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吉野ヶ里遺跡の発掘調査で、佐賀県初となる古代の青銅製の「権(けん)」が発見されました

最終更新日:

記者発表ヘッダー


令和4年11月11日

文化・観光局 文化課 文化財保護室

担当者 長﨑、渋谷、細川、白木原

内線:3343  直通:0952-25-7233

E-mail:bunkazaihogo@pref.saga.lg.jp

 

吉野ヶ里遺跡の発掘調査で、佐賀県初となる古代の青銅製の「(けん)」が発見されました

佐賀県では、令和4年(2022年)9月25日から吉野ヶ里遺跡の本格的な発掘調査を実施していますが、包含層(ほうがんそう)から奈良時代頃の青銅製の(けん)棹秤(さおばかり)のおもり)が出土しました。

権画像

 佐賀県では初めての発見であるとともに、神埼郡衙が所在したことを窺わせる重要な資料です。

 詳細は下記及び別紙のとおりです。


 

1 出土資料の概要

青銅製の権 1点

残存高 2.9cm、笠部最大径 3.4cm、台部径 2.5cm、台部高 0.5cm

鈕残存高 0.2cm、重量 82.541g

・笠部は断面三角形の稜で八分割される。各稜の間に2条の小さい稜を挟む。

台部は低い円柱状で、中心よりややずれる。鈕は欠失している。

 

2 出土した日  令和4年(2022年)10月20日(木曜日)

 

3 出土地点

  日吉神社境内地跡(神埼郡吉野ヶ里町田手字四本杉)

  ・日吉神社境内地の参道跡に近い丘陵裾部

  ・遺物包含層(弥生時代から古代の土器等が出土する層)

    ※発掘調査体験会参加者が、発掘し易いように地面を整備する作業中に出土。


4 出土資料の時期  8世紀(奈良時代頃)

 

5 出土例

県内  古代の金属製の権としては県内初出土。

      (※石製の権の出土例は確認されています)

  県外  大宰府条坊跡第089次調査(福岡県太宰府市)

竹松遺跡(長崎県大村市)ほか

 

6 発見の意義

古代から中世にかけての権の材質には、石製、土製などが多くみられるが、金属製の権については出土例が限られており、国内で50例ほどが確認され、九州地方では10例目、佐賀県では初めての発見となる。

  今回出土した青銅製の権は、奈良時代の官道跡や建物群跡に近接した場所から出土し(出土地点から古代官道跡まで約100m)、建物群と同時代のものと判断できる。

  奈良時代の金属製の権は、大宰府をはじめ、平城京、藤原京、国府その他地域の官衙や拠点と推定される遺跡から出土している。

  吉野ヶ里遺跡では、かつての調査で日吉神社境内地跡の北側に延びる丘陵を中心に奈良時代の多数の掘立柱建物跡をはじめとする遺構や、木簡や墨書土器、硯などの遺物が確認されており、この地が神埼郡衙の所在地である可能性が指摘されている。

  今回出土した権は、神埼郡衙推定地に隣接した場所から出土し、さらに同じ時代のものと判断できることから、吉野ヶ里遺跡に神埼郡衙があった可能性をさらに高めるものとして重要な資料と考えられる。

 

7 その他

(1)速報展示会

  期日:令和4年11月20日(日曜日)から11月28日(月曜日)まで

  場所:吉野ヶ里遺跡展示室(国営吉野ヶ里歴史公園内)9時~17時

     ※観覧料無料。ただし、吉野ヶ里歴史公園の入園・駐車料金が必要です。

 (2)情報発信

  詳細な情報は、公式ホームページ「ナゾホルよしのがり」でも確認できます。

     ナゾホルよしのがりURL https://yoshinogari.fun/別ウィンドウで開きます(外部リンク)



添付資料



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