竹屋 最終更新日:2018年5月29日 第2016-2号 竹屋 【唐津市中町】 概要 遺産にまつわる物語 竹屋は江戸時代から続く屋号で、刀研ぎ・漆屋(鞘の細工など)を営んでいたが、明治の廃刀令によって職変えを余儀なくされ食堂を始めた。その中でも松浦川で獲れたうなぎを使った料理が好評だったため、明治10年頃よりうなぎ料理専門店となった。 竹屋の家主である大木家は、唐津焼の名匠である中里家や炭鉱王として知られる高取家、佐賀銀行の前身であり旧唐津銀行を創設した大島家などとも親交があり、店内には関連する焼き物や書額などが多数残っている。 建物の特徴 大正12年(1923)に当時は珍しい木造3階建てに建て替えられ、増築は数回行われたものの、内観、外観とも当時の様相を残しており、歴史的な佇まいを今に引き継いでいる。玄関や2階の上り口には松の大板、2階・3階の廊下の一部にはみちのく桜の大板を使用しており、材料の選択にも注を注いでいる。平成10年に唐津市で最初の国登録有形文化財となっている。 保存や活用の取組 創業時は天然うなぎを使用していたため、冬場は漁量の減少により鶏のすき焼きや水炊きなどの鍋料理を出していた。今でも冬季はなべ物も提供するなど、現在も創業時の手法・スタイルのまま、うなぎ料理を提供しており、2代・3代にわたってのお客様も少なくない。最近では3階の広間で、ライヴや大正・昭和のアニメーションの上映、活弁イベントなども開催している。 アクセス