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去る2月19日、鹿島市選出の乗田寿県議会議員が、公職選挙法第200条2項の「特定寄付の禁止」に違反した疑いということで、佐賀県警などに逮捕された。県発注の公共事業を請け負った建設業者から、前回の県議会議員選挙の直前にあたる平成11年3月中旬に、数十万円の寄付を受けたという容疑とされている。
言うまでもなく、そこで動いた金は、本来、県民・国民の税金であり、寄付という形を取りながら、その実は贈収賄と同じである。
これは、いま国会で大問題となっている鈴木宗男衆議院議員にかけられている犯罪疑惑と本質的には同じである。国民、県民はこうした政治家、官僚、実業家の癒着によって起こる腐敗政治の一日も早い一掃と、公正で清潔な政治の実現を願っており、乗田県議は自ら辞職すべきである。また、本人に辞職の意思がないのであれば、県議会として辞職勧告を行なうべきである。
ところが、新聞報道によれば、21日に開かれた県議会運営委員会は、「逮捕容疑に対する本人の受け止め方を聞いておらず、捜査の推移を見守ったうえで、適切に判断する」とされている。それから本日まで、十日以上経過した。この間、「本人の受け止め方」を議会として聞かれたのであろうか。また、「捜査の推移」 とは、送検、起訴、判決 (一審ないしは確定)などの各段階のどれかを指しているものと思われるが、それがなにを指すのか私たち一般県民にはうかがい知ることができず、あいまいな態度だと感ぜざるをえない。そして、あいまいな態度は、不正・不法・腐敗・堕落のこのような汚職事件に対する政治的・道義的責任感のあいまいさに由来するものではないかと、私は憂慮するものである。
汚職事件を断じて許さないとの県議会の明確な決意を、県民の前に表明していただきたい。
「捜査の推移を見守る」という他人任せの姿勢を捨てて、積極的に行動していただきたい。その願いをこめてここに請願する。乗田議員に対する辞職勧告決議を可決していただきたい。
平成14年3月6日
佐賀県議会議長 宮 原 岩 政 様
紹介議員 武 藤 明 美
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