、利用促進に向けた取組を強力に展開していくこととしております。
 また、新産業の創出につきましては、県内企業の新事業・新分野への展開を促進するため、ベンチャー企業などが実施する有望な事業を発掘し、必要な資金を供給するとともに、健全な成長発展に向けた育成支援を行う投資事業組合を設置することとし、参画する財団法人佐賀県地域産業支援センターに対して助成することとしました。
 このほか、本格的なデジタル化時代を迎え、デジタルコンテンツ分野における文化を育むとともに、新産業や雇用を創出するため、ショートムービーの制作や佐賀の風物の映像化など、「アジアのハリウッド構想」を具体化するための県民協働による取組を進めることとしております。
 企業誘致につきましては、雇用創出や地域経済の活性化を図るため、立地実現に向けて積極的に取り組んでいるところでありますが、さらに一層の誘致推進を図るため、首都圏を重点に企業誘致の体制を強化するとともに、新たに民間の人材を最大限に活用しながら、企業の立地動向等の情報収集や誘致活動を強力に展開していくこととしました。
 産業立地環境の整備につきましては、都市機能及び物流機能の向上による地域経済の活性化を図るため、九州のみならずアジアを視野に入れた広域的・国際的な物流拠点として鳥栖流通業務団地の整備を進めているところでありますが、平成16年度から、実施設計、用地買収、造成工事等に着手することとしております。

 次に、活力ある地域産業の振興について申し上げます。
 現下の経済情勢に加え、消費者ニーズの多様化、産地の低迷など地域産業を 取り巻く環境は極めて厳しい状況にあり、中小企業の経営基盤の強化、個性を活かした産地の振興等が必要となっております。
 そこで、県制度金融につきましては、厳しい経営環境の中、経営の合理化や安定強化等に取り組む中小企業者に対する資金調達の円滑化を図るため、資金需要に十分対応できる新規融資枠の確保、貸付けの種類の統合等による利用しやすい制度への改正を行うとともに、県信用保証協会における保証承諾が積極的に行われるよう、損失補償制度の拡充を行うこととしております。
 また、中小企業の設備投資意欲を奮い起こすことにより、県内にも明るい兆しが見えはじめた景気回復の足取りをより確かなものにするため、県、県信用保証協会、県内金融機関が連携して設備投資に対する融資を行う「設備投資支援資金〝アタック〟」を創設することとしました。
 さらに、中小企業における資金調達の多様化を図るため、宮城県、和歌山県、鳥取県と本県という地理的に離れた四県が連携した全国初の取組となる「複数県連携型CLO(ローン担保証券)融資」を実施し、無担保・第三者保証人不要の資金を供給することとしております。
 また、県内中小企業が開発した優れた製品等を県の機関が試験的に発注し、有用性を評価していく「トライアル発注」を昨年に引き続いて実施することとしました。
 魅力ある商業の振興につきましては、商店街における景観形成施設の整備に主体的、意欲的に取り組む商業者グループに対して助成するとともに、エスプラッツを核とする佐賀市中心市街地のまちづくりを推進するため、専任の職員を配置する佐賀商工会議所に対して必要な支援を行うこととしております。
 観光県〝さが〟の推進につきましては、魅力ある観光地づくりを推進するため、官民一体となった「観光さが魅力アップキャンペーン」を実施するとともに、これらの事業展開を担っていく県観光連盟の体制を強化していくこととしました。
 また、今年8月に開館し、今後佐賀の観光の拠点となる「佐賀城本丸歴史館(仮称)」を活用した観光客の誘致を図るためのPR活動に取り組むこととしております。
 続きまして、充実した就労環境の整備について申し上げます。
 本県の雇用情勢は、有効求人倍率が上向くなど持ち直しの動きがあるものの、全国の率をかなり下回って推移しているなど、依然として厳しいものがあり、「1万人雇用創出計画」の達成に向けて、積極的に取り組んでいく必要があります。
 このため、引き続き「佐賀県緊急雇用創出基金」を活用した緊急かつ臨時的な雇用・就業機会の創出に取り組むほか、雇用環境の厳しい若年者につきましては、若年者を一人前の職業人に育て、職場への定着を図るため、若年者向けの実践的な職業能力開発の仕組みとして、企業実習と一体となった職業訓練を実施することとしております。また、学卒の未就職者や早期離転職者などの若年求職者が職業意識や職業能力の形成を的確に行えるよう、職業意識啓発セミナーを実施することとしております。
 障害者の雇用の推進につきましては、厳しい雇用環境にある障害者の就業を支援するため、就業に関する相談・情報提供、職場実習のあっせん等を行う「働くチャレンジドサポート事業」を実施するほか、障害者が地域の中で自立して、安定した生活を営めるよう障害者の就労促進を図るため、身体障害者のIT訓練を行うなど、障害者の能力、適性及び地域の障害者雇用ニーズに対応した実践的な職業能力の開発を実施することとしています。
 労働環境の整備につきましては、育児休業の取得を希望する労働者と事業主を支援するため、代替要員に関する職業紹介事業を行うとともに、労働者・事業主の双方が抱える諸問題の解決を図るためのアドバイザーを派遣することとしております。
 また、子どもを持つ労働者が働きやすい環境をつくるため、小規模な事業所内保育施設の設置に対して助成することとしました。

 第5は『暮らしを支える県土』についてであります。
 治水につきましては、地域住民が主体となり、身近な川を対象に自然豊かな水辺空間を取り戻す河川環境の整備に取り組むこととしたほか、鳥栖市の西田川の河川改修に着手することとしております。
 また、長引く景気低迷と公共投資の削減により厳しい経営環境にある建設業の構造改革に向けた緊急対策として、建設業再生プログラムの策定、経営者セミナーの開催等を行い、建設業の経営の合理化、新分野進出などが図られるよう支援することとしております。
 自然環境の保全とうるおいのある空間の創造につきましては、鹿児島県出水地方に集中して越冬しているナベヅル等の分散化を図るため、伊万里市が長浜干拓において実施するツルの保護対策に対して助成することとしました。
 また、生きた化石として学術的にも貴重なカブトガニが激減していることから、ボランティアによる増殖活動を支援することとしております
 次に、その他の事項について申し上げます。
複雑・多様化する県民ニーズに的確に対応するため、人事評価や人材育成のための職員能力開発モデル(コンピテンシーモデル)を開発し、職員の育成に活用することとしております。
 以上、平成16年度当初予算案の主な内容についてご説明申し上げましたが、これに対する一般会計の歳入財源としましては、

   県税               732億 1,800万円 
   地方消費税清算金       175億 6,900万円 
   地方譲与税            32億 3,400万円 
   地方交付税      約 1,358億 2,700万円 
   国庫支出金      約   778億   400万円 
   繰入金         約   209億 6,000万円 
   諸収入         約   227億 3,100万円 
   県債               692億 3,200万円 
   その他         約   179億 2,500万円 
   計               4,385億        円 

となっております。
 このうち、県税につきましては、最近における経済の動向、過去の実績等を総合的に勘案するとともに、平成16年度地方税制改正案に係る増減収額を考慮して計上しております。
 地方交付税につきましては、地方財政計画等をもとに、現段階で見込み得る額を基礎において、所要額を計上するとともに、県債につきましても、国の地方債計画等をもとに、今回計上する事業費の財源として所要額を計上しております。
 なお、「三位一体の改革」に伴う税源移譲として、所得譲与税が創設され、また、義務教育費国庫負担金のうち退職手当、児童手当に係るものについては、税源移譲予定特例交付金として財源措置されたところであります。
 次に、企業会計として運営しております県立病院好生館につきましては、収益的支出約106億4300万円、資本的支出約13億3,900万円となっており、これに対し、一般会計から約17億3,300万円を繰り出すこととしております。
 工業用水道につきましては、収益的支出約4億7,400万円、資本的支出約9,200万円となっております。
 次に、予算外議案としましては、条例案として「佐賀県職員定数条例の一部を改正する条例(案)」など23件、条例外議案として「佐賀県道路公社定款の一部変更に対する同意について」など3件、あわせて26件となっております。
 これらの議案につきましては、それぞれ提案理由を記載しておりますので、説明を省略させていただきます。
 以上、今回提案しました議案についてご説明申し上げましたが、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。


 
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