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請第1号請願(平成30年2月定例会)

最終更新日:

議案等の審議結果


平成30年2月定例県議会 

請願と採決状況


請第1号

不採択

 

 

 住民の理解は得られていません 玄海原発の再稼働を認めないことを求める請願書


請願趣旨

【趣旨】

  九州電力は、去る2月20日、玄海原発3号機の核燃料装填を終了、報道によると3月23日にも再稼働かと言われている。山口知事は、「住民の理解が得られた場合には、再稼働はやむを得ない」と発言してきた。その住民の理解は、どうやって得られたのであろうか。

 私たちは、2006年から玄海町はじめ各地の住民へ広報活動をしている。「これまで九電からの説明やチラシしかなかった。」と、私たちの情報を知り、初めて知る事実に驚く住民が多くいて、原発再稼働に理解・納得していない県民がたくさんいることを確信した。また、私たちも県民として、「東京電力福島第一原発事故を学ぶべきだ。」「重大事故が再び起きる可能性が少しでもあれば、それが国策であろうと住民を守るために原発は止めてください。」と、原発を憂慮する専門家の根拠も提示して、知事や佐賀県議会に対してこれまで幾度となく要請してきたが、県議会は2017年4月13日に「再稼働容認決議」を可決、知事は2017年4月24日に「県議会決議を極めて重く受け止める」として、住民の理解は得られないまま再稼働に同意した。これは、住民の意見を無視する人権蹂躙というほかない。

 以下、各地を訪問して住民から聞いた話の一部を述べる。

 

(1)唐津市肥前町(2018年1月31日)

 「原発、怖かよ」「事故になったら戻ってこれんもんね」「原発のほうから風が吹いてくる。事故になったらひとたまりもなか」「怖いのは分かっとるさい。上が認めたからしょうがなか~」…この日も不安の声ばかりであった。

 「原発はいらん!」「ここは原発からたった10キロもなか。事故が起きたらもう逃げられん」「自然がやられるけん、第一次産業はもうだめんなる。子どものことが心配」。農道で出会った80代のおばあさんは、「逃げんよ、逃げらるんもんね、こげな道ば…そこん丘に上がってみんね。あっちからいつでん風の吹いてきようと…ガンの多かとも知っとうくさ」。

 

(2)唐津市内(201712月2日)

 中学生「この唐津を無茶苦茶にしないでほしい。原発反対です。」

 

(3)馬渡島(2017年3月26日)

 島の人たちは、チラシを喜んで受け取ってくれた。「原発は反対。こんな遠くまで来てくれてありがとう」「原発はなかほうがよかさい」「時間があったらもっと話聞きたか~」。また、「避難訓練はあっとるが、坂ばかりで避難場所ていうても行かれん」「事故はいつ起こるか分からんやろ。夜は漁に出て元気な男はおらんよ」「避難は、定期船でピストン輸送と聞いとるが、本当に事故になったら、みんな自分の船で逃げるさ。でも問題は、唐津の港に船をつなぎとめる“もやい”が足りん。上陸でくんもんね」「避難先の江北町までバスで避難訓練したことはあるが、一番問題は島を出ることができるかどうかさい」。高齢者が多い離島の深刻な問題である要援護者問題について聞いてみると、「具体的な話はまったくきてない」。

 

(4)神集島(2017年5月29日)

 「電気は足りとるし、事故が起きれば逃げられん、どがんもされん。10分で放射能が来る」「原発に賛成する人はおらんが、(悩んだ顔して)反対ばかりもできんさ…」と、みな原発の被害を受けるのは自分たちだということをしっかり分かっていた。しかし、島民の中には、玄海原発の下請け会社に勤めている人もいて、「原発いらんと言われん」「島の人と原発の話はしない」と話せないようであった。声なき反対の声は至るところで感じた。原発を生活圏の中に感じながら暮らす住民の声であった。

 「先日、50年ぶりの大火事があり、住民でつくる消防団で消火活動にあたった。風が強くて、隣の家まで焼けた。朝で、男たちが漁に出る前で、人がいたからまだよかった。火事があっても消防車があっても若いもんがおらん。消火活動ができんのよ」「原発事故が起きても、市職員さえいない島では、すべて島民自身がやらなければならない」。

 

(5)伊万里市(2016年7~9月)

 漁業者「事故になったら全部だめになる」。話題が福島の帰還政策のことになると、「この国の官僚や議員たちの半分でも福島で暮らしてみろ!と言いたい」「ドイツも福島後に原発をやめた。日本も当然そうすべきだ。他のエネルギーをどんどん進めればいい」「事故は誰も責任とってないし、終わってないもんね」。

 

(6)玄海町(2012年4月28日~2013年2月23日)

 「福島の犠牲を見てやっと分かった。今となっては反対」「原発のことは話したくない。そんなこと話したらおおごと(一大事)になる。孫たちもいるから、ないほうがいい」「電気が足りれば原発ないほうがよい」「福島のような事故が玄海で起きたら、私たちはもう逃げられん。福岡に出た息子や孫にここに帰ってこいとは言えない」「この地区では、本音で言うことはできない」「とにかく偉い人の言うとおりにしかならん」「国が大丈夫と言うなら、避難道路なんていらないはず!国や行政は矛盾している」「福島の放置された牛の映像を見た。自分も牛を飼っている。なんとも腹立たしい」「放射能は目に見えん、感じらん、逃げられん。事故があったら、金も農地も故郷も失ってしまう。何にもならん」「今日は避難訓練しとるがバカげている。事故の訓練をしてどうするんだ」「町民会館ができるまでは、カブトガニがぞろぞろいた。あさり、ホージャもいっぱい採れていた。なんもかんもおかしい」。

 

  これは、ほんの一部である。

 このほか、加唐島、長崎県鷹島、糸島市、佐賀市内など、これまでいろいろなところで戸別訪問をしながら住民の話を聞いてきた。これが、住民の生の声である。原発のことについて、県民の理解は得られていない。事実を知らされてさえいないのが現実である。玄海原発で重大事故が起きれば、九電のために住民は否応なしに被害だけを負わされる、理不尽きわまりない悲劇が起きる。被害は、地元玄海町にとどまらず、佐賀県内はもとより世界中に被害が拡大することであろう。今を生きる大人の判断が問われている。

 原子力規制委員会の更田豊志委員長は、安全性について、「リスクゼロを保証するものではない」と答えている。原発は、事故大前提なのである。「国の審査を通っているから安全だ」という山口知事の判断は、佐賀県民を安心させるものではない。私たち県民は、原発事故で放射能被害にあってもいいとは言っていない。知事は、公式サイトの中で「山口よしのりの考え」として「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」を掲げている。世界に誇れる佐賀、それは大自然を残すということである。原発事故は、何ものにも代えがたい自然を壊すものだと東京電力福島第一原発事故が教えてくれたのではないか。7年経った今も核燃料がどのようになっているかさえ検証できず、ロボットさえ使えない状況である。今も原子力緊急事態宣言発令中である。

 知事は、玄海原発の再稼働問題に関し、「広く県民の声を聴く」として、昨年「広く意見を聴く委員会」を3回、県内5か所での「県民説明会」を開催したが、参加者からは「再稼働反対」や「慎重に」という意見が相次いだ。知事は、九電に対し、「嘘をつかない」と約束を交わしている。このことは、知事自身が県民に対しても守ることであり、県民の真の声を聞くべきである。守るのは、九電や国ではないはずである。

 2017年4月13日の県議会決議文に、「玄海原子力発電所の再稼働を求める声を多く耳にし、再稼働やむなしということについての県民理解は進んでいると考えるものの、安全性への不安の声や再稼働に否定的な声など、様々な意見があることは十分に認識しており、これを重く受け止める」とあるが、「やむを得ず再稼働」ということは、上記に述べている人々の不安は切り捨てられたことになる。

 住民の命と暮らしと安心を守っていくのが政治でなければならないはずである。県議会の責任も重大である。

 これらの趣旨から、以下のことを請願する。住民の気持ちに立って受け止めていただくようお願いする。

 

【請願事項】

1.原発に対する住民の不安を切り捨てないこと

2.県議会として、山口県知事の玄海原発3・4号機再稼働同意の撤回を求め、再稼働を認めないこと

 

    平成30年3月6

 

    佐賀県議会議長 石倉秀郷 様

 

    請願者 佐賀市伊勢町2-14

                玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会 代表 石 丸 初 美 ほか2人

    紹介議員 武藤明美、井上祐輔

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