議案等の審議結果
意見書案と採決状況
意第9号
可決
地方財政の充実・強化を求める意見書(案)
地方自治体は、子育て支援、医療、介護などの社会保障、被災地の復興、環境対策、地域交通の維持など、果たす役割が拡大する中で、人口減少対策を含む地方版総合戦略の策定・実行など、新たな政策課題に直面している。
一方、地方公務員をはじめ、人材が減少する中で、新たなニーズへの対応が困難となっており、公共サービスを担う人材確保を進めるとともに、これに見合う地方財政の確立をめざす必要がある。
このような中、社会保障と地方財政を重点分野とした歳出削減に向けた議論がなされている。特に、今年度から開始された「トップランナー方式」の導入に当たっては、地方の行政コストの差が歳出削減努力以外の要素によるところが大きいことを考慮すべきと考える。
本来、必要な公共サービスを提供するため、財源面でサポートするのが財政の役割である。しかし、財政健全化目標を達成するためだけに、不可欠なサービスが削減されれば、本末転倒であり、国民生活と地域経済に疲弊をもたらすことは明らかである。
このため、2017年度の政府予算、地方財政の検討に当たっては、歳入・歳出を的確に見積もり、人的サービスとしての社会保障予算の充実、地方財政の確立をめざすことが必要である。
よって、国会及び政府に対し、以下の事項の実現を求める。
記
1 社会保障、被災地復興、環境対策、地域交通対策、人口減少対策など、増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、これに見合う地方一般財源総額の確保を図ること。
2 子ども・子育て新制度、地域医療構想の策定、地域包括ケアシステム、生活困窮者自立支援、介護保険制度や国民健康保険制度の見直しなど、急増する社会保障ニーズへの対応と人材を確保するための社会保障予算の確保と地方財政措置を的確に行うこと。
3 地方交付税における「トップランナー方式」については、算定や他の業務への導入の検討に際して、地方の行政コストの差は、人口や地理的条件など、歳出削減努力以外の要素によるところが大きく、一律の行政コスト比較にはなじまないことに十分留意すること。
4 復興交付金、震災復興特別交付税などの復興に係る財源措置については、復興集中期間終了後の2016年度以降も継続すること。また、2015年の国勢調査を踏まえた人口急減・急増自治体の行財政運営に支障が生じることがないよう、地方交付税算定のあり方を引き続き検討すること。
5 地域間の財源偏在性の是正のため、地方偏在性の小さい所得税・消費税を対象に国税から地方税への税源移譲を行うなど、抜本的な解決策の協議を進めること。
同時に、各種税制の廃止、減税を検討する際には、自治体財政に与える影響を十分検証した上で、代替財源の確保をはじめ、財政運営に支障が生じることがないよう対応を図ること。
6 地方財政計画に計上されている「歳出特別枠」、「重点課題対応分」及び「まち・ひと・しごと創生事業費」については、自治体の財政運営に不可欠な財源となっていることから、現行水準を確保すること。また、これらの財源措置について、臨時・一時的な財源から恒久的財源へと転換を図るため、社会保障、環境対策、地域交通対策など、経常的に必要な経費に振り替えること。
7 地方交付税の財源保障機能・財源調整機能の強化を図り、市町村合併の算定特例の終了を踏まえた新たな財政需要の把握、小規模自治体に配慮した段階補正の強化などの対策を講じること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成28年 月 日
佐 賀 県 議
会
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
衆議院議長 大島 理森 様
参議院議長 山崎 正昭 様
財務大臣 麻生 太郎 様
総務大臣 高市 早苗 様
経済産業大臣 林 幹雄 様
内閣官房長官 菅 義偉 様
内閣府特命担当大臣 石原 伸晃 様
(経済財政政策)
内閣府特命担当大臣 石破 茂 様
(地方創生)
以上、意見書案を提出する。
平成28年6月28日
提出者 留 守 茂 幸 石 丸 博 石 井 秀 夫 木 原 奉 文
稲 富
正 敏 竹 内 和 教 中 倉 政 義 藤木 卓一郎
石 倉 秀 郷 桃 崎 峰 人 土 井 敏
行 指 山 清 範
大 場 芳 博 岡 口 重 文 原 田 寿 雄 徳 光 清 孝
宮 原 真 一 坂 口 祐 樹 藤 崎 輝 樹 向 門 慶 人
米 倉 幸
久 八 谷 克 幸 定 松 一 生 川 﨑 常 博
江 口 善 紀 古 賀 陽 三 井 上 常
憲 池 田 正 恭
野 田 勝 人 中 本 正 一 西久保 弘克 木 村 雄 一
青 木 一 功
佐賀県議会議長 中倉 政義 様