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「核兵器をつくらず、もたず、もちこませず」という非核三原則の厳守は、世界で唯一の被爆国である日本国民の切なる願いである。この三原則は1967年12月、当時の佐藤内閣が沖縄返還問題をめぐって、国民の「核持ち込み反対」の世論に押されて初めて口にし、後に国会で決議され、歴代政府もこれを「国是」としてきた。
しかし、各種の情報からアメリカの核兵器を積んだ航空機や艦艇が日本国内の米軍基地や空港、港湾に自由に出入りしているのではないかと、多くの国民が疑念を抱いてきた。これに対して、歴代政府は「そのさいはアメリカから事前協議があることになっている。それがないのは核が持ち込まれていない証拠」と繰り返し説明してきた。
ところが、最近公開されたアメリカ政府の公式文書に、日米両政府の間で核兵器持ち込みに関する秘密の取り決めのあることが、国会の論議を通じて明らかになった。1960年の「安保条約」改定の際の、「密約」の文書の全容が示され、そこには「核兵器をつんだ航空機や艦艇の出入りは、事前協議の対象としない」とはっきり書いてあった。
歴代政府が「非核三原則」を蹂躙し、40年もの間、国民をだまし続けてきたことが明瞭になった。国民にとり絶対に納得できないことである。また、被爆国日本が、核戦争の前線基地になっているということと、昨年の「周辺事態法」の成立を会わせ考えるならわが国の国民の安全と国家主権にかかわる危機的状態が引き起こされているということであり、即刻の打開が必要であると考える。
よって、佐賀県議会が核兵器廃絶と非核三原則の厳守を求める立場から、政府に対し、「核密約」の真相公表と「密約」の破棄を求める意見書を全会一致採択し、提出するよう、請願する。
平成12年7月3日
佐賀県議会議長 宮 原 岩 政 様
紹介議員 武 藤 明 美
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