農薬マラチオンについて
有機リン系の殺虫剤で、穀類、野菜、果実等に使用され、国内では農薬取締法に基づき使用が認められています。(別名マラソン)。米、野菜等の作物毎に残留基準が設定されています。
マラチオンの毒性について
国際機関(FAO/WHO合同残留農薬専門家会議)において評価がなされ、一日摂取許容量(ADI) 0.3mg/kg体重/日及び急性参照用量(ARfD)2mg/kg体重/日が設定されています。
ADI:毎日食べ続けても健康に影響が生じないと推定される1日当たりの量。
ARfD:24時間またはそれより短時間に経口摂取しても、健康に悪影響が生じないと推定される1日当たりの量。
ADI及びARfDは動物実験等の結果をもとに、動物とヒトとの差や、個人差(子供や妊婦などへの影響を含めて)を考慮して設定されています。
マラチオンによる中毒症状としては、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、唾液分泌過多、発汗過多、軽い縮瞳などがあります。
今回マラチオンが検出された食品について
(1)アクリフーズが記者会見で発表したように、マラチオンを15,000ppm(15mg/g食品)含有する食品の場合、体重60kgの人が、当該食品を8gを超えて摂取するとARfDを超過します。
2mg/kg体重×60kg=120mg (ARfDに相当するマラチオン摂取量)
120mg÷15mg/g食品=8g(コロッケ1個(22g)の場合、約1/3個)
(2)また、同様に、マラチオンを2,200ppm含有する食品の場合、体重60kgの人が、当該食品を約55gを超えて摂取するとARfDを超過します。(ピザ1枚(93g)の場合、約1/2個)
ARfD(急性参照容量)は24時間またはそれより短時間に摂取される農薬の限界量として国際的に用いられていますが、安全側に立って設定されており、これを超えたとしても必ずしも健康に影響が生じるわけではありません。
回収対象の食品を購入した場合の対処について
(1)家庭内等で回収対象の食品を見つけた場合は、食べずに返品してください。
(2)誤って、回収対象の食品を摂取し、吐き気、腹痛などを生じた場合には、速やかに医療機関に受診してください。また、住所地を管轄する県内保健福祉事務所にご連絡をいただくようお願いします(連絡先は別紙参照)。
※別紙(県内保健福祉事務所一覧)