「宝の海有明海」 は古くから漁業が営まれ、 沿岸住民はもとより広く国民にとっても大事な食糧を供給し続けてきた。 この有明海を子々孫々にまで豊かな海として守り伝える責任を私たちは持っている。 しかしながら、 近年の漁獲高は減少し、 有明海に異変が起きていることを物語っている。
漁業への影響はないとして平成元年に着工された諫早湾干拓事業であったが、 平成9年に潮受け堤防が締め切られて以来、 有明海の環境は変わってきた。 タイラギ貝の大量弊死やプランクトンの異常発生による赤潮の多発、 さらにはノリや魚介類が壊滅的な状況に追い込まれ、 関連業界や地域経済にも影響は深刻かつ重大である。 この中でとりわけ漁民の生活は困窮を極め、 不安を募らせている。
有明海の再生を目指して発足した第三者委員会は、 一応の方向性を示したものの、 農水省の対策の内容やスケジュールなどは何一つ具体化されず、 沿岸漁民の不安は全く解消されていない。 このままでは有明海の漁業は存亡の危機にさえ陥りかねない。
よって、 国会及び政府に対し、 有明海再生のために次のことを求めるものである。
1 . 諫早湾干拓の潮受け堤防の排水門を開放すること。
2 . 諫早湾干拓事業の工事を中止すること。
3 . 有明海再生のための抜本的振興策を実施すること。
以上、 地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成13年7月 日
佐 賀 県 議 会
衆 議 院 議 長 綿 貫 民 輔 様
参 議 院 議 長 井 上 裕 様
内閣総理大臣 小 泉 純 一 郎 様
農林水産大臣 武 部 勤 様
国土交通大臣 扇 千 景 様
環 境 大 臣 川 口 順 子 様
水 産 庁 長 官 渡 辺 好 明 様
以上、 意見書案を提出する。
平成13年7月4日
提出者 武 藤 明 美 宮 崎 泰 茂
佐賀県議会議長 宮 原 岩 政 様
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